ホイール再調整のご依頼②

先日銀輪ホイールをご注文いただきましたお客様より再度のホイールチェックをご依頼いただきました。ホイール調整は2セット目になります。

4年ほど前にプロビルダーさんにオーダーされた銀輪ホイールの再点検です。

カンパハブ使用 36hホイール

わざわざビルダーさんへ持参しなくても私のほうで調整出来るとご判断いただいたようです。

お預かりホイールは次の通りです。

前輪 842g

前輪

リム マビックオープンプロ36穴

ハブ カンパハブ

スポーク コンペティション シルバー左右3クロス組

ニップル DTアルミニップル

後輪 987g

後輪

リム マビックオープンプロ36穴

ハブ カンパハブ

スポーク 右ドライブ側 コンペティション シルバー 2クロス組

スポーク 左ノンドライブ側 コンペティション シルバー4クロス組

左サイドにソルダリング

ニップル DTアルミニップル

私のほうではお預かりしましたホイールはいつもスポークテンションを調べます。下図のグラフが前後輪のテンショングラフです

縦ブレ横ブレはほとんどない 強弱強弱という形でバランスが取れている
縦ブレ横ブレはほとんどない 強弱強弱という形でバランスが取れている
右サイドで計測 7.83mm
左サイド 7.85mm センターの誤差はほとんどない

ホイールの縦ブレ横ブレはしっかりとれています。上写真の通りセンターも驚くばかりの真ん中です。ニップルはアルミニップルですので長めのスポークでニップルのすり割りを突き抜けて作られています。このように少し長めにするとニップルの頭が飛ぶ心配はいりません。アルミニップルの弱点をよく知っておられ、扱いなれた方です。

アルミニップルの弱点をよく知っておられます。長めのスポークがいいと思います。
とてもきれいなソルダリングです。

後輪は左4クロス右2クロスと凝った組み方をされています。左スポークにはとてもきれいなソルダリングを施されています。これだけきれいにソルダリングできる人は少ないと思います。クロモリロードにはぴったりに美しいホイールです。

組んである状態ですのでハブのサイズが正確にわかりません。このためほぼ同等のシマノハブで後輪スポークテンション左右比率を計算してみたいと思います。

あくまで計算上の理論値です。後輪は左4クロス右2クロスで組みますと理論値では左52:右100の比率で組めます。通常の左右3クロスなら49:100、左3クロス右2クロスなら50:100の比率です。左サイドのスポークテンションは49,50,52と約1%刻みで改善されます。大幅な改善とみるか、なんやそれだけとみるかは個人の感じ方です。私は大きな改善とみています。

オーバーラップ状態

こうしていろんな36穴リムでのクロスパターンを仮定しますと左4クロス右2クロスは一番高い比率で組めます。しかしこのハブで4クロス右2クロスを組みますと左スポークは計算値ではオーバーラップしますのでは一般的には行いません。

後輪左側のスポークはオーバーラップ

オーバーラップとは写真のようにスポークが重なり合うことです。スポーク同士が接触しあう組み方ではスポークが曲がって干渉しあうことがあるのでお勧めしないといわれています。私はやったことがないので良いのか悪いのかはわかりません。

調整後の左テンションの計測値は約52kgf:123kgfで仕上がっています。11速に伴ってハブオフセットの値が大きい最近のハブでは左スポークテンションがとても緩い仕上がりになりますのでこの実測値は高い仕上がりと考えます。

お預かり時の後輪スポークテンショングラフ

お預かり時の各スポークテンションを調べますと上図のテンショングラフになります。グラフで見るととても分かりやすいです。スポークテンションは強弱強弱と波打ちながらもきれいに振れ取りが出来ています。振れはほとんどありません。これだけきれいに振れ取りをされていていれば通常ならOKです。

センターは0.1mmの以下のずれ、優秀です
センターは0.1mmの以下のずれ、優秀です

このホイールはとてもきれいな仕上がりですのでスポークテンションが揃っていないのは残念です。

いつも各スポークテンションの偏差を5%以内に収めていますのでオーナー様はこのホイールのスポークテンションがもっと揃うようにということで今回依頼されました。

各スポークテンションを揃えて且つ振れを最小になるように再調整終わったグラフが下図のグラフです。

スポークテンション調整後の前輪      左100kgf右100kgfで仕上げました
スポークテンション調整後の後輪左52kgf右123kgfで仕上げました

どのくらいパフォーマンスが上がったかを感じ取ることは低速時では難しいと思いますが各スポークのテンションがほぼ同じに引っ張っていることにより高速時では違いがよくわかると思います。可視化しますとよくわかります。スポークテンションの均一化はとても大切です。

今回はいろんなホイール、自転車を乗ってこられた目の肥えたユーザー様に信頼を得たことがとてもうれしいです。

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