ベアリング交換にヒートガンを使う

ノバテックF482SB-11後輪ハブのベアリング交換をしました。

ベアリング交換にはほんの少しの勇気が必要です。

今回はフリー側のベアリングはまだ大丈夫でしたのでシェル側のベアリングを交換しました。

圧入するときは長ボルトを使った手作りプレスを使います。センターを出すのにコツがいります。少し難儀しますが最初のベアリングの位置決めさえしっかり決めればゆっくり締めこんでいきますとうまく入っていきます。

グリスを塗ってベアリングを圧入するのですがシェル側をヒートガンで温めておくことがコツになると思います。

皮手袋を使って手を守ります。少々熱くても気にすることなく圧入に専念できます。ベアリングを引き出すときにも圧入するときにもヒートガンです。

Stravaアプリはホイール作りに活かせる

お客様から教えていただいた事柄でとても参考になったことはサイコンアプリ「Strava(ストラヴァ)」を使ってホイールを評価するということです。

ストラヴァHPより

自分の乗り方に合っているかとかどの走り方を改善すればよいかとか数値で比較すれば改良点が明確です。

平地、緩い坂では好結果なのに登りでは今一つの結果の時はホイールの剛性が足りないとアドバイスをいただいたことがあります。

後輪スポークを太くしたことで改善したことをブログに書かせていただきました。

この時アドバイスをいただいたもとになったデータはサイコンアプリを使用してのデータ比較です。

平地、緩い坂、きつめの坂を一定のパワーで走り比較していただいたデータはとても有効でした。

データ比較ですが天候に影響されることが多いです。一番影響受けるのは風ですがこれは回数をこなすことで平均値がでます。

 

データをためて比較すると予想外の結果が見ることができます。32hの鉄下駄ホイールが意外な力があることが分かったり、エアロスポークの効果が思いのほか少なかったりという結果が分かります。

 

FTP値の低い私ですが低いなりにデータを集めるとホイールの改良に生かすことができます。もちろんFTP値の高い人に乗ってもらうのがいちばんわかりやすいことですね。

24hか28hか?

後輪スポークを4本、ニップルを4個増えることによりどれだけホイール重量が増えるかを調べてみました。

cx-ray 4本 ALニップル4個 20g
コンペティション4本 ALニップル4個 28g

14mmアルミニップル4個+サピムCX-RAY4本で20g

14mmアルミニップル4個+DTコンペティションで28g

これだけ増えます。

 

自転車の乗り方にもよりますが体重が70kg前後の方がホイールで前輪20h後輪24hを選択するときにどうされるかです。

体重が60kg前後の方ならF20/R24で間違いないと思います。

しかし70kg以上の方なら私はF20/R28、F24/R28をお勧めしたいです。

70kg後半の方なら間違いなく24/28hです。

 

20~30gグラム数が増えますがホイールの安定度は大きく違います。

 

28/32の組み合わせではオーバースペックと考えられる方もあるでしょうがレースに出ないロングライダーなら乗り味の柔らかい多スポークがいいと思います。

 

私は後輪28h、32hが好きです。

後輪ドライブサイドは125kgf前後がいい

いろいろなメーカーのスポークテンションを調べて後輪ドライブサイドのスポークテンションはどのくらいがいいのか調べていまして大体120kgfぐらいがよいと思っていました。

Professional Guide to Wheel Building 7th Edition

ホイール作りの参考書を書かれたRogerMussonさんのホームページでスポークテンションに関してのいい話を見つけました。

 

まだテンションメーターを持っていないときに知り合いの有名ホイールビルダーといろいろ話をして得た情報をもとに作ったホイールのことを書かれています。

走っていてとても具合のいいホイールの後輪スポークテンションを測るとドライブサイド125kgfであったそうです。

 

有名ホイールビルダーの経験から得た結果ですので説得力ある話です。なんとなく安心しました。

 

このRogerMussonさんのE-bookは価格も高くないしホイール作りにはまり込んでしまう説得力があります。古いバージョンは誰かネットにアップしているようです。

キンリンリムのシールはがし

前にシールはがしに皮手袋とヒートガンを使ってはがしていますと紹介しました。

なんやつまらんというような話ですが困った人は結構おられると思います。実はとても難儀しましたので再度書くことにしました。

皮の手袋とヒートガンのコンビでやるとヒートガンの高熱を遮断し、

リムをこするときの摩擦熱で指がすり剥けるのを防いでくれます。

軍手はだめでした。私には役に立たない感じでした。

ホイールのシールをはがす時間を測ることにしました。

高熱のヒートガンで温めても手が痛くならないのでヒートガンを当て続けることができます。接着面が柔らかくなりこすりますと2~3分できれいに取り去ることができました。

私のおすすめTipsの中では高得点のように思います。

キンリンXR31T/RT F24 R28ホイールをご注文いただきました

プロモーションになりますが当ブログを読んでいただいた方よりこのブログに連絡いただきました。

コスパの良いホイール購入を考えておられた方です。

 

以下の通りです。

 

ブログを一通り読ませて頂きました。
その上で私にあったホイールをご提案していただければと思いご連絡させて頂きました。
使用目的は、通勤で走っています。
チューブレスのホイールで、25cのチューブレスにする事と、スポークのアクセントに少しカラーを加えたいと考えています。
よろしくお願いいたします。

 

幸いにも車で1時間半くらいのところにお住まいの方で日を合わせてお会いすることになりました。

 

提案のホイールとはスポーク数が違うのですが(F18/R24)一度試されますかと貸出用のホイールを2週間ほどお貸しして試しに乗っていただくことにしました。

 

何度か乗られたのかお返事いただきました。

 

今週は雨がちな天気が続きましたが、本日やっと晴れたので試乗しました。

流石に、おすすめのホイールだけあって素晴らしいの一言です。

平坦路は、ギアを1枚重たくしても、今までのケイデンスとかわらなかったこと。

上り坂は、立ち漕ぎしなくても走行出来、下り坂は、転がりが良いことから、どんどん加速してくれました。

 

こんなことからホイールをご注文いただきました。

 

体重を伺っていましたので24/28でお勧めしました。ホイールが地味なので、スポーク1本色を変えて注し色として作ることで依頼されました。

 

本日、ご注文いただいたキンリンXR31T/RT F24/R28のホイールセットを納品いたしました。タイヤをインストールしてすぐに使えるようにしてお渡しいたしました。

タイヤはインストールしますとテンションが変わりますので少し調整してセンターをしっかり出して納品しています。

24h ラジアル組 1本グリーンスポーク
28h 2クロス組 1本グリーンスポーク

緑のスポークがアクセントとして効いています。どこにも売っていないホイールですねと気に入っていただきました。事前に試していただいていますので安心していただいたようです。

 

あとで教えていただいたのですがホイールの試し乗りの時はサイコンアプリ「Strava(ストラヴァ)」を使ってホイールの性能を比較されたことを教えていただきました。

 

アプリでアウトプットされたデータは正直です。今まで使っておられたホイールの乗車データと比べて大きくスピードは改善されたようです。

リムの性能がいいので前へ進む力が逃げないのでしょう。もちろん均一にスポークテンション調整しましたことも影響していると考えます。

以下当ホイールの特徴まとめました。

特徴

Pros

ゾンダ、レー3に負けない、もしくはより上の性能

いろんな方に試していただいています。ブランドアルミホイールと乗り比べましても同等もしくはそれ以上の性能です。

リムの剛性が高いので前へよく進む

リムハイトが高くワイドリムのため高剛性です。後輪はオフセットリムです。このため後輪左スポークテンションは高く前へ進む力が逃げないホイールです。

コスパは最高

ホイール作れる方ならわかるコスパの良さです。最強といわれてますCX-RAY を使っています。CX-RAYは地面からの衝撃を和らげてくれます。

ホイールはクリンチャー、チューブレス兼用です。ぜひともチューブレスで乗っていただきたいホイールです。

修理は簡単

汎用部品のためトラブっても修理は容易に行えます。部品がすぐそろうというメリットは大きいです。

★ベストの性能を出すには90kgまでの方にお勧めです。

 

Cons

地味 普通のデザイン

ブランドのホールで走っていますという自慢はできません。あくまで実質本位のホイールです。地味でもよく走るホイールがいいという方にはお勧めのホイールです。

 

前輪

リム  キンリン  XR31T  24h

ハブ  ノヴァテック  A291SB 24h

スポーク サピム CX-RAY  黒  ラジアル組

ニップル  アルミ

 

後輪

リム  キンリン  XR-31RT   3mm オフセット  28h

ハブ  ノヴァテック  F482SB-11  28h   シマノ10速11速兼用

スポーク  サピム  CX-RAY  黒  2クロス

ニップル  アルミ

DTのハブツールセット

特別な道具なしでホイールのハブサービスを行う方法がいろんなブログで紹介されています。それはそれでいいのですがDTのハブを使っている人はこのツールセットもっておいても損はないと思います。このツールはよくできています。

使い方はDTのホームページhttps://www.dtswiss.com/en/support/manuals/でわかりやすく紹介されています。私もこのホームページで勉強しました。道具好きにはたまりません。DTが教えてくれる通りすればばっちりメンテナンスができます。

高価なロードを買うのならこのツールセットを買おうと思たのですがやっぱりこれでよかったです。

キンリンリムのシールを取り除く

キンリンのシールをはがして納品できますかと依頼されたことがあります。簡単に納品できますと答えましたが裏に結構難儀した思い出があります。

シールを取ってほしいと依頼されました

キンリンリムTB25チューブラーリムのシールを取ってきれいにしました。

リムのシールを取れてすっきりしています。しかし残念ながらシールは簡単に取れたのですが接着剤は残ます。これはミヤタのチューブラーテープをはがした時と同じです。タイヤは取れたがあとのテープが残りこれをはがすのが大変苦労します。これと同じようなことが起こりました。

シールを取り除くにはヒートガンを使っています。簡単に取り除くことができます。

しかしシールの接着剤は残ってしまいます。

溶剤で溶かしてふき取る方法も考えたのですが原始的な方法で取ることにしました。指でこすり取るのです。ミヤタのテープの時と同じように皮手袋を使って指を守りながらこすり取っています。もちろんこの時はヒートガンで温めながらこすり取るのです。

皮手袋が活躍

皮手袋で指を防御しながらシールあとをこすり取っています。シールはがしの溶剤を使ってもうまくいかなかったので困りました。これならどうかと皮手袋で指を守りながらこすり取りますと本当に楽に取り除くことができました。以来この方法で行っています。

再度、テンションメーターについて

ブログを書いていますと読まれた記事について興味を持たれた話題などがキーワードとしてこちらではわかります。

テンションメーターについて読んでいただいている方が多いので私のブログの中では注目度が高い話題のようです。

 

ホーザンさんのホームページを検索しました。

C-737  ホーザンHPより

TM-1  ホーザンHPより

ホイールビルダーには必需品のテンションメーターについて調べたところ次のQ&Aが載っていました。

以下、ホーザンさんが出されているQ&Aです。

Q.C-737 スポークテンションメーター の校正を依頼したい。

A. C-737の校正は、検査費用が本体新品価格に近い価格となるため通常は受け付けておりません。ご了承ください。

Q.C-737 スポークテンションメーター はプレーンスポーク以外でも使用できますか?

A.本製品はプレーンスポーク専用のテンションメーターのため、バテッド・スポーク、エアロスポーク等はご使用いただけません。

Q.TM-1 スポークテンションメーター の校正を依頼できますか?

A. TM-1の校正は受け付けておりません。申し訳ございません。

TM-1については私もホーザンの方に電話して確認しています。校正はやっておられません。びっくりしたのはホーザンのC-737です。校正する代金が本体価格と同じくらいの代金になるので通常は受け付けていないそうです。

こうしてみると販売はするがあとは面倒みませんいうところですね。     高価なC-737がプレーンな丸スポークしか使えないというのはがっかりです。

まあぼやいても仕方ないですね。ではどうしたらいいのでしょう?

 

解決策

 

1.どこか校正してくれるところを探す。

2.自分で校正して校正表を作る。

自作校正器

3.そのまま使う。

 

1について 私は校正を承っていますので時々ですが校正依頼の連絡が入ります。

2について ご自分でやってみようと思われる方もおられるようです。市販部品を集めて作るだけです。内容はブログに書いています。お勧めします。

3について 私が何度も言うほど気になる話題ではなく乗る人と作る人の思いは違うのでしょう。

ホイール作りの情報を発信しているものとして①②の方が増えてくれればいいなと思っています。

To tie or not to tie?

ホイールのスポークを針金で結んで半田付けする手法が昔からホイールの強度を高めるとして行われてきました。

NDS側をソルダリング

今やこの手法は完組メーカーではほとんどなされていません。手組ホイールを販売されているビルダーさんと個人でホイールを組んでいる人が行っているように思います。

 

Jobst Brandtさんというアメリカのスタンフォード大学で学ばれた伝説的なエンジニアさんがThe Bicycle Wheelという本を出されています。ネットでどなたかがアップしていますので興味のある方は読まれたら勉強になります。

ブラントさんがスポークのソルダリング(針金で巻いてはんだ付け)は有効かという実験をしています。

結論としましてはリム、スポークの強度が増した結果、針金でくくってもくくらなくてもホイールの強度に関してほとんど影響しないとしています。微量に変化はあるがこのソルダリングは大きく影響しないと結論しています。

このThe Bicycle Wheelという本を出されて以来ブラントさんの影響が大きいのかソルダリングはやらないという人が増えたとか。

 

海外でも日本でもいろんな自転車フォーラムでこのソルダリングの話題は出てきます。まあ昔から論じてこられた議題です。手組ビルダーさんはソルダリングをやる人が多いです。あるビルダーさんから伺いました。競輪ではソルダリングは減ったようです。

 

私はこのソルダリングは行うのですが効果のほどはよく分かりません。どちらかというとブラントさん寄りです。

手作り感が高くホイールを作りこんでいるという感じがよく出ていますので行うことがあります。

細い銅線、はんだ、コテ
練習しました

いちばん細い銅線をホームセンターで買ってきました。はんだ付けの道具は百均で購入しました。100円では買えませんでしたがこんなところで買えると驚きました。

ユーチューブでこのソルダリングの仕方を説明している方がいます。How to Solder Wire Tied Spokesです。Jet bicycle wheelsというところのビデオですがこんなやり方もあるのかと参考になりました。はんだコテを使わずバーナーでやっているところが面白いです。