自転車を洗う

ご近所のお兄ちゃんが大学に進学されたのでお祝いにタイヤ交換と自転車の洗いをプレゼントしました。進学のことは聞いていたのですが何かお祝いしたいと思っていまして、結局これにしようと決めました。

関西では自転車洗いの専門店が豊中にあります。手組ホイールファンのお客様にも毎月洗っていただいている方がおられます。

プロレースではメカニックさんは自転車を洗うことが整備の基本となります。自転車を洗うことで傷んでいるところなど不具合がよく分かるわけです。

以下、20年ほど前にあるメカニックさんに教えてもらった方法です。

ホイールを外して後輪部分はチェーンホルダーを使ってチェーンを緩まないようにします。

チェーンホルダー、チェーンレスト、ダミーハブ、チェーンキーパーといろんな呼び名がついていますがこのチェーンをピンと張る道具があれば洗いはとてもしやすいです。高価なものではありませんので一つ持っておかれるのが良いかと思います。

自動車のフィルタークリーナーをコップに1cmほどの少量をいれて刷毛を使ってチェーン、ディレーラー部分などの油汚れがあるところに塗っていきます。しばらくおいてからシャワーホースで洗い流します。これで大方の油汚れは取れてしまいます。あとは中性洗剤をたっぷり泡立ててスポンジを使って洗います。スポンジで洗えばフレームが傷つくこともありません。気兼ねなく洗えばいいです。あとは水で洗い流せばきれいになります。洗い終わればそのまま乾くまで置いておけばいいわけです。急ぐ場合はコンプレッサーを使って空気で水気を吹き飛ばすのですが時間があるなら乾くのを待つだけです。

チェーンオイルを注し、前後ディレーラー、ブレーキなどオイル注しが必要な部分に適宜行います。

写真のフィルタークリーナーはWAKOの製品ですが大分前に廃番となっています。以前工具屋さんで廃番と聞いたので3本ばかり買い置きしました。使う量が少ないので長く使えています。エーゼットなどで代替の品物が販売されていますので心配は要りません。

自転車の整備の基本は洗いからといいます。とても簡単な作業ですので晴れた日にはお勧めします。こまめに洗うと自転車は長持ちします。特にチェーンには有効です。チェーンがきれいと駆動効率が数ワット上がると聞きました。グランツールでは毎日メカニックさんがチェーンを洗っていますのでこれは本当だと思います。

洗いの専門店さんではプロのやる作業ですから細かいところまで気を配っているのは確かでしょう。でもやることは同じなので洗う場所があるのであれば自転車洗いはお勧めしたいと思います。きれいな自転車は気持ちがいいです。

このサドルは使える

関西人はいいものを安く買った時は恥ずかしげもなくこれなんぼやってん、ということが多いし、周りの人はそれを面白がってくれますし、品のないことだとは言いません。いいものを安く買った時は皆さんとてもニコニコしていますし、友達はよかったね、どこでこうたん?といっています。関西ではそれが普通の光景です。

安価ですが使えます

サドルが傷んだので新しいのを探していましたら通販でこれを見つけました。千円とちょい(関西ではこの言い方でとおる)でこのサドルを購入しました。

長年使ったのでべとついてきました

今まで使っていましたサドルはこのサドルの10倍以上していました。見た目がシャープなデザインで30cmの長さがあるのが気に入っていました。ショップの人がサドルには相性がありましていろいろ試さないと良さが分かりませんが、これはいいサドルですよ、サドルはスピードに関係ないのですが大切ですよ、というアドバイスでした。

この助言でブランドサドルを購入したのですが今回のサドルを買ってみてとても複雑な気持ちです。

千円ちょいの値段に驚きます

安価なサドルですが価格10倍以上のサドルと比べても遜色なく使えます。100gほど重くなるのですがレースに出るわけでもないので1gでも部材を軽くしたいとは思いません。

ブランド品は確かに品質基準がしっかりしていますので安心なのは確かです。しかしブランドというフィルターを取り払うと安価なものでも十分使えるものが沢山あります。いい年してちょっと遅いのですが今頃になってわかりました。関西人だけでなく安くていいものはうれしいものです。

シングルハブとフリーハブのスポークアングルを比べてみる

ロードバイクは長年乗っていますが、恥ずかしながらシングルフレームの自転車には乗っていません。勿論シングルのホイールはお作りしていますが自分用ではありません。

最近フロントシングルでフレームをオーダーしましてシングルで乗ることの良さを知りました。リアは11速です。フロントがシングルなのでリアもシングルにしたら楽しいだろうと想像しました。

ピストライダーさんからホイール依頼がよくありますので作り手が乗っていないのも少し恥ずかしいと長年感じていました。

ミケのトラックハブとシマノハブのフランジ幅を比べてみると違いがわかる

最近トラック用のハブを手に入れましたので見比べてみました。写真を見るとよくわかりますがトラック用のハブはエンド幅120mmのハブです。下のシマノハブは130mmの通常のフリーハブです。

フランジ幅を見比べてみますとトラック用の方が幅広いことが分かります。仮にERD580mmの同じリムを使ってミケのトラックハブとシマノフリーハブとのスポークアングルの比較しますとよくわかります。スポーク長計算ソフトでこれは調べることが出来ます。

まずはトラック用のハブを見ていきます。

ミケハブのブレイシングアングルを見ると大きいことが分かります

次にシマノハブで通常のエンド幅130mmのハブを考えます。

シマノハブのブレイシングアングル

スポークがハブからリムに向かう角度(この角度をブレイシングアングルと呼んでいます)を比べるとトラックハブのほうが角度は大きいです。おまけに左右のスポークは広い角度でリムに向かっています。つまりリムを支えるスポークのブレイシングアングルは広いのでフリーハブを使ったホイールより安定度は高く、駆動においても力が逃げにくいホイールが出来るといえます。

シングルギアのホイールはディレーラーでギア比率を変えることはできませんがエンド幅120mmと狭いほうが実はホイールの駆動効率は高い訳です。

今まで食わず嫌いで乗らなかったシングルバイクですが、自転車としては極めてシンプルで余計な部品は要りません。姿はとても美しいと思います。

メンテナンスの面から見てもさわるところが少なく、難しいディレーラー調整も要りません。おまけにホイールの駆動効率が高いので踏み込んだだけの反応を得ることが出来ます。これはとても楽しいと思います。今年はシングルに挑戦することにしました。

やっぱりいいタイヤは違う

前に紹介しました敏速ライダーさんが使われているタイヤはコンチネンタルのGP5Kです。理由を伺いますとやはり早いということになるようです。コーナーでのグリップ感、転がり方すべて違うと仰っていました。

ヴェロフレックスの高級タイヤで走っています

久しぶりにベロフレックスの少し高価なタイヤをインストールしているホイールで走りました。自分で作ったホイールが沢山ありますのでいつも適当に選んでいます。最近はチューブラータイヤです。いつも走る淀川沿いを走りましてやはり「違うな」と思いました。久しぶりなので違いがよくわかります。柔らかい乗り味、グリップ感は確かに常用のコンチネンタルの練習タイヤ「ジロ」とは違います。

もともと走力がないのでハイスピードで走り続けることなんて出来ません。淀川沿いなので平坦で高低の変化はありませんがやはり乗った感じは違いました。乗り味はすぐに慣れてしまうのですが高級タイヤはやはり練習用のジロと比較して違うと思います。

性能の違いはよくわかるのですが値段が約3倍も違うのでやはり勿体ないと感じてしまいます。このためパンクしますと1万円消えていきますのでどうしても安物タイヤになります。「ええもんはええ」と関西では言うのですが普段は安物タイヤばかり使っています。

知り合いからいいアイデアをいただきました。前輪は高いタイヤにして、後輪は安物で走ればよいと教えてくれました。コーナーではグリップが効くタイヤでないとダメなので、前輪だけ奢っておけばよいと教えてくれました。この方法は昔から言われていることですが値上がりが激しい昨今には防衛策としていい方法と思います。

自転車の重量増やすだけですよ!

15年以上前のことです。ロードバイクのビギナーだった時ですが、予備のタイヤチューブを買おうとバイクショップに立ち寄りました。ショップのオーナーさんが私のバイクを見てなんでこんなものつけているのですかと聞かれました。

15年以上使わないDHバー

TTバイクのDHバーのことでした。私は前傾姿勢で走るのが大変でこれに頼っていますと答えますと、自転車を重くするだけじゃないですか?これをつけるより体幹を強くすることですよとグサッとくるアドバイスをいただきました。この忠告に恥ずかしくなってDHバーは取り外しています。

私だけの感想ですが、バーを外してからずっとサイクリングロードで観察しているのですがTT用のDHバーをつけたライダーさんは女性ライダーさんと年配ライダーさんが多いなと思っています。勿論こちらも年配です。

このバーを取り付けて楽々と早く走るバイクを見受けますがTTバイク用としてセッティングしている競技の人が多いと感じています。断然多いのは年配さんと女性です。自転車向きの体が出来ていないのでしょう。人のことは言えませんが…

長い間このバーは部屋の隅に転がっています。ドロップハンドルはいろんな姿勢で乗れますのでもう使うことはないと思います。楽に乗れると購入しました。カーボン製で結構高価な買い物でした。

自転車の重量増やすだけですよ!というアドバイスいただいたときはすこし傷つきましたがロードバイクは見た目もシンプルで美しくなりました。今は頑張らない程度に体幹を鍛えて正しいセッティングをすればいらないな思っています。

メーターから解放される

ずっと自転車には速度や回転数、パワーを測れるパワーメーターいろんな係数が分かるものをつけていました。自転車はオタクではありませんが数台あります。

右のガーミンは古いメーターです パイオニアのパワーメーターも感動しました

どのフレームにもメーターをつけています。回し方がグラフでわかるパワーメーターを取り付けたとき感動したことを覚えています。クランクの回し方を可視化しているので買ってよかったと思いました。自転車にはずっと計測器を取り付けて乗っていました。

閑話休題、

最近アルミフレームの自転車をオーバーホールしました。部品をすべて取り外しフレームのペイントが剥げた部分にはタッチアップを行い、各部品はきれいに洗ってグリスを塗り、ワイヤー類は取り換えました。

メーター類は何もつけていません

この際このフレームだけはメーター類を取り付けないように決めました。計測するものが何もありません。

何故このようにしたかといいますと、ホイールのご注文いただいたお客様にメーター類はすべて外しました、というお客様がおられます。メーターがないと不便でしょ?と伺いますと、スピードに解放されて気持ちがいいとのお答えでした。

解放されて気持ちがいい?とは面白い答えでした。競争が気になって仕方ないのに自転車に乗ってまでスピードを競うのではいや!というわけです。メーター外して走られたらどうですか?また違った感じで乗れますよ!とアドバイスいただいたことを思い出しました。

フラットペダルをつけました

整備しなおしたアルミフレームの自転車ですが何もついていないシンプルバイクです。ついでにペダルもビンディングペダルからフラットペダルに替えました。

昨日、メーター類が何もついていない自転車でいつも走る30kmを走ったのですが面白い感覚でした。スピードにとらわれない乗り方もなかなかいいものです。他の自転車に追い抜かれても全く気になりません。気持ちの良い風や風景を感じることが出来ました。なかなかうまく表現が出来ないのですがゆっくり自転車を楽しむことが出来ました。早く走りたいという気持ちから解放された2時間でした。この乗り方もいいものです。

自転車のホイール研究で博士の人がいます

137ページにもわたってホイールを研究して論文を発表している人がいます。よく路上にほったらかしの自転車のホイールでぐにゃっと曲がったホイールのついた自転車を見ることがありますがどうしてこんなに曲がるのかを研究した人がいるのです。

スポークの働きなどが解説されています 

今読んでいますので詳しくはお話できません。私の英語力では137ページですので1年はかかると思います。論文には方程式がいっぱいです。誰がこんな式を解くのかなと思うのですが解ける人が沢山おられるので博士論文となったわけです。これにも驚きました。 この博士は大学の講師をされているようです。ご自分のホームページからはいろいろ情報をいただけそうです。時間があるときに読まれたら良いかと思います。

メカニカルで楽しむ

写真のカメラはニコンのF1です。最初に発売されたのは1959年です。今も現役のカメラです。あまり出番はありませんがしっかりと動いています。シャッター音はたまりません。このカメラにさわっていると気持ちがウキウキします。この存在感はどこから来るのかといつも思います。

F1 現役で使えます

F3も活躍してくれました。ピントは手動ですが露出計測はカメラが行ってくれます。1980年から約20年間生産され今も現役で使っている人を見かけます。残念ながら私のF3は電気系統が傷んでシャッターは降りなくなり使えません。今も修理はできますが修理代金は高価なので直そうか迷っています。

長く使ったF3 残念ながら電気系統が動かないので使えません

話変わって、いま使っている自転車はすべて機械式で使っています。最近のコンポーネントはどんどん改良され、日々新しい製品が販売されています。電池が必要な機械がふえてきました。軽くタッチするだけでギアチェンジが出来るのは魅力あります。新しいコンポーネントは素晴らしいと思います。皆さんこれに乗ったらもうメカニカルに戻れないとよく伺います。乗ってみたいと思うこともあります。

メカニカルが最高といっているのではありません。 今の乗り方や実力を考えますと今以上にコンポーネントを替える必要がないのです。このままメカニカル仕様で大事に乗り続けようと思っています。実力に応じて乗ればいいと考えます。シンプルなクロスバイクも結構楽しいものです。

シマノマニュアルは飽きない

アルミロードを分解して再度組み立てしています。10年以上乗っている自転車です。部品をすべて取り外したフレームはペイントの剥げた部分には百均のマニュキアでタッチアップしてきれいにしました。

自転車の組み立てを自分でやってみようと思う方にはお勧めフレームです

TNIのアルミフレームはお勧めのフレームです。このフレームは硬いという人もおられますがそれはホイールで工夫できます。それよりもヘッドパーツの圧入から自転車の組み立てをすべて勉強できるフレームです。溶接部分が目立ちますが必要十分性能で特に安価な値段が素晴らしい。

シマノのホームページより

きれいにしましたパーツを取り付けて再度組みあがていくのですが締め付けトルクの確認などはシマノのマニュアルを見直してやることにしています。ベテランのメカニックさんなら必要ないかもしれませんがやはり安心安全を期すために最終の仕上げに於いてトルクレンチで締めてトルクを確認しています。

こんな時に参考になるのはシマノのディーラーマニュアルです。このマニュアルは簡潔、適格、誉め言葉がいくつも並んでしまう、 読んでいて飽きない よくできた参考書です。

クロモリロードのシートポストをカット

新調のエクタープロトンに乗る前に行ったことはシートポストのカットです。必要な長さ以外はカットしました。クロモリロードのアルミシートポストは長い時間ほっておきますと化学反応を起こして固着してしまいます。こうなるとちょっと厄介です。

事前にカットしておきました

一度この固着を経験したことがあります。シートポストはどんなことをしても固まったままで動きません。油を差してもだめ、ヒートガンで温めてもだめ、購入したショップに相談してもだめでした。うちではできませんと断られました。最終的にはフレームビルダーの橋口さんに連絡取ってシートポストを抜いていただいたのです。

さすがです、橋口さんは持ち込んだ自転車を逆さにしてサドルを万力に挟んでフレームごとグイと回されたのです。難題を解決できました。こんな方法もあるのかととても新鮮でした。しかし無理にねじるとフレームが狂うこともあります。慎重にしないといけません。この方法でもびくともしない場合はシートポストを細かくのこぎりで切っていくというような方法しかあないようです。この時は何日前からオイルを注しておいたのも良かったようでうまく動いてくれました。一度固着したシートポストはあきらめないといけないかもしれません。固まってしまったらサドルの高さ調整は残念ながらもうできません。大方の自転車屋さんではまず受け付けてくれません。

固着を予防するには定期的にグリスを塗って動かしておくことが必要です。前回の経験がありますので動きが硬くなっても少しの力で回るようにシートポストを短くすることにしました。

クロモリロードに乗られている方はシートポストが動くか確かめたほうがいいです。動いていたらとりあえずグリスを忘れずに塗り、長い場合は必要な長さだけにして切り取るのがいいと思います。一台目のクロモリロードで経験したことが役に立っています。