ホイール作りの参考書

私のおすすめはhttps://www.wheelpro.co.uk/wheelbuilding/book.phpです。

英語ですがとても分かりやすく書いてあります。

世界中のホイールビルダーが褒めている本です。eBookです。9ポンド、約12ドルの値段です。7改訂版が今発売されています。5改訂版でしたらネットで拾えるようです。正規で購入されるとアップグレードができます。私は6改訂版から今の7改訂に至っています。

 

最新版のいいところはストレイトハブについて詳しく説明しています。

この頃は海外通販でストレイトプルのハブが容易に手に入ります。簡単に手に入るのですが使い方が分かりにくいのです。

どういう方法がいいのか迷っていた時に知りえることができとても参考になりました。

https://www.wheelpro.co.uk/spokecalc/

ホームページだけでもストレイトプルハブのスポーク寸法が出せるのですがeBookを読んだほうがよく分かりました。

DTでもスポーク長計算ソフトがネットで使えます。

https://spokes-calculator.dtswiss.com/en/calculator

このソフトもよく使うソフトです。

ストレイトプルのハブもこれで計算できます。しかしこのソフトでもハブオフセットを入力することが必要です。ハブオフセットとは何かを知っていないとだめです。図で説明していますのでなるほどとわかるのですがやはり詳しく知るにはwheelproの解説本を読んだほうがよくわかると思います。

日本のビルダーさんはメシのタネということでネタを明かさないのですが海外のビルダーさんはオープンなのか丁寧に教えてくれます。

アンカーボルトでベアリングを取り出す

ベアリングの取り外しですが私はベアリング取り外しの専用道具を使っていますがアンカーボルトを使ってたたき出す方法があります。これでもやったこともあります。いろんなやり方があると思いますが一例として参考になればということで紹介します。

8mm、16mmアンカーボルト

アンカーボルトはホームセンターで8mm、16mmを買っておきます。数百円の安価な品物です。これが役に立ちます。

ハブ左右のキャップを外しますと中のスペーサーが見えます。このスペーサーは完全に固定されていません。コンクリート用の8mmアンカーボルトでベアリングを叩き出せるように細いドライバーなどで動かします。スペーサーをうまく動かしアンカーボルトを差し込んでハンマーでたたきだします。これ状態をこの文章からは理解しにくいのですが実際ハブの形態を観察するとよくわかります。そうか、これを叩き出したらいいのだなとわかります。1、2回力を入れてたたくと簡単に外れます。今度は反対側です。片方のベアリングを取り出すと中のスペーサーも一緒に出てきますので残っているのはもう片方のベアリングです。16mmのアンカーボルトを差し込んでたたき出します。少々乱暴にしてもつぶれることはありませんので勇気を出してベアリングをたたき出します。ポロっと外れます。

16mmアンカーボルトで反対側を取り出す

ベアリングの圧入には棒状の寸切ボルトを使っています。専用の道具もありますがやることは同じ事なのでホームセンターで寸切りボルト、ナット、ワッシャーを買って安価な自作の道具で圧入しています。ハブ本体、新しいベアリングにはグリスを塗っておきます。押し込むのに20mmワッシャーと外した古いベアリングを使えば新しいベアリングと同じサイズなので楽に均等な力を加えることができます。ゆっくり押し込んでいきます。

圧入用のボルト、ナット、ワッシャー

シールドベアリングを使ったハブはベアリングを取り換えることにより新品に戻ります。ちょっとハードルが高い作業ですがやってみる価値はあります。

 

シマノフロントハブのグリスアップ

約一年前に組んだホイールのグリスアップ行いました。

まだまだ使える状態ですが新しいグリスを購入しましたのでこれを使うとどんな変化が起こるのか楽しみでグリスアップを行いました。

高価なグリス 3ml入り

いろんなブログやユーチューブ、メンテナンス本でやり方を解説していますのでざっと説明いたします。

 

ゴムのキャップを外すのにホーザンのソルダーエイドを重宝しています。これは本来はんだ付けの際に使う用具ですが錐の先などの尖っているものを使えばいいのです。

ホーザン ソルダーエイド

古いグリスをきれいにふき取ってこのグリスを塗ります。3mlで700円ほどのとても高いグリスです。ハブ構造が簡単にできていますのできれいに古いグリスをふき取って新しいグリスを塗りこむだけです。

きれいにしました

あたりの調整はできるだけハブキャップ部分ががたがた動かないようにナットを締めるのですが動き出すギリギリ手前まで締めます。この加減はトライアルアンドエラーです。納得いくまでやってみることです。

 

さあ回転を調べます。

振れ取り台に乗せて回転をみます。スポークに印のテープを貼って一定の力を加えて回転数を数えました。

33,36,32,40,37,37,37,41,37,40回転でした。10回テストして平均回数を出します。平均37回です。

グリスアップ前に回転数を調べておきました。

36、32、37、39、38、45、38、41、43、36回転です。その時の平均回数は38.5回転です。グリスアップしてもほぼグリスアップ前と同じです。

結論です。

とても高価なグリスでしたが回転数は前の状態とほぼ同じ回転数です。3mlで700円のグリスでとても期待していたのですが、この高価なグリスはシマノグリスと回転に関してはおおよそ同じでした。

このことは逆にいえば定期的にグリスを替え正しく整備するとずっといい状態で使えるということです。

高いグリスだから高回転を期待するということではなく、よい回転を維持するにはグリスに関係なくこまめにグリスアップすればいいということが分かりました。

シマノのハブは優秀です。安価なハブも手入れがよければ高回転を維持できる。しかも普通のグリスで十分回転を維持できると改めて感じました。

前輪ハブベアリングを取り換えました

ベアリングを取り換えればほぼ元の状態に戻るシールドベアリング使用のホイールですがベアリングの取り換えは簡単です。取り扱いで慣れているからかもしれませんがホイール作りのほうがはるかに難しいと思います。

取り換え終わった前輪

ノバテックの前輪用A291SBハブは699規格の日本製シールドベアリング使われています。

このベアリングをハイブリッド・セラミックベアリングに取り換えました。ベアリングの抜き取りには専用の抜き取り金具を使っています。

スライドハンマーを使いました

初めのころは恐る恐る作業していましたが数をこなすうちに慣れてきます。しかし慣れというのは思わぬところで落とし穴がありますので注意は必要です。

ベアリングの抜き取りは時間的にはそんなにかかりません。簡単に抜けます。左右抜き取って新しいベアリングのインストールです。この作業は慎重にゆっくり圧入していきます。工具は自作のものを使っています。

難しそうに見えますが難度から言えばホイールを作ることのほうが大変ですのでメンテナンスに興味のある方は楽しい時間になると思います。

 

さて回転を調べてみました。

同じ仕様のホイールがありますので回転を調べてみました。

方法としては原始的ですが回転数を数えます。スポークに印のテープを貼って一定の力を加えて何回回ったかを数えました。力を加えるのにだいたい同じ感覚で回します。

力は毎回同じではないので5回やってみて平均値をとるようにしました。

 

オリジナル状態のハブを使ったホイールとセラミックベアリングに取り換えたホイールの回転数はオリジナルでは平均75回転、セラミックベアリングの場合は平均148回転でした。

結果として約2倍セラミックのほうが回転します。あくまでも単純な比較です。ベアリングを取り換えてだいたい同じ力を加えて回転数を数えその平均値を出しただけです。

ベアリングを替えたからスピードが倍になるわけではありません。しかしとても興味深い結果です。

エディ・メルクスのホイールも決戦用にはグリスをオイルに替えてチューンアップしていたということですからホイールのチューンには底がないように思われます。

前輪ホイールハブの分解

前輪ホイールハブを分解しました。ベアリングの取り外しですが私は専用道具を使っています。

スライドハンマー
ベアリングのシールも外しました

このホイールはノバテックA291SBハブを使っています。

このハブは5mm、6mmのアーレンキーがあれば両サイドのエンドキャップを外すことができます。種類によってキャップを引き抜くタイプもあります。アーレンキーを使っても空回りするときは引き抜くタイプのキャップです。昔どうしても外し方が分からなく引っ張ったら抜けたという笑い話のような経験があります。

 

ハブの中には直径12mm長さ66mmのスペーサーが入っています。ベアリングはシールドベアリングで699規格の日本製のベアリングが2個使われています。

ゴムシールも外してみました。針のようなもので簡単に外れます。

これだけです。前輪ハブはどのメーカーもシールドベアリングならば大体この構造です。

 

 

シールドベアリングを使ったハブはハブを取り換えることにより回転は新品に戻ります。

ちょっとハードルが高い作業ですがやってみる価値はあります。

テンションドロップについて③

お気に入りのチューブラーホイールですがしばらく使わずにおいていました。

タイヤも少しくたびれていましたので取りかえました。振れとテンションを点検しています。タイヤをインストールしてスポークテンションを調べました。

結果は、スポークテンションはほとんど変わりませんでした。コンチネンタルのコンペティションならインストールしにくいチューブラータイヤの中で最右翼と思いますのでスポークテンションは下がるかもしれません。ただコンペティションも慣らしのために空気を入れてしばらく置いておけば比較的はめやすくなります。

いずれにしましてもチューブラーホイールではタイヤをインストールしましてもスポークテンションはほとんど変わらないということです。

 

今回のホイールの内容は

キンリン TB25 32h

ハブ 前輪シマノHB5500 32h

後輪シマノFH5700 32h

スポーク CNカラースポーク

ニップル アルミ

 

10速で乗っています。前輪ハブのほうが古いタイプです。

タイヤインストール前にテンション調整をやり直しです。最初に仕上げたときにしっかりとスポークテンションを均一にしていますので2,3か所さわるだけで調整は終わりました。

タイヤはコンチネンタルのGIROです。練習用のタイヤですがレースに出ないのでコスパの良いタイヤとして気に入っています。

 

ホイールを仕上げてタイヤをインストールしてもスポークのテンションがほとんど変わらないのはチューブラーホイールです。このことはタイヤによってホイールの性能が変わることがない、もしくは変わることが非常に少ないホイールいうことです。テンションドロップはほとんどしません。キンリンTB25リムを使えば安価に高性能のホイールができます。クリンチャー派の方も一考をお勧めします。

 

テンションドロップについて②

クリンチャーホイールの場合15%以上のスポークテンションドロップは避けられません。

このためスポークの寿命を縮めない程度にテンションを上げる必要があると思います。スポークテンションを100kgf以上保つためにテンションが下がることを逆算して120~130kgfになるように調整しています。

 

私はスポークを握ってわかるほどの熟練者ではありません。ホイールのフォーラムを読んでいますと意外とテンションメーターは使っていないベテランの方が多いようです。感覚派でなくテンションを数値化してホイール作りを行っていますのでテンションメーターが活躍しています。

一般的なパークツールのテンションメーターは今までキャリブレーションの依頼を受けました経験から15~20%くらい高めに出るようです。

 

後輪を作っていると仮定します。

キャリブレーションしていないテンションメーターで測りますと実際のテンションは左100kgfでもメーターは120kgf前後を示します。テンションメーターが120kgfを示したのでこれで完成とします。しかし実際は100kgfで張られていることになります。

ここでタイヤをインストールしますとスポークテンションは下がり80kgf、左は約この半分で40kgfになります。ゆるゆる状態です。スタートが本当のテンションではないのだから仕方ありません。

 

こんなことにならないようにするにはテンションメーターの校正、キャリブレーションしかありません。自分のテンション表作るしかないと思います。

ただ正確でないテンションメーターはテンションを揃えるだけの目的でしたら絶対値が分からなくても使えなくはありません。

手作りのテンション校正器

 

ネットであるフォーラムを読んでいましたら手作りのテンション校正器を作っている人がいました。これに使っている秤は意外と正確です。通販で調べると安価に出ています。

私はキャリブレーション用の機械をドイツから輸入しましたが使っている秤は中国製の秤でした。大丈夫かなと思い校正機関に秤の校正を依頼しましたところ正確に100kg、120kgを示すことが分かりました。スタート地点がはっきり分かったことで安心です。

数値は正確と証明いただきました
校正機関の証明書

以上、キャリブレーションされた正確に測れるテンションメーターがあればクリンチャーホイールのテンションドロップが大きくても無事クリアーできると思います。

テンションドロップについて

クリンチャーホイール、チューブレスホイールにタイヤをインストールしますとホイールのスポークテンションは大きく下がります。

一例をあげます。

このグラフのホイールですがキンリンのXR31RT28hのリムを使ったホイールです。

左70.2kgf/右119.7kgf

IRCのフォーミュラー・ライト25mmのチューブレスタイヤをインストールいたしました。

結果はこうです。

左56.4kgf/右98.1kgf

約2割弱テンションが下がります。もっと下がるリムもあります。リムの剛性と構造が影響すると考えられます。リムが柔いとビードの影響を受けやすいということです。

 

クリンチャーホイールはタイヤのビードがリムに影響してスポークのテンションダウンがおこります。このテンションダウンはどうしても避けられません。

 

ビードを伸ばしてなじんでからホイールにはめる方法は有効と思います。最初サブホイールにインストールしておいてタイヤがホイールになじむというかビードがある程度伸びてはめやすくなってから本命のホイールにはめなおすという方法もありと考えます。

 

今はホイールを仕上げるのにスポークテンションをできるだけ高く仕上るようにしています。しかしテンションの上げすぎはスポークの寿命を縮めることになりますので120~130kgf近くまでにしています。

 

これなら約20%下がっても100kgf前後をキープできます。

ただいつも考えるのですがスポークテンションに関して正解がないように思います。大体このぐらいで納める。いろんなメーカーのホイールを調べてみて推奨テンションは大体このくらい100kgf~120kgfです。これという数字はありません。

質問がありました

ホイールをお買い上げいただいた方より質問がありました。

 

この方はご自分でホイールを作りたいということでいい参考書を教えてほしいと連絡がありました。

日本ではホイール専門書はないので雑誌の情報とかネットのブログなどから情報を得るしかありませんが初めての方にはわかりにくいと思います。

 

そこで私のおすすめはhttps://www.wheelpro.co.uk/wheelbuilding/book.phpです。

英語ですがとても分かりやすく書いてあります。

この方もこのE-bookを買われて勉強されました。リム、ハブを購入され正確に寸法を取られたようです。次のステップでスポーク長を出すときに2点わからないと尋ねてこられました。

私は慣れているのでなんでもないことですが初めての方にはこれはなに?ということが出てきました。

Cross,Diaが分からないとのことです。

説明の連絡をいたしましたが結構こんなことが起こるものです。よくパソコンで一度わからなくなると何が何だか全く思考が止まったようになることがあります。ちょっとしたことでわかるのですが今回はこの一例のようです。

 

無事にスポークも発注されたようです。もうすぐ第一作目ができると思います。通勤用のクロスバイクに使われるとのこと。楽しみです。

注射器スポイトの活用

100円ショップで売っている注射器型スポイトが結構活躍しています。

ニップルにオイルを注すのにこれを使っています。本来化粧品の小分け用に使われているスポイトです。百均でも化粧品の売り場に置いています。

今まではオイルを注ぎ足すことで使っていましたがチューブレスタイヤでも使っています。

チューブレスタイヤを取り換えるとか、うまくビードが上がらなくやり直しの時にこの注射型スポイトが活躍します。

 

シーラントを入れるときにこの注射型スポイトを使っています。何度も繰り返して入れないといけませんが10回ほどの手間ですので手間というほどのものではありません。シーラントが横に漏れることなく入れることができます。シーラント用の専用ポンプも売っていますが価格的にもこのスポイトはお手軽です。

さてチューブレスタイヤを外すときに手がべとべとになって困るということを聞いていますがタイヤ片方のビードが外せばタイヤの下にシーラントがたまっているのが見えます。この見えているシーラントをスポイトでくみ取ってしまいます。何度もスポイトで吸い取らないといけませんがこれもそんなに手間なことではありません。きれいに吸い取ってしまえばあとの作業は簡単です。リムのテープを張り替えるときのそんなに手がべとべとになることはありません。

 

また同じ作業になりますがシーラントを入れるにはこの注射型スポイトで入れることになります。