アルミホイールがカーボンホイールに生まれ変わる

以前このブログでPR1400ホイールをカーボンホイールに組み替えを行いました記事を見つけられた方よりご連絡いただきました。

道路の不整備で落車されDTホイールを損傷されました。幸いにも大きなお怪我がなかったようですが大切なホイールは使えなくなりました。ホイールのハブ、スポークは使える状態でしたので修理できるところを探しておられたようです。当ブログにご連絡いただきました。

お送りいただきましたPR1400 リム、スポークは変形しています

DTホイールのリムは高さ21mmです。ご希望のカーボンリムは高さが25mmですのでカーボンホイールに組み替えできないかとお問い合わせをいただきました。

PR1400ホイールのハブとスポークを使う組み替えは以前このブログで発表しています。経験済みですのでお受けすることにしました。

リムは25mm高25mm幅の軽量カーボンリムを使います。スポークカットが出来る余裕があれば組み替えはできます。お客様に何とか出来るでしょうとお返事しました。

25mm高のリムで穴なしを注文しますと最初はメーカー側からの返事では通常受付していないと返事でした。販売していない理由としてリム内部の空洞が狭いためニップルが通りにくいということです。何回かメーカー側とのやり取りで受付してもらえることになりました。このリムには交渉が必要です。何度も使った経験があると連絡してリムは受付してくれました。

25mm高リム 入手に時間かかりました

リムは注文しまして約2か月手に入るのに時間がかかりました。長くお待ちいただきましたがやっとのことで手に入りました。

前述のようにこのリムはリム内部の空きが小さいのでニップルが通りにくいという難点があります。メーカー側もこのことを強調して難しいからやめたほうがいいとアドバイスしてくれましたが当方も経験済みなので何とか出来ると思っていました。

実際リムが届いてからの作業は難しかったです。リムを作る段階での作業でリム内にウレタンのような異物が残ります。今回も少し残っていたのですが幸運でした。リム内部をニップルが動く余裕が残っていました。カンカンとたたきながらニップルを通すことが出来ました。

このホイールの組み替えの課題は仮組まで無事にたどり着けるかどうかです。通常の倍くらい時間が掛かりましたが何とかできました。

整理しますと

①スポークをカーボンリム用にカットする

②ニップルを空洞の狭い穴なしリムに通す

③仮組

3つの山を越えないと作れません。

経験済みの案件でしたのでお受けしましたが難しい作業でした。

仮組が終わりましたらスポークのテンションアップです。ここまで来ますと通常の作業です。注意点はスポークテンションの値を正確にとることです。スポークは特殊なスポークなのでテンションメーターの交換表では扱いのないスポークです。予備スポークをテンション校正器で測って110kgf、130kgfの張りに対してのメーターの数値を事前に調べておきました。

スポークが交換表にないので校正器で調べてから調整行いました
テンションを揃えることが大切です
この数値は正しいかと正確に知ることが必要です

テンションメーター校正器で事前に測りましたこの数値を信じるしかないのですがスポークを握ってこれくらいでいいだろうというようないい加減な方法ではしっかりとしたホイールはできません。出来るだけ正確な数値を知っていてこそ出来る作業と思います。

この数値も完璧な絶対値ではないと思います。ただスポークを握って作る、感覚だけでの作り方ではありませんのでかなり信頼度は違います。

カーボンホイールに蘇りました
前輪631g
後輪768g
穴のないリムは剛性が強化されてテープがいらないので経済的です

リム入荷まで長い時間かかりましたが出来上がりが楽しみですとご辛抱していただきました。こちらからいつまでにリムを送ってほしいというようなことはできません。3か月以上ただ待つだけです。

やっと出来上がりましたが待っていただきました甲斐があったと思います。今回のカーボンホイールは自画自賛になりますがよくできたと思います。ホイールが蘇りました。

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