DURAホイールC35TUの調整

ホイールの振れ取り調整依頼を受けました。ホイールはシマノDuraホイールC35TUです。

C35TU 前輪645g
前輪スポークテンショングラフ バラつきがあります
C35TU 後輪742g
後輪スポークテンショングラフ  テンションにバラつきが目立ちます

前輪16h後輪21hです。後輪は左7本右14本の2:1組で作られています。

少し前の製品ですが今も根強い人気があります。チューブラーホイールはスポークのテンションダウンが起こりませんのでタイヤをインストールしてもホイールの状態が変わることはありません。チューブラータイヤは乗り心地が良く軽量です。外周部が軽くできますのでクリンチャーホイールが全盛の今もチューブラーホイールを好む人が多いです。

まだチューブラーホイールを試したことがない方はぜひご検討ください。パンク修理の苦手な方もミヤタのテープで運用すればクリンチャータイヤよりも手軽です。チューブラータイヤの高級品は非常に高価ですが価値はあると思っています。敷居が高いホイールではありません。

前輪ハブ スポーク穴位置が均等でない 肉抜き加工のスペースがとられています

このDURAホイールのハブはストレイトプルスポークを使っています。スポークは特殊で頭は平らにたたいてあるスポークです。DTのDicutホイールもこのタイプです。スポークの形状を変えることでハブのフランジ幅を広げているのだと推測します。前輪ハブの穴位置もよく考えられています。穴位置を均等に分割するのではない作りです。このため肉抜き加工を行なえるスペースを作って肉抜きの軽量化を図っています。

後輪ハブ  肉抜き加工で軽量化を図っています スポーク頭は叩いて平らにしています

このハブを見ているとホイールの作る手順を考えてしまいます。スポークを通すには軸を抜かないと通せません。いちいちハブを分解してスポークを通す手間を考えますと時間が掛かります。メーカーのホイール組み立て工程では仮組終わってからハブ軸を通すのではないかと想像しています。実際シマノのホームページで確認しますとスポーク交換にはハブ軸を抜くと書かれています。修理には厄介なハブですがよくできたハブと感心しています。

前から回すには3.75mm 後ろからでは5.5mmで回せます
ねじれを防ぎながらニップルを回すのにDTの道具を使っています

スポークのテンション調整にはニップル回しが必要です。ニップルの前から回すか後ろから回すかですがリムは穴ありリムなのでどちらの方からでも調整できます。私は後ろから行いました。スポークの回転を押さえてニップルを回します。

スポークテンションのばらつきを出来るだけ少なくして振れを最小にしています

振れ取りだけなら振れているスポークだけをニップルを回せばいいのですがせっかく調整するのでスポークテンションの再調整も行いました。つまりテンションを出来るだけ揃えることです。完成品のホイールなのですべてのニップルを回すわけではありませんが結構時間はかかります。テンションメーターで確認しながら行えば難しい作業ではありません。

調整がおわりました。付加価値は上がったと思います。

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