初めてのスポーク折れ

ホイール作りを始めて15年以上たちますが作りましたホイールのスポーク折れを初めて経験しました。

2年前にお納めしたディスクホイールのスポークが1本折れたとご連絡をいただきました。まずはお怪我がなくて良かったです。すぐにホイールをお預かりいたしました。

RR411ディスクリムで作ったホイール
1本根元で折れています

ホイールはDTのアルミディスクリムRR411を使い、ハブはREVOハブ、スポークはCX-RAYという仕様です。サピムのCX-RAYは強度的には最上位に位置するスポークです。ホイール作製でもスポークテンションを均一にすることを心がけています。スポークが折れたというご連絡には初めてのことなのでちょっとびっくりしました。

Jベントは折れるということは良く聞く話です。私はこの意見には反対の立場です。スポークの取り扱いを間違わなければそんなに折れるものではないと思っています。

ニップルの頭が飛んだことは5回あります。5回お客様よりご連絡いただきました。これはアルミニップル使用していたことから起こったことです。アルミニップルの弱点をよく知っていたつもりでしたが少しスポークが短くて頭が飛びました。ニップルの頭が飛んだというご連絡いただいてからはブラスニップルに切り替えました。約20gアルミと比べて重くなりますが今はブラスの丈夫なほうを選択しています。

今回のスポーク折れはJベントの曲がりの箇所が折れました。スポークが折れますとほかのスポークテンションに影響します。バランスは大きく変わりました。振れが出たのはもちろんですが他のスポークも変化しましたので再度チェックは必要です。

スポーク交換後、縦ブレ横ブレを修正しました。スポークテンションの均一にすること、通常の作業を行ってお返ししました。

今回のことからどのように改善するかということですがなかなか妙案が浮かびません。アルミニップルからブラスに切り替えるというような中止ということはなかなかできません。折れにくいといわれている(実際はストレイトプルでも折れる)ストレイトプルスポークに変更するということはJベントをやめるということですのでホイールの選択肢が狭くなります。このようなことはできません。

結局出来ることは今まで通りスポークテンションの均一化と適正テンション値の追求くらいかなと思います。緩すぎると折れやすいです。テンションが揃っていないことも理由に挙げられます。

一ついいアイデアがあります。ピラーのスポークはJベントの部分が2.2mmあります。サピム、DTにも曲がり部分が太いスポークがありますが流通面で取り扱いが少ないです。ピラーなら曲がり部分が2.2mmありますのでこれはいいなと思います。

昨年来スポーク不足、自転車の部品不足が続いています。サピムCX-RAYがなかなか手に入らない状況からピラーを使うようになったのですが今回の事案からJベントの太いピラーを使うのはいいアイデアかもしれません。

最後に一言、お客様はこのホイールを気にいっていただいています。漕ぎ出しが軽くよく回るということです。カーボンホイールもご注文いただきましたがスポークが折れたといっても当分はメインホイールのようです。

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