ロードバイクの科学を再読

2008年4月30日発行

もう13年前になります。この本を書店で見つけたときは感激しました。理屈がわかればロードバイクはさらに面白いと!コメントしてあります。実際、楽しく何度も読ませていただきました。特に155ページ以降の自分でホイールを組むヒントは特に面白かったです。

一番面白かったページです

もうこの時はある程度ホイールを組むことができていましたので理論的なことを吸収するのにとても勉強になりました。今や手に入りませんので古本屋で見つけるか図書館であれば借りられたら良いかと思います。

170ページにスポークにかかる力と張力設定について解説してあるページがあります。作者の藤井さんはエンジニアなので本当に難しいことをわかりやすく説明していただいています。

リアのテンション設定は120kgfにしていると書かれているのですが経験豊かな方なのでこの辺りは経験での値のようです。理論と経験がうまく絡まってとても面白い読み物となっています。

 

ページを戻しますが161ページからはホイールの製作手順を説明されています。本当にわかりやすい説明です。

うんうんとうなずきながら読んでしまいます。

 

何度も読んで勉強させていただきました愛読書ですが1点だけ気になる点があります。

164ページにスポークテンションを調べるテンションメーターにパークツールのテンションメーターを勧められておられます。愛用の道具で買ってよかったものの一つと書かれています。安価で便利な道具です。

当時私もこの記事を読みましてこれは間違いなく私も同感です。テンションメーターを既に私も持っていましたのでうれしく思いました。

 

しかしその後海外の有名ビルダーの記事を読みましてわかったのですがこの道具はとても便利な道具ですが正確ではありません。新品のホイールを買った時にスポークテンションを測っておいてホイール使用後にスポークテンションをもとに戻すときに使うものです。つまりスポークテンションを示す値は正確ではありません。20%くらい狂っているTM-1はざらにあります。輸入元のホーザンさんの担当の方が話していました。電話して確認しました。

 

何度もスポーク折れを経験されている方はバラバラのスポークテンションのホイールだと思います。

ひょっとしたらこの正確でないテンションメーターを信じてホイール作りされているのかもしれないなと思います。

仮にドライブサイドを120kgfで作っても今の11速のハブでは後輪左サイドが右の40%のハブなど沢山あるのが現実です。120kgfの40%で48kgfです。この2割狂っているとして約40kgfです。このテンションでばらつきが20%あれば30kgf近いゆるゆるのスポークがあることも考えられます。握って何キロとわかる人はまずおられません。

この本からJIS規格では最低張力が平均400N(41kgf)ということも学びましたがJIS規格以下のホイールもありうる話と感じます。

 

関西人は話の落ちを求めてしまいます。

 

ロードバイクの科学を楽しく再読して、テンションメーターは校正が必要です、はあまり良い落ちではありませんがこの本を読める機会があれば是非ともお勧めしたいです。ホイール作りに理論武装ができます。

バイスの変遷

15年ほど前ですがホイールのハブをさわるのにバイスがいることがありホームセンターで求めました。小さなバイスを購入したのですがこれはこれで便利で役立ちました。

使っている間にベアリングもさわるようになりもう少しがっしりしたものが欲しいと大きいバイスに買い換えました。

二つバイスがあればバイスとバイスの間にスポークを引っ張ってスポークテンションを測る計測装置にもなるかなと思って購入しました。

左から順番に大きくなりました

このバイスもそれなりに役立ったのですが本格的にベアリング交換やちょっとした作業にやはりベンチバイスが必要ということが分かり大きなバイスを購入しました。口幅は100mmです。もっと大きなバイスが必要なことはまずないのでこのサイズで十分ですがこれなら最初からこれにしておいたらよかったと思います。15年かかりました。

 

ベンチバイスは固定式ですので取り付ける場所も選びます。私の作業場では固定するテーブルに穴をあけるのを躊躇いました。窮余の策で考えたのが万能作業台に取り付ける方法です。作業台の真ん中に適当な板を挟んで穴を一つ開けます。もう一つの穴は作業台の最初から開いている穴を利用しています。バイスは本来3か所を固定するようになっていますが2か所の固定で済ましています。こうしておけばテーブルを畳むこともできます。スペースの節約です。バイスの2か所固定で不足はありません。十分役立っています。

もうこれ以上の大きいバイスはいりませんが最初からこの大きいバイスにしておけばよかったと思っています。

親しくさせていただいているお客様より工具のアドバイスがありました。中途半端な道具は結局使い物になりません、という忠告いただいたことがよくわかります。

広い場所が最初からあればこんなにいろいろ買う必要はなかったのですが今から考えますとそれなりに工夫しています。職人さんは自分の道具を作って仕事をしていると良く聞きますがその意味では私も職人さんです。

前輪46㎜高、後輪56mm高カーボンホイールのインプレ②

一月末のインプレ記事の継続版です。

お納めしましたカーボンホイールを少し乗り込まれた感想を再度聞かせていただきました。リムはニップル穴のないリムを使っています。リムテープがいらないチューブレスホイールです。

製作の私としましてはとてもうれしい話です。

56㎜高リム使用 8:16ハブ
後輪スポークテンショングラフ
46mm高リム使用 DURAハブ18h
前輪スポークテンショングラフ
バイテックス BX301 8:16
DURA HB9000 18h

あれから何回も乗りました。

やはり良すぎます。

 

ホイールのネガな部分が無く(0発進のもたつき)なおかつ空力の良さで急斜面の登り以外でのシチュエーションでのアドバンテージがかなり大きいです。

 

とりあえず非の打ち所が無いホイールですね。

これでさらに軽かったらどうなることやらって感じです。

 

やっぱり2対1で組んだ効果とあのハブの性能が良いのですかね?ラチェットのノッチ数も多いのでかかりがいいと思います。

 

以上のインプレをいただきました。

 

ホイールはとても良い印象のようです。乗り手がFTP300の力のある方ですのでどの方にもお勧めはできないと思いますがこうした生の声を聴かせていただくと大いに参考になります。

BX301 爪が6個あります

バイテックスのBX301 8:16ハブを分解してみました。なるほどフリーの爪は6個あります。ちなみにノバテックは4個です。2個の違いがどう影響するのかはっきりと私にはわかりません。

ノバテックハブ 爪が4個あります

1:1組のハブではよく使うノバテックハブで好結果が出ています。センターオフセット値ではバイテックスよりもノバテックのほうがいいのでスポークテンション比率は若干ノバテックのほうが勝っているのです。

今回のホイールは2:1組の方法で組んでいますのでテンション比率に於いて左右の差が少ないのが大きく寄与していると思われます。左を約90kgfで引っ張っています。右は130kgfくらいで引いていますが握っての感触はラジアル組の左側が強く引いている感じがします。

私の印象は次の通りです。

よく走る原因は先ずはエンジンですね、FTP300はなかなか出せません。

リムの剛性が次にあげられると思います。やはりカーボンリムは剛性が高いです。つまり駆動ロスが少ないということです。あとは空力です。高速域でのエアロ効果は大きいと思います。最後に作り手も少しは貢献していると考ます。

ホイール作製のアイデアはオーナー様と相談しながら決めました。とてもいいホイールが出来上がったと思っています。

ホイール再調整のご依頼②

先日銀輪ホイールをご注文いただきましたお客様より再度のホイールチェックをご依頼いただきました。ホイール調整は2セット目になります。

4年ほど前にプロビルダーさんにオーダーされた銀輪ホイールの再点検です。

カンパハブ使用 36hホイール

わざわざビルダーさんへ持参しなくても私のほうで調整出来るとご判断いただいたようです。

お預かりホイールは次の通りです。

前輪 842g

前輪

リム マビックオープンプロ36穴

ハブ カンパハブ

スポーク コンペティション シルバー左右3クロス組

ニップル DTアルミニップル

後輪 987g

後輪

リム マビックオープンプロ36穴

ハブ カンパハブ

スポーク 右ドライブ側 コンペティション シルバー 2クロス組

スポーク 左ノンドライブ側 コンペティション シルバー4クロス組

左サイドにソルダリング

ニップル DTアルミニップル

私のほうではお預かりしましたホイールはいつもスポークテンションを調べます。下図のグラフが前後輪のテンショングラフです

縦ブレ横ブレはほとんどない 強弱強弱という形でバランスが取れている
縦ブレ横ブレはほとんどない 強弱強弱という形でバランスが取れている
右サイドで計測 7.83mm
左サイド 7.85mm センターの誤差はほとんどない

ホイールの縦ブレ横ブレはしっかりとれています。上写真の通りセンターも驚くばかりの真ん中です。ニップルはアルミニップルですので長めのスポークでニップルのすり割りを突き抜けて作られています。このように少し長めにするとニップルの頭が飛ぶ心配はいりません。アルミニップルの弱点をよく知っておられ、扱いなれた方です。

アルミニップルの弱点をよく知っておられます。長めのスポークがいいと思います。
とてもきれいなソルダリングです。

後輪は左4クロス右2クロスと凝った組み方をされています。左スポークにはとてもきれいなソルダリングを施されています。これだけきれいにソルダリングできる人は少ないと思います。クロモリロードにはぴったりに美しいホイールです。

組んである状態ですのでハブのサイズが正確にわかりません。このためほぼ同等のシマノハブで後輪スポークテンション左右比率を計算してみたいと思います。

あくまで計算上の理論値です。後輪は左4クロス右2クロスで組みますと理論値では左52:右100の比率で組めます。通常の左右3クロスなら49:100、左3クロス右2クロスなら50:100の比率です。左サイドのスポークテンションは49,50,52と約1%刻みで改善されます。大幅な改善とみるか、なんやそれだけとみるかは個人の感じ方です。私は大きな改善とみています。

オーバーラップ状態

こうしていろんな36穴リムでのクロスパターンを仮定しますと左4クロス右2クロスは一番高い比率で組めます。しかしこのハブで4クロス右2クロスを組みますと左スポークは計算値ではオーバーラップしますのでは一般的には行いません。

後輪左側のスポークはオーバーラップ

オーバーラップとは写真のようにスポークが重なり合うことです。スポーク同士が接触しあう組み方ではスポークが曲がって干渉しあうことがあるのでお勧めしないといわれています。私はやったことがないので良いのか悪いのかはわかりません。

調整後の左テンションの計測値は約52kgf:123kgfで仕上がっています。11速に伴ってハブオフセットの値が大きい最近のハブでは左スポークテンションがとても緩い仕上がりになりますのでこの実測値は高い仕上がりと考えます。

お預かり時の後輪スポークテンショングラフ

お預かり時の各スポークテンションを調べますと上図のテンショングラフになります。グラフで見るととても分かりやすいです。スポークテンションは強弱強弱と波打ちながらもきれいに振れ取りが出来ています。振れはほとんどありません。これだけきれいに振れ取りをされていていれば通常ならOKです。

センターは0.1mmの以下のずれ、優秀です
センターは0.1mmの以下のずれ、優秀です

このホイールはとてもきれいな仕上がりですのでスポークテンションが揃っていないのは残念です。

いつも各スポークテンションの偏差を5%以内に収めていますのでオーナー様はこのホイールのスポークテンションがもっと揃うようにということで今回依頼されました。

各スポークテンションを揃えて且つ振れを最小になるように再調整終わったグラフが下図のグラフです。

スポークテンション調整後の前輪      左100kgf右100kgfで仕上げました
スポークテンション調整後の後輪左52kgf右123kgfで仕上げました

どのくらいパフォーマンスが上がったかを感じ取ることは低速時では難しいと思いますが各スポークのテンションがほぼ同じに引っ張っていることにより高速時では違いがよくわかると思います。可視化しますとよくわかります。スポークテンションの均一化はとても大切です。

今回はいろんなホイール、自転車を乗ってこられた目の肥えたユーザー様に信頼を得たことがとてもうれしいです。

テープ選びにてこずる②

先日DTリムのテープの記事を書きましたところベテランライダーの先輩方よりこれがいいですよと連絡いただきました。ホイールお納めいたしました方々です。仲良くさせていただいています。

 

皆さんいろいろ経験され試された結果です。大いに参考になります。

BBBのホームページより リムテープ4m長

ブログ見ました。DTのリムに合うテープは、BBBの黄色いのは、剥がれにくいです。自分は、最近 ポリミドテープを二重にして プラスチックのヘラで ナメすように貼り その上から クリンチャー用リムテープで押さえる(重くなるけど安心)で、成功しています。クリンチャー用リムテープは、何度か使えます

 

別のお客様からご連絡いただきました。

 

DT-SWISではリムテープ幅を「リムの内幅 +2mm」で推奨しています。

アールの部分まで出ないということに意味があるのかもしれませんね。

 

このように教えていただきました。皆さんいろいろ試されてご自分にあった方法を見つけておられます。

 

私のテープ巻きでは2重に巻くときは1回目、2回目と分けてその都度切って巻くようにしています。どうしても連続で2回巻くと一回目の巻き方が不十分な巻き方になるので一回ごとに切ってみようと思いやってみると案外きれいに巻くことができました。なんでもないことなのですがちょっと工夫するとやりやすくなります。

 

ある方からは、チューブレスで乗ると乗り心地がいいのはよくわかるのですが乗っている途中でパンクすると手がベタベタになるのが困ります、パンクは後輪が多いので簡単にパンク修理ができるクリンチャーにして前輪をチューブレスにしています、と教えていただきました。

それもアリやな!と感心しました。。

皆さんいろんな経験からオッと思うような工夫をされていることがよくわかります。これいいよ!とシェアできればいいと思います。

ピストホイールのご注文

以前DTリムRR411のリムを使ってピストホイールのご注文いただきました。

お客様よりマビックOpenproチューブラーリム32h、シマノDuraトラックハブを使ってのピストホイール作製のご依頼です。2本目のご注文です。ハブとリムはお客様よりお持ち込みです。私はスポークの提案を行いました。。

リピートのお客様は正直うれしいです。前回お納めしたホイールがご希望を裏切っていない証拠ですのでありがたいです。

さて、スポークはコンペティション、CX-RAY、Laserの3種類から選択することになりました。それぞれのスポークには特徴があります。しっかりしたメーカーの品物ですのでどれを選んでもいいホイールが出来るのですが前回はコンペティションでしたので今回はLaserかCX-RAYです。

後輪
前輪

価格的にはCX-RAYはLaserの約3倍です。空力、強度、扱いやすさ、どれもトップランクです。もちろん価格もトップです。ではLaserは劣るのかとなりますとほんの少し空力に於いてCX-RAYと比べますと劣ります。あるホイールメーカーが風洞実験を行い1Wの違いがあると調べました。

1Wですので大きいと取るかほとんど変わらないと取るかです。0.1秒の差で勝負が決まる場合はCX-RAYかもしれません。もともとLaserはCX-RAYの扁平前のスポークですので強度や空力にはCX-RAYと比べて少し劣りますがとても優秀なスポークであることに変わりありません。

ただLaserはビルダー泣かせのスポークであることには間違いないです。サピムのホームページでも熟練の人でないと難しいと書かれています。CX-RAYはスポークホルダーを使えば楽に組めますのでビルダーはお客様にCX-RAYがいいですよというのは当たりまえです。あまりにCX-RAYを勧めるビルダーは要注意です。

 

私はどちらでも組めますのであくまでもお客様志向でお勧めしています。両方の利点欠点を説明しています。

 

少しでもパフォーマンスの良いホイールがいいとおっしゃる方もおられます。キラキラとスポークが光るのはCX-RAYシルバーですが私はLaserが渋くて好きです。

果たしてお客様は渋好みでした。好みが一致しました。当初ご連絡いただきました時はCX-RAYをご希望でしたがいろいろご説明を繰り返すうちにLaserを選ばれることになりました。

組み方では後輪をJIS組、前輪はイタリアンで組んでいます。いつものことですがスポークテンションはできるだけ揃えるように作製しています。

後輪 862g
後輪スポークテンショングラフ
前輪 759g
前輪スポークテンショングラフ

 

ホイールには作業仕様書というほどではありませんがスポークテンショングラフを一緒に納品しています。どのお客様もこのグラフで安心していただいているようです。わかりやすいので可視化は大切です。

前回はクリンチャーで今回はチューブラーホイールです。また違う乗り味なのでインプレが楽しみです。

ホイールの手軽なアップグレード

今回はお客様よりわかりやすく箇条書きで教えていただいた注意点を参考にしまして記事にしています。ご存知の方はなんや~という記事ですがどなたもビギナーの時があります。

ホイールにはリムの剛性、ハブ、スポーク、タイヤと4つの要素を組み合わせて作りこみますがあとで修正が利くところはベアリング、スポーク、ニップル、タイヤです。

スポークも取り換えることはできますが最終の手段です。ニップルもいったん決めるとあまりさわりません。こうなるとベアリング、タイヤとスポークテンションが大きく寄与すると思います。この3つの中ではベアリングは簡単な人には簡単、難しい人にはむずかしいです。こうしてみていきますとタイヤとスポークは後で修正しやすいです。

先ずスポークテンションの均一化はお金のかからないアップグレードです。ただ、むずかしいのが難点です。

費用のかからない調整がもう一つあります。

クロスバイクのホイールにもバランス調整をしています。ロードバイクに負けません

ホイールバランスです。完組ホイールではこのバランス調整したリム使っているのをホイールの有利点として謳っているホイールが多々あります。ホイールのウリとして宣伝していますがこれはどんなホイールでも後からできることです。特別なものではありません。

ホイールの回転が止まるとほとんどのホイールはバルブ側が下に止まります。このバルブが時計の3時、9時の位置でもバルブが止まるように重りを取り付けて調整するのです。

ゴルフショップで購入したパター用の鉛板
1円玉 1枚1gです
9時の位置でも止まるように枚数を調整する
必要なグラム数を鉛板に交換

ホイールにはバルブの重量が回転に影響しています。またアルミリムの場合ジョイント側にスリーブを使って接続しているリムがあります。中級リムではほとんどがスリーブジョイントです。このスリーブジョイントのアルミリムではバルブホールの反対側に重さの偏りがあります。

アルミリムではスリーブとタイヤバルブの重量が回転に影響します。溶接ジョイントではバルブ側が回転に影響します。このようにリムの重量バランスが回転に影響与えています。

ホイール回転を円滑にできるホイールバランス調整は簡単にできます。そして効果は大です。

用意するのは1円玉とゴルフショップで鉛板を購入した鉛板です。タイヤが常に止まる位置の反対側に1円玉を1枚、2枚と増やしてバルブが3時の位置でも止まるグラム数になったら一円玉の枚数分が〇グラムですのでアルミ板を〇グラム分切り取ってリムに貼り付けます。これだけです。わずかな費用で済みます。

ホイールの回転調整に数グラムの鉛板を張るだけで明らかに回転は変わります。ホイール回転の音が変わります。

 

通常の自動車のホイールには必ず施されているバランス調整です。自転車も行うべきと思います。

ホイール調整のご依頼

キンリンXR22T/RT20・24hをお買い上げいただいたお客様より今までご使用のホイールの再調整を依頼されました。

ホイールはイーストンのアルミホイールです。最初の状態を知るためにスポークテンションを調べました。

次のグラフが最初の状態です。

お預かり時の前輪スポークテンション
お預かり時の後輪スポークテンション

では先ず前輪について説明いたします。

スポークテンションが数か所大きく違う場所がありました。細かく調整しなおしましたのでグラフはきれいな丸になっています。まあ完ぺきではありませんが使える状態にしました。

修正後の前輪スポークテンショングラフ

 

次に後輪です。

修正後の後輪スポークテンショングラフ

上図が調整後の後輪です。

 

一ヶ所、理由はわかりませんが大きく歪んでいるところがあります。おそらく落車が原因と思われます。振れ取り台のメーターで見ますと1mm以上の凹みがあります。

この凹みが原因で縦ブレ横ブレが起こります。

今回このホイールの再調整では完全な丸にはできません。お預かりの時点では無理やり丸にしようとしていましたので非常に緩いスポークが数か所ありました。これがホイールの性能を悪くしていた原因です。前へ進む力がこの緩いスポーク数本で減じていたと思います。

 

スポークのテンションを調整してリムを丸い状態にすることはできませんので、凹みは凹みと受け入れて調整いたしました。まあ、無視するわけです。そしてスポークのテンション均一化だけを最優先しまして調整しました。グラフで見ていただくとわかりやすいです。ホイールの9時のポイントがへこんでいるのですがスポークテンションはおおよそ均等に張られています。

リムに1mmの凹みがあるのですがタイヤに空気が入りますとわからないと思います。今まで乗っておられたので先ず大丈夫です。

ホイールセンターはハブの設計上どうしても左が緩いので(53kgfまで上げています)リムセンターを左に0.6mm寄せています。つまりスポークを適正値より強く引っ張って調整しています。本来の適正値で調整すると50kgfは大きく下がる数値になりますのでリムが左に寄るのを承知で調整しています。

タイヤがはまりますと0.2ミリほど右に寄りますが、使用時のホイールは少し左に寄っています。しかしこの状態は使えない状態ではありませんので最終的にはブレーキ側で調整することでお願いしました。

 

お届しましてお返事がありました。このホイールは中古品を買われたようです。販売した人はへこんでいることなどはお客様には話していないようです。使っている間に不都合な点がわかられたようです。中古品のリスクは身に染みたとおっしゃっています。見た目だけではわかりません。安すぎるホイールは怪しいです。

中古品マーケットはいろんな媒体で増えていますが自分で直せる人、またメンテができる人のルートを持っていない人は手を出すのは危険です。

ホイール再調整のご依頼

先日、銀輪ホイールのご依頼をいただきましたオーナー様の奥様が所有のホイール調整を依頼されました。

 

ホイールは次の仕様です。

マビックリムの手組ホイール 前輪858g
後輪 1065g

リム マビックリム

スポーク DTチャンピオン 2.0mmストレート

ハブ シマノ前HB5800 後FH5800

ニップル ブラス シルバー

前輪 858g 後輪1065g 前後1923g

 

このホイールはユーザー様のご友人が組まれたホイールとのことです。

 

前輪の振れは±0.2mmの振れでした。とても優秀です。きれいに回ります。

軽いホイールではありませんが見た目はほとんど振れていないクラシックなクロモリロードにはぴったりのスタイルです。

 

ただ奥様は踏んだ時にスピードに伸びがないホイールというご不満をお持ちです。

 

さて、スポークテンションを調べました。下図のグラフが分かりやすいと思います。

お預かり時の前輪スポークテンショングラフ

前輪 左67.8kgf スポークテンションばらつき25.7

右64.0kgf スポークテンションばらつき15.7

お預かり時の後輪スポークテンショングラフ

後輪 左40.9kgf スポークテンションばらつき40.8

右101.8kgf スポークテンションばらつき23.0

 

となります。総じてとても緩い仕上がりです。しかもスポークテンションのバラつきが大きく目立ちます。振れは全くないのにとても残念な仕上がりです。

修正しました。

テンションを上げて均一になるように修正
修正後の後輪スポークテンショングラフ

今まで何回もテンションのバラつきを記事にしてきました。今回も同じ説明の繰り返しになってしまします。

見た目ではホイールの良し悪しはわかりません。きれいに車輪は回っていてもパフォーマンスは全く違います。理由は各スポークテンションばらつきにあります。

スポークテンションがばらついていますとクランクを回して発生した力が各スポークに伝わるまではどのスポークにも同じ力が伝わりますが車輪を回す力はバラバラのスポークで駆動ロスが生じます。スポークの張りは揃っていないといけません。

 

オーナー様が踏み込んでも伸びないとおっしゃるのはリムの剛性が大きく影響しますがスポークの張りが不揃いなのも原因の一つと思われます。

スポークテンションの均一化調整はお金のかからないグレードアップになるのではないでしょうか。ただし経験が必要なのでハードルが高いのが難点です。

テープ選びにてこずる

リムテープの交換を行って感じたことを今回記事にしています。私の経験不足でこの結果になったのかもしれませんが意外と同じような経験を持つ人が多いと思います。

以下DT RR421アルミリムを使ったグラベルロード用のホイールでチューブレスレディーホイールとして取り扱った時の経験です。

 

RR421はチューブレスレディリムなのでチューブレスで使うにはテープを貼って空気止めを行うことが必要です。先ずはテープを貼ってバルブを取り付けます。リムテープは定番の黄色テープを用意しました。。

定番の黄色テープ

リム面をアルコールできれいにふき取り油分を取り除きます。ピンと引っ張りながらゆっくり空気のふくらみを取りながら巻いていきます。指圧をするような感覚です。通り重なる部分を10cmほど取りカットし、千枚通しでバルブ穴のところを突き刺してバルブをセットします。

タイヤは方向がありますので注意が必要です。私は手軽な石ケン水を使っています。タンク付きのポンプで空気を一気に入れますと一発でビードは上がりました。

 

タイヤに書いてあります推奨空気圧まで入れて様子を見ることにしました。

 

4時間くらい経って空気圧は1気圧くらいまでに減っています。残念ながらこれでは使い物になりません。しっかりとテープは注意して貼っています。しかし考えられるのはリムとテープがきっちりと貼れてなくどこかで漏れているのです。

 

どうやら一つのテープでどんなリムでも使えるとはいかないようです。これでなんでも使えるテープはないようです。

ブルーのテープで試してみました

ポリイミドテープとブルーテープ

リムとテープの相性が悪いと考えましてもう一度別のテープで試みました。いつも使うブルーテープです。うまく行きません。次にポリイミドテープを試してみました。

同じ手順でテープ貼りを行いビードも一発で上がるのですが6時間ほどでタイヤはペコペコになっています。これもうまくいきません。

 

DTリムは梨地仕上げのためキンリンリムのようにつるんとしていません。少しざらざらしています。これが影響しているのかなと思います。。なかなかピタッとテープがくっつかないのです。

 

ビードは上がるのですが長持ちしない原因はここにあるとにらんでいます。

リムとテープの相性は相当あるようです。テープ代は結構嵩みます。安価に済まそうといろいろやってみるのですがなかなかピタッと来るものがありません。

 

DTリムにはDTテープがいいのかもしれません。テープ選びはなかなか手強いです。