ゾンダDiscホイールでG3カーボンホイール作製

BoraOneのハブでカーボンホイールのご注文をいただきましたお客様より今回はゾンダのディスクホイールを送ってこられました。ゾンダのハブを使って新しくカーボンホイールを作るご注文です。

分解前のゾンダディスク 前輪
分解前のゾンダ後輪
ゾンダ アルミリム 471g 軽くもなく重くもない普通のアルミリム
前輪ハブ  169g
後輪ハブ 283g

カンパのホイールはとても良く出来ています。分解するのが勿体ないくらいです。
汎用の部品は一つも使っていません。ニップルまでもカンパ専用です。
当然ニップルレンチは4mmの特殊サイズとなります。
3.2mmや3.45mmの汎用ニップルではないサイズです。
取り出してみてわかるのですがニップルは大きく丈夫です。

勝手な想像ですがトラブルを避ける設計思想が細部にも施されていると感じます。
汎用の部品なら特別感は当然なくなります。
嫌味な言い方をすれば真似できないようにしています。

とても良くできているゾンダホイールを分解して作りましたホイールが今回のホイールです。

前輪 701g
後輪 809g

28mm幅46.5mm高の軽量波型カーボンリムを使っています。リムメーカーに特注しています。スポークは扁平スポークを使いました。ニップルはダブルスクエアニップルです。

ホイールの性能は①にリム、②番は乗り心地を左右するスポーク③番目はハブで決まると考えています。今回は高性能のリムを使い、特徴あるハブで性能アップを図ります。

なかなかカッコイイホイールです  これならほしい!

お客様はホイールのことをとてもよくご存じです。

カーボンホイールVISION METRON 60 SLの調整依頼

昨年Rovalホイールの調整をご依頼いただきましたお客様より連絡がありました。
今回はVISION METRON 60 SLの記念モデルの点検です。

前輪 726g 14:7のスポーク構成です
お預かり時点の前輪スポークテンショングラフ   スポークテンションばらつき度が高い
後輪 849g  8:16のスポーク構成です  スポークテンションばらつき度が高い
お預かり時点の後輪スポークテンショングラフ

写真を見ていただきますと分かりますがロゴがはっきりしていて、なるほど記念モデルです。存在感があります。

いつもホイールを預かりますとスポークのテンション状態を調べます。テンションメーターを各スポークにあてて張りの状態をみます。各々の値をグラフにしますと分かりやすいです。
ホイールの振れをチェックしますと縦ブレも横ブレもなくセンターもしっかりと出ています。
しかし各スポークテンションはグラフに示す通りです。

スポークテンション調整後の前輪
スポークテンション調整後の後輪

スポークテンションを揃える利点は①振れが出にくい②駆動効率が上がる。
②の駆動効率ですが使用前使用後の違いが大きく違うという差はないです。ほとんどの方は分からないと思います。しかしこの違いを感じる方もおられるようです。

今回のお客様は違いが感じられる方なので前回のRovalが良かったのでまた調整依頼をいただきました。
乗られている機材の経験が沢山ある方でないとなかなか違いは分からないものですが感覚の鋭い人はわかるようです。

違いがわかる、分からないは別としてスポークのテンションが揃っていることは悪いことではありません。精度の高いホイールは長持ちします。この点だけでもメリットは大きいです。

記念モデルならもう少し丁寧な作りをすればいいと思うのですがそうではなかったことが今回分かりました。めったにさわれない記念モデルを勉強させていただいたので工賃は少し割引しておきました。

チューブラーホイールのご注文

最初のご連絡ではシマノハブを持っているのでチューブラーホイールを提案してほしいということでした。
たまたまですが手組のチューブラーホイールを在庫していましたのでこんなホイールがありますと提示しますとお話が進みました。

前輪 757g
アルテグラハブ  HB-6600  32H
後輪915g  36H
Dura FH-7900

ホイールはこんな仕様です。

リム TB25
ハブ前輪 アルテグラ HB6600 32H
ハブ後輪 Dura FH7900 36H
スポーク 前輪 サピムLaser(2.0/1.5/2.0mm)
スポーク 後輪 左ピラーTB2015 右DT コンペティション
ニップル ブラス

手組愛好の人ならお分かりいただける内容です。果たしてお客様はすぐに気に入っていただきました。商談はすぐにまとまりました。

チューブラーホイールは真円にふくらんだタイヤをリムに貼りつける方法のホイールです。
タイヤ取り付けには少しお作法が必要なホイールですが乗り味はすばらしいです。

今風のホイールではありませんが、お客様はチューブラーホイールの良いところをよくわかっておられました。いいご縁をいただきました。

MTB後輪ホイールのスポーク替え

昨年ご注文いただきしましたMTBホイールですが山中を走行中に滑ってスポーク1本が歪んだと連絡いただきました。

お送りいただきまして点検しますと、なるほど1本ゆがんでいます。当然ホイールのフレは大きく出ています。

後輪 反ギア側スポークが1本歪んでいます 印をつけていただいています
反ギア側スポーク1本歪んでいます  スポークを1本取り換えるだけではもとには戻りません

ホイールをお預かりしますと先ずスポーク、リムの状態を調べます。
お客様よりここ!と印をつけていただきお送りいただきましたので今回は良く分かります。

取り出したスポークは大きく歪んでいます  衝撃はこのスポークだけではなく他のスポークにも影響しています

トラブったスポークだけを交換して振れを取るだけならすぐにできます。
しかし、あたった時の衝撃はホイール全体のバランスを崩しています。

こんな場合は全体のスポークを緩めて再度ニップルを締めなおします。
スポークをリム全体に通す作業はありませんが、新しくホイールを作るのとほぼ同じことを行う必要があります。

再調整後のスポークテンション状態  グラフにすればよくわかります

単純に傷んだスポークを取り換えるのでは駆動効率は下がります。
新規に作り直すのと同じ作業が必要です。振れをとり、スポークテンションが均一になるように調整しなおしています。

出来あがりました。喜んでいただけると思います。

シマノDuraホイールのスポーク調整依頼

シマノDURAホイールのスポーク調整をして欲しいと連絡いただきました。ホイールの作製ではなく調整です。Duraホイールですのでメーカーとしては最高ランクのホイールですが定期的なメンテナンスは必要です。

前輪 DURAホイール 754g
お預かり時点の前輪スポークテンショングラフ
後輪 DURAホイール 900g
お預かり時点の後輪スポーツテンショングラフ  左バラつき度5.3% 右バラつき度8.9%

お預かりホイールのハブにはあたりが出ていました。快調に回ります。しかし回転しますと縦ブレ、横ブレがありました。

ホイールをお預かりしますと先ずすポークテンションを調べます。振れがなくても各スポークのテンションが揃っていないホイールは駆動ロスは大きくなります。

ホイールのスポークを調整するにはテンションメーターが必須です。ピアノの調律のように音で調整するのもいい方法です。但し音の場合は微妙なテンション差でも分かりますので調整にキリがありません。テンションメーターとスポークを弾く音で調整を併用するのがいいと思います。調整は1回で終わりません。繰り返して精度をあげていくことが良い方法です。

調整後の前輪スポーツテンショングラフ
調整後の後輪スポーツテンショングラフ

ホイールを調整しては休み、調整しては休みと繰り返しますとスポークにストレスをかけても変化しなくなります。

一般にはホイールは振れさえなければいいホイールですが、見た目だけでは出来栄えは判断できません。高級ホイールでもビルダーの力量で性能が違います。とても奥が深いです。

春の下総エンデューロで上位入賞されました

昨年末から前輪、後輪と2回に分けて当ブログの定番リムを使ってご注文いただきましたお客様よりご連絡いただきました。下記のレースに上位入賞されたとお知らせいただきました。

緩斜面、下りも良く回り、最終周回まで脚を残す事が出来ました。」とホイールの感想コメントをいただきました。

春の下総エンデューロ
日 時 2026年4月25日(土)
会 場 千葉県 成田市 下総運動公園

手前味噌の話で恐縮ですが、納品しましたホイールを使っていただきレースで上位入賞されましたのでとても気をよくしています。

46mm高 後輪843g スターラチェット方式ハブ使用
46mm高 Hopeハブ使用 前輪694g

良い結果が出るのは一番に日頃の練習の賜物だと思います。お名前を上げてお祝い申し上げたいのですが控えさせていただきます。ホイールビルダー冥利に尽きるお話ですので今回の記事にさせていただきました。乾杯!

「ブルべ用にご注文のホイール」 ご感想です

昨年の12月7日の記事「ブルべ等ロングライド向けホイールのご注文」ですが、ホイールのインプレをお送りいただきました。とても分かりやすいです。実際に使う人に伺うのが一番と思います。

以下ご感想です。

2月にホイールを使用する機体が完成しまして、6週間で200kmを2本、300,400,600kmのブルベを完走し、2500kmほど走りましたので、ファーストインプレッションをお送りさせていただきます。

(タイヤはMichelin Pro5エンデュランスタイヤをフロント32C・リア35C、ブチルチューブで運用しています ブルべで撮影した写真を添付させていただきます)

一言で表しますと、

『最後まで辿り着くためのホイール』

と感じております。

平地では踏んだ分だけ前に進みますし、坂でも粘ってくれるので重量の割に苦労せず登れます。

登りは全力の6割、平地は7割、下りは8割で走る戦略を取っていますので、その戦略に特化させられる点でも良いホイールと考えております。

個人的なお気に入りポイントとしましては、最後まで足が残りやすいという部分です。

600kmブルべでは、スタート地点まで30km自走・ゴール後は神奈川から都内を縦断する形で50km自走で帰りましたが、

最後まで疲労で動けなくなることがありませんでした。

太タイヤとの相性も良く、ブルべでは荒れた道を長時間走る場面もありますが、パンク無しで乗り心地も快適です。

加えて、挙動が素直な点も気に入っております。

使用している機体が非常に特殊ですので、挙動が素直なホイールはとてもありがたいです。

BoraOne ホイールの分解

BoraOneのハブを使って特注の幅広リムでホイールを作るご注文をいただきました。リムは特注しますので穴位置の連絡をして特別にオーダーします。リムメーカーは特注リムを受付してくれましたが時間は通常よりも時間が掛かります。

特注リムの受けてくれたことをお客様に連絡しまた。事前にBoraを送ってこられたので今回はこのBora分解の話をしたいと思います。

BoraOne ディスク用 前輪675g
BoraOne ディスク用 後輪803g
お預かり時点の後輪スポークテンショングラフ  少しバラつきがあるのは仕方ないことです

お預かりのBoraはとても良く出来た製品です。さすがに高価なホイールだけあってスポークはよく調整してありました。カンパの製品はいつも感心するのですがすべてオリジナルの部品を使っています。

ホイールはリム、ハブ、スポーク、ニップル、4つの部品を組み合わせて作りますがすべてオリジナル規格の部品です。今更すごいなと感心するのも変ですが真似できないようにしているところがすごいです。

ホイールの構造は16:8の組み方ですので同じ構造のホイールは作ることが出来ます。手組ホイールファンの16:8組ホイールとBoraならどちらがよく走るか?を考えますと一般にはBoraを選ばれます。今回このBoraをばらしてオリジナルのホイールを作ってほしいとご依頼いただきましたことは本当に感謝です。おまけにいろいろ勉強出来るチャンスを与えていただきました。

後輪ハブ 245g 8:16
35mm高 リム 396g
左ニップル DT SquorxProブラス  右ニップル BoraOne用 ねじ部分が長いので緩みにくいと思います

Boraを分解するには普通のレンチでは分解できません。ニップルはカンパのオリジナルニップル(4mm角)です。このためニップルレンチも特別サイズでないと回せません。

幸いにも手組ホイールファンでは自作(特別な道具ではありません)のニップルレンチがありますので通常より時間が掛かりますが分解することが出来ました。

リム、ハブ、スポーク、ニップルすべての部品がオリジナル部品ですので部品交換の必要が生じた場合新しく取り寄せが必要です。代品は使えません。これがいいのか悪いのかを言う資格はありませんが不便なこと、高価であることは確かです。時間もかかるし扱えるショップさんも制限されています。しかしもともと完成度は高いので頻繁に調整が必要なことはないように作られています。スポークのねじ部分を見ても分かります。その分十分な価格になっています。

ハブだけでなくニップルまでオリジナルを作って真似できないようにしているカンパ、一目でカンパを使っていると分かってもらえるデザイン、どれをとっても感心しました。このカンパBoraを分解して新しいホイールを作る注文をいただきましたお客様に感謝しています。

カーボンホイールの前輪リム交換

カーボンホイールの前輪リムの交換をご依頼いただきました。

お預かりしたカーボンホイール 前輪用

中華カーボンを使っている時に前輪のブレーキ面が膨れてきたそうです。使うのをやめて置いておくと元に戻ったのですが使う気にはならなかったとのことです。ご友人が同じサイズのリムを持っておられるということで譲っていただいたそうです。メーカーは違います。

取り換えましたリム 38mm高で376g  軽量です

ホイールと取り換えるリムが届きました。スポークの剛性は問題ないということなのでスポーク交換することなくリムだけの取り換えを行います。取り換えるリムは430gと54g重くなりますが重くなった分剛性が高まります。

交換の為に使う38mm高カーボンリム  430g
取り出したアルミニップル 16mmサイズ  18個で8g

順番にニップルを緩めていきます。一気に緩めることはしません。少しずつニップルを回して取り外しました。使われていましたニップルはアルミニップルでしたので再利用はしていません。新しいニップルは前からでも後ろからでも回せるニップルを使っています。微妙な調整は後ろから回した方が使いやすいので今回はDTのSquorxProを使いました。

リムブレーキの場合軽すぎるリムはブレーキ面の強度が心配です。取り換え後のリムは台湾のギガンティックのリムでした。グラム数は増えていますが強度は増しています。お客様はリムをうまく手に入れられました。軽さを選ぶ風潮ですが一般には軽い=弱いです。ホイール選びには注意が必要です。

451リム使用  ミニベロホイールの作製

昨年の9月にミニベロホイールをご注文いただきましたお客様よりご連絡いただきました。再度ミニベロホイールのご依頼です。今回はリムとハブが変わりました。前回と同じようにリムとハブをお送りいただきスポーク、ニップルをこちらで用意するという方法です。

XR270 451サイズ  324g
前輪ハブ 73g
後輪ハブ  248g

リム キンリン XR270 451用 

ハブ 前輪 Reida ハブ 74mm幅20穴

ハブ 後輪 シマノ FH-9000 28穴

スポーク 2mm径 黒

ニップル SquorxPro ブラス 黒

前輪はラジアル組、後輪は2クロス組のご指定です。

キンリン社XR270リム使用 451サイズミニベロホイール
前輪 512g  ラジアル組
前輪スポークテンショングラフ
後輪 746g 2クロス組
後輪スポークテンショングラフ

XR270リムは剛性が高いのでとても組みやすいリムでした。剛性がある、ないは組んでみるとよくわかります。柔らかいリムは振れが出やすくセンターを出すのが難しいです。良いリムを選ばれています。

スポーク調整での注意点はリム径が小さいのでニップルを回した時の反応が大きい点にあります。少しの回転でも大きく振れが出ます。700cのリムと同じ感覚でニップルを回しますとなかなかうまく調整ができません。この点に注意が必要です。緩い状態で一度作り上げて後からゆっくりスポークテンションを上げていくのがいい方法です。

小さいホイールでもスポークテンションは均一になるように調整します。フレが出にくいホイールを作るにはスポークテンションが大切です。

小径車のホイール作りは簡単そうに見えますがとても難しいというのが実感です。しかし今回もうまく作れました。お客様には喜んでいただけると思います。