ノバテックハブを分解しました

ノバテックハブを分解しました。シールドベアリングを使ったハブの構造はとてもシンプルにできています。単純な構造だから故障も少なくて長く使えるのだと思います。ベアリングはハブシェルに2個、フリー側に2個使われています。

フリー側のベアリングは取り出しが難しい
NTNのベアリングを使っています

「手組ホイールファン」ではシールドベアリングを使ったハブならノバテックのハブを使うことが多いです。使われているベアリングは予備をいつも用意しています。フリーには6902規格、ハブシェルには6902と6802のベアリングが必要です。主にNTNのベアリングを使っています。安価なベアリングもありますが摺動性を高める要なのでブランド品に頼っています。ブランドの違いがはっきりしませんのでおまじないと思っています。

ベアリングの取り外しや、圧入するにはプレス機を使うことにしています。製品になっているホイールからベアリングを取り出すにはポンチでたたき出すとか、スライドハンマーを使うのですがハブ単体の場合はプレス機械を使って分解するのが簡単で失敗がない方法です。プレス機械を使っています。

ベアリングは比較的安価なものです。高価なセラミックベアリングもありますが安価なベアリングを定期的に取り換えて使うのは良い方法と思います。

シールドベアリングを使ったハブはベアリングを取り換えれば新品に戻ります。リユースの場合フランジのスポーク穴は使用した後がありますのでこのあとを追う形で再利用することが肝心です。穴位置を変えるとフランジが割れることもありますので注意しないといけません。

サピム スポークワッシャーを使った一例

スポークワッシャーを使う方法もフランジを守るということで良い方法と思います。

中古のハブもシールドベアリングの場合ベアリングを交換しますと回転は新品に戻ります。ベアリング交換はとても達成感がある面白い作業です。

トラックハブのベアリング圧入

ハブ軸が傷んだノバテックトラックハブの取り換え用ハブ軸が届きました。

写真上のハブ軸は傷んでいます 新しい軸棒とベアリングが揃いました

ベアリングはNTNの6000LLB C3/5Kを2個使っています。ベアリングは叩いて取り出していますので取り付けには新しいベアリングを使っています。ベアリングの取り付けは分解した時の逆を行います。

一つ目はプレス機で圧入していますがたたいて入れてもOKです

先ずはハブシェルにベアリングを一つ取り付けます。これにはプレス機で圧入しています。機械を使って押し込むだけですのでセンター出しは簡単です。勿論叩いて圧入でもよろしいです。

ベアリングを叩いて圧入するには簡単な道具が必要です
新しいベアリングを左の古いベアリングとDTの圧入道具を使って圧入します

次はハブ軸を差し込んで反対側のベアリングの圧入です。この時は叩いて取り付けています。すでに軸棒を通していますのでセンターを出す作業は楽です。真っ直ぐ上からたたけば簡単に入ります。古いベアリングを使うといいです。

新品に戻ったハブです 回転はすこぶる良好です

新しいベアリングに取り換えましたトラックハブです。ベアリングがいいので回転が前よりよくなったようです。シールドベアリングを使ったハブは取り換えると新品に戻ります。適切な道具と少しの勇気があればうまくできます。

REVO後輪ハブのベアリング交換

後輪スポークのドライブ側1本が折れたということでご連絡いただきました。届きましたホイールはすぐにお直ししましたところハブにゴリ感があったので点検しました。

ハブの手入れは、メンテナンス作業の基本として、先ずはきれいにすることから始まります。

非ドライブ側ベアリング 反対側より叩いて取り出します
たたき出した軸棒 ベアリングと一緒に外しました
軸棒を直接叩くのではなくDTの道具で軸棒を保護しています

ハブフリーを引き抜いてラチェット部分の清掃後、ハブ軸を叩いて非ドライブ側のベアリングを取り出します。たたくときには直接ハブ軸を叩くことは軸棒を傷めますので注意が必要です。

ハブはアルミで作られていますのでヒートガンで温めるとわずかに膨張します。こうするとベアリングを叩いて取り出したり、圧入したりするときには楽にできるようです。おまじないのように何でも温めています。

スライドハンマーでカツン、カツンと引っ張ればOKです

ハブシェルには6902ベアリングが使われています。ラチェットラチェット側のベアリングはスライドハンマーで取り出しています。軸棒をひっくり返してベアリングに通し、軸棒の後ろからベアリングを叩くという方法もありますがスライドハンマーなら一発で取り出すことが出来ます。

ハブメンテナンスにDTの道具は使いやすい よくできています

ベアリングの圧入にはDTの道具を使っています。たたいてベアリングを入れていくのですがセンターを出すことが一番難しいところです。DTのハブツールはよくできていて今回のハブはDTハブではありませんがうまく使えます。

ネジを使って圧入していくのに便利です
叩くことで圧入、取り出しには安価な道具です

写真のようにねじ棒を使ってゆっくり両サイドより圧入していく方法もありますが、たたいて圧入しています。これは慣れだと思っています。軸棒のセンター出しが難しいのですが失敗したらやり直したらいいだけです。必要なのは少しの勇気です。

フリー側には15267ベアリングが2個使われているので先ずはラチェット側のベアリングをスライドハンマーで取り出しています。

15672ベアリングが使われています フリー内部にスナップリングが見えます
プライヤーで取り外したスナップリング 専用の道具が必要です
ベアリングをプレス機械で圧入、取り出しを行います

奥にあるベアリングを取り出すのはプレスの道具を使っています。一つ目のベアリングは前からベアリングを押し出します。奥の内部にはスナップリングがあります。プライヤーでこのスナップリングを取り出すのも難関の一つです。リングの取り出しが終わればプレス機械で奥にあるベアリングを押しだして2個のベアリングは取り出し完了です。

圧入にはこの逆を行います。

ここまでの作業は文字で書けばこんな作業だとわかるのですが、圧入には軸棒の心出しが難しい作業です。ベアリングの取り出しは叩いて取り出す作業ですので少し雑でも作業は進みます。

しかし圧入には心出しが必要ですので慎重な作業が必要です。これがベアリング扱いを難しくしています。プレス道具はあまり使わない道具の筆頭ですが、使うときはとても楽で正確にベアリングを圧入できます。楽にかつ正確に行うために便利な道具をいつも探しています。

ハブのメンテナンスは面倒ですが作業が終わると達成感はとても大きいです。コスパを考えますとベアリングは安価に入手できますので作業は自分でやるのが一番です。しかし今流行りのタイパを考えますと上手な人に任すのが良いかと思います。特殊な道具を揃えることも要りません、このほうがお安いかもしれません。

意外と気づかないハブの音、大きくなると要注意!

最近お預かりしましたホイールですが納品時よりハブの音が大きく感じました。後輪ハブの音がカリカリカリと大きくなりますと要注意です。

フリー内部の汚れ こまめなメンテが必要です

ハブフリー内部のグリスが汚れ、グリス切れが起こっています。後輪は定期的にスプロケットを取り外し、フリーを抜いてきれいにして新しいグリスを入れることで回転は安定します。こまめなメンテが必要です。シールドベアリングを使ったハブはメンテナンスがいらないように見えますが全く違います。

いままでお預かりしましたホイールのハブ内はグリスが切れていることが多くフリー内部は真っ黒状態のホイールが多かったと感じています。いつも乗っているロードバイクはフリーの音の変化はなかなか気づきにくいのですが、空で回して音の確認が必要です。

乗っておられる地域によっても違うのですが最低でも半年ごとにハブフリーを抜いて汚れをとり、グリスを塗ることでハブは長持ちします。シールドベアリングといえども汚れは内部に入っていきます。

油汚れは油でとる

ハブフリー内部をきれいにするのはそんなに難しいことではありません。人それぞれのやり方があると思いますが布切れと綿棒でふき取れば手軽です。

油汚れは油で取るといいますが綿棒にグリスをつけて拭き取るようにしています。10本ほど使えばきれいに仕上がり最後は綿棒が汚れなくなります。30分ほど時間が掛かりますが一手間かければ長持ちします。

ノバテック トラックハブの分解

ノバテックのトラックハブ後輪用を分解します。ノバテックのトラックハブのシャフトはボルト止めのタイプと軸棒がねじ式のタイプがあります。今回はねじ式なので、ベアリングを交換するには軸棒をたたいてベアリングを取り出します。

塩ビ管とポンチ

ハブを乗せる台はホームセンターで塩ビパイプの部品を使っています。ホームセンター内をぶらぶら歩いていますと思わずこれ使えるとヒントを得ることがありますが今回使う台もホームセンターで見つけました。

両側のロックナットを外してからパイプ台に載せたハブの軸棒をプラハンマーでたたいてベアリングを取り出します。カツーンとたたけば簡単に軸は抜き取ることが出来ます。残ったベアリングは反対側からポンチでたたきます。事前にヒートガンで温めておけばアルミは膨張しますのでとても楽に取り出せます。

取り出したベアリング

取り外したベアリングです。シールには6000-2RSと書かれています。新しいベアリングを圧入すればまた新品に戻ります。トラックハブはベアリング2個使われているハブなので構造はシンプルです。取り扱いは難しくはありません。

ホイールのハブ点検

機械好きの人はいつも自転車のどこかを触っています。乗るのが好きで機械のことは自転車屋さんに任せていますという人もおられます。行きつけの自転車屋さんが近くにあればいいのですがそれもないというライダーさんも結構おられると思います。

ロードバイクを乗る場合、パンクの修理やチェーンのオイル注しなど最低限のことは自分でやることを覚える必要があります。その中にハブの分解をお勧めします。自転車のハブを分解するなんて、とてもとてもと思われますが意外と簡単です。

ホイールのタイヤを外しました

ホイールの点検依頼を受けました。半年使われたホイールのハブ音が妙に高くて大きいので分解してみましたところハブフリーを外してみて驚きました。

半年でこの状態です
汚れ、さび付きで調子の悪いハブ

ハブフリーの爪部分は立ち方が鈍く、ラチェットリングは真っ黒になっていました。グリス不足と汚れが原因で明らかに回転が渋いと感じました。しかし、乗り手さんにとってずっと同じ感じなら不具合はなかなかわかりにくいものです。

一般にはシールドベアリングを使ったハブはベアリングが4個使われています。8枚から11枚のギアを取り付けるフリー側に2個、ハブ本体に2個ベアリングが中に入っています。軸棒に取り付けられたギアがうまく回るようにいつもきれいにしておかないと回転は渋くなります。

取り敢えずお預かりしましたホイールのハブをきれいにしましたがこびりついた汚れは取り切れません。ステンレスの部品もサビることがあります。今回はこれに近い状態でした。なかなかきれいになりません。どうやっても4つの爪の立ち方がすっきりしません。

乗られる頻度にもよりますがハブは年に3,4回フリーを外して点検が必要と感じています。乗られる地域によっても違ってくるかもしれません。土壌の性質といいますか、酸性やアルカリ性の問題などいろんな要素が絡まっていると感じています。

お預かりのホイールはハブを新しくしました。最初の時も新品のハブを使っていますがもともとハブの具合が悪かったのかもしれません。今回は新しいハブに取り換えました。 せっかくのホイールですので長く乗っていただきたいものです。

ハブは簡単に分解できます グリスアップは難しいことではありません

それにはハブのお掃除、グリスアップが必要です。そのためにも中古でいいのでハブを一つ購入して分解の練習するのも一案と考えます。先ずは慣れることが大切です。

マビックハブのエンドキャップはこれで外せる

マビックホイールのハブ玉押し調整には専用の道具が必要です。勿論ハブの分解にはこれがないと前に進めません。

専用の道具が必要です

正規に購入しますとホイールにはついてきますこのプラスチックの道具です。注意していないとなんの道具か分からなく捨ててしまうこともあります。実際、約20年前ホイールビギナーだったころ捨ててしまったことがあります。あとで必要なものだとわかり買いなおしました。

最近マビックのハブを手に入れましたので分解、組み直しなど行いましたがこの時も専用道具が必要で、ほかの道具が使えないかと考えていました。専用道具があればこれで回せばいいことですが持っていない人もおられると思います。

スナップリングプライヤーで回します
スナップリングプライヤーで外せます

スナップリングプライヤ―、この道具が使えます。これで回すことが出来ました。専用道具がなくてもマビックハブは扱えますので安心です。

カップアンドコーンの24穴ハブを取り出す

12月2日のブログ記事「カップアンドコーンの20Hハブが欲しい」の続きです。後輪ホイールWH-RS100後輪ホイールが届きました。一度も使うことなくホイールを分解するのは少し心が痛みますがハブでまた蘇りますのでいいかなと思っています。

いわゆる文鎮ホイールですがスポーク調整すればよく走ります

シマノハブはカップアンドコーンですが今手に入る穴数は28穴、32穴ばかりです。24穴は今のところありません。しかし裏技として24穴ハブを使ったホイールから取り出す方法があります。

ハブの見た目は飾り気がないハブでソラクラスと思われます。高級感はありませんが必要十分の性能を持っています。実用主義でホイールを作っていますのでこれで十分使えます。派手さはありませんがいいハブです。

ホイールが届きましたので先ずはホイールの健康診断を行います。グラフにするとよくわかります。

値段が値段だけに要求するのは難しいと思います バラつき度が大きい

グラフで見るとスポークテンションのバラつきが非常に大きいホイールでした。値段が値段なので仕方ないと思います。しかしこれを丁寧に均一にしますと振れが出にくく駆動ロスも軽減できます。重いが走るホイールに変身しますのでやってみる価値は十分あります。

今回はすぐに分解してハブを取り出しますので余計なことは考えません。取り出したハブを計量しましたら364gでした。重いハブですが使うときは中心部の重量ですのでホイールの回転には影響ありません。

後輪ハブ 364g 24穴
後輪オフセットリム547g

カップアンドコーンのハブは28穴32穴36穴だけなのでこのような裏技でしか用意できないのが残念です。余計なことをしなくて24穴ハブが欲しいです。

カップアンドコーンの20Hハブが欲しい

今のところカップアンドコーンのハブで20Hのハブは単体では売っていないと思います。ではどうしたらよいかといいますと完成品のホイールから取り出す方法があります。

カップアンドコーンのハブは自分で手入れがし易いのでいいと良く伺います。シールドベアリングを使ったハブはベアリングを取り換える方法でメンテナンスしますがこれは少しハードルが高いようです。シールドベアリング交換はとても簡単ですがどうしても難しいと思われがちです。

カップアンドコーンのハブを使ったホイールを作ろうと考えましたのでシマノホイールを購入しました。ホイールからハブを取り出します。

使い道の多いシマノホイール 前輪848g
部品を外したリム 重量521g 重いということは剛性があるということでもあります

ハブの造りは質実剛健で見た目は全く高級感がありません。しかし必要十分なハブであることは間違いありません。少しくらいゴリ感があっても使えばすぐに当たりが出ます。自分でメンテナンス出来る優秀ハブと思っています。一定のファンがおられるのはよくわかります。

安価なホイールに高精度を求めるのは無理と思いますがスポークテンションのバラつきは大きい

新品が届きましたので分解前にホイールの内容確認をしました。いつものようにスポークテンショングラフにしています。スポークテンションのバラつきは大きいです。しかし価格を考えますと要求しすぎると思います。とてもよくできたホイールです。

スポークは2mmの丸スポークを使われていますので剛性は十分で、むしろ有りすぎる剛性と思います。体重の軽い人から重い人まで幅広く乗り手を考えて作られていますので剛性が高いのは仕方ありません。1.5mm、1.8mmのバテッドスポークに取り換えるのも一案と思っています。スポークを替えることで乗り味が柔らかくなりロングライドに使えるホイールに変わりますが、今回はあっさりと分解いたします。

シマノハブ145gは台湾ハブと比べて倍の重さですが丈夫で手入れが楽です 

高級なブティックブランドのハブではありませんがカップアンドコーンのシマノ20hハブが手に入りました。シマノホイールはいろいろ使い道が沢山あります。今回はカーボンホイールに使おうと思っています。

マビックのCOSMOSフロントハブを分解、組み立て

マビックの24穴フロントハブを手に入れましたので分解してメンテナンスしました。

バイスを活用すると楽にできます

マビックハブは特殊な道具を使います。メンテナンスには専用道具がないと分解できないようになっています。ハブの構造はとても簡単です。写真のようにバイスに固定してから作業を始めています。手でもって作業するよりも楽なのでバイスを使っています。

マビックホイールに付属している玉押し用の特殊工具 使い方が分からないと捨ててしまいます

ハブのエンドキャップは引き抜けば取り外しが出来る構造です。片方のねじ式になっているキャップは特殊な道具(玉押し用の工具)を使って外します。エンドキャップをすべて外しますとスポークの頭部分がハブ内部に触れて傷つくのを防ぐためハブの中にはカラーが左右に入っています。切込みの入ったカラーはプラスチック製ですがこれを外すのに苦労しました。ソルダーエイドを使うとうまく外せます。簡単な構造でも思わぬ落とし穴があります。

ハブ内部のカラーを取り外すのに苦労しました
スライドハンマーでベアリングをはずしました

ハブ本体についている部品はすべて外しました。あとはベアリングです。ベアリングはスライドハンマーで引き抜いています。これを使いますと一瞬で抜けますがねじ式のベアリングプーラーを使うほうがゆっくり抜けるので安心度は高いと思います。今回はハンマー式で一気に抜き取りました。

NTN 6001 LLB C3

ベアリングはNTNの6001です。シールは非接触型LLBのC3規格のベアリングにしました。C3という規格は通常のベアリングではなくベアリングの隙間が少し通常より広い品物です。勿論通常規格のベアリングでもいいのですがミケハブではC3クラス使っているようなのでこれに見習いました。正直なところ自転車ハブの回転数でC3ベアリングが必要なのかはよくわかりませんがミケ社にあわせました。

プレス工具で圧入しています

ベアリング圧入にはプレス工具を使っています。めったに使わない工具です。

他の方法として長ネジを使ってプレスしていく方法も良く使われる方法です。上からたたく方法もありますがずれやすいのでセンターは出しにくいです。慣れると一瞬で圧入できますがプレス式で行う方がずれにくいと思います。

以上、古い中古のハブを使って分解から組み立てまでやってみました。ハブは簡単な構造です。難しい部品は使われていませんので要領さえつかめば簡単です。今回は中古品なので外観は少し傷んでいますがベアリングを交換すれば新品状態に戻ります。