ホイール調整のご依頼

キンリンXR22T/RT20・24hをお買い上げいただいたお客様より今までご使用のホイールの再調整を依頼されました。

ホイールはイーストンのアルミホイールです。最初の状態を知るためにスポークテンションを調べました。

次のグラフが最初の状態です。

お預かり時の前輪スポークテンション
お預かり時の後輪スポークテンション

では先ず前輪について説明いたします。

スポークテンションが数か所大きく違う場所がありました。細かく調整しなおしましたのでグラフはきれいな丸になっています。まあ完ぺきではありませんが使える状態にしました。

修正後の前輪スポークテンショングラフ

 

次に後輪です。

修正後の後輪スポークテンショングラフ

上図が調整後の後輪です。

 

一ヶ所、理由はわかりませんが大きく歪んでいるところがあります。おそらく落車が原因と思われます。振れ取り台のメーターで見ますと1mm以上の凹みがあります。

この凹みが原因で縦ブレ横ブレが起こります。

今回このホイールの再調整では完全な丸にはできません。お預かりの時点では無理やり丸にしようとしていましたので非常に緩いスポークが数か所ありました。これがホイールの性能を悪くしていた原因です。前へ進む力がこの緩いスポーク数本で減じていたと思います。

 

スポークのテンションを調整してリムを丸い状態にすることはできませんので、凹みは凹みと受け入れて調整いたしました。まあ、無視するわけです。そしてスポークのテンション均一化だけを最優先しまして調整しました。グラフで見ていただくとわかりやすいです。ホイールの9時のポイントがへこんでいるのですがスポークテンションはおおよそ均等に張られています。

リムに1mmの凹みがあるのですがタイヤに空気が入りますとわからないと思います。今まで乗っておられたので先ず大丈夫です。

ホイールセンターはハブの設計上どうしても左が緩いので(53kgfまで上げています)リムセンターを左に0.6mm寄せています。つまりスポークを適正値より強く引っ張って調整しています。本来の適正値で調整すると50kgfは大きく下がる数値になりますのでリムが左に寄るのを承知で調整しています。

タイヤがはまりますと0.2ミリほど右に寄りますが、使用時のホイールは少し左に寄っています。しかしこの状態は使えない状態ではありませんので最終的にはブレーキ側で調整することでお願いしました。

 

お届しましてお返事がありました。このホイールは中古品を買われたようです。販売した人はへこんでいることなどはお客様には話していないようです。使っている間に不都合な点がわかられたようです。中古品のリスクは身に染みたとおっしゃっています。見た目だけではわかりません。安すぎるホイールは怪しいです。

中古品マーケットはいろんな媒体で増えていますが自分で直せる人、またメンテができる人のルートを持っていない人は手を出すのは危険です。

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