XR31T/RT 24・28hホイールの作製

このブログにご連絡いただきました方よりご注文いただきました。

最初はキンリンのXR31T/RT 20・24hをご希望でしたが残念ながらリムの在庫がなく24・28hを手配できることを申し上げました。

スポーク数が前後で8本増えますので40gほどの重量が増えます。重量が増えることのデメリットよりもメリットの方をお話いたしました。

スポークが増えることによりホイールの安定感は増します。コーナーでよれることなく回れます。ダンシングでもシュータッチはしなくなります。若干空気抵抗が増えるかもしれませんが微々たる増加と考えます。スポークが増えて丈夫になりますので振れは出にくくなります。つまり回転が安定します。40g増えることによりホイールは強化されます。いわばトレードオフの関係です。

最初は重量が増えることに躊躇われたのですがけっしてこれがマイナスではないことをご理解いただきましてご購入いただきました。

前輪24穴後輪28穴ホイールの重量は1600g少し超えたところで完成しています。

前輪スポークはCX-RAY、後輪左にLaser、右コンペティションという組合せです。

スポークの良いところを引き出していると思います。

CX-RAYを前輪に使います。空力とスポークのサスペンション機能を引き出す目的です。後輪の右側にコンペティション、6gスポークを使って剛性を高め、左に5gスポークLaserで軽量化とスポークテンションアップを図っています。

組み方は前輪をラジアル、後輪左は3クロス組、後輪右は2クロス組としています。

いつも使っていますwheelproのスポーク長計算ソフトでは左右のテンション比率が表示されますので理論上の違いがよくわかります。

ノーマルリム 左右2クロス組 テンション比率は43:100%です。左が低いです。

通常リムでは左右2クロスで組む場合43:100のテンション比率です

3mmオフセットリム 左右2クロス組 56:100%の比率です

リムはオフセットリムですのでオフセットリムで13%のアップです。

3mmオフセットリム 左3クロス右2クロス 58:100の比率です

後輪の3クロスで通常の左右2クロス組と比べて2%テンション比率は上がります。

が今回の組み方では58:100と計算上では非常に高い比率に仕上がります。あくまで計算上の数値です。

左を細いスポークで組んでいますのでさらにテンションを上げることができます。実測では左86kgf右123kgfと左右の比率は約70:100の比率です。

ゾンダ、レー3のように2:1組によりスポークテンション比率の差異を改善することなく1:1組で十分な比率を得ることになります。

これはスポークの役割から見ても有益なことです。つまり2:1組の場合仮にゾンダで見てみますとゾンダ後輪は21本です。2:1組ですので左が7本右14本です。左はラジアル組なので駆動には直接働きはありません。右の14本が駆動に影響します。

車輪のスポークはプル、プッシュの役割がありますが14本のスポークでプルが7本です。

2:1組のゾンダでは7本がプルスポークです。

では今回の28穴ホイールの場合はどうでしょう。1:1組ですので左14本右14本で構成しています。プルスポークは14本、プッシュスポークも14本です。この14本のスポークがすべて同じ力で張られていませんので左側の7本が右側に比べて緩く張られていますので7本の約60%としまして4本分の力をプッシュスポークとして働いていると考えます。

合計11本のスポークがプッシュスポークの働きをします。

プルスポークの違いだけでホイールの性能を論じるのは大雑把すぎるとご批判あると思いますが論理的には誤っていないと思っています。

後輪 リムテープを巻きまして938g
左スポークテンションはとても高く出来上がっています。
前輪24h リムテープ巻きまして701g
前輪スポークテンションは110kgfで仕上がています。

当ホイールの一番足りないところはお客様には申し訳ないのですがとても地味なところです。この点はどうしようもありません。3G組のホイールなら遠くから見てもわかりますがこのホイールにはそんなプラスアルファの要素がありません。実質本位です。

あなたのカンパには負けないよ!という天邪鬼的な方にはもってこいのホイールです。私から申し上げますのは厚かましいですが今までの実績から判断しましていいホイールには間違いありません。コスパは最高です。

お客様からの印象が楽しみです。

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