エンヴィのメンテナンス依頼がありました

以前ホイールを販売した方より連絡があり別のホイールの振れ取をしてほしいと連絡がありました。できるだけの事はしますが手に負えない場合は送料代金お返しいたしますと返事しましたら送られてきました。

 

エンヴィ フロント35mm/リア45mm

ハブ   クリスキング 20/24h

スポーク サピムcxray シルバー

ニップル インナーニップル

 

上記のホイールでした。高級ホイールです。セットで20万円以上のリムとハブは7,8万円、スポークは1本350円と材料だけでも30万円以上します。弁償するのは大変ですので慎重に行いました。

エンヴィホイール
フロント 570g 軽い
スプロケットがついて982gです

前後共に若干の振れはありますが気にするほどではありません。テンションを調べますと下のグラフの様な状態でした。

スポークテンションはびっくりするほど緩い状態でした。特にフロントは緩い。緩いスポークはスポーク折れの原因になります。

ほとんど振れは無いのですがスポークテンションは緩いということは作った人のテンションメーターが狂っていたか、メーターなしで作って振れ取だけを一所懸命行って作り上げたホイールでした。リムの剛性を生かせていません。

フロント 左58kgf右57.4kgf テンション偏差 左21%/右11%

リア   左46kgf右104kgf テンション偏差 左26%/右47%

右に極端に緩い部分があり左も全体のスポークテンションが揃っていません。

ゆっくりテンションアップを行いました。

エンヴィのリムは固く普通のカーボンリムと比べても音が違います。剛性が非常に高いリムです。

前輪 テンション修正後 左108.5kgf 右106.9kgf 偏差1.8%右3.3%

後輪 テンション修正後 左55.3kgf 右130.0kgf 偏差左4.1%右4.6%

2時間ほどで図のようになりました。

フロント100kgf/リア120kgfの目標でしたがリム剛性が高いのでテンションは少し高めにしました。

最小の振れ且つ最大限のスポークテンション均一化を目標に、ころ合いのいいところで納めました。

中古ホイールを買われたのか、使っていてこのような緩い状態になったのかはうかがっていませんが、中古ホイールでしたらこの様なリスクがあるということです。見た目だけではわかりません。

数日前に中古ホイールのリスクの事を書いたすぐにこんな話が起こりました。

センターはロックナットの位置で測る

ホイールセンターを測るのにその位置は写真のように中心軸で測られると思います。私だけかもしれませんが私は長い間この様にしていました。

右側5.47mm
左側4.96mm

ホイールをひっくり返してすいている半分を片方のスポークをほんの少し回して調整します。ホイール一周スポークの張りを直してセンターを出すのですが、ある日ふと考えました。

センターは左右のロックナット間であることでした。

いろんなブログで先輩方のやっていることを見ながらこうするのやな、なんて思い当たり前になっていましたがセンターは左右のロックナットの中心ということです。

 

参考のため実際測ってみましょう。

このホイールはロックナット間で測ると1.11mm、1.26mmと出ています。その差は0.15mmの違いでまあ良としています。

中心軸で測ると4.96mm、5.47mmと出ていますのでその差は0.51mmです。これはカップ&コーンのハブの構造上ロックナットの締めこむ位置で違います。

0.5mm違うと性能が違うのかと言われると性能は全く変わりません。しかしビルダーの技量をうたがわれますので私は注意しています。

完組で1mmくらい違っていることはよくあると聞きます。1mmくらい狂ってもブレーキシューで調整すればどうってことありませんがセンターが正確に出ているにこしたことはありません。

手組ホイールのおすすめ

ホイール作りはプラモデルを組み立てるようなもので誰でもできます。もちろん出来栄えはどなたも同じとは言えませんがハマれば結構楽しい作業です。振れ取は心の振れ取とはうまく言ったものです。

私は約10年前自称プロメカニックと言っている人に誰でもできますと言われて始めました。以来面白くて色々勉強しました。ホイール作りは難しいといいますがゴルフみたいなもので誰でもできるがプロになるにはそれなりに努力がいるというとこです。

 

ざっとこんな感じです。

 

道具を揃える。    3万円

リム、ハブを購入   1万6000円

スポーク長の計算

スポーク発注                  4000円

 

道具に関してはミノウラなどの安価な振れ取台があります。ニップル回し、テンションメーターなどを揃えます。予算約3万円。

リムは2本で1万円、ハブはティアグラで6000円、スポークはホシのスポークで約4000円です。ホイールを組むのに約5万円かかります。もっと安価にそろえることもできるかもしれませんがまあこんなものです。

 

1万円でしっかりしたホイールを購入できる時代に5万円もかかるのはちょっと考えてしまいますが趣味の世界はちょっと違います。

写真が趣味の方で自家現像するのとよく似ています。同じ写真を2回楽しむ、取って楽しみ現像して楽しむこの感覚に似ています。自分で作ったホイールに乗るのは特別のうれしさがあります。

ちょっと覗かれても良いかと思います。

HB6700,FH6700シマノハブを手に入れる

アメリカの通販でシマノのバルクを手に入れました。新品ですが少し傷があるという品物です。正式な箱には入っていません。しかし使用には影響ありません。

FH6700 24h
HB6700 18h

シマノハブは重いのですが中心部の重量は外周部には影響しません。耐久性、メンテナンスに関して優秀ですので新品があれば購入しています。

ハブセット 重いが高性能

FH6700は8/9/10速使用可能です。私には10速で十分なので今のままで満足しています。

このハブについて説明しますと

PCDは左右44/45㎜

11速ハブでは10速で使うには1.85㎜のスペーサーを使いますが10速ハブではこのスペーサー分フランジ間寸法が広く作られています。

LtoR寸法は38.4/20.8でこのハブを使ってホイールを作ると左右スポークテンション比率は左右55:100の比率で仕上げることができます。

理論値ですので実際は少し違うこともありますが左スポークが11速では45%ですが、FH6700では55%のテンション比率で作ることができます。55%あればオフセットリムを使わなくても十分なテンションを得ることができます。FH6800では左右45:100%のテンションになります。

3mmのオフセットリムを使うなら左右68:100%の比率で作ることができます。

2:1組にしなくても十分なテンション比率で駆動ロスの少ないホイールを作ることができます。

まさにあっちが立てばこっちがたたずの関係、トレードオフの関係です。

8速9速10速ホイールは決して性能の悪いホイールではないと思います。

シマノハブデータより感じた事

シマノFH5800 105シリーズハブデータを見ますと下図のように詳しく出ていません。

 

アルテグラ FH6800 は詳しく下図のように出ています。

 

シマノのお客様相談室にハブデータを教えてほしいと電話しますと気持ちよく対応して頂けます。

データを教えていただきました。

105

フランジ間寸法 56.9

オフセット9.75

PCD 44/45

です。

 

アルテグラは発表されている表より

 

フランジ間寸法 56.9

オフセット9.7

PCD 44/45

 

となります。オフセット9.75と9.7と違うだけで他は同じです。11速のフリーの構造からも同じになってしまいます。

 

外見の姿が若干まるみあるのがアルテグラですがほぼ同じなんだなと勝手に思っています。

DURAも調べましたが同じです。アルテグラも105も11速ですのでサイズ的にはみな同じです。

DURAのフリーはチタンで他はスチール、重量も100gほど軽くその違いはとても大きいのですがホイールの中心部ということで外周部の重量とは違うので回転に関しては余り違わないと勝手に解釈しています。

Duraは別物とよく言われますが私の様なアマチュアレベルではその差は感じられないのです。

耐久性は違うとよく言われますが私はハブがつぶれるほど乗ったことがないのでこの耐久性については意見ができないです。

グリスアップをしなくてもよく回るのでほとんどメンテナンスしていません。

以上の理由で10/11速のハブに関しては最近は下位グレードのティアグラを選んでいます。勿論手組ホイールビギナーの時はハブはDura、アルテグラで揃えていました。

異論ある方もおられるでしょうが、シマノは本当に優秀です。

ハブオフセットについて

ホイールを作るのにスポーク長を計算します。たくさんの計算ソフトをネットから使うことができます。

私はDT spoke caluclater 、Wheel Proの計算ソフトを使っています。2種類よりいい方を選んでいます。

 

ハブデータ、リムのERD、使うスポーク、ニップルを入力します。

シマノのホームページからティアグラFH-RS400のデータを取ることにしました。シマノのデータは安心できます。

この図がシマノホームページからのデータです。

 

フランジ間寸法 56.9

オフセット   9.75

P.C.D.     44/45

このオフセットが何かわかりませんでした。

この数字から計算ソフトにデータ入力するのですがオフセット9.75㎜ということはセンターの位置から9.75mmずれている事なので56.9の半分28.45mmの位置から9.75mmずれているので左38.2mm右18.7mmの位置がハブセンターになります。

計算ソフトにERDを入れ、ハブセンターより左38.2mm右18.7mm、ハブのPCD44/45を入力、スポークのクロス数、スポークを選択すればスポーク長が出ます。

パソコンを扱う時に簡単なことでも一度わからなくなるとどうしてもうまくいかなくなる時があります。このような簡単なことでもわからないことが何度もありました。

 

知っている人には当たり前のことが知らない人にとっては何のことかわからないこと、このオフセットの数字は私にはその中の一つでした。ベテランの人にはお笑いの話ですが初めての時はこんなものです。

中古ホイールのスポークテンション

中古ホイールを求める際まずブランドを考えてしまいます。次に振れは出ていないか心配しますが、一番に考えないといけないことはスポークテンションだと思うのです。

 

見た目がよく、振れも出ていない。しかし長く使われたホイールは確実にスポークテンションが緩くなっています。掘り出し物買えたと思っても新品の時の状態が分かる人は少ないと思うのです。

スポークテンションが緩くなれば前へ進む力にロスが発生することは否めません。ベストのパフォーマンスを得ることは難しいと思います。

でもこれは見ためではわかりません。走行距離3000km走りましたと書かれてもわかりません。あなたが3000kmでも前の方は何キロですか?と尋ねたくなります。

自分の使用目的がはっきりしていて

1 テンションアップなど新品の時の状態に戻すことができる方

2 メンテのできる人(自転車屋さん、知人)が近くにいる人

はホイールハンティングをされたら楽しいと思います。

 

ブランドに惑わさては失敗します。中古ホイールは玉石混交です。

私は35kmで走るのが精いっぱいでどんなホイールで走っても同じような実力ですがこれ進むな!くらいはわかります。

偉そうにいうな!と叱られそうですが何度も失敗してきたから書いています。

エンドのゆがみ

前に輪行で倒れてヘルメットが割れた話を書きました。

実はヘルメットだけでなく後ディレーラーも損傷しました。今になってよく帰れたなと思います。

壊れたディレーラー

写真のようにディレーラーがゆがみました。手で何とか戻してある程度使えるようになったのですが家に帰ってから調べてみますと本当に驚きました。

しかし、シマノの部品は本当に丈夫です。信頼されるのはよくわかります。

 

クロモリ・ロードのエクタープロトンは大きくダメージを受けていました。エンドが曲がっていたのです。

橋口さんにまた電話してみていただくことにしました。橋口さん曰くスチールはどのようにでも曲げることはできます。元に戻すことも大丈夫ですと言っていただきました。

元通りになっています

 

エンドはきれいに蘇り元に戻りました。専用の道具を使うのですがいや、あっという間に戻していただきました。私もできないことはないのですがやはりプロビルダーさんは違います。

後は持ち帰りディレーラーを取り付ければよいだけですがディレーラーも付けていただくことになりました。本当に感謝、感謝です。一時間ほどですべて完了です。やはりプロビルダーは違います。

橋口さんありがとうございました。クロモリ・ロードはいいですね。もう一台お金貯めてオーダーしたいです。

シートポスト固着

私はクロモリとアルミの2種類のロードに乗っています。

クロモリは大阪のフレームビルダー、橋口さんのエクタープロトンです。購入は別の店からです。このロード、ずっと室内保管でしたので安心していました。

エクタープロトン

サドルの高さも具合よかったので長い間何も触らずに置いていました。頻繁に注油はしていましたがシートポストには怠っていました。

ある日サドル調整を思いつき触ったのですが全く動きません。固着していました。毎日注油して動かしてみたのですがダメでした。

 

販売店にも固着は難しいですと対応を断られ困っていました。乗れないわけではないのでこのままでいようかとも思いました。

思いあまって橋口さんに電話すると、もってきてください、固着は難しいがやってみましょうと引き受けて下さいました。

 

橋口さんの工房で悪戦苦闘の一時間、フレームを逆さにして万力にシートポストを固定してグイっと回して動きました。やっとのことで取り外すことができました。おまけにいらない部分の10㎝程をカットして頂くこともでき無事に終わりました。

シートポストをカットして頂きました

 

橋口さんはご自分のフレームであること以上にプロ意識の高い非常に丁寧な対応でとても勉強になりました。カットは私がお願いしたわけでもありません。いろんなことを教えていただき楽しい時間を過ごすことができました。

 

クロモリフレームをお探しの方にはぜひ連絡されたらいいと思います。私は住所をネットで調べました。何十万のカーボンフレームより出来上がりに時間はかかりますがピッタリと体に合ったロードバイクが出来上がります。

スポークが折れた経験

10年前にホイールのスポークが折れた経験があります。

今になって思うのですがホイールはスポークテンションを緩めにしておきました。フロント80kgfリア100kgfで仕上げました、柔らかい乗り味を喜んで乗っていました。実際柔らかい乗り味だったのですが5,6回乗った時です、リアの左スポークが折れました。ビックリしました。事故にならなくてよかったです。

 

折れた原因は何なのか考えますと

 

1 スポークテンションが緩い

2 スポークテンションが均一になっていない

3 材料が悪い

 

などが考えられます。

 

DTチャンピオン アンブロッシオ クロノ シマノ105 32hで作ったので3はないと思います。

 

折れたのはリアでしたので右100kgfなら左は45kgf、10~20%狂っていれば左は35~40kgfで非常に緩い状態です。

おそらくスポークは緩くてテンションが揃っていなかったのだと思います。

 

この時私は縦横の振れ取を最優先に考えていました。振れ取はとても大事なことですが振れ取りを行ったところでやめました。もう一歩進んでテンションを揃えていたらよかったのにと思うのです。