乗り味を柔らかくするといって緩いスポークにするのはダメです

お客さまから11月20日のソフトスポーキング記事について賛同というか同じ経験をされたとご連絡いただきました。乗り味が柔らかくなるのでスポークテンションを緩くしておきますと自転車屋さんから言われたというお話です。

スポークのテンションを高い低いの調整で乗り味を変えるという方法は全く理にかなっていません。

柔らかく乗るということでスポークテンションを緩くするということはスポーク折れにつながります。ホイールにとって良いことではありません。お客様は緩く作られたスポークが何度も折れた経験があるので最終的にはご自分でホイールを作ることにしたといっておられます。

あるビルダーさんの作った前輪 緩くてテンションがばらついている センターはドンピシャでした

テンションを緩めて乗り味を柔らかくする。この考えは意外と広くはびこっています。あるビルダーさんの作ったホイールを点検させていただいたことがありますが前輪は74kgfでした。このビルダーさんには適正値かもしれませんが私は緩いと思います。

ホイールは地面に接する場所は凹んでいます。この連続で前に進んでいるのですがテンションが緩いと凹む率も高くなります。均質にスポークテンションが74kgfならまだ凹んでいるところは50kgf以上を保つことが出来ますがテンションのバラつきが大きい場合に問題が起こります。クリンチャーの場合タイヤをはめるとビードが影響して10~15%スポークテンションが下がります。これはどんなホイールも同じです。テンションのバラつき度が高く、おまけに緩いスポークとなりますとスポークは折れやすいです。

下のグラフは同じホイールの後輪グラフです。今度は驚くばかりのハイテンションです。11枚のギアになったためどうしても左スポークは緩くなります。当然右側を高くするのですがハイテンション過ぎるのも問題です。

後輪は凄いハイテンションです  左非ドライブ側のバラつきは大きい  センターはドンピシャです

高いほうが良いのかということになりますが今度はリム、スポークの強度に影響しますので高すぎるのもだめです。この辺りは経験になりますが前輪は100~110kgf、後輪はドライブ側を120~130kgfあたりに納めるのが良いようです。しかし正解はありません。低すぎるのもだめ、高すぎるのもだめということです。ホイール作りは難しいです。

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