ゴキソハブでカーボンホイール作製依頼

これで3セット目のホイールご依頼です。ENVEホイールからハブのゴキソハブを取り出してお送りいただきましたカーボンリムに移設です。

組み替え前のENVEホイール後輪
ゴキソハブ 前輪用 254g 重いが良く回る
後輪 450g 重いがよく回る

ENVEホイールを先ず分解しました。ホイールはインターナルニップルを使われています。特殊なニップルなので分解も専用のニップル回しが必要です。

インターナルニップルとニップル回しパークツールSW-16.3 SW-17なら使える

ENVEホイールはサピムのCXRAYで組まれていました。前輪は20H後輪は24Hです。使われていましたスポークはすべてCXRAYでした。後輪も前後ともにすべてCXRAYで組まれたENVEホイールです。

お客様にお尋ねしました。ホイールの剛性不足を感じましたか?と伺いましたら漕ぎ出の反応は温く、シュータッチがあったというお返事でした。スポーク、リム、ハブどれも一流の製品ですが、組み合わせによっては良いパフォーマンスを引き出すことが出来ないということです。ENVEホイールには多少はご不満があったようです。

一流の部品を使うのは先ずは安心ということでとても良いことですが乗り手の力にあわせて最良の組み合わせが必要です。ビルダーさんはスポークをもう少し剛性の高いスポークで提案すべきでした。 一律にCXRAYで組めばいいホイールが出来るというものではありません。

今回のゴキソホイールは前輪20Hをクロス組で組んでいます。通常ではラジアル組ですがお客様はクロス組をご希望されました。前回お納めしましたホイールがクロス組でしたので乗り味が気に入られたようです。前輪20Hのクロス組は一般的にはあまり行いませんがシクロレーサーではよく使われるようです。クロス組により地面からのショックを和らげます。

後輪用CXRAY 約100g
後輪用 ウィング21 約120g

後輪は通常の左右2クロス組です。スポークはウィング21で組みますのでCXRAYで組まれたENVEホイールと比べますと少し剛性が上がります。CXRAYで組みますと重量は約100g、ウィング21で組みますと120gです。約20g重量が増えます。たった20gですがホイールの剛性は上がります。

ウィング21とCXRAYではウィング21の方が価格は少し安価ですが剛性が上がり乗り味はしゃんとした乗り心地になります。価格は品質を知るための要因になりますが決して価格だけではありません。場面に応じて決めるべきです。

前輪20H 左右2クロス組
後輪1081g 左右2クロス組
ゴキソハブ使用 前輪20H後輪24H 前後ともに2クロス組

今回は前輪後輪ともに2クロス組です。シルバーのスポークが存在感を高めています。スポークテンションを出来るだけ均一に張っています。フレは最小になるようにしました。ゴキソハブは本当によく回ります。空で回しますといつまでも回っていますのでついつい見入ってしまします。客様のご感想が楽しみです。

アルミチューブラーホイールのご注文②

ホイールを取りに来られました。お客様はいつも車で来られるのですが今回は自転車です。

あいにく雨でしたが後輪部分に自作の金具を取り付けて持って帰られます。

フレームは自作品です
荷物台の特殊金具でリムを左右に分けて取り付けています

荷物台に左右に分けて取り付けるようになっています。うまく工夫されました。因みに乗ってこられた自転車は自作フレームです。これは驚きました。フレーム自作される人には初めて会いました。

ホイールも作ったらどうですか?と伺いますと、作れますがやはり上手な人にお願いしたほうがいいと思いました、ということでした。フレーム作るのとホイール作るのとは少し違うようです。このお話はホイール屋としてとてもうれしい話です。餅は餅屋のようです。

お渡ししましたチューブラーホイールは多スポークホイールで疲れにくいですよといいますとそりゃいいですね、と喜んでおられました。

チューブラーホイールは構造上ビードがありません。このためリムを締め付けるということはありませんのでスポークのテンションはタイヤをはめても変わりません。

クリンチャーの場合、ビードがリムを締め付けるので柔らかいリムならスポークテンションが15%くらい下がってしまいます。このテンションダウンがチューブラーホイールの場合ないのでホイールの性能はタイヤインストール後でも同じです。性能が変化しないというのがいいです。こういうところがプロに歓迎されるのかもしれません。

アルミチューブラーホイールのご注文

昨年キシリウムホイールとアルテグラホイールの2ホイールを調整依頼いただきましたお客様よりチューブラーホイールのご注文をいただきました。

以下ホイールの詳細です。

TNI cx22 421g
前輪 HB-RS400 151g
後輪 FH-RS400 366g

リム TNI cx22 前輪28穴 後輪32穴

ハブ 前輪 シマノ HB-RS400 28H 2クロス組

ハブ 後輪 シマノ FH-RS400 32H 3クロス組

スポーク 前輪 TB2015 シルバー

スポーク 後輪 左TB2015 シルバー

スポーク 後輪 右TB2018 シルバー

ニップル ダブルスクエアニップル シルバー ブラス

チューブラーホイールはリムの形状がクリンチャーリムと比べてシンプルな作りなので軽量にできます。タイヤも選択肢は限られていますが軽量且つ転がり抵抗が少ない優秀タイヤが多いためプロやハイアマチュアの方々が今のクリンチャー、チューブレスの時代に関わらず愛用される人が多いです。リムとタイヤを併せてホイールの外周部が軽くできるメリットがあります。決戦用にはチューブラーという人が多いのも事実です。

高価なカーボンホイールでなくても今回のご注文ホイールのように外周部がとても軽量に仕上がるため、アルミチューブラーでヒルクライムに挑戦される方もおられます。おススメします。

リムは前後で約1万円、ハブは前後で約9000円の安価なシマノティアグラハブを使います。今ティアグラ、ソラなどシマノハブは昨年来一気に価格が上がりました。しかし上がったといいましてもブティックブランドのハブと比べますととても低価格なので使いやすいです。しかも性能は優秀です。

シマノハブのメンテは個人でも出来るように作ってあります。こまめにグリスアップを行えば20年でも30年でも使えます。ハブのメンテナンスを考えますとシールドベアリングを使った台湾ハブよりもメンテナンスはシマノハブの方がやりやすいかもしれません。

シールドベアリングを使ったハブはベアリングを取り換えれば新品に戻ります。シールドベアリングはメンテがいらないと言いながらもメンテは必要です。メンテするにはフリーを取り外してきれいに掃除後グリスを塗ります。ベアリングのグリスアップは不要です。ベアリング取り換えが必要ならそっくり取り換えですがその取り換えはとても面倒です。ハブのメンテナンスを二者択一で考えるのでしたらシマノハブの方に軍配が上がりそうです。

スポークですが、前輪は中央部が1.5mmの細いスポークを使っています。後輪は左が1.5mm、右が1.8mmにして剛性をあげています。

全体としましては細いスポークを沢山使って地面からの衝撃を吸収して乗り心地を和らげています。多スポークホイールの良いところはここにあります。

前輪721g
スポークテンションが均一です
後輪1005g
スポークテンションが均一です

前輪721g、後輪1005g前後で1726gと多スポークホイールの割には軽量で仕上がっています。 タイヤを取り付けましてもチューブラーの場合とても軽量にできます。ホイールの外周部がとても軽くなりますので漕ぎ出しはとても軽いです。通勤のストップアンドゴーを繰り返す乗り方ならば最適なホイールといえます。お客様のインプレが楽しみです。

31mm高24mm幅シルバーホイールのご注文

ご自分でもホイールを作ってクロモリフレームで楽しんでおられるベテランライダーさんよりシルバーホイールのご注文をいただきました。

お客様からのお話では「手組」にご注文いただいた理由は

職人的にパパッと組む感じではなく、測定器を使用した張力の確認やリムの荷重試験をしているということのようです。ありがたいことです。

メールのやりとりでハブは持ち込みされることとなりました。リムは荷重試験で好結果のXR31T・RTシルバーリムを使います。キンリンのシルバーリムはなかなか手に入りません。言わば貴重品です。以下詳細です。

31mm高24mm幅 496g
前輪HB5500
後輪ハブ FH6500 32H

リム XR31T・RT 前後ともに32H 後輪は穴位置が3mmオフセット

ハブ 持ち込み 前輪シマノHB5500 後輪FH6500 共に32H

スポーク 前輪 TB2015(2.2/1.5/2.0mm)シルバー

スポーク 後輪 左TB2015(2.2/1.5/2.0mm)右TB2018(2.2/1.8/2.0mm)シルバー

ニップル ダブルスクエアニップル シルバー

リムの剛性が高いのでとても組み上げやすいリムです。しかしスポークを均等にすることに注意を払っていますので振れ取りが主な作業ですが最終的にはフレかテンションか、どちらかを優先しないといかないことが起こります。こんな場合スポークテンションを優先していますのでセンターが0.1mm~0.2mmずれることがありますがほんのわずかなズレなのでOKとしています。無理にセンターをドンピシャにすることはありません。無理に一致させると後からずれてくることは必至です。素材に合わせることも必要です。

前輪842g
後輪1065g

出来るだけスポークテンションを揃えながら縦ブレ横ブレを取って仕上げています。前輪は110kgf前後、後輪ドライブ側は120kgfを目標値として仕上げました。

中央部が細いスポークは地面からの振動を吸収してくれます。いわばショックアブソーバーの働きをしてくれます。後輪ドライブ側には少し太いスポークを使って剛性を上げています。リムは500g前後と軽くはありませんが走るホイールは剛性の高いリムを使います。お客様には疲れにくくよく走るホイールを実感していただけると思っています。

ミニベロ用ディスクホイールのご依頼

ミニベロ用のホイールをご注文いただきましたお客様より再度ご注文いただきました。2回目のご注文です。

今度は同じアルミリムにストレートプルスポークを使ったハブでの作製依頼です。リムとハブは持ち込みされました。ミニベロハブはなかなか手に入らないハブのようです。うまく見つけられたと思います。

276g
前輪用ハブ 98g

スポークは2㎜径のスポークで作っています。流通量の差が理由と思うのですがストレートプルスポークはjベントと比べまして価格が高いです。メーカーの価格は変わらないと思うのですが商社の価格はとても高価です。しかし要るものは要るので仕方ありません。

どのホイールもいえることですがハブは正確な計測が必要です。ストレイトプルハブではスポークの穴位置の計測が難しいと思います。正しく測ることでスポーク長が決まります。

スポークが用意できれば順調に仕事が進みます。ハブにスポークを通せばリムの穴位置はすぐわかります。ニップルをねじ込んでいけば容易に仮組が終わります。

前輪ディスクホイール 534g

ミニベロホイールも作製手順は通常ホイールと同じです。出来るだけスポークのテンションを揃えることが肝心です。テンション値も通常リムと同じようにしています。 ミニベロホイールは流通量が少ないので部品集めが大変ですがミニベロといえども走りにこだわるならホイールが大切です。

ピスト用カーボンホイールのご注文

今回のホイールで3セット目のピストホイールをご注文いただきました。カーボンリムとハブはお客様より持ち込みです。

25mm幅25mm高リム 380g

リム 25mm高カーボンリム 前輪28穴 後輪32穴

ハブ シマノDuraハブ HB7710 28穴 FH7710 32穴

スポーク サピム CXRAY シルバー

ニップル DT SquorxPro シルバー ブラス

前輪の組み方はラジアル組、後輪は左右3クロス組で作ります。

後輪ハブはハブセンターのオフセット値2.75mmありますので左右のスポークテンションは前輪のように一致しません。理論値では左右のテンション比率は85:100です。このためセンターを出すには左側がほんの少し緩い作りになります。グラフにしますとよくわかります。

シルバースポークとシルバーハブがポイントになっています
前輪705g ラジアル組
後輪832g 左右3クロス組

何度も馴染みだしを行いスポークテンションは出来るだけ均一に組みます。シルバースポークとハブがうまくマッチしたホイールはとても存在感があります。

お客様は自転車の組み立てはご自分でされていますがホイールは「手組ホイールファン」にお任せいただいています。ありがたいことです。

追記

お客様より写真をお送りいただきました。このシンプルな機能美は素晴らしいと思います。

ノバテックハブを分解しました

ノバテックハブを分解しました。シールドベアリングを使ったハブの構造はとてもシンプルにできています。単純な構造だから故障も少なくて長く使えるのだと思います。ベアリングはハブシェルに2個、フリー側に2個使われています。

フリー側のベアリングは取り出しが難しい
NTNのベアリングを使っています

「手組ホイールファン」ではシールドベアリングを使ったハブならノバテックのハブを使うことが多いです。使われているベアリングは予備をいつも用意しています。フリーには6902規格、ハブシェルには6902と6802のベアリングが必要です。主にNTNのベアリングを使っています。安価なベアリングもありますが摺動性を高める要なのでブランド品に頼っています。ブランドの違いがはっきりしませんのでおまじないと思っています。

ベアリングの取り外しや、圧入するにはプレス機を使うことにしています。製品になっているホイールからベアリングを取り出すにはポンチでたたき出すとか、スライドハンマーを使うのですがハブ単体の場合はプレス機械を使って分解するのが簡単で失敗がない方法です。プレス機械を使っています。

ベアリングは比較的安価なものです。高価なセラミックベアリングもありますが安価なベアリングを定期的に取り換えて使うのは良い方法と思います。

シールドベアリングを使ったハブはベアリングを取り換えれば新品に戻ります。リユースの場合フランジのスポーク穴は使用した後がありますのでこのあとを追う形で再利用することが肝心です。穴位置を変えるとフランジが割れることもありますので注意しないといけません。

サピム スポークワッシャーを使った一例

スポークワッシャーを使う方法もフランジを守るということで良い方法と思います。

中古のハブもシールドベアリングの場合ベアリングを交換しますと回転は新品に戻ります。ベアリング交換はとても達成感がある面白い作業です。

46mm高リムブレーキ用 定番カーボンホイールのご注文

自転車の組み立てはすべてご自分でされるベテランのお客様よりご連絡いただきました。

カーボンホイールは「手組」に任した方がいいとご判断いただいたようです。

ホイールの内容はしっかりとこのブログから研究されていました。リムは46mm高の定番ホイールです。

ブレーキ面は強化リムをご指定されました。他の部品は通常の定番通りです。以下詳細です。

28mm幅46mm高 467g
オプションで強化されたブレーキ面 方向性があるので注意が必要です

リム 46mm高28mm幅リムブレーキ用 ブレーキ面は強化リム

   前輪20H 後輪24H

ハブ ノバテック A291SB 20H  F482SB 24H

スポーク 前輪、後輪ともにピラー wing21黒

ニップル DT SquorxPro ブラス 黒

スポークのウィング21はサピムのCXRAYよりも少し重量があります。前輪20H後輪24HではすべてCXRAYで作りますと乗り味の柔らかいホイールになるかもしれません。CXRAYでは少し剛性不足と感じるライダーさんにはぴったりのスポークです。剛性上げるためにはウィング21は適しています。

ホイールの選択には経験が必要です。沢山乗らないとわかりにくい事柄です。自転車仲間に聞くのも良いのですがアドバイスに偏りがあるかもしれません。結局は自分で決めるしかないようです。

強化ブレーキ面はオプションで注文しています。このブレーキ面にしますとブレーキはよく効きます。ディスクブレーキに変更しなくてもいいというお話をよく伺います。

リムは穴ナシリムを使います。リムテープがいらない便利さは使われたらよくわかります。経済的でもあります。

前輪650g
後輪857g

前輪650g後輪857g前後で1507gです。とても軽量です。

ホイールは出来るだけスポークテンションを揃えて馴染みだし何度も繰り返します。出来不出来はこれで決まります。お客様のご感想が楽しみです。

チューブラーホイールのリム替え②

チューブラーホイールの前輪も取り換えることにしました。

今回は後輪よりも手早く行うことが出来ています。普段ニップルの緩み止めにはリンシードオイルを使っています。オイルが固まるのに数日かかりますが手軽なので愛用です。

縦ブレ横ブレを取って組み上げ完成しますがスポークテンションのデータを取ってみました。この仮組出来上がり直ぐのデータ取りでよくわかります。振れ取りだけではテンションは揃っていません。

スポークテンションが揃っていなくてもホイールの振れ取りはできます

何百ホイールを作っていますが、振れ取りだけの仕上がりは全くダメな出来上がりです。神の手は持てないということです。見た目では全くわかりませんがスポークのテンションが揃っていません。

余談になりますが、

オークションなどで売りにでている99%のホイールはスポークテンションが揃っていません。目視では振れはありませんというコメントがよくあります。それはその通りだと思います。しかし残念ながらスポークテンションは揃っていないのが現実です。この点を理解して購入を考えるべきです。中古は中古でそれ以上のものではありません。

話題を戻します。

スポークテンションを出来るだけ揃えています
TB25リムを取り換えまた新しいホイールが出来上がり 長く使えるホイールです

スポークのテンションを揃えることばかりやっていると今度は振れ取りが正しくできません。振れ取り+テンションを揃える、どちらも出来て初めて完成です。

ハブ、スポークは再利用ですが調整されたシマノハブはあたりが出ていますのでとても滑らかな回転です。クリンチャーホイールしか知らないライダーさんにはチューブラーホイールをお勧めします。外周部が軽いので今まで乗っておられたホイールとは違った良さを感じていただけると思います。試されるとよくわかります。

トラックハブのベアリング圧入

ハブ軸が傷んだノバテックトラックハブの取り換え用ハブ軸が届きました。

写真上のハブ軸は傷んでいます 新しい軸棒とベアリングが揃いました

ベアリングはNTNの6000LLB C3/5Kを2個使っています。ベアリングは叩いて取り出していますので取り付けには新しいベアリングを使っています。ベアリングの取り付けは分解した時の逆を行います。

一つ目はプレス機で圧入していますがたたいて入れてもOKです

先ずはハブシェルにベアリングを一つ取り付けます。これにはプレス機で圧入しています。機械を使って押し込むだけですのでセンター出しは簡単です。勿論叩いて圧入でもよろしいです。

ベアリングを叩いて圧入するには簡単な道具が必要です
新しいベアリングを左の古いベアリングとDTの圧入道具を使って圧入します

次はハブ軸を差し込んで反対側のベアリングの圧入です。この時は叩いて取り付けています。すでに軸棒を通していますのでセンターを出す作業は楽です。真っ直ぐ上からたたけば簡単に入ります。古いベアリングを使うといいです。

新品に戻ったハブです 回転はすこぶる良好です

新しいベアリングに取り換えましたトラックハブです。ベアリングがいいので回転が前よりよくなったようです。シールドベアリングを使ったハブは取り換えると新品に戻ります。適切な道具と少しの勇気があればうまくできます。