チューブラーホイールのリム交換

約4年前にご注文いただきましたお客様より次のメールをいただきました。

道路の穴を通過した際、リヤリムを変形させてしまいました。今回、新しいリムと現品ホイールを送りますので、組み替えをお願いします。フロントホイールも同送しますので、調整をお願いします。

同じリムの取り換えではリムを重ねて順番にスポークを入れ替えていきます

お送りいただきましたホイールはマビックのリフレックスというチューブラーリムを使ったホイールです。同じリムと交換ですのでリムは穴位置を合わせてスポークを移していきます。こうすることで作業は一部簡略できるのですが、すべてのニップルを緩めて再度ホイールを組み上げますので時間的には新しく組むのとそんなに変わりません。

ニップルはダブルスクエアニップルで組んでいますのでリムの外側から調整できます。電動ドライバーを使えば作業は効率良く行えます。

手組ホイールファンでは時間単位で作業代金をいただいています。練度が高ければ作業時間は短くなりお客様にはプラスです。作業ごとに代金をいただく方法もありますが分かりにくいので時給にしています。

お送りいただきましたホイールは本当にきれいに使っておられます。自転車愛が感じられるホイールです。

今回の作業では組み立てにはそんなに時間はかかりません。しかし馴染みだしに時間をかけています。何度も馴染みだしを繰り返すことで振れの出にくいホイールに仕上がります。一緒にお送りいただきました前輪も同様にチェックしました。

スポークテンションを再調整した前輪のテンショングラフ
リム取り換え後のスポークテンションをグラフにしています 

スポークテンションを出来るだけ均一になるように調整することで振れの出にくいホイールに仕上がります。チューブラーホイールは少なくなりましたが軽くて乗りやすいホイールです。チューブラーホイール、お勧めします。

MTB後輪ホイールのスポーク替え

昨年ご注文いただきしましたMTBホイールですが山中を走行中に滑ってスポーク1本が歪んだと連絡いただきました。

お送りいただきまして点検しますと、なるほど1本ゆがんでいます。当然ホイールのフレは大きく出ています。

後輪 反ギア側スポークが1本歪んでいます 印をつけていただいています
反ギア側スポーク1本歪んでいます  スポークを1本取り換えるだけではもとには戻りません

ホイールをお預かりしますと先ずスポーク、リムの状態を調べます。
お客様よりここ!と印をつけていただきお送りいただきましたので今回は良く分かります。

取り出したスポークは大きく歪んでいます  衝撃はこのスポークだけではなく他のスポークにも影響しています

トラブったスポークだけを交換して振れを取るだけならすぐにできます。
しかし、あたった時の衝撃はホイール全体のバランスを崩しています。

こんな場合は全体のスポークを緩めて再度ニップルを締めなおします。
スポークをリム全体に通す作業はありませんが、新しくホイールを作るのとほぼ同じことを行う必要があります。

再調整後のスポークテンション状態  グラフにすればよくわかります

単純に傷んだスポークを取り換えるのでは駆動効率は下がります。
新規に作り直すのと同じ作業が必要です。振れをとり、スポークテンションが均一になるように調整しなおしています。

出来あがりました。喜んでいただけると思います。

シマノDuraホイールのスポーク調整依頼

シマノDURAホイールのスポーク調整をして欲しいと連絡いただきました。ホイールの作製ではなく調整です。Duraホイールですのでメーカーとしては最高ランクのホイールですが定期的なメンテナンスは必要です。

前輪 DURAホイール 754g
お預かり時点の前輪スポークテンショングラフ
後輪 DURAホイール 900g
お預かり時点の後輪スポーツテンショングラフ  左バラつき度5.3% 右バラつき度8.9%

お預かりホイールのハブにはあたりが出ていました。快調に回ります。しかし回転しますと縦ブレ、横ブレがありました。

ホイールをお預かりしますと先ずすポークテンションを調べます。振れがなくても各スポークのテンションが揃っていないホイールは駆動ロスは大きくなります。

ホイールのスポークを調整するにはテンションメーターが必須です。ピアノの調律のように音で調整するのもいい方法です。但し音の場合は微妙なテンション差でも分かりますので調整にキリがありません。テンションメーターとスポークを弾く音で調整を併用するのがいいと思います。調整は1回で終わりません。繰り返して精度をあげていくことが良い方法です。

調整後の前輪スポーツテンショングラフ
調整後の後輪スポーツテンショングラフ

ホイールを調整しては休み、調整しては休みと繰り返しますとスポークにストレスをかけても変化しなくなります。

一般にはホイールは振れさえなければいいホイールですが、見た目だけでは出来栄えは判断できません。高級ホイールでもビルダーの力量で性能が違います。とても奥が深いです。

MTBホイールのリム交換

今までに何度もご注文いただいているレーサーのお客様よりリム交換のご依頼です。

ホイールはHopeの完組ホイールです。

Hopeホイール前輪と交換用のTNI リム
TNIリム ED30 32H
リム交換前のHopeホイール後輪  987g

Hopeホイールはリム幅が24mm、太いタイヤが使えないことはありませんが幅広タイヤを使うならリム幅の広いリムがいいです。新しく取り換えるリムはTNIのED30リムで35mm幅です。TNIブランドのリムは価格がこなれて高性能です。お客様はうまく選ばれています。

交換リムのリム高はHopeホイールと同じでした。これならスポークを交換することなしに分解、組み立てができます。

リムのバルブ穴を同じ位置にセットして結束テープで固定


リム高が同じならホイールに結束テープで交換するリムを固定して、順番にニップルを緩めて新しいリムに移していきます。ニップルは黒色をご希望です。新しいダブルスクエアニップルを用意しています。

今回一番難儀したのはホイールの分解でした。完組ホイールはニップルが緩まないように緩み止めを使っています。カチカチに固めてあるので分解にはとても時間がかかりました。ニップルレンチを使いますがレンチだけではスポークは一緒に回ってしまいます。スポークをプライヤ―などで固定してニップルレンチで回します。オイルをわずかに注すと回しやすくなります。

スポークを再利用しないならスポークを切れば簡単に分解できます。しかしもう一度使う大切な部品なので丁寧にニップルを外していきます。分解、組み立ては専用ビットを取り付けた電動ドライバーを使うと仕事が捗ります。

組み立ては先ず八分のスポークテンションで組み立てて振れ取りを行う方法がいいです。縦ブレ、横ブレをとりセンターチェックを行います。一度組み終わったら徐々にテンションアップを行い、時間をあけて何度も馴染みだしを行います。         

リム変更後のMTBホイール
リム幅が35mmになりました  太いタイヤが安定して使えます
リム変更後の前輪  1069g
リム変更後の後輪  1289g

ホイールは太いタイヤを安定して使えるように変身できました。MTBホイールはロードホイールと比べて選択肢が少ないと感じています。完組ホイールのバリエーションが少ない分手組ホイールの出番が多くなります。剛性の高いリムを使い丁寧に組み立てたホイールは良く走ります。いいものがなければ作る、これをお勧めします。