ディスクカーボンチューブラーホイールの作製

2年前、アルミのチューブラーホイールとクリンチャーホイールを2セットお買い上げいただきましたお客様より連絡ありました。カーボンホイールを2セット作ってくださいと剛毅なご注文です。売上は確かにうれしいのですが、信頼していただいたことがなお一層ありがたいです。

ご依頼はシクロクロスのレース用にチューブラータイプのカーボンホイールのご注文です。

ホイールのことはよくご存じで使用目的がはっきりされています。ご注文の内容は的確で私のほうも提案しやすかったです。

チューブラーリム 35mm高25mm幅 365g
穴なしリムです

ご提案しましたリムは35mm高25mm幅のチューブラーカーボンリムです。重量は365gと非常に軽量です。ハブはTNIのレヴォハブ24・24hです。

TNI REVO ディスクハブ使用

一般にカーボンホイールではよく使われるスポークはサピムのCX-RAYです。しかしながら今回はDTコンペティション2.0/1.8/2.0mmを提案しました。

理由は剛性です。シクロクロスのレースでは瞬発力が大切と聞いています。私はレースに出ませんのでこのような情報はお客様より教えていただいた生の情報です。ストップアンドゴーの激しいシクロレースでは剛性がとても重要です。

CX-RAYは万能スポークと考えがちですがホイールの剛性はスポークの総面積に比例するという原則から考えますと剛性を出すならコンペティションとなります。ブランドには信頼がついてまわりますがスチールはスチールです。

CX-RAYなどの5gスポークではなく、6gスポークのコンペティションで組み上げることになりました。

1グラムの差ですがホイールの剛性はガラッと変わります。注意点はリムメーカーでは剛性のある2㎜のスポークを使うのは禁止ということです。カーボンが割れる恐れがあるのです。果たしてメーカーが勧めるギリギリの1.8mmスポークで作ることを提案しました。

尚、スポークが太くなりますとホイールはとても組みにくくなり、組み上げの難しさはぐっと増しますので注意が必要です。

カーボンリムはチューブラータイプです。幸いにもニップル穴のないタイプが手に入りますのでいつものように穴なしリムで作ります。このタイプのリムは扱いが難しいですが穴ありリムより強度があります。

わずかの差の積み上げが結果的に大きな差につながります。いわゆるマージナルゲインの積み重ねです。ニップルは腐食に強く強度の高いブラスニップルを使います。

前輪ホイール
均一にスポークは張られています
シルバースポークは手組ホイールの象徴
スポークテンションが均一です

ホイール作製の注意点として駆動効率のロスが発生しないように各スポークテンションをできるだけ均一になるように調整します。ホイールは作り方で出来不出来が決まりますのでとても重要なポイントです。

高性能の手組ホイール ブランドホイールに負けません

前後セットで1500gを切るホイール、2セットの完成です。レースに使われたご感想が楽しみです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です