Rovalホイールのスポーク替え

1月にRovalホイールのスポーク替えでホイールの剛性アップが出来た記事を書いています。このお客様はあるヒルクライムレースで優勝されました。日頃のトレーニングの賜物ですが剛性アップのホイールも一役を担ったようです。

今回のお客様もこのブログ記事を読まれたようでご連絡いただきました。Rovalホイールの剛性を上げてほしいとご依頼いただきました。

お預かり時のホイール リムテープ有 737g

ホイールはRovalのアルピニストCLで、使われているスポークはDTのエアロライトです。後輪左右スポークがエアロライトでは力のあるライダーさんではぬるいと思います。

お預かり時点のスポークテンション バラつきがなくよくできています

お預かりしましたらいつもスポークの状態を調べます。少し振れはありましたがスポークテンションは均一に張ってありとても良くできています。若干スポークテンション値は低めですがとても良く揃っていました。高価なホイールだけあってよくできています。

ハブはDT350のストレートプルスポークのハブです。Rovalというシールがリムに貼られていますがいわゆる手組ホイールです。カーボンリム、DT350、エアロライトという組み合わせですので手組ホイールファンでも作れる仕様です。最近の規格では特殊なハブを使ったりしていますが基本的な内容は手組ホイールです。

一般的な手組ホイールと同じですので特殊なスポーク、ハブは使われていません。スポーク替えは難しくありません。

ホイールを分解しました。

ドライブ側エアロライト12本で55g
スポークをコンペティションに交換します 12本で75g

スポークの重量を計測しますとドライブ側のエアロライト12本は55gです。これをコンペティションに交換します。コンペティション12本で75gです。左右交換しますので約40g増えます。これだけのことで温いホイールがシャキッと変身します。

もともと完組のホイールは乗り手にあわせて作られたオーダーメイドではありません。乗り手の力にあわせてホイールを作ってあれば今回のようなスポーク替えは不要です。ホイールに対する不満は後から出ますが完組ホイールではどうしても仕方ないことです。

ホイールメーカーの宣伝文を読みますとサピムのCXRAY、DTのエアロライトがよく出てきます。最強のスポークと書かれることが多いのですが一般にはこのように書かれるといいスポークが使われている上等なホイールと思ってしまいます。実際スポークは高価なスポークです。しかし高級スポークは万能ではありません。

ホイールの剛性は使われているスポークの総面積に比例します。太いスポークで作られたホイールは剛性が高いということです。細くて強いスポークでも総面積が少ないとホイールの剛性は落ちます。お客様にはRovalホイールはヌルかったのですがこれは乗る人によって違います。とても走りやすいという人もおられますのでそれぞれ違います。Rovalホイールはぬるいと一概には言えません。軽くて素晴らしいと感じるライダーさんも沢山おられます。

ドライブ側を約130kgf反対側を約70kgfです  お預かり時点より高く仕上げています

今回は細くて軽いエアロライトから太いコンペティションに交換しました。重量は40g増えました。ホイールの剛性が高まり乗り味は大きく変わることでしょう。ダンシングで登ってもよれることなく登っていくと思います。ご感想が楽しみです。

グランボア650ホイールのスポーク替え

ランドナーで有名な京都のグランボアホイールのスポーク替えをご依頼いただきました。グランボアのホイールは初めての出会いです。部品がグランボアということで、ビルダーさんがグランボアかどうかは確かでありません。

お預かり時のホイールです ハブ、リムはまだきれいに出来ていません
ドライブ側 4クロスで組まれています 少しオーバーラップしています
4クロスで組まれています オーバーラップしています

さて、お預かりしましたホイールはスポークが1本折れていました。ご依頼はスポークをすべて新しく交換です。

いつもホイールをお預かりしますとルーティン作業としてスポークテンションを調べますが今回は各スポークが緩んだり締めすぎたりでホイールになっていないのでテンション調べはやめています。分解前にハブの部分を見たのですがスポークは36H4クロス(8本どり)で組んでいます。

オーバーラップはトラブルの元になる

36Hハブの場合は4クロスで組むと考えがちですがこの組み方ではスポークがハブの部分でオーバーラップします。勿論スポークがオーバーラップしても使えないわけではありません。しかしスポークが重なると不要な曲がりが起こりますのでトラブルの元になりやすいです。また、重なり下のスポークを取り出すには2本緩めないと取り出すことが出来ません。このようにスポークの重なりは何かと面倒です。

スポークがオーバーラップするかどうかはDTのスポーク計算ソフトやエクセルを使うスポカルクでは分かりません。オーバーラップを計算できるソフトの研究が必要です。

シングルウオールのリムはスポークが長いとリムテープが巻けない
スポークがニップルから突き出ていませんのでリムテープは巻けます

グランボアの650リム内部はシングルウオールでした。あまり見かけることがないとても珍しいリムといえます。新しく組み直しましたが意外と剛性が高いリムでした。

リムがシングルウオールなのでスポーク長はニップルから突き出ない長さでないとリムテープが巻けません。ピッタリの長さになるようにスポークの長さには注意が必要です。使用スポークは取り出したスポークとほぼ同じ径のTB2015で組んでいます。

3クロスで組むとオーバーラップしません
スポークテンションのバラつきを出来るだけ少なくします

今回のようなスポーク折れの原因は主にスポークテンションを揃えていないことが多いです。勿論金属疲労で折れるのですが疲労の元になるのはテンションの不揃いからです。出来るだけスポークテンションを揃え、出来るだけ振れを取ることに注意して仕上げました。

マビック キシリウムホイールの調整

何度もホイールのご注文いただきましたお客様よりキシリウムホイールの調整依頼を受けました。

前輪596g
後輪857g
ドライブ側スポークはラジアル組 反対側はクロス組

当初マビック製品の場合、手組ホイールファンは代理店ではありませんので部品調達がむずかしくホイール調整は出来ない旨お知らせしていました。しかし出来る範囲でOKということでしたのでお受けいたしました。

スポークテンションの調整とハブのグリスアップを行います。

フリーは引き抜けば容易に外せます きれいにしてグリスアップ行いました

キシリウムホイールはアルミスポークを使われています。スポークの剛性に関してアルミスポークはスチールのスポークとほぼ同じですが見た目が太くなりますのでとてもがっちりした印象です。この見た目にほれ込むユーザーが多いのも事実と思います。

お客様はキシリウムとわかるのが嫌でシールをはがし、写真のように一見普通のホイールのように見えますが現物は正真正銘のキシリウムです。

グラフのテンション数値はソフトと連動していませんのでバラつき度のみ確認しています
スポークテンションのバラつきがなくなるように調整しました

スポークの調整が終わりグラフにしました。グラフにしますと分かりやすいです。数値は高めですがタイヤをインストールしますと10~15%テンションが下がりますので数的にはいい数字かもしれません。

前輪ハブのフランジ幅は80mmと広いので横剛性が高い
前輪スポークの角度は8.2度あります  とても優秀で横剛性が高いホイールです

もともとの調整をお受けしましたお預かり時点の数値をもとに調整しています。スポークテンションのバラつきはなくなり均一化しています。

今回の調整ではアルミスポークを扱うのは難しいというのが印象です。何度か別のホイールでアルミスポークをポキンと折っていますのでアルミスポークの扱いは難しいと思います。

スポークの供回りを防ぐためにプライヤーなどの工具で押さえます。急に力を加えることなくゆっくりと行えば折れません。時間が掛かりますが急がば回れです。無理な力を加えなければスポークは折れません。時間は掛かりますが丁寧にするのがコツのようです。

スポーク替えしたICANホイールのインプレ

ご友人のホイールと乗り比べてみてあまりの違いだったのでご相談いただきました。お客様のホイールは剛性が強すぎたようです。ロングライドで帰るとくたくたに疲れておられました。剛性が強すぎると疲れ易いホイールになりますので剛性を下げるといいですよということでスポーク交換のご依頼をいただきました。詳細は5月30日、5月31日のブログ「ICANホイールのスポーク替え」で記事にしています。

ICANホイール 前輪
ICANホイール 後輪

この度、組み換え後の新しいホイールに乗られたご感想をいただきました。ご了解をいただきましたのでブログ記事にさせていただきました。今使っておられるホイールをよくするための参考になると思います。以下原文です。

休みが取れましたので、そこそこ長い距離(80kmほどですが)を作り替えていただいたホイールで走ってきました。その感想を申し上げたいと思います。

 乗り始めてすぐに気が付いたことは、乗り心地が凄く良くなっていることと、以前に比べてスムーズに転がることです。

いつもと同じ道、いつもと同じ幾分荒れたアスファルトで、タイヤとの間に薄いカーペットを一枚挟んだ感じと言いましょうか、タイヤの空気圧はいつもと同じはずなのに地面からの突き上げが半分以下になった感じです。

 そして一番驚いたことは、「剛性がありすぎるホイールは初心者には使いこなせない」という意味が自分なりに良く理解できたことです。

比喩的表現で判りづらいでしょうが、以前のホイールは鬼軍曹、現在のホイールは親身で優しい先生と言った感じです。

剛性が下がったおかげなのか、スポークを両側クロスで組んだおかげか、はたまたテンションがきっちり揃ったおかげなのか私には判別できませんが、どこで力をかければ一番進むのかをホイールが教えてくれる感じがします。

バネを効かせて前に飛び出す感覚と言うのでしょうか、そこを狙って踏んでそれ以外は無駄な力をかけないので、気が付けばいつもよりスピードが出ているのにほとんど疲れないのです。

以前のホイールはどこを踏んでも同じで、それ故に常に力をかけている感じで、きっと踏まなくていい所でも踏んでいたからすぐに疲れていたのではないかと思いました。

きっとテンション、スポーク、組み方すべてのバランスが取れているからだと思いますが、走り終えた後の疲労度も全然違います。大変気に入りました。

 今更ながら思うことは、知らないということは恐ろしいことだと言うことです。

ブログを拝見していなかったら、きっと私は「これが普通だ」と信じて転がらない疲れるホイールで必死に漕いでいたのでしょうね。

良い機会を得られたこと、良い職人さんに出会えたことを感謝します。

ちなみに、費用対効果は私の物差しでは抜群に良いと思いました。

ありがたいご感想をいただきました。良いホイールになってよかったと思います。過分な評価を頂き感謝しています。

ホイールはカメラのレンズとよく似ています。解像度が素晴らしいレンズを使っていて、もうこれで十分と思っていても違うレンズで撮影するとまた違った好きな画像に出会うことがあります。比べるとよくわかります。好きなレンズに出会うには比べるしかありません。ホイールも全く同じで比べたらわかります。お金を出せばいいものに出会える確率は高くなりますが誰もが出来ることではありません。レンズ沼、ホイール沼にはまり込むとなかなか抜け出せないのも事実です。しっかりと足元を見据えながら沼を渡っていきたいものです。

優勝したとメールをいただきました

調整して頂いたロバールのホイールをつけて地元のローカルのヒルクライム大会「上州藤岡ライドandヒル」という大会で40代1位になれました

調整して頂いた凄く回るホイールのおかげです

6月9日に開催されました

チャレンジサイクリングフェスタ2024 第13回上州藤岡ライド&ヒル

40歳代部門で優勝され、お客様より上記(原文)のご連絡いただきました。試合後すぐにいただきました。

ホイールが助けてくれたとご一報いただきましたが、やはり日頃のトレーニングが実を結びました。好成績に終わられて本当に良かったです。お手伝いと言うほどではありませんがとてもうれしいお話です。

ホイールは乗り手との相性があります。いくら高価なブランドホイールでも乗り手の力とあっていなければヌルク感じたり、反応はいいのだがすぐに疲れてしまうということがあります。

スポークを取り換え剛性を強化したRovalホイール

これらはスポークの選択でよくなることが多いです。ぬるい場合はスポークを太くする。剛性が強過ぎる場合はスポークを細くする。このように乗り手が持っておられる力に応じた剛性がいいと思います。詳細は1月15日の記事「Rovalホイールの剛性アップ」で分かります。

追記:お客様より新しく連絡いただきました。ホイールの感想です。

この大会に向けて練習した成果と回るホイールのウェートもかなり大きなアドバンテージになったのは間違いありません

二カ所下りがあるので一気にスピードを上げられましたし、登りでもスピードが下がりずらくペダルのパワーがホイールにちゃんと乗っかり進む感じがしました

スポークを変えたことで力が逃げないで進ませてくれるのがよく分かりました

Rovalホイールも乗り手の力に合っていなければホイールの性能が発揮できません。Rovalはヌルイと言われているのをよく聞きます。理由はスポークがCXRAY、エアロライトと細いスポークだけで仕上げているからです。高級スポークは万能ではありません。しかし朗報です。高価なホイールを買ってがっかりしている人にはスポーク交換という手があります。

後輪カーボンホイールの点検、再調整のご依頼

5月20日の記事で前輪のスポーク替えを行いましたホイールですが、既に15000kmほど走っておられるようです。今回は後輪をスポーク調整とハブメンテナンスの依頼がありました。

ホイールは46mm高のリムブレーキホイールです。ブレーキ面はオプションで強化加工を行っていますのでブレーキはとても良く効きます。ディスクに変更する必要はないと伺っています。

今回のハブはミケハブです。ハブの分解は5mm六角レンチを2本用意します。シールドベアリングを使ったハブは慣れた人なら容易に分解できますが、ビギナーさんには少々面倒でハードルは高いと思います。

5mmレンチ2本で分解します

プロに任せるのではなくご自分でされるのであれば別のハブを用意して分解してみるのも良いのではないかと思います。事前に練習してハブの構造が分かれば簡単にできます。しかし一番簡単な方法は専門の人に任せることです。時間と技術をお金で引き換える方法は納得できる方法です。

ハブをきれいにすることで整備が始まります
油汚れは油で落とす

ハブの調整はしっかりと汚れを取ることから始まります。油汚れは油で落とすといいますが先ず汚れを拭きとり新しいグリスをつけてまた拭き取ります。何度も繰り返せばきれいになります。汚れを取り除きますと8割は終わったようなものです。最終的には新しいグリスを塗って元通りに組み立てれば終わります。

ホイールはもともとしっかりと馴染みだしを行っていますのであまり修正するところはありません。数か所修正して終わります。ハブのメンテも1万から1.5万kmでグリスアップしておけば長く使えます。自転車は買った日からメンテは始まります。自分でやる、人に任せるは自由ですが定期的にメンテをすれば長く使えます。

ICANホイールα40,α55のスポーク替え

前回記事の続きです。

分解しましたICANホイールを仕上げます。ウィング21と丸スポークを使った2種類見積もりしましたところ、お客様はウィング21を選ばれました。

簡単に説明しますとリッチマン・スポークSA1423で作られた剛性がありすぎるホイールのスポークを取り換えて少し剛性をさげています。後輪は組み方を替えました。当初ドライブ側は2クロス、左側はラジアル組です。これを左右共に2クロスに変更しました。

お預かり時点では右ドライブ側2クロス組、左側はラジアル組です

当初プルスポークは右の6本でしたが左右12本のスポークをプルスポークとして働いてもらったらいかがですかと提案しました。

左右共に2クロス組に変更しました

了解頂き出来るだけスポークテンションを揃え、出来るだけ振れを少なくすることに注意して仕上げました。

前輪スポークテンショングラフ
後輪スポークテンショングラフ

ホイールはスポークの選択で乗り味が変わります。今回のご注文ではホイールの剛性を下げました。そして適切なスポークテンションに仕上げています。これで乗り味は大きく変わります。細いスポークに交換しますと適度に地面からの衝撃を吸収してくれます。新しく変身したホイールのご感想が楽しみです。

ICANホイールα40,α55を分解しました

ICANのホームページから直接お求めになったホイールの再調整のご依頼いただきホイール分解する機会を得ました。このホイールはとても興味深いホイールです。

前輪α40 668g
後輪α55 905g

ホイールの印象としましてはとても良くできたカッコイイホイールです。価格も手ごろで安価に仕上げるための企業努力を感じます。

前輪用40mm高  464g
後輪用 55mm高  509g

前輪Alpha40,後輪Alpha55のスポークはピラーのSA1423というスポークを使われています。スポークのマークはピラーのPマークではありません。ピラースポークの中にリッチマンというブランドがあります。ピラーなのにRマークなのでなんとなく可笑しいです。

リッチマン SA1423

このリッチマン・スポークのSA1423は扁平スポークですが扁平部分が2.3/1.5mmというサイズでほとんど丸スポークのような印象を受けます。このスポークはとても剛性が高いスポークで2mmの丸スポークを叩いて扁平にしたようです。このスポークがホイールにプラス面マイナス面で大きく影響していると思います。

ハブは手組ホイールファンでもよく使うノバテックのA291SB,F482SBです。軽量で修理部品が容易に手に入ります。摺動性などハブの性能は必要十分なものを持っています。実用ハブとして価格も安価で、台湾ハブのある意味銘品と思います。

ノバテックA291SB 60g
ノバテックF482SB 232g

他のホイールと比較して感じるポイントはスポークの選択と考えます。このα40、α55のイメージはシマノホイールの低価格アルミホイールがぴったりと感じました。これは決して悪い意味ではありません。

一般にはシマノWH-RS100のような低価格ホイールは2mmの丸スポークを使っています。入門者用の印象ですが、実は知る人ぞ知る、上級者好みのとてもよく走るホイールです。価格が安価なので完成車に付属するホイールです。

剛性の高すぎるホイールは脚力のない人には使いこなす力がありません。本当はとてもよく走るホイールなのに乗り手とのミスマッチで、重くて走らないという評判が先だってしまいます。実際は剛性が高過ぎるのが理由ですのでとても残念です。

このα40、α55ホイールも全く同じと思います。使われているリッチマンSA1423スポークは扁平スポークですがとても太く2mm丸スポークとほぼ同じです。太いスポーク使われていますので剛性がとても高いホイールです。カーボンリムを使ったシマノRS100という感じです。

このホイールは安価でよく走るでしょう。但し乗り手を選びます。FTP300Wの人なら容易にじゃじゃ馬ホイールを乗りこなせますがビギナーさんではすぐに疲れてしまうのでは?と感じました。乗ってみて最初はいいと感じていてもロングライドには向かないホイールです。

お客様から伺ったお話では予想通りですぐに疲れてしまうホイールでした。解決策を考えようと思います。

40mm高ホイールのご感想をいただきました

3月29日の記事にしていますホイールを取り付けた完成車の写真をお送りいただきました。

40mm高波型リム使用 フレームには電動コンポを使用です 

長年リムブレーキで乗っておられたのですが初めてのディスクブレーキを使われました。ブレーキケーブルは内装です。自転車作業はなんでもできる実力派のライダーさんですがホイールは手組ホイールファンにお任せいただいています。信用していただいてありがたいです。

ホイールのご感想をいただきました。

新しいホイール で走りました。タイヤ  アジリストデュロ28C  空気圧フロント4   リア4.2(体重56キロ)一昨日朝20キロ程    夕方50キロ。昨日の日曜日、平坦路170キロ程。フレームも新しかったので、比較はできませんが、安定の 高性能ホイールで、静かで 素直で お願いして良かったと思います。友達が リムを見て カッコイいって言ってたのが印象的(笑)でした。 

コンポは無線式を使われています。ブレーキケーブルだけフレーム内装にしましたといっておられますがこのハードルはとても高いハードルです。なかなか個人で出来るものではありません。いつもすごい!と感心しています。

LWCカーボンディスクホイールのスポーク交換

LWCというカーボンホイールの後輪スポーク組み替え依頼の連絡がありました。

軽量のカーボンホイールですが踏み込んだときに力が抜ける、いわゆる温いホイールということです。一般に温いホイールはホイールの剛性不足です。これは主にスポークが原因で処方箋としてはスポーク替えが一番効きます。

後輪665g
2:1組ディスクホイール

お預かりホイールを先ず点検しました。使われているスポークはとても細く、数量も21本です。右ドライブ側に14本、左側に7本の2:1組のディスク仕様です。スポークは#15の扁平スポークです。

ホームページからの情報ではサピムのCXスーパーRAYという規格でニップルも#15(1.8mm)を使われていました。スポーク替えのご依頼でしたので、てっきり普通のCXRAYから太いスポークに替えればよいと考えていましたが#15スポークは予定外です。スポークは1本約3.6gでした。

お預かり時のスポークテンション状態

さて、スポークテンションをグラフにしますとよくわかります。ドライブ側のスポークテンションはバラつきが大きいのでこれもぬるい原因と思われます。

穴なしリムを使われています

お預かりしたときにもう一つ驚いたことがあります。ホイールは穴ナシリムを使っていましてチューブレス仕様のホイールでした。

手組ホイールファンではこの穴ナシリムを標準としていますので普通の扱いですが、一般にはこの手のホイール修理を受け付けるショップは少ないと思います。理由は手間がかかるのが理由です。ひょっとしたらやり方が分からなくて断るショップも多いかもしれません。スポーク組み替えの場合ニップル穴がないのでニップル交換にはバルブ穴から取り出すしかありません。リムを細かく振り続けてバルブ穴から取り出します。この方法しかありません。運がいいときはスッとニップルが出てきますが大概はリムを振り続けないといけません。苦痛が続く作業です。

元のスポーク14本 54g
エアロコンプ14本 79g

スポークを取り出して計測しますとスポーク14本で54gです。新しく取り付けたエアロコンプは14本で79gです。25gの違いは大きくスポーク7本分を追加したと考えられます。

剛性は大きく高まりました。この強化で乗り味は変わるでしょう。この強化でも剛性が不足の場合はホイール交換がいいと思います。もっと太い2mmのスポークに交換も考えられますがその場合リムが割れる恐れがあります。手組ホイールファンの定番リムでは1.8mmのスポークまでにしています。リムメーカーが2mmのスポークを勧めていないのが理由です。

サピムのCXRAYは最高のスポークといわれています。このCXRAY神話を信じるユーザーさんも多いのも事実でホイールメーカーもこれに乗らない手はありません。CXRAYの優秀さは否定しませんが理屈に合った使い方が必要です。CXRAYをウリにしているホイール屋さんは逆に要注意かもしれません。とはいえ手組ホイールファンでもCXRAYはよく使います。

スポーク交換後のスポークテンショングラフ

ホイールは出来上がりました。穴なしリムなので少し時間が掛かりましたが達成感たっぷりのホイールです。お客様のご感想が楽しみです。