DURAハブを使ったホイールからハブを取り出しカーボンホイールを作るというご依頼を受けました。
DURAハブは前後とも7700の旧タイプのハブです。旧といいましても性能は逆に現行より優れている面があるのです。まず仕上げが美しいです。ハブの構造は10速用です。現行の11速よりギア1枚少ないのですがオフセット値から見ますと旧タイプはギア1枚分少ない分スポークの左右テンション差は少なくできます。つまり駆動効率は高いというわけです。トレードオフの関係です。11枚のギアがいらない人には10速のほうが効率の良いホイールを使えます。
カーボンリムはアルミリムより剛性が高いです。リムは体重の影響で地面部分が凹みながら回転しています。剛性が高いということは凹みが少なく真円状態に近い形で回転するので駆動ロスが少ないわけです。アルミリムで走っていた人がカーボンホイールに替えて走りが良くなったといわれる由縁です。軽くてアルミより剛性が高いのでカーボンがいいといわれています。
お客様はいつも六甲山に上っておられるクライマーなので空力も大事ですがそれ以上に高剛性をご希望でした。ブレーキシューがリムに触れることなくぐいぐい進んでいくホイールを好まれています。
当初はスポークをLaserでご提案していましたがより剛性を上げるということで前後ともに1.8mm径のコンペティションをご希望されました。32hありますので1.5mmのスポークでも剛性は得られるのですがそれ以上の硬さを選ばれています。
リムメーカーは2mmのスポークは硬すぎてリムを壊す恐れがあるということで1.8mmまでのスポークを推奨しています。今回のホイールはメーカー指定の最大1.8mm径スポークで組み上げています。
リムは穴なしリムで作っています。穴なしのリムはホイールを作るには難易度が高いリムです。しかし剛性面、運用面から見ますとテープがいらないリムは容易にチューブレスホイールとして楽しめます。
出来上がりましたホイールは32本のスポークでガチっと組めています。スポークを握っても緩いという感じがしません。加えてスポークテンションはバラつきなく揃っています。振れの出にくいホイールに仕上がりました。クランクから伝わる力もロス少なく伝わります。
銀色のハブ、スポークの多スポークカーボンホイールはあまり見かけることがありません。お客様のクロモリフレームによく似あいます。お客様のインプレが楽しみです。