オールドホイールの分解

DURAハブを使ってカーボンホイール作製の依頼を受けました。お預かりしましたホイールのDuraハブを取り外してカーボンホイールに使うというご注文です。リムは発注しましたが一ヶ月以上入荷にかかります。

マビックリムのクリンチャーホイール Duraハブを取り出します

分解するホイールはDURAハブを使ったオールドクリンチャーです。ハブを取り出すことにしました。分解する前にどんな作りであったか観察しようと思います。

リムはマビックのリフレックス、ハブはDura7700前後32h、スポークは星スポーク#15#16の段付きバテッドスポークです。

前輪 緩いスポークテンション 
後輪 緩いスポークテンション 揃っていないのでスポーク折れしやすい

お預かりしたホイールはいつもスポークテンションを測っています。

ホイールは一見よくできたホイールでした。縦ブレはほとんどありません。横ブレが少しありましたが振れがあるというほどではありません。見た目はよくできたホイールです。ビルダーさんが組んだホイールです。

しかし残念なところは緩いスポークテンションにテンションが揃っていません。グラフを見ていただくとよくわかります。前輪は50kgfを下回り、後輪ドライブ側も80kgfです。

古いホイールですが出来たころはモダンホイールだったと思います。しかしこうして分解しますとよくわかります。ベテランビルダーさんが作ったホイールもじっくり調べると二つ改善点があります。ホイールは難しいです。

緩いテンション

緩いスポークテンションは駆動効率が悪くなります。リムは体重でほんのわずかですが地面の部分が凹んでいます。凹みを繰り返して回転して前に進むわけですがハイテンションでスポークを張れば凹みを少なくすることで駆動ロスを押さえるわけです。アルミよりカーボンリムのほうが軽量で剛性が高いので走っている時の凹みが少ないわけです。カーボンリムの優位性はこんなところにあります。リムの凹みを少なくするためにリムを壊さないところまで張ればロスが少ない訳です。しかしいくらハイテンションでも限度があります。頃合いのいいところで止めることも必要です。これが難しいところです。

揃っていないスポークテンション

クランクを回して伝わる力はスポークに伝わって前に進みます。各スポークには同じ力が加わり前に進むわけですがこのスポークの張りが揃っていないと均等に力が加わりません。強く引っ張られているスポーク緩いスポークなどあれば力がばらつきます。強く力が加わったりゆるかったりが原因でスポークが折れたりするわけです。引っ張りが均等であれば同じように力が加わります。こんな理由で均等に引っ張ることが大切です。

勝手に人様のホイールを検討するのは行儀が悪いと思いますが良いホイールを作るにはたくさん見ることも必要です。機会を得たことはありがたいことです。

このホイールではパフォーマンスを上げることはできないと思います。振れ取りはホイールの重要な作業ですが単に振れ取りだけでは中途半端なホイールになります。適切なスポークテンション管理が必要です。

Duraハブ HB-7700 FH-7700

分解してハブを取り出しました。DURAハブは美しいです。時代を感じません。このハブを使ったホイールは来月後半には出来上がる予定です。32hのフックレス・カーボンホイールは楽しみです。

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