カーボンホイールの再調整

昨年お納めしましたお客様より連絡がありました。下り坂でのカーブで柵に当たってホイールが歪んだとのことです。お怪我がなかったようでよかったですがホイールは傷んでしまいました。

ほとんどのお客様は遠方の方ばかりなのが残念です。メールでのやりとりでお話を進めます。しかし納品に関しては何の問題もありません。本当に宅急便のおかげでありがたいです。

昨年お納めしました36mm高軽量ディスクカーボンホイール
昨年お納めしたときの前輪テンショングラフ
昨年お納めしたときの後輪テンショングラフ

ホイールは36mm高のディスクホイールです。前後24hの一般的なホイールです。

軽量に仕上がっています。スポークは前輪にはCX-RAY、後輪には剛性を高めるためにコンペティションで組んでいます。乗り手の体重、力量、好みなどにあわせて組み上げることができます。手組ホイールの最も良いところです。ホイールを購入したがガチガチで疲れるというようなことはありません。もしそんなことになってもスポークを交換すれば乗り手にあわすことが出来ます。

送られてきましたホイールはいつものようにスポークテンションを最初に計測します。

落車後の前輪テンショングラフ
落車後の後輪テンショングラフ

上のグラフが落車後のホイールです。リムが左右に大きく振れていました。こんなに大きい振れではリムブレーキなら帰宅できなかったと思います。ディスクホイールではフレに対しての許容範囲が広いので思わないところで良さを感じてしまいます。

ディスクホイールはリムがすり減らないのがいいですね。最近はとても軽量のディスクホイールが出てきていますのでディスクホイールは重いという固定観念はなくなりつつあります。しかしリムブレーキが悪いわけではありません。リムブレーキはまだまだ軽さを追求する上では有利と思います。ディスクも軽くできますが費用面ではリムブレーキに負けると思います。つまりお金をかけないと軽量化が出来ないということです。

話がそれました。もとに戻します。

少しずつニップルを回してもとに戻しました。この時感じたのですがやはりブラスニップルでよかったと思いました。ブラスニップルは強い。ニップルを何度も回したり緩めたりしますのでやはり強度の高い製品が安心です。勿論使い方さえ間違いなければアルミニップルは強度を担保できます。恐れることはありません。ただ私は売り物のホイールを作っていますので強いご依頼がない限りブラスを採用しています。

一気にニップルを回さないでゆっくりと、そろりそろりと元に戻していきました。結構集中しますので長い時間できません。ゆっくり休みながらの仕事になります。

修理後の前輪テンショングラフ
修理後の後輪テンショングラフ

2日かかりましたがホイールテンションはほぼもとに戻りました。運よくスポークも傷んでなくニップルを回すだけで調整は終わりました。喜んでいただけると思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です