材料工学の本で勉強する

平易に書かれていると案内書に書かれてありましたので購入しました材料工学の本です。

The Bicycle and the Walkman

約20年前に出版されています。中古本ですが結構な値段でした。前のオーナーさんのKateさんの名前が1ページ目に残っていました。一般書ですが教科書的な扱いのようです。Kateさんは大学生だったのかなと想像しています。

自転車とウオークマンという題に魅せられました。ホイール作りに直接には関係ないのですが自転車の歴史から始まり、スポークの腐食を考察されています。勿論20年前のことですのでウオークマンについても研究されていてとても興味深い内容です。今更学生時代に戻るつもりはありませんが自転車は本当に奥が深いものだと感心しています。

スポークについての学術研究書を出版するなんて驚くばかりです。やはりアメリカは凄いなと思います。

こういった本は文学書ではありませんので文章としましては比較的読みやすいといわれています。しかし私にとりましてはヒマラヤ登山のようなものです。ゆっくりと読み込んでいます。興味がある項目だけで十分と思っています。いつ読み終わるかわかりませんがボケ防止にはぴったりです。

46mm高28mm幅リムブレーキ用カーボンホイールのご注文

表題のようにカーボンホイールのご注文をいただきました。少し宣伝させていただきます。

昨今の円安で自転車部品事情は大きく変わりました。単純に考えまして円が115円から145円に円安に振れた場合約2割の値上がりです。手組ホイールファンのカーボンホイールは部品代で大きく利幅を取ることはしていません。勿論赤字で作り上げることはできませんので昨年の見積もりの価格より1万円ほど値上がりしています。値上がりした部品に手間賃を足したごくごくシンプルな値付けです。手間賃はそのままです。値上がりした部品の価格だけ値上がりしました。確かに値上がりしましたがコストパフォーマンスを考えますとまだまだ安価で高性能だと自負しています。

通販のホイールは安価ですがメンテナンスはどうするのかを考えることが必要です。いくら安価でも機械ものはメンテが必要です。落車でスポークが歪んでも自分で直せる人、もしくはメンテできる人が周りにおられることが大切です。通常自転車屋さんは直してくれません。修理を受けてくれてもとても高価なのは当たり前です。いいとこどりはできないことになっているのが世間のルールです。こんな心配事にもご安心ください。すぐに対応いたします。

今回のご注文もお顔あわせての商談ではありません。今までのお客様とのインプレを参考にされてご注文いただきました。とても勇気のいることですが飛び込んでいただきました。約10万円ものホイールをメールの連絡だけでご注文いただけることにいつもありがたいなと思っています。

長い書き出しになりましたが今回のホイールの内容は以下の通りです。

リム 46mm高28mm幅チューブレス用カーボンリム 前輪20穴後輪24穴

ハブ ノバテック A291SB 20H  F482SB 24H

スポーク ピラー Wing21 黒

ニップル SquorxPro 黒

手組ホイールファンのカーボンホイールはレースに出ておられる方々より沢山インプレをいただき高い評価をいただいています。お客様の評価は宝です。

24mm高24幅アルミディスクホイールの作製とインプレ

ベテランライダーさんよりホイールの提案をして欲しいとご連絡いただきました。ご自分でもホイールを組まれる方です。お手合わせいただきたいと道場破りにこられた感じで私も少し緊張しました。

シマノハブで作製 24mm高24mm幅アルミディスクリム使用

提案ホイールはアルミリムで作りました。

3.5mmのオフセット  左右のスポークテンションを是正します

リムは国内では販売されていないアルミリムを使いました。いつも買っているセラーさんがオリジナルブランドを作ってはどうかと提案してくれたリムです。24mm高24mm幅オフセットが3.5mmあるリムなのでスポークテンションの左右差は大きく是正できる32穴リムです。

ハブはシマノの105グレードディスクハブ32Hです。

スポークは前輪Laser、後輪左D-light、後輪右TB2018と3種類のスポークを使い分けています。

組み方は前後ともに王道の3クロス組で組みました。

Laser2.0/1.5/2.0mm 3クロス組
左D-light 2.0/1.65.2.0mm 右TB-2018 2,2/1.8/2.0mm

以下,お送りいただきましたインプレです。

ホイールを2ヶ月ほど使用しての感想などフィードバックいたします。


 通勤、ツーリング、ポタリングで500kmくらい
 山にはあまり行かず、平地メイン


 ・よく転がる
   完成車にもローハイトのホイールがついてきますが
   次元が違います。リムの素材の良さと技術力なのでしょう。


 ・ペダルを強く踏んだ時の懸り具合がとてもよい
   一般にローハイトの多スポークホイールはこういった面で
   スポーティーさが薄いと言われますが、全くそんなことは
   ないです。
   固すぎず、僅かにバネ感も感じられぐんぐんスピードが乗っていきます、
   流石に最高速度はカーボンのディープリムには及びませんがその差は
   せいぜい2〜3km/hといったところで何も問題ないです。
   リアが非対称リムで左右のスポークが十分に仕事している
   のとスポーク選択が絶妙だったのかもしれません。


  ・乗り心地
   体重もあるため28c(実質30mm)タイヤを装着しているので
   基本的に悪くないのですが、それでもカーボンディープと比べて
   かなり角が丸いです。通勤時の歩道段差越えなどで重宝しています。
   これはローハイトで細め多スポークにした恩恵ですね。
   ご提案ありがとうございました。


  ・重さなど
   カーボンホイールの場合とくらべて総重量で+200gくらい
   いまのところ全く気になりません。

的確に印象を書いていただきました。及第点をいただけたようです。

多スポークホイールはやはり高速域では空気抵抗が影響するかもしれません。しかしながら乗り心地などほかの評価項目を考えますとやはり利点も大きいです。レースに出るならカーボンホイールを使えばいいわけで日常のロングライドには多スポークホイールはグッドチョイス!です。

新しいエクタープロトンです

ずっと前から新しいロードバイクを作ろうと考えていました。それが 昨年のことです。ENVEのカーボンフォークを購入したことから始まりました。

ENVEのディスク用フォーク

ディスク用フォークが届いたので予てから考えていましたディスクブレーキの自転車をオーダーすることにしました。良い切っ掛けとなりました。

EXTAR PROTON  ホイール XR31RTディスク
Special Hand Made by Hashiguchi

フレームは前から決めていました。ディスク用フレームはエクタープロトンの橋口さんにお願いすることに決めていました。2台目のエクタープロトンです。時間かかってもいいのでゆっくり部品を集めてからこの夏に注文に伺いました。

大まかには11速のフロントシングルでお願いしました。ENVEフォークを使うことまでは決まっていますので細かい仕様はお任せしました。フレームサイズデータは前回の記録があります。ケーブルはパイプ中に通す作りにしています。部品の組みつけも併せてお願いしました。フレーム完成の連絡をいただいてから集めた部品をお預けして次の連絡を待ちます。

当初から急いでいませんとお願いしていましたので完成まで約半年かかりました。希望通りの作品でした。

サイクルスポーツ1月号
日本の名工 

新しいエクタープロトンを持ち帰る間際でしたが、恥ずかしそうに出されるサイクルスポーツ1月号を見せていただきました。橋口さんの記事が特集されいます。フレームを早く注文しておいてよかったです。これからは注文しましても時間が何倍もかかると思います。

ダブルスクエアニップルをよく使う

ダブルスクエアというニップルをよく使います。ニップルを締めるのに前からでも後ろからでも使えるのが特徴です。

ピラーのダブルスクエアニップル  ブラス

勿論通常の12mmニップルでも後ろから使えますがマイナスドライバーでは強力な締め増しするにはちょっと使いにくいと思います。

星の12mmブラスニップル 安価で手に入りやすい
サピム ダブルスクエア  サピムのホームページより
DTのSquorxProニップル ブラス  高価なニップルです

ダブルスクエアニップルはサピムでも販売されています。DTはSquorxProというトルクスねじで作られたニップルが手に入ります。通常の12mm、14mmニップルとは違って後ろから強く締め付けることが出来るのでホイールの最後の仕上げには有効です。リムの後ろからニップルを回せるのでハイテンションで微調整するときにはとても使い良いニップルです。

難点は価格です。特殊なニップル回しも必要です。高価なニップルなので使うのはもったいない感じです。実際私も通常のニップルのほうが安価なので作るホイールにあわせています。130kgfあたりのハイテンションで回すのならこのニップルが使いやすいと思います。

ほとんどのビルダーさんはこのニップルの良さを発表していません。あまり国内では流通していないのが理由かもしれません。国内価格はDTのSquorxProアルミニップルが1個80円以上しますので結構な値段です。販売ルートも少ないです。購入には二の足を踏むと思います。しかしホイール最後の仕上げに行うスポークテンションの締め増しにはこのニップルを使えば楽に行えます。使ったら良さがよくわかります。

ピラースポークが届きました

ピラースポークの記事を書きまして驚くことが起こっています。普段より倍の方々よりアクセスしていただきました。なんでもない普通の記事と思うのですがびっくりしています。ピラースポークは珍しいスポークではありませんがとても不思議です。

シルバースポークならほとんど対応できます

今日、10月に発注していましたスポーク、ニップルが届きました。部品購入にはやはり時間が掛かります。私の場合2か月は待たないといけません。いつも買っているセラーさんも時間が掛かるといっていますがその通りです。時間がかかるのでその分多めに買っています。回転率はよくありませんが余計な心配は無用となりました。私のような細々とホイール作っている者でもコロナで事情は大きく変わりました。入用買いが出来ないので部品がたまる一方です。

よく使うピラースポークのトリプルバテッドは長さを大きく4種類に分けて揃えています。スポークカッターで微妙なスポーク長の違いにも対応できます。ブランクのストレートスポークなら2㎜径300mmを在庫しておけばどんな場合でも対応できますがバテッドスポークはそんなわけにはいきません。

しかし強度、耐久性ではストレートスポークとバテッドスポークとは大きく違います。金属は叩くと強度が増します。使うならバテッドがいいと思っています。

銀輪ホイールの作製

キシリウムホイールをクロモリフレームで乗っておられた方よりご連絡いただきました。ハブとリムを持っておられますのでスポークをこちらで提案するということでお送りいただきました。

AL300はリム高もあって空力が期待できます

リムはTNIのAL300シルバー32H、ハブはディスコンハブのアルテグラ6600です。

シマノハブは重いが丈夫で長持ち トレードオフの関係です

ハブは再利用でとても滑らかに回ります。シマノハブは定期的なグリスアップを行えば長く使える優秀ハブです。

シルバーリムで手に入りやすいリムはTNIのAL300があります。ナローリムですが十分現役リムとして使えます。30mmのリムハイトがありますので剛性が高く空力の援護も得られます。

提案しましたスポークは前輪をピラーのTB2015、後輪左TB2015後輪右TB2018という組み合わせです。TB2015は中央部が1.5mm、TB2018は中央部が1.8mmの太さです。

ピラースポークはjベント部分が2.2mmありますので一般的なダブルバテッドではありません。トリプルバテッドのスポークでロード用のスポークとしては特殊かもしれません。2.2㎜と太いのは歓迎します。

前後ともに3クロスで組み上げました。前輪の1.5mmスポークは地面からの衝撃を吸収してくれますので長いライドにはうってつけと思います。

長くホイールを組んで感じるのですがベアリングで性能の差異は大きく感じないと思います。リムとスポークははっきり違いがわかると思います。

高価なDuraハブを使われてもスポークが2mmのスポークでは乗り味はとても硬く疲れやすいホイールになります。細いスポークはねじれ易いので組むのは難しいのですが乗り味は大きく変わります。

ビルダーさんにオーダーされる場合、せっかくオーダーされるのでスポークにはこだわるべきと思います。サピムのCX-RAYを使わなくてもTB2015,サピムLaser、DTのRevolutionと細いスポークがありますので尋ねられたら良いかと思います。

このホイールは目が引くと思います やはり銀輪ホイールはいいです
ハブが重いのですが外周部は軽い  スポークが細いので乗り心地がいい
こんなにスポークテンションが揃っていなくて使えるのですが揃っていると振れが出にくいです
中央部の重さが影響しています 外周部は軽いので漕ぎ出しは軽いです
スポークテンションが揃っていると振れが出にくく駆動ロスが少ない

クロモリフレームに銀輪ホイールは最高の組み合わせと思います。仮組は1日でできますがあとのスポーク調整は3日くらいかけるようにしています。緊張したスポークを休ませながら調整しています。振れの出にくいホイールを作るには時間をあけることです。

一番いい方法は一度乗って再調整するのが一番ですが遠方の方には難しいです。このため時間をかけて調整するのが最良と考えています。

TM-1の校正

当ブログをお読みいただきました方からご連絡いただきました。

TM-1の校正依頼です。

新品のTM-1を受け取りました

初めてホイール作りに挑戦される方です。当ブログではTM-1は正確でないと何度も発信していますのでホイール作りには先ずは正確なテンションメーターが必要と判断されたようです。

秤は校正機関にて証明していただいた秤を使っています。正確さという点から考えますと多少は誤差があるかもしれませんがいい加減な秤を使って調べているのではありません。ただメーターを当てる位置や角度で多少は違うかもしれません。しかしホイール作りの指針になるのは間違いありません。

今回のように真っ新なTM-1を送っていただいたことに多少なりともブログで発信してきました事柄が納得していただいているのかなと思っています。

今までにテンションメーターの校正器について何度も記事にしましたがこれを参考にしたという方のメールや写真をいただいたことがあります。また記事にしたいと思っています。