改良版カリマ後輪ホイールの作製

とても安価なカンパのG3ホイール、カリマの後輪を作り直しました。スポークを交換するだけです。丸スポークをバテッドスポークにするという少額の投資で改良できるわけです。

当初の2mmスポーク27本 189g
TB2015*18本 TB2018*9本 141g

使いましたスポークはドライブ側にTB2015(2.2/1.5/2.0mm)左非ドライブ側にTB2018(2.2/1.8/2.0mm)を使用しました。このスポークを使うことで189gから141gになりました。48gの軽量化です。わずかですが内容は大きく変わります。

改良の目的は弾力あるバッテッドスポークを使うことで回転するホイールの変形を少なくできることにあります。バッテッドスポークが集中する力を逃がす働きをするので地面に接するリムの凹みを少なくできるのが理由です。2mmのストレートスポークには剛性がありますが柔軟さが少ないので地面に接する部分の凹みが大きいです。これを弾力あるバッテッドスポークに交換することにより凹み具合を緩和するので駆動ロスが減るわけです。

ホイールメーカーには政策的な価格設定があるので使用される部品は販売価格にあわせています。低価格ホイールに使われる2mmの太くて安価な丸スポークを取り換えます。しかし性能アップするにはそれなりの技術力が必要です。簡単にはいきませんが出来る人にはとても有効です。安価で高性能のホイールに変身させることが出来ます。

見た目は全く同じです しかし内容は変わりました
50gほど軽くなりましたが 乗り味は大きく変わります

ゾンダの後輪スポークは21本、今回のカリマは27本のスポークです。スポークが少ない分空力ではゾンダが上かもしれませんがカリマのほうがスポーク数6本も多いのです。力のあるライダーは剛性を求めます。今回のスポーク交換で安価に性能アップです。

出来るだけスポークテンションを均一になるようにしています

スポークテンションの均一化を図ることを優先して作り替えました。カリマはあまり表舞台に出ませんがとても優秀なホイールです。

実質主義でアルミホイールを選ぶ人はシマノの低価格ホイールがよく走ることを知っています。今回のカリマもその一つといえます。カーボンホイールのライダーと並んでアルミホイールのカリマで走る、自転車はいろんな楽しみ方があるので面白いです。

カンパのカリマ後輪を分解

カンパニョーロの安価な3Gホイール後輪を分解しました。安価なホイールとはいえカンパのホイールはしっかり考えられています。2:1組で組まれたホイールはドライブ側が18本、非ドライブ側が9本で組まれています。

3G組で27本  右ドライブ側18本左9本です
カリマ後輪1089g
フリーは磁石がくっつきます スチールのフリーです スポークは綾を取っていません

実際計量してみると重いホイールですが重いホイールは丈夫で剛性が高いとも言えるわけで決してマイナス点ではありません。分解しますとこんな組み合わせでした。

予想通り507gと重い  しかし重い重量は剛性が高いといえます

リム 507g

フリーがスチール 軸もスチール 重いがシマノハブとほぼ同じ重量

ハブ 343g

スポークは2mmの丸スポークです

スポーク 189g

ブラスニップル

ニップル 27g

リムテープはチューブレステープにすれば10g軽量化できる

リムテープ 21g

リムの重量が約500gあるのは悪いことではありません。走るホイールは剛性が高いリムが必要です。剛性が高いと地面に接する部分が凹みにくいので駆動ロスが少ないです。

ゾンダ後輪リム 491g

因みにゾンダのリム重量は491gでした。カリマより少しは軽いのですがゾンダリムも結構重いです。

ハブはシマノハブとほぼ同じ重量です。ベアリングはシールドベアリングを使っています。シマノハブのようなカップアンドコーンではありません。ノバテックなどの台湾ハブと比較して約100g重いです。しかし重いということは丈夫でもあります。このことからもハブ、リムが重いことは大きなマイナス点ではありません。

スポークは2mmの丸スポークです。交換すべき部品はこれです。

このホイールを作り直すならこうします。剛性の高いリム、ハブをこのままにしておきます。前のブログ記事で紹介しましたが、Ford博士の理論を参考にして、スポークをバテッドスポークに交換することで走るときのホイールの凹みを少なくできます。2mmの丸スポーク自体は剛性があるのですがこれを弾性あるバテッドスポークに交換することで剛性を落とすことなく軽量化を図ることが出来ます。バテッドに交換することで地面に接する部分の力を分散することが出来るのでリムが真円になるようにできます。回転時のひずみを減らして駆動ロスの少ないホイールに改良できるわけです。やってみる価値はあります。剛性の高い上級者好みのホイールに仕上がります。

めったに使わないがあれば役に立つ道具

ホーザンのハンガータップを出してきてボトムブラケットのねじ山を修正しました。自転車屋さんではありませんのであまり使うことはありません。ほとんど持っているだけの道具ですが使うときにはとても役に立つ道具です。

ホーザン ハンガータップ

自転車仲間の誰かひとりが持っていればよい道具ですがこれがないと前に進めないのも事実です。自転車の組み立てをご自分で行う人、またはやってみたい人にはうれしい道具の一つと思います。

こんな高い工具を買って後悔するかなと思っていたのですが考え過ぎでした。とても役に立つ逸品です。勿論いつも買っておられる自転車屋さんが知るとがっかりされる道具でもあります。一台くらい自転車組んでみたいと思われる方にお勧めです。この道具があれば難しいと思っていたクランクが簡単に取り付けできます。必要な人には本当に役に立つ道具です。メカニック好きの誰もが欲しい道具なので処分に困りません。おススメです。

格安ホイールの丸スポークをバテッドスポークに変更する

前回の記事で紹介しましたホイールを再度作り直しました。

Ford博士の理論を参考にしています。博士はスポークの中間部を細くしたバテッドスポークを使うことでホイールが体重の重みで地面部分が凹むのを軽減することが出来ると論証しています。

ホイールは地面の部分が凹んでいる 

ホイールは出来るだけ真円を保つことが大切です。スポークを取り換えることだけで可能ならとても有効な方法です。安価に改良できるということでは最高です。

しかし細いスポークはねじれが生じやすいので取り扱いはとても難しいです。技術的な裏付けがないとダメです。

改良ではサピムのCX-RAYのような扁平スポークに取り換えるのが一番よいと考えますが価格的には3倍の値段ですのであまり現実的ではありません。最安値のホイールを改良するのですからスポークも安価であるほうが望ましいと思います。勿論CX-RAYに替えるなら一番良いでしょう。

前輪920gから881gに
前輪左右TB2015に変更
1183gから1156gに
後輪 左TB2015 右TB2018に変更

前輪スポークの2mm丸スポークからTB2015(2.2/1,5/2.0mm)のトリプルバテッドに、後輪ドライブ側にはTB2018(2.2/1.8/2.0mm)のトリプルバテッド、後輪非ドライブ側にTB2015 (2.2/1.5/2.0mm)に交換することで剛性を下げることなく軽量化を図ることにしました。

Ford博士の理論では軽量化にはバテッドスポークが有効です。2mmのストレートスポークを交換してリムの変形を少なくできるバテッドスポークに替えることで駆動ロスを減らせます。

もともと重量のあるリムは変形しにくいのでこのバテッドスポークに組み替えることでホイールの軽量化を図ると共にリムの変形を防ぐことが出来るので回転の効率は上がります。これは大きなポイントです。

今回のホイールは重量があります。漕ぎ出しはけっして軽くありませんがスピードに乗るとぐんぐんと加速するホイールが出来上がります。軽いホイールではありませんので登りも含めたオールラウンドのホイールではありません。しかしながら平地や丘陵地帯では力を発揮するホイールとなります。スポークをバテッドに取り換えるのは安価にグレードアップできる方法として期待できます。

完成車についている安価なホイールはとても良いサンプルとなるでしょう。高価なホイールに買い換える前に試すのも良いかと思います。

格安ディスクホイールを分解する

どうして格安ホイールを販売できるのか疑問に思い英国の通販サイトで購入しましたホイールです。サイトでの評価は割れています。失敗と思った人、値段なりという評価、コスパが良くて普段使いにはこんな素晴らしいホイールはないという評価、大きく左右に割れる評価です。

実際はどうなのか約12000円の格安アルミディスクホイールを分解して調べてみることにしました。

前輪用920g
後輪用1183g

前輪920g後輪1183gのホイールを分解しますとこのような部品でした。

リム578g 重いリムですが丈夫ということでもあります
前輪ハブ 161g 軸がスチールの為重い
後輪用422g 軸、フリーがスチールの為とても重いハブです
前輪用スポーク24本 171g
後輪用スポーク24本 172g
ブラスニップル 24個 23g

リム 578g

ハブ 前輪161g 後輪422g

スポーク 前輪24本 171g 後輪24本172g

ニップル 前輪24個 23g 後輪24個 23g

リムもハブもスポークもすべて非常に重い部品でした。

リムの575gは驚きです。この重量のリムは初めてです。

ハブの重量もびっくりします。

スポークは2mmの丸スポークです。

ニップルはブラスです。

ハブの重さは気にはなりますが中心部の重さですのでホイールの回転には影響しないと考えます。とても重いハブですが重いということは丈夫ということでもあります。このハブの軸とフリーがスチールでした。重い理由はこれです。

TNI REVOハブ アルミで出来たハブはやはり軽いです

いつも使うTNIのREVOハブは243gでボディーも軸もフリーもすべてアルミです。この違いが重量に出ています。ベアリングの性能差はあることはあるのでしょうがあまり問題ないと思っています。回転性能は十分と考えます。スチールの部品は重量に大きく影響しますが安価で丈夫です。軽くするためにアルミの部品にすれば値段が高くなります。この安価で丈夫なことは大きなマイナス要因ではありません。

リムは非常に重いリムでした。今まで軽量したリムの中で最も重いリムでした。普段重くても500gくらいのリムばかりなので575gはびっくりしました。とても重いです。

シマノホイール 559g

シマノホイールでも安価なホイールを分解したときのリムは559gでした。この時も驚きましたがこれを上回るリムでした。しかし重いということは丈夫で剛性が高いということでもあります。この点が大切です。

地面に接する部分が凹む  Ford博士の論文より

自転車のホイールは回転して前に進むのですが地面に接しているところは常に凹んでいます。凹みは連続しているのですがこの凹みは駆動ロスにつながります。真円で凹みが少ないほどロスが少ない訳です。

重くて丈夫なリムは剛性があるので変形しにくいわけで、凹みが少なく真円に近い状態で前に進行するのではないかと考えます。漕ぎ出しは重いがスピードに乗ると凹まない分よく進むと考えます。登りには適しませんが平地では使えるリムとして有望です。

以前の記事に取り上げましたFord博士の理論ではバテッドスポークにすればストレートスポークよりも軽量化を図れてリムの凹みは少ないと実験証明しています。

重くても変形しにくいリムを使ってバテッドスポークでホイールを組みたてればFord博士の理論を使えると思います。駆動ロスの少ないホイールが出来ることになります。ホイールは軽いに越したことはありませんがよく走るホイールは軽さだけでもないということです。楽しみが出来ました。このホイールを組み替えてみます。

銀輪ホイールを組む

銀輪ホイールの存在感はライカカメラと同じ雰囲気を感じます。いつまでも古びた感じがしません。いつもなにか新鮮なものを発信しているのです。鮮度が落ちないのは何故なんでしょうか?

ライカカメラはいつまでも古びない

最近シルバーホイールのご注文が多いです。ありきたりの黒いホイールに飽きられた方が増えてきたのかもしれません。ホイール自体は何も変わっていません。シマノハブに銀色スポーク、銀色リムです。王道の3クロス組で組んだホイールはとてもシンプルです。

そう、銀のホイールは王道です。カメラ好きが憧れるライカと同じです。

銀輪ホイールは古びない 今見るととても新鮮です

今回ご注文いただきました銀輪ホイールは少しモダンなにおいも持っています。リム高が30mmありますのでロープロファイルの競輪と同じホイールではありません。新しい香りです。

約450gのリムは30㎜高あるので剛性が高い

リムはナローリムですが新しい感覚です。しかし販売されたのはだいぶん昔からです。古いものは今見ると新しいのかもしれません。

ハブはシマノハブ105を使いました。

スポークはピラーのトリプルバテッドTB2015,TB2018のミックスです。

前輪はTB2015,後輪左をTB2015,右TB2018という組み合わせにしています。

後輪をスポークの太さが1.5mm+1.8mmのミックスで剛性を高めています。

ニップルはダブルスクエアのブラスです。後ろからでも締め付けが出来るニップルを使用しました。

前輪807g  ハブが150gあるので少し重い
後輪1035g ハブが360gあるので少し重い

スポークの太さを細くして乗り味が柔らかくなるように調整しています。しかしスポークテンションはしっかり張るようにしています。こうすることでトラブルの少ないホイールに仕上がります。細いスポークを沢山使うことで剛性を得ています。スポークがショックアブソーバーのように地面からの衝撃を和らげることが出来るのでロングライドに使われると良さがよくわかります。

お客様はホイールのスポークを細くすることにとても興味を持たれました。ご自分でもホイールを組まれる方なので疲れにくいホイールということにはご理解いただけると思います。インプレが楽しみです。

C1クラス、おめでとうございます!

お客様からAJOCCのシクロレースで最上位クラスに昇格されたことお知らせいただきました。

2022-12-04 東海シクロクロス 第2戦 愛知県新城市 東郷ケッターパーク iRC TIRE CUP

5年間着実に成績を上げてこられ、シクロクラスの最高峰C1クラスに昇格されました。AJOCCのホームページに発表されました。勝手にお名前の記事は掲載できませんのでこの場ではお知らせできません。しかしわざわざ手組ホイールファン宛にご連絡いただいたことに感謝しています。

これまでに選手のホイールを5セット作らせていただきました。クラスが上がるごとにご注文いただきました。いつもこのリムで、この仕様で作ってくださいというご注文です。こちらは組み立てるだけですが出来上がりを信頼していただきとてもありがたいと思っています。手前味噌ですが作るごとに良いホイールに仕上がりました。シクロレースは瞬発力が大切なので対応できるホイール作りが必要でとても勉強にもなりました。

日々の努力の結果昇格されたのですが少しでもお手伝いすることが出来ましたことに喜びを禁じえません。おめでとうございます!お祝い申し上げます。

Ford博士のホームページは勉強になる

ホイールの研究で博士論文を出された博士のホームページbicyclewheel.infoは勉強になります。バテッドスポークの扱いについて論じています。

Replacing 32 straight gauge spokes with double-butted spokes gives almost the same benefit of 36 straight gauge spokes, but for about 70 grams less.

上記はホームページからの引用です。詳しくはホームページで調べられたら良いと思いますが記事の中で上記の内容が書かれています。

32本のストレートスポークを使ったホイールをバテッドスポークに取り換えると36本のストレートスポークのホイールと機能は同じで約70gの節約だそうです。

バテッドスポークの有効性を論じています。経験でなんとなくバテッドスポークのほうがいいということが分かっていたのですがシミュレーションでその良さが分かりました。

軽量化を図る方法としてバテッドスポークを使うことでスポークの本数を減らしてもホイールの強度は大きく変わらないことを論理的に証明しています。理論で武装して高い技術でホイールを作るというのが理想です。

乗り味を柔らかくするといって緩いスポークにするのはダメです

お客さまから11月20日のソフトスポーキング記事について賛同というか同じ経験をされたとご連絡いただきました。乗り味が柔らかくなるのでスポークテンションを緩くしておきますと自転車屋さんから言われたというお話です。

スポークのテンションを高い低いの調整で乗り味を変えるという方法は全く理にかなっていません。

柔らかく乗るということでスポークテンションを緩くするということはスポーク折れにつながります。ホイールにとって良いことではありません。お客様は緩く作られたスポークが何度も折れた経験があるので最終的にはご自分でホイールを作ることにしたといっておられます。

あるビルダーさんの作った前輪 緩くてテンションがばらついている センターはドンピシャでした

テンションを緩めて乗り味を柔らかくする。この考えは意外と広くはびこっています。あるビルダーさんの作ったホイールを点検させていただいたことがありますが前輪は74kgfでした。このビルダーさんには適正値かもしれませんが私は緩いと思います。

ホイールは地面に接する場所は凹んでいます。この連続で前に進んでいるのですがテンションが緩いと凹む率も高くなります。均質にスポークテンションが74kgfならまだ凹んでいるところは50kgf以上を保つことが出来ますがテンションのバラつきが大きい場合に問題が起こります。クリンチャーの場合タイヤをはめるとビードが影響して10~15%スポークテンションが下がります。これはどんなホイールも同じです。テンションのバラつき度が高く、おまけに緩いスポークとなりますとスポークは折れやすいです。

下のグラフは同じホイールの後輪グラフです。今度は驚くばかりのハイテンションです。11枚のギアになったためどうしても左スポークは緩くなります。当然右側を高くするのですがハイテンション過ぎるのも問題です。

後輪は凄いハイテンションです  左非ドライブ側のバラつきは大きい  センターはドンピシャです

高いほうが良いのかということになりますが今度はリム、スポークの強度に影響しますので高すぎるのもだめです。この辺りは経験になりますが前輪は100~110kgf、後輪はドライブ側を120~130kgfあたりに納めるのが良いようです。しかし正解はありません。低すぎるのもだめ、高すぎるのもだめということです。ホイール作りは難しいです。

カーボンリムで1輪車を作る

一輪車競技で全国的にとても有名な方がおられます。この選手にカーボンリムで作った一輪車の乗り心地を試していただきました。

一輪車なら体重がリムだけに荷重されます。選手所有のアルミリム一輪車と乗り比べていただき印象をお聞かせいただきました。結果は乗りやすくスピードが違うということでした。残念ながらタイムは測っていません。印象を伺っただけです。客観的なデータがないのでブログ記事にするのはためらったのですが敢えて記事にいたしました。

選手所有の一輪車
有名選手のアルミリム一輪車

選手は2種類の車輪を持っておられました。どちらもアルミリムで作られています。

手組ホイールファンのカーボン一輪車

手組ホイールファンの一輪車はカーボンリムで作ったカーボン一輪車です。36mm高28mm幅の定番ホイールに使用するリムで作りました。今回の試乗で一輪車というものを初めて知ったのですが構造はとてもシンプルです。ハブもママチャリ用のハブみたいな構造で、直接ハブフランジ外側にベアリングを取り付けます。自転車のフォークにサドルを取り付けるというような構造です。いろいろと調べてみますと一輪車は奥が深いです。あまり詳しくないのですが演舞、スピード競技があるようです。

48穴ハブに一穴飛ばしで2クロス組

さて、今回使用しましたハブは48穴のハブでした。販売されているハブは36穴と48穴ハブがあります。今回は48穴ハブを使い、リムは24穴リムです。穴を一つ飛ばしで組むことにしました。

スポークはWing21です。細いスポークですが乗り手の体重を考えますと十分剛性を得られると考えています。選手所有の一輪車のスポークは13番の太いスポークです。伺った話ではとても硬い乗り心地だそうです。やはりスポークが太いの影響していると思います。

作りました一輪車を選手に試していただきました。選手の一輪車とはずいぶん印象が違ったようです。転がりがアルミリムのホイールとは比較にならないくらい楽に回ったと話されています。

この結果を聞くのが目的です。 やはり思っていた通りでした。カーボンリムとアルミリムでは剛性が違います。自転車は乗り手の体重で地面に接する部分は凹んでいます。常に地面と接している部分は凹んでいる状態が続きます。ホイールが前にすすんでいる間は凹みが連続します。この凹みの大きさが大きいか小さいかが前に進む力に影響するわけです。リムの剛性が高いと凹みは少ない訳で、駆動ロスが少なく回転するということになります。ホイールの良し悪しはリムの剛性が大きく影響するということになります。

一輪車の場合とてもシンプルな構造なのではっきりとホイールの優劣が分かります。余計なものが入らないのでリムの剛性がはっきりします。選手の力が変わらなければホイールの良さで成績は大きく変わると思います。今回の試乗からカーボンリムの剛性が高いのがよくわかりました。一輪車のスピード競技にもカーボンホイールを使う選手が出てくると思っています。