TNIのAL22WリムでF24/R28をご注文いただきました

当ブログに以下の連絡が入りました。ホイールのご注文です。

 

以下お客様との連絡の一部です。お客様には了解いただいています。情報のシェアにはご賛同いただきました。

 

手組ホイールについて相談させてください。 使用するのはTTバイクに近いジオメトリのクロモリロードになります。私の体重は62キロです。

 AL22リムの手組(フロント20hラジアル、リヤ24hドライブ2クロスノンドライブ3クロス)を持っていましたが今のバイクに乗り換えたところ剛性不足(特に横方向)を感じたこと。

またカーボンディープのホイールとリム幅が違いすぎるためアルミのワイドリムを検討しています(できれば安く…)

現在検討している仕様は

フロント

リム:TNI AL22W 24h

スポーク:2.0-1.8 バテッド

ハブ:ノバテック(手に入れば) 2クロス組

 

リヤ

リム:TNI AL22W 28h オフセット

スポーク:DS 2.0プレーン NDS 2.0-1.8バテッド

ハブ:ノバテック(手に入れば) DS2クロス、NDS3クロス

 

ダンシングを多用するのでフロントもエアロスポークではなく丸バテッドの方が良いかなと個人的には考えています。

 ちなみにフレームが短時間運用(ヒルクライムやクリテリウム)を想定しているのである程度の軽さで出来る限りガチガチのホイールを希望します。

 

ここまで詳しくご自分で計画できる方はあまりおられません。私がアドバイスするまでもなく部品を手配し組み立てるだけのことになりました。

 

ノバテックのハブで28hアンチバイトガード付きを手配するのに時間が掛かりました。コロナの影響で物流事情が悪く、なかなか届かないのでご迷惑かけましたが快くお待ちいただきました。

 

1月以上掛かったのですが無事ハブも届きテンショングラフを添えて納品いたしました。

前輪679g後輪928g 前後1607g

前輪スポークテンショングラフ後輪スポークテンショングラフ

 

雨が続いて新しいホイールで走れなかったご様子でしたが昨日新しいホイールの印象メールを送っていただきました。

以下、インプレです。

 

先日組んでいただいたホイールでようやく外乗りすることができました。

比較対象はAL22リム(F20hラジアル組、R24hヨンロク組)の手組、レ**ルズエアロ46クリンチャーです。

まず4分ほどの登り区間ですがいきなり今年の一番時計がでました。例年に比べて乗り手の体重が重いにも関わらず体重が軽い時と遜色ないタイムが出ています。

私としてはこれには驚きでした。と言うのもゼロ加速で少し重さを感じるホイールだったからです(実際比較のなかで一番重いです)。

剛性優先で組んでいただいたため硬いホイールになるかと思いましたが、個人的な感想としてはそこまででもないかな、という感じです。それは地面からの突き上げがそんなにキツくなかったためです。ですが横剛性はしっかりあるのでダンシングや下りのコーナリングでヨレる感じはありません。

ですので私にとってはとても扱いやすいホイールになりました。

早く長い登りで試したいなと思っています。

もう少し乗ったらまたメールいたします。

 

ホイールの仕様は次の通りです。

 

前輪

ハブ A291SB 24h

リム TNI AL22W 24h

スポーク DTコンペティション

ニップル ブラス

重量 679g

 

後輪

ハブ ノバテックF482SB 28h

リム TNI AL22W オフセット 28h

スポーク 右DTチャンピオン

左DTコンペティション

ニップル ブラス

重量 928g

前後 1607g

 

このホイールは既製品のワイドリム、ノバテックハブを使っています。すべて汎用部品ですので容易に、安価に部品手配できるのが強みです。

 

スポーク数はF24/R28ですので超軽量とはいえませんが外周部のリムは軽量リムですので漕ぎ出しは予想外に軽いのです。ご連絡いただきましたインプレの通り力が逃げない良いホイールに仕上がっています。

 

お客様には感謝しかありません。いろんな情報をいただいています。手組ファンの方には参考になると思います。

前輪20hの2クロス組はいいぞ

続けてお二人のお客様よりカーボンホイールの20h前輪2クロス組の印象を知らせていただきました。

前輪 20h 2クロス組

今までは、キシリウムエリートでしたのでリム重量が410gと

軽量でしたが、高速巡行が厳しいホイールでした。

比較の為、スプロケット、チューブ、タイヤは流用して確認しました。

出足はさすがに若干重い感じがしますが、廻り始めてしまえば

気にならない重量と35~40㎞前後は空力と慣性の為なのか楽な印象です。

フロントのクロス組は良かったです! コーナーでバイクを倒した時の

フロントが突っ張るような感じが無く素直です。

 

もう一人の方の印象です。

 

前輪は相変わらず乗り心地がいいですね。これだけでこんなに乗り心が良くなるのであればブルベなど長距離になればなる程メリットが大きそうです。下りもかなりの高速で下りましたがアンダーステア、オーバーステアになることも無かったです。

自分はクロス組みにするとスポークが少し長くなるので多少でも軽くしたいのでラジアルでもいいかなと思います。

 

このようの続けさまで前輪20h 2クロス組の印象を書いていただきましたので前輪2クロス組は乗り味を柔らかくするのを感じます。

ブルべやロングライドに向いていると思います。

少し前の2017年のバイシクルクラブ6月号で手組の扱った記事があります。

 

意外と知らない手組のノウハウ

という記事で福島のパックスサイクル  木村さんが手組ノウハウを教えてくれています。

「今の完組ではフロントラジアルが当たり前ですがそれはロードレースにおいて縦剛性を高くしたいからです。シクロクロスになればそれが逆にタイヤが地面にはじかれてしまう原因になります。なので、シクロクロスでは意図的に縦剛性を落とした2クロスを勧めることもあります。」

以上バイシクルクラブより引用です。

目的に応じて組み上げていく手組ならではの良さを感じます。

私はずっと自分の組んだホイールを乗っていますのでそれに慣れてしまっています。こういったベテランの方の印象を教えていただくととても参考になります。

仲良しの自転車屋さんは必要です

先日のことです。いろんなことを教えていただく自転車屋さんのメカニックさんといつものように情報交換していました。そこにホイールを持ったお客さんが来られました。初めての方のようでした。持ってこられたのは海外通販で購入のゾンダでした。

 

振れ取りと再調整を依頼されたのですがこのメカニックさんはうちではできませんとやんわり断られました。

 

お客が帰られた後できるのにどうして断られたのですか?とメカニックさんに伺いました。

うちで買われてないのにミスをしたら私とこが弁償しないといけないので断りました、とのことでした。

まあ、そうでしょうね、来られたお客さんはいいとこどりですからね、ということです。

wiggleより

ちなみにこのゾンダはwiggleでいま買いますと写真の値段です。安いですね。しかしこの値段で買えるかと思いますと間違いです。輸入の際に税金がかかります。

実はゾンダは私も買いました。確か2400円ほど税金を払った記憶があります。Wiggleでは送料は無料ですが国内に入るときには税金がかかります。あとのメンテナンスはしてくれません。

まあそんなにうまくはいかないという話です。税金からは逃げられません。Wiggleは立派な会社ですのでアンダーバリューという法律違反はしてくれません。でも安いのでついついこの安さに負けてしまいます。私は自分でメンテができますので勉強がてらに買いました。

 

別の話です。

 

私は夕方によく自転車に乗ります。2か月ほど前の話ですが、3日連続同じ人にお会いしたことがありました。この方のロードバイクはキャノンデールの最高級のフレームにカンパのBORAと高級バイクの出で立ちです。いいホイールですね、と話しかけてしばらく一緒に走ることができました。

 

ホイールはどちらでお求めですかと伺うとキャノンデールのショップで一緒に買いましたとのことでした。

wiggleより

Wiggleとかでは割安と聞きますが海外通販では買わないのですねとさらに聞きました。

返事は、税金がかかるしやはりメンテナンスのことを考えたら少し高くてもこちらのショップで買うのが安心ですと答えていただきました。

 

この方は保険と考えたら少し高くても知り合いのショップで買うほうがいいと後々のことを考えられたようです。なかなかよくわかっておられるなと感心しました。メンテナンスのことも考えられて購入されています。

海外通販のホイールを買うときの注意事項として面倒見てくれるショップが近くにあれば買われたらいいと思います。なかなかこんなショップはないのですが…

 

別の話をもう一つ

 

海外の自転車フォーラムを読んだときのことです。

LightBicyclの完成ホイールを買ったのだけれどセンターが1mmずれていて直したいのだが近くの自転車屋さんで断られたのでどうしたものだろうか相談に乗ってほしいという投稿がありました。

 

そのフォーラムでは直球の回答がありました。高くても直してくれるところがあるから直してくれる自転車屋さんを探しなさいという答えです。

笑ってしまう答えでしたがその通りです。直してくれる自転車屋さんは必ずあります。でもその場合とても高くつきますね。

 

私も一度同じような経験をしたことがあります。

Light Bicycleのリムのことでお客様より相談が入り、いろいろメールでやり取りしましたが結局は価格的なことで折り合いがつかず直接Light Bicycleに完成品約1100ドルを注文された方がおられます。この方からはご丁寧に断りの連絡をいただきました。とても行儀の良い方でした。

しかし今はメンテナンスをどうされるのかと思っています。センターが1mmずれていたらどうされるのかな?まさか私に直してほしいとは言ってこられないと思いますが…

 

このようにいろいろと買い方の方法がありますがメンテナンスが必要な品物には特に注意が必要です。

 

お安く買って1年過ぎたら売りにだすのも一つの方法です。しかしこれも結局割高になってしまいます。また、自分でメンテナンスの技術を磨く方法もありますがこれはすこし技術習得に時間が掛かります。

結局近所の自転車屋さんと仲良くするのがいいと思うのです。人と人の付き合いですから違うところで買っても属人的な関係ができていれば多少の無理も聞いてくれると思います。

しっかりといい付き合いをしてできるだけ些細なものでも買ってあげる。これは大事なことと思います。

 

こんなことブログの話題にふさわしくないかもしれませんが最初にお話ししましたメカニックさんと一見さんとのやりとりをみて、お客さんが帰られたあとで感じました。

きれいに仕上げる

ホイール作りにおきましてニップル穴にオイルを注すことは欠かせません。しかしながら完組ホイールはニップルホールにオイルを注すことはどうもしていないようです。なぜならふき取らなくてはいけませんので仕上げ段階で手間がかかるのです。

この理由でおそらくニップルホールにオイル注しは行われていないと思います。時間の節約です。

 

ニップルを回してスポークテンションを上げていくときにはニップルを円滑に回すためにはほんの少しのオイル注しを行うことで解決できます。

このひと手間はベテランのビルダーさんなら必ず行っていることです。またどのホイールの教科書本にも記載されています。

しかしオイル注しを行うとどうしてもリムがべたべたしてきます。油が漏れてリムがべとつくのです。あとでしっかりふき取らなくてはいけません。自分用のホイールなら少々油がついてもかまわないことですがやはりできるだけきれいに仕上げたいものです。

 

解決方法として最近ではグリスを使っています。

刷毛でニップルにグリスをひと塗り

ニップルをスポークに通す前にひと手間かけるのです。ニップルインサーターを使ってスポークに通す前にグリスを刷毛でひと塗りしています。ほんの少量グリスを塗ることでニップルの滑りをよくします。グリスですので油分が漏れ出ることを防いでくれます。

 

こうすれば

あとでリムの油分をふき取る手間も半分以下に収まっています。時間が節約できそして出来上がりも良好です。

この方法をやられていない方には是非ともお勧めしたいです。手間もそんなにかかりません。急がば回れです。とてもきれいに仕上がります。