24mm幅31mm高のワイドリムでホイール作製

お客さまよりご連絡をいただきました。

「オールラウンドに使えるC19幅のリムブレーキホイールが欲しいと思い、ご連絡させて頂きました。」

お客様に提案しましたホイールは次の仕様です。

リム AL31W 前輪後輪共に28H 後輪は3mmオフセット
ハブ 前輪 シマノ RS400 後輪 シマノ RS400 共に28H
スポーク 前輪 TB2015 2.2/1.5/2.0mm
スポーク 後輪 DTコンペティション 2.0/1.8/2.0mm
ニップル ダブルスクエアニップル

24mm幅31mm高  高剛性のリムはよく進む
RS400 28H 必要十分なハブです 良く回る
RS400 28H 必要十分なハブです 良く回る
後輪1079g  スポークはコンペティション 3クロス組
前輪823g  スポークはピラーTB2015  2クロス組

前輪スポークは中央部が1.5mmのピラーのTB2015スポークです。後輪スポークはDTのコンペティション(2.0/1.8/2.0mm)を使いました。どちらのスポークもバテッドスポークです。中央部が細くばね性があるスポークで、地面からの衝撃を和らげる働きをします。このため乗り味が優しくなります。2mm径のスポークで組まれたホイールとは全く印象が違います。

一般に完成車についてくるホイールは、ユーザーの範囲が広いのでほとんどのホイールは安価に剛性高くできる2mm径のスポークが使われることが多いです。お客様の体重や乗り方にあわせて作った誂えのホイールはついていません。

フレームも硬い、柔らかいがありますので自転車の乗り味はそれぞれ個性がでます。特にホイールはフレーム以上に特徴がでますので、一つのフレームでもホイール次第でいろんな乗り方を楽しむことが出来ます。

ホイールが前に進む時、地面に接している部分は僅かですが凹んでいます。この凹みの連続で前に進みます。剛性が高いリムを使うとリムの真円を保つ力が強いので地面に接する部分の凹みが少なくできます。真円を保てる力が強いホイールは駆動ロスが少なく良く進みます。

手組ホイールはロングライドに適しています 疲れにくいホイールです

今回のホイールは高剛性のアルミリムを使っています。出来るだけ各スポークのテンションが均一になるように調整し、振れが最小になるように仕上げています。お客様には喜んでいただけると思います。ご感想が楽しみです。

完組ホイールのスポーク交換

リピーターのお客様より連絡がありました。
今回は完組ホイールのスポークとハブの交換です。

スポーク替えお預かり時点の前輪 942g
スポーク替えお預かり時点の後輪 1015g

ホイールは写真の通り銀輪リムを使ったホイールでとても存在感があります。
取り換えるハブはVelocityのトラックハブを使います。

新品のVelocityハブに交換 前輪用
新品のVelocityハブに交換 後輪用

お預かり時のスポークは2mm径のストレートスポークを使われていました。リムが32Hリムに2mm径のスポークですので非常に剛性が高いホイールです。
トラック用として高剛性になるように作られているのかもしれません。しかし一般道ではホイールは硬すぎてロングライドには向かない作りです。

お預かり時点の後輪スポークテンショングラフ
お預かり時点の前輪スポークテンショングラフ

いつもホイールをお預かりしますと先ずはスポークテンションを調べます。スポークテンションをグラフ化しますとスポークの状態が分かりやすいです。フレはないのですがスポークテンションのバラつきが大きいです。これでは駆動効率が悪く、将来的にはフレが出やすいでしょう。

クロス組ホイールではスポークテンションが強弱強弱と組まれれてバランスが取れている場合、長く乗っている間に各スポークの張りが平均化するようになります。このため使っていると振れが出てきます。
これはスポークテンションがアンバランスの状態で均衡が取れているので、使っている間に各スポークのテンションが平均化されるように働き、ホイールの振れが出るという理屈です。逆に言えば、最初のスポークテンションがバランスよく均等に張ってあればフレは出にくいということになります。

組み替え後の前輪スポークテンショングラフ  均一なテンションは振れが出にくい
組み替え後の後輪スポークテンショングラフ  均一なテンションは振れが出にくい

今回、前輪スポークにはサピムのLaser、中央部が1.5mmの細いスポークを使いました。バテッドスポークは中央部が細く、ばね性がありますので地面からの衝撃を吸収してくれます。自動車のショックアブソーバーの働きをしてくれます。後輪は中央部が1.8mmのサピムRaceを使いホイールの剛性を上げています。Raceはスポークのばね性もありますので衝撃を吸収する力を期待できます。前輪と後輪のスポークを使い分けることによりロングライドに適したホイールに仕上げています。リムと同様にスポークはホイールの性格を決める大切な部品です。

スポーク、ハブを取り換え 新しく組み替えたホイール

組み替えたホイールの納品後にご連絡いただきました。

手前味噌になりますが、もとのゴツゴツした乗り味が消え、とても気に入っていただいたようです。注文してよかったとおほめの言葉をいただきました。

トラック競技用カーボンホイールの作製

トラック競技をされている方よりご連絡いただきました。種目は500mTTに取り組んでおられます。 自転車はスチールフレームのピストバイクと伺いました。

今回は決戦用として、カーボンリムのチューブラータイヤ用ホイールを希望されています。 ホイールに求める性能としては、踏み出しの軽さはある程度犠牲にして巡航速度の維持を考えられています。

前輪用ハブ 172g
後輪ハブ 224g

手持ちのGRAN COMPEのスモールハブの持ち込みです。ご意見を伺い、最終的には前輪55m高、後輪88mm高のチューブラーホイール決まりました。

前輪は20Hラジアル、後輪は24Hの2クロスで扁平スポークを使います。リム高がありますのでとても短いスポークになります。スポークは国内のセラーさんでは手配できません。
海外のセラーさんに注文しています。

風洞実験で調べた結果丸スポークと扁平スポークの空力差は1Wの違いとアメリカのあるホイールメーカーさんが調べました。
競技に出る方なら1Wは大きな値です。丸か扁平か、果たしてお客様は扁平スポークを選択されています。
秒を争うスポーツですのでスポークの価格は3倍以上違いますがこの選択は正しいと思います。

前輪 719g
前輪 ラジアル組
後輪 887g
後輪 2クロスで組んでいます

今回の後輪ハブは一般的な8速10速の後輪ハブのようなセンターオフセットがありません。前輪と同じ作りで左右のスポークテンション値は同じです。

作り方としましては前輪2つ仕上げる感じです。各スポークのテンションを出来るだけ均一になるように、フレは最小になるように仕上げています。ご感想が楽しみです。

ミニベロ用ホイール作製

このブログを読んでいただいた方よりミニベロホイールの見積もり依頼がありました。

451ホイール
ハブ シマノ RS300 前100mm 後輪135mm仕様変更希望
スポーク ブラック ニップル シルバー
リム ALEXRIMS DA22 (他のリムでも可)

簡潔に要点をシッカリと伝えていただいています。

ハブ軸を交換して135mm幅にします。
シマノハブは130、135どちらもハブシェルは同じですので軸を交換すれば対応できます。

上ハブはハブ軸130 下ハブは135mm  ハブシェルは同じ 軸だけ交換しました

ハブ軸を交換すれば130も135も使えることは意外と知らないユーザーさんが多いようです。細かい部品の供給をしっかりできるシマノはやはり素晴らしいと思います。

今回のホイールは小径車です。スポークが短いので簡単につくれそうに見えますが短いスポークは難しいと思います。通常の700cのホイールの方がずっと楽に作業は進みます。

大きいホイールも小さいホイールも基本は同じですのでスポーク長の計算もすべて同じです。
では何故難しいのか?

理由はニップル回すときの反応です。ニップルを少し回しても大きく振れ取りに反応するからです。しかも一般的なニップルレンチではスポークの間隔が狭いので12㎜、14mmの標準ニップルは回せません。使えないことはありませんが標準ニップルでハイテンションに仕上げるのは至難の業です。これはホイールづくりが出来る人なら良くわかることです。

振れがなく走ればいいホイールとスポーツ車のホイールとは内容が違います。
スポークテンションが100kgf前後に揃ったホイールに仕上げるには標準ニップルでは小径車は出来ないと思います。

前輪 687g
後輪 922g

小径車にはホイールづくりのノウハウが詰まっていると思います。たかがミニベロと侮ることは出来ません。

ゾンダDiscホイールでG3カーボンホイール作製

BoraOneのハブでカーボンホイールのご注文をいただきましたお客様より今回はゾンダのディスクホイールを送ってこられました。ゾンダのハブを使って新しくカーボンホイールを作るご注文です。

分解前のゾンダディスク 前輪
分解前のゾンダ後輪
ゾンダ アルミリム 471g 軽くもなく重くもない普通のアルミリム
前輪ハブ  169g
後輪ハブ 283g

カンパのホイールはとても良く出来ています。分解するのが勿体ないくらいです。
汎用の部品は一つも使っていません。ニップルまでもカンパ専用です。
当然ニップルレンチは4mmの特殊サイズとなります。
3.2mmや3.45mmの汎用ニップルではないサイズです。
取り出してみてわかるのですがニップルは大きく丈夫です。

勝手な想像ですがトラブルを避ける設計思想が細部にも施されていると感じます。
汎用の部品なら特別感は当然なくなります。
嫌味な言い方をすれば真似できないようにしています。

とても良くできているゾンダホイールを分解して作りましたホイールが今回のホイールです。

前輪 701g
後輪 809g

28mm幅46.5mm高の軽量波型カーボンリムを使っています。リムメーカーに特注しています。スポークは扁平スポークを使いました。ニップルはダブルスクエアニップルです。

ホイールの性能は①にリム、②番は乗り心地を左右するスポーク③番目はハブで決まると考えています。今回は高性能のリムを使い、特徴あるハブで性能アップを図ります。

なかなかカッコイイホイールです  これならほしい!

お客様はホイールのことをとてもよくご存じです。

カーボンホイールVISION METRON 60 SLの調整依頼

昨年Rovalホイールの調整をご依頼いただきましたお客様より連絡がありました。
今回はVISION METRON 60 SLの記念モデルの点検です。

前輪 726g 14:7のスポーク構成です
お預かり時点の前輪スポークテンショングラフ   スポークテンションばらつき度が高い
後輪 849g  8:16のスポーク構成です  スポークテンションばらつき度が高い
お預かり時点の後輪スポークテンショングラフ

写真を見ていただきますと分かりますがロゴがはっきりしていて、なるほど記念モデルです。存在感があります。

いつもホイールを預かりますとスポークのテンション状態を調べます。テンションメーターを各スポークにあてて張りの状態をみます。各々の値をグラフにしますと分かりやすいです。
ホイールの振れをチェックしますと縦ブレも横ブレもなくセンターもしっかりと出ています。
しかし各スポークテンションはグラフに示す通りです。

スポークテンション調整後の前輪
スポークテンション調整後の後輪

スポークテンションを揃える利点は①振れが出にくい②駆動効率が上がる。
②の駆動効率ですが使用前使用後の違いが大きく違うという差はないです。ほとんどの方は分からないと思います。しかしこの違いを感じる方もおられるようです。

今回のお客様は違いが感じられる方なので前回のRovalが良かったのでまた調整依頼をいただきました。
乗られている機材の経験が沢山ある方でないとなかなか違いは分からないものですが感覚の鋭い人はわかるようです。

違いがわかる、分からないは別としてスポークのテンションが揃っていることは悪いことではありません。精度の高いホイールは長持ちします。この点だけでもメリットは大きいです。

記念モデルならもう少し丁寧な作りをすればいいと思うのですがそうではなかったことが今回分かりました。めったにさわれない記念モデルを勉強させていただいたので工賃は少し割引しておきました。

約46mm波型超軽量リム仕様ディスクホイールのご注文

以前ご注文いただきましたお客様よりご連絡いただきました。軽く波打っている形状の超軽量リムを使ったディスクホイールのご注文です。

リムは約400gの波型リムです。
ハブはTNIのREVOハブを持ち込みされました。スポークは羽形状のwing21を使います。

46.5mm高28mm幅 402g
TNI REVOハブ 後輪用 242g
TNI REVOハブ 前輪用 133g

ウィング21はサピムのCXRAYよりは剛性が高くCX-SPRINTよりは剛性が低いスポークです。空力はCXRAYよりは少し良いということです。
CXRAY使ったホイールでは少し温いと感じておられる方には適しています。ホイールの硬さはスポークが大きく影響します。
ホイールメーカーの宣伝文句に最強のスポークとか書いて宣伝していることが多いですがこれには注意が必要です。

CXRAYはとても優れたスポークですが万能ではありません。使い方には注意が必要です。
自転車の乗り方、使い方にあわせてスポークを決めることです。

今回の仕様で若干温いと感じる場合は後輪のギア側を少し太くすることで解決できます。
ホイールの硬さをスポークで調整する、誂えのホイールならではと思います。

シルバースポークが新鮮です
後輪 790g
前輪683g

シルバーのスポークで作りました。昨今黒スポークばかりのホイールですのでとても新鮮な印象です。
縦ブレ、横ブレを最小に仕上ています。各スポークテンションのバラつきはほとんどありません。精度の高いリムを使うと組み立ては安心できます。

良いホイールが出来ました。

チューブラーホイールのご注文

最初のご連絡ではシマノハブを持っているのでチューブラーホイールを提案してほしいということでした。
たまたまですが手組のチューブラーホイールを在庫していましたのでこんなホイールがありますと提示しますとお話が進みました。

前輪 757g
アルテグラハブ  HB-6600  32H
後輪915g  36H
Dura FH-7900

ホイールはこんな仕様です。

リム TB25
ハブ前輪 アルテグラ HB6600 32H
ハブ後輪 Dura FH7900 36H
スポーク 前輪 サピムLaser(2.0/1.5/2.0mm)
スポーク 後輪 左ピラーTB2015 右DT コンペティション
ニップル ブラス

手組愛好の人ならお分かりいただける内容です。果たしてお客様はすぐに気に入っていただきました。商談はすぐにまとまりました。

チューブラーホイールは真円にふくらんだタイヤをリムに貼りつける方法のホイールです。
タイヤ取り付けには少しお作法が必要なホイールですが乗り味はすばらしいです。

今風のホイールではありませんが、お客様はチューブラーホイールの良いところをよくわかっておられました。いいご縁をいただきました。

チューブラーホイールのリム交換

約4年前にご注文いただきましたお客様より次のメールをいただきました。

道路の穴を通過した際、リヤリムを変形させてしまいました。今回、新しいリムと現品ホイールを送りますので、組み替えをお願いします。フロントホイールも同送しますので、調整をお願いします。

同じリムの取り換えではリムを重ねて順番にスポークを入れ替えていきます

お送りいただきましたホイールはマビックのリフレックスというチューブラーリムを使ったホイールです。同じリムと交換ですのでリムは穴位置を合わせてスポークを移していきます。こうすることで作業は一部簡略できるのですが、すべてのニップルを緩めて再度ホイールを組み上げますので時間的には新しく組むのとそんなに変わりません。

ニップルはダブルスクエアニップルで組んでいますのでリムの外側から調整できます。電動ドライバーを使えば作業は効率良く行えます。

手組ホイールファンでは時間単位で作業代金をいただいています。練度が高ければ作業時間は短くなりお客様にはプラスです。作業ごとに代金をいただく方法もありますが分かりにくいので時給にしています。

お送りいただきましたホイールは本当にきれいに使っておられます。自転車愛が感じられるホイールです。

今回の作業では組み立てにはそんなに時間はかかりません。しかし馴染みだしに時間をかけています。何度も馴染みだしを繰り返すことで振れの出にくいホイールに仕上がります。一緒にお送りいただきました前輪も同様にチェックしました。

スポークテンションを再調整した前輪のテンショングラフ
リム取り換え後のスポークテンションをグラフにしています 

スポークテンションを出来るだけ均一になるように調整することで振れの出にくいホイールに仕上がります。チューブラーホイールは少なくなりましたが軽くて乗りやすいホイールです。チューブラーホイール、お勧めします。

MTB後輪ホイールのスポーク替え

昨年ご注文いただきしましたMTBホイールですが山中を走行中に滑ってスポーク1本が歪んだと連絡いただきました。

お送りいただきまして点検しますと、なるほど1本ゆがんでいます。当然ホイールのフレは大きく出ています。

後輪 反ギア側スポークが1本歪んでいます 印をつけていただいています
反ギア側スポーク1本歪んでいます  スポークを1本取り換えるだけではもとには戻りません

ホイールをお預かりしますと先ずスポーク、リムの状態を調べます。
お客様よりここ!と印をつけていただきお送りいただきましたので今回は良く分かります。

取り出したスポークは大きく歪んでいます  衝撃はこのスポークだけではなく他のスポークにも影響しています

トラブったスポークだけを交換して振れを取るだけならすぐにできます。
しかし、あたった時の衝撃はホイール全体のバランスを崩しています。

こんな場合は全体のスポークを緩めて再度ニップルを締めなおします。
スポークをリム全体に通す作業はありませんが、新しくホイールを作るのとほぼ同じことを行う必要があります。

再調整後のスポークテンション状態  グラフにすればよくわかります

単純に傷んだスポークを取り換えるのでは駆動効率は下がります。
新規に作り直すのと同じ作業が必要です。振れをとり、スポークテンションが均一になるように調整しなおしています。

出来あがりました。喜んでいただけると思います。