フルクラム RACING SPORT リア24h分解しました

2:1組の後輪ホイールを分解して調べてみました。

後輪 1079g

リム 24h 21mm幅 24mm高 503g

ハブ 2:1組専用ハブ  359g

スポーク 2mm 左 ストレートプル

2mm 右 jベント

ニップル 14mm ブラスニップル 頭部ヘキサタイプ 25g

24hリム 503g
14mmブラスニップル 24個
緩み止め液をしっかり注しています
ストレートプル8本 jベント16本
  • ハブからスポークを取り外すにはjベントは簡単に取り外すことができますが左ストレートプルスポークはハブを分解しないと取り外しはできません。左側のキャップを外すだけではベアリングをカバーするワッシャーが邪魔をします。軸ナットを緩めて軸棒を外さなければスポークを取り外すことはできません。
分解しないと左スポークは取り外せない
  • ハブ重量は359gと重いハブです。シマノハブのDURA以外、ティアグラ、105、アルテグラクラスのハブとほぼ同じ重量です。しかし重いから性能が落ちるとかいうのは早計と思います。軽いに越したことはありませんが重いハブは丈夫です。ハブの中央部分シェルが丈夫であることは力が逃げないといわれていますのでシェルが丈夫であることはとても大事なことと考えます。

  • 寸法を実測します。左フランジ33mm 右フランジ60mm

左CTF 47.3mm  右CTF 13.2mm

オフセット値が高いので左スポークテンションはわりと緩い仕上がりになります。このため2:1組の組み方で左スポークテンションを上げる設計になっているようです。

  • 2:1組用のハブですが仮に左ハブ穴を16穴としてスポークテンション比率を計算しますと27:100になります。この27はスポークが16本で計算していますので8本になりますとスポークテンションは54:100になります。この数値は2:1組にしては非常に低い数字です。比率で計算しますと低いのですが実測値で見ますと63kgfの数値を得ることができています。

 

  • 私はオフセットリムを使ってこのハブで組んでみようと考えています。XR31RT 24hで組めば計算値では76:100で組めますのでやってみる価値がありそうです。

フルクラム RACING SPORT フロント分解しました

フルクラムのRACING SPORTのフロントを勉強のため分解してみました。

完組メーカーの造りかたを調べたらとても参考になります。

フロント 824g

 

リム 503g 21mm幅 24mm高

ブラスニップル 14mm 頭部ヘックスタイプ  合計18個 19g

スポーク 2mmストレイトプル  18本 合計 124g

ハブ 18h ストレイトプル 158g

 

  • スポークを取り外すには軸棒を外さないと取り外すことはできません。jベントスポークと違いとても面倒です。

  • ニップルの緩み止めは非常に強力です。振れ取り、なじみだしが終わった後に緩み止め液を注して作られています。ニップルヘッド側にもしっかり塗られています。スポークネジの中央には何も塗られたあとがありませんのであとから緩み止め液を注して作られたと思います。
ネジ部分の中央にプレップが塗られていません
  • ベアリングは 6001-2RSの規格です。

 

  • リムの503gはゾンダも約500gですので妥当な重さでしょう。16、18hの少スポークアルミホイールでは剛性を確保するには500gはいるのかもしれません。

  • ニップルはブラスです。18個で19gです。やはり軽量化にはアルミニップルですがトラブるを防ぐにはブラスのほうが有効です。アルミかブラスか悩むところです。

  • ハブは予想外に重いです。158gはシマノハブの中でDURA以外のハブがほぼこの重さです。ベアリングも大きいサイズですので丈夫だと思います。丈夫さは重要なポイントです。
分解したハブ
  • 18hでフロントが800gを超える重量は重いホイールと思います。しかし練習ホイールとして丈夫さを追求するとこの重量は妥当な重さと思います。

 

次に後輪も分解する予定です。また報告します。

フルクラムの格安ホイールを購入

写真を見てかっこよく1万円台の超格安なのでフルクラムRACING SPORTを購入しました。

重量は見た目とは違って重いホイールです。どうも入門用のホイールのようです。

フロント824g、リア1079gと少スポークホイールで考えると重いホイールです。

内容は

フロントスポーク 2mm ストレイトプル ラジアル組

リア 24h 2:1組

左 2mm ストレイトプル ラジアル

右 2mm jベントスポーク 3クロス組

ニップル 前後ともにブラスニップル

 

フロント18h、リア24hの組み合わせです。リアは2:1組なのでリアのスポークテンション比率は左が高いと予想していましたが思っていたほど高いテンションではありません。しかし低いというわけでもありません。

フロント18hテンショングラフリア24h2:1組テンショングラフ

スポークは前後ともに2mmストレートの太いスポークです。前輪は18本、後輪は24本ですので剛性が足らないのではないかと考えますがスポークが太いので剛性は十分高いと考えます。

スポークテンションはグラフの通り悪くありません。センターはしっかり出ています。

後輪左スポークテンション対右スポークテンションの比率が約55:100の比率は2:1組で済んだ場合では非常に低い比率です。通常は70:100くらいの比率で仕上がるのですがこの低い比率はハブのオフセットに帰来しています。

ハイトゲージでハブを実測しましたら左フランジからセンターまで、右フランジからセンターまでの幅を計測しますと左47.3m、右13.2mmです。オフセットの値が高いハブです。

左テンションの実測値は左61kgf右110kgfです。この数値は1:1組で考えますと高い数値ですが2:1組で考えますと低いです。

このハブのオフセット値で左12右12のハブを使って1:1組で組み上げると仮定すればテンション比率が27:100で仕上がります。驚くほど左テンションが低いです。このハブで仮に左を8本にするとテンションは倍になると考えますと54:100になります。実測も近い数字です。

 

後輪リムはセンターホールリムです。オフセットではありません。

 

このホイールは練習用、毎日の通勤用にいいなと考えます。レース用には難しいです。

リム1セットの値段でホイール1セットを手に入れた感じですので分解して新しいホイールを作ろうと考えています。2:1組のハブが手に入ったと思えば格安です。

プランとして

リムはF18、R24hのシャロ―リムです。18hが転用の利きにくいホイールですので格安で売りに出されたのかもしれません。私はアルテグラハブのフロント18hリア24hを持っていますのでこのハブで作りなおそうと考えます。Duraハブでも18/24hが作られています。これも良いですね。

ハブはフロント18、リア24h2:1組ですので別注で取り寄せたキンリンのリムxr31T/RT 18/24hを持っていますので組み替えようかなと考えています。

1万円台の激安のホイールセットを手に入れたらこんなことを考えるのも良いと思います。分解しましたら報告します。

DT RR411リム使用32hホイールのインプレまとめ

7月にお納めしましたDT RR411 32hのホイールセットのインプレをラインで何度もいただいています。ホイールの印象は前のブログに紹介していますが今回まとめてブログに上げたいと思います。

Dura hub 32h  3クロス組
DT RR411 32h 後輪オフセットリム
FH7700 32h 3クロス
HB7700 32h 3クロス

年間1万km以上は走っておられる超ベテランのライダーならではの印象を書いていただきました。乗っておられる間の微細な情報を的確に感じておられると思います。ホイールを新調される方には参考になると思います。

 

以下まとめです。

 

「リンチャーホイールと、古いチューブラーホイールは、もう出番なしかもしれません。」

「今日 フロントのテープを張り替え クロモリに付けて走ってみました。自分の中では クロモリには 手持ちのユーラス+ミシュランパワーエンデュランス(ハブにグリスホール開いてる)が、相性抜群に思ってました。が、今回作った ホイール+チューブレスレディも、負けてません。軽さ 加速 負けてませんでした。路面の情報も 凄く良く分かります それでいて乗り心地が良いし転がり感も良い不思議な足下です」

「インプレで、忘れてましたが、中間加速が良いです。」

「新しいホイールセットで、走りに出ました。転がってる感が凄いのと、路面からの情報が 心地良く伝わってきます。」

「カンパのユーラス持ってまして、完組が良くて、もう手組には、戻らないと思ってましたが、間違えでした。」

「チューブが無くなったからですかね?軽いし 加速もいいです。
他のホイール タイヤに戻れないかもです」

「このホイールなら、200キロも 楽に行けそうです」

「30キロ走りました。すばらしいです。初めてチューブラー乗った時よりも、素晴らしい。ホイールが良い?タイヤが良いのかとかは、分かりませんが、素晴らしい。ビートがあがらなくて敬遠してる人は、やってみるべきですね」

「今日 雨予報だったので、昨夜久々に、DTをつけた アルミカーボンバックのマシンで65キロ程乗りました。32Hのホイール 良いです。地味だけど、こちらの方が好みかもしれません。かなり良い 別の自転車になった感じがします。」

「200キロブルベ 完走しました。DTRR411のホイール使いました。」

「今日は、台風の風が強くて 難易度高かったそうです。ホイールが転がってくれたおかげです。」

 

以下は私のおススメです。

多スポークホイールははロングライドに最適です。地面からの衝撃を多スポークが減らしてくれて疲れにくいのです。また落車などでスポークが1本折れても振れは大きくなりますが無事に帰れます。20/24hのホイールではスポーク折れたその時点で乗れなくなりタクシーを呼ばなくてはなりません。

 

ロードバイクにはまるとバイクが1台2台と増え、ホイールが何セットも増えていくのですが、1セットは多スポークホイールを持たれることをお勧めいたします

ホイールを発送

ホイールを発送にはいろいろ箱を考えました。

今から考えますとその時に応じて工夫していたと思います。

最初は畳サイズの段ボール板をホームセンターで買ってきまして箱を作って送っていました。90x180cmの段ボールをカットして箱にします。中にはリムを保護して写真の赤図のように2本並べます。

 

ずっとこれを続けていましたが毎度箱を作るのでは時間がかかりますので段ボール箱屋さんに箱を作っていただくことにしました。

ある程度の数を発注しないと単価が下がりませんので一部屋つぶれるくらいの数になりました。

ホイールを保護

箱が届いてしばらくはこのような状態でホイール2本を入れていました。しかしこの状態では中が動くので段ボール板を一枚入れていました。

仕切り板に固定

この方法がしばらく続いたのですが研究用のホイールを購入した時にいい方法を完組メーカーさんからヒントをいただきました。これが現在の方法です。

底に仕切りを入れる
ホイールをセット
底と同じように仕切り

中の仕切りづくりに少し時間がかかるのですが完璧です。まったく中身は動きません。ホイールを送った方より箱は残しておきますと連絡いただきました。再利用できます。

超軽量アルミホイールを作る②

出来上がりましたホイールのスポークテンションを測りました。

前輪のテンショングラフです。

後輪のテンショングラフです。

後輪のテンションはハブのセンターオフセットの関係から左右のスポークテンションは均等ではありません。右が高く左が緩い結果となります。テンション比率は計画の時はwheelproの計算ソフトから出ています。計画値では左47:右100の割合ですが実測値は左が57kgf右125kgfで約46:100の結果です。だいたい予定の数値です。

タイヤをインストールしますとスポークテンションが10~15%下がりますので今回のホイールではインストール後でも左スポークを50kgf前後で確保できそうです。

50kgfは欲しいというのは経験から出た数字です。50kgf以下の数値では踏み込んだ時の反応が鈍い感じがします。あくまでも個人の感覚ですので正解というものはありません。

感覚から出た数字ですので高いほうがいいのいうまでもありません。

左テンションを上げるために2:1組やオフセットリムを使うのですが今回のホイールではどちらの手法も使っていません。

オーソドックスに左右2クロス1:1組ですので左テンションは右の半分以下です。左の低いのをカバーするのにどうするかといえば右を高くして左の    テンションを相対的に高くするしかありません。

左右の組み方を変えて例えば左3クロス右2クロスにして組み上げると左が  1%上がります。しかしこの組み方ですと24穴のハブでは左フランジで   スポークがオーバーラップします。

1:1組では47%

オーバーラップ

左3クロス右2クロス組では48%

スポークの頭とスポークが重なるのでこれが嫌な人がいるのも事実です。いや性能には影響ないという人もいます。お好みです。28hではオーバーラップしませんので私は28hではこの組み方を使います。少しでも高いほうがいいでしょう。

今回のAL22での後輪ホイールは2:1組でもオフセットリムでもありませんので右スポークのテンションを高くして左のテンションも相対的に上げるという方法で対処しています。

前後で1330gは非常に軽いです。

後輪のスポークをコンペティションで組んでいるため剛性は高く仕上がっていると思います。もし剛性が足りない感じでしたら右スポークを2mmのストレートに組み替えることで剛性アップをはかることができます。乗る人の体重を考えれば軽量ホイールとして素晴らしい結果が出ると思います。

超軽量アルミホイールを作る

1300g前後のホイールを考えてみました。

軽量ホイールを作ろうと考えておられる方の参考になるかと思います。

リア 777g
フロント558g

リムはキンリンXR200、TNI AL22を選びました。どちらも同じものと思われますが販売する会社は同じものとは言っていません。重量は380g前後です。

369g

 

このリムは軽量リムとして人気があります。しかし取り扱いに注意が必要のようです。

以下このリムを扱うアメリカの自転車部品会社説明文です。

 

At just 383 grams, the Kinlin XR-200 is Kinlin’s lightest road clincher rim, and one of the lightest alloy clincher rims you can buy. It is the perfect rim for a climbing wheel or the weight weenie in you.

Recommended rider weights (front and rear):

Under 145 lbs: 20/24  約66kg
145 – 175 lbs: 24/28
  約66-80kg
175 – 200 lbs: 28/32
  約80-90kg

 

リムが軽量ということはこのリムがいくら剛性の高いリムとしても乗り手の体重は考えなくてはいけません。もちろん90㎏の人が20/24hのリムに乗ることはできます。ホイールが壊れることはないでしょう。しかし安心のコーナリング、力が逃げない乗り味を得るには乗る人の体重に応じてリム穴、スポーク数を選定することが大切と思います。安価でとても良いリムですが注意が必要です。

 

ハブはノバテックです。

フロントはA291SB 76g リアはF482SB-11 255gです。

スポークはフロント サピムLaser2.0/1.5/2.0mm

リアDTコンペティション2.0/1.8/2.0mm

後輪スポークは剛性を高めるために太くしました。前輪後輪の太さを変えるとか、左右の太さを変える方法、例えば右をチャンピオン左コンペティションという組み合わせも考えられます。いろんなことを試せるのも手組の良さです。

ニップルはDTのアルミ12mmを使っています。アルミニップルはDTでないとだめとかいう人が多いのですが私個人的にはサピムもピラーも使っています。

DT以外はなめやすいといいますがニップルレンチが3サイドのレンチであれば大丈夫と思います。四方ぴったり合ったニップルレンチが大切です。

フロント2クロス組

組み方はフロント、リア共に2クロスにしました。フロントはラジアル組が一般的ですがスタイルがクロス組のほうが好みなので2クロスにしました。クッション性は2クロスのほうがあるといわれているようです。

スポーク長の計算は2つのソフトで確認しながら出しています。DTのソフトとwheelproの計算ソフトを使っています。なぜ2つのソフトかといいますと元のスポーク長を出す計算式は同じでもスポークの伸びを最後に計算しているので結果が違うときがあります。

結果が違うときは経験で判断です。

 

スポーク長の計算では入力要素はどれも同じなのでERDリム内径の寸法が正確でないと正しくスポーク長を出せません。ERDを出すことが一番大切です。

 

スポーク長の結果が出ますと一番迷うのは小数点以下の数値の問題です。切り捨てにするか切り上げにするかです。私は基本的には切り上げです。

 

DTのソフトではスポーク長のお勧め数値が出ます。DT計算ソフトの通りやればほぼ問題はないと思いますがたまにうまくいかないときもあります。アルミニップル使用の時にはテンションアップ後にニップルから突き出る長さは問題ありません。短い長さより突き出る長さのほうが安心です。アルミニップルの弱点をカバーできるからです。アルミニップルの弱点は下図の赤線のところです。1mm突き出ても失敗ではありません。

大まかに部品代を表にしてみました。参考にしてください。

ノバテックハブ20/24h
単価 数量 金額
XR200 3800 2 7600
ハブセット 10000 1 10000
スポーク 100 44 4400
ニップル 30 44 1320
合計 23320
ティアグラハブ32h 星スポーク
単価 数量 金額
XR200 3800 2 7600
ハブセット 5000 1 5000
スポーク 60 64 3840
ニップル 30 64 1920
合計 18360

安価な完組もありますが手組の場合は材料費だけです。自分で組めば楽しいです。もちろんアイデアをプロと相談しながらプロにお願いするのも一つです。

組み方関しては練習しかありません。仮組が終わったらスポークが緩い状態で一度組み上げてしまうことがうまくできる方法と思います。一度きれいに組み上げてから均等にテンションを上げていけばいいのです。いいホイールが出来ます。

有名ビルダーRich Lesnikさんからのヒント

アメリカのホイールビルダーとして有名なRich Lesnikさんのホームページを見てみました。http://handsonwheels.com/faq/です。

 

FAQのページにこの方の作られるホイールに関しての考え方がはっきり述べられていています。ホイール作りに参考になる事柄を知ることができます。

ブログで書かれた一部です。

 

  • カーボンはゆっくりと腐食が進み突然予測外の事故を起こしたりするのでカーボンリムは使いません。

 

  • アルミニップルは腐食と金属疲労を起こしやすく割れたりしやすいので使いません。ブラスニップルだけを使います。

 

  • 私の作るホイールは普段使いでも手荒に使っても楽しくのれてツーリングにもこなせるホイールです。丈夫な部品を使い多スポークのホイールにすることでトラブルの少ないホイールが出来ます。

 

  • 多スポークホイールはホイールを丈夫にします。安定した乗り心地を得ます。前輪20後輪24hのホイールではスポークが折れるとその場から乗れなくなります。しかし32h、36hのホイールでは振れは大きくなりますが家には無事帰ることができます。

90k以下のライダーなら前輪28h後輪28hまたは32hを、90kg以上なら32/36hまたは36/36hを勧めます。

 

  • 後輪11速に伴いスポークテンションを高くする必要があります。ホイールのセンターを出すと左が緩くなるのでこれを補うために右側を高くします。最近のリムは140kgfのハイテンションにまで耐えうる造りになっていますので最大130kgf近くまで上げることにより左のテンションを上げます。

 

以上は一部ですがホイール作りに参考になると思いました。詳しくはHPを覗いてください。

 

私はアルムニップルも使いますしカーボンリムも使います。しかしアルミニップルは腐食しやすいということを念頭に注意して組むようにしています。乗り手の体重も気を付けてスポーク数を考えています。アルミニップルの腐食などなかなか知ることができない話です。有能なビルダーさんの知識、技を参考にさせていただいています。

 

Rich Lesnikさんは24年の実績あるビルダーさんです。日本とは道路や走る環境が違うのですべてこの人の言うことが通りやればいいというわけでもありませんが学ぶべき基本は同じです。ベテランの技を参考にさせていただいて自分のホイールに生かしたいと思います。

ゾンダ17Cを購入

アルミホイールのベンチマークにはゾンダ、レーシング3とよく言われています。テンションバランスなどを知っておくのもいいかなと思い買うことにしました。

個人的な感想ですがホイール購入の参考にしていただければ幸いです。

3G組

結論から言いますと

性能ではゾンダに負けないホイールをもっと低価格で作れます。ただどうしてもデザイン性には勝てないと思います。DTのRR411、キンリンのXR31T、同じ製品ですがTNIのAL31Wを使えば十分対抗できるホイールが出来ると思います。コツはオフセットリムを使うことです。低価格で十分勝負できるしそれ以上に上回ることも出来ると思います。ただ走ることには変わりないのですが3Gのホイールは格好いいと思います。私はコスパ支持派ですが所有する喜びでは勝てません。コスパには勝つがデザインで負けるという感じです。

 

以下、購入しましたゾンダ17cの詳細です。

重量 フロント 676g リア 874g 合計 1550g

リム幅23mm内寸17mmのリムは25mm以上のタイヤに適しています。リムにはバルブ用の穴だけです。リムテープはいりません。スポークは前後ともに2.0/0.95-2.2/2.0mmの扁平スポークです。スポークヘッドの刻印にはAのマークが打たれているのでイタリアのアルピナ製と思われます。

スポークテンションは信頼できるデジタルテンションメーターで測ってグラフにしていますので順にみていきたいと思います。

 

購入するときに振れがあるか、ないかが重要な評価基準になります。テンションに関してはメーターがないとわからないのでまずは振れ取りです。とても正確に振れ取りされています。一か所0.2mmくらい触れている部分がありましたが前後ホイールともにきれいに振れ取りをされています。

 

テンションメーターを持っている人は少ないと思いますのでテンションに関してのグラフは参考になると思います。

前輪テンションは約120kgfです。テンション偏差は左11.1%右10%です。割とバラツキはあります。16本の少スポークですので振れ取りを優先するとテンション偏差はこのぐらいの値になるのかもしれません。テンション偏差が高いと振れが出やすくなるのは否めませんがニップルが緩まないように対策は取られているのでしょう。

後輪スポークは前輪に比べてテンション偏差は左6.8%右5.7%で優秀な数値です。テンションは左82kgf/右132kgfで、左右テンション比率は  62:100です。2:1組だから左テンションは右と同じくらい高いと思っていましたが実際測ってみると意外と低いです。

後輪ハブの実測値はCRF14.1mmCLF48.2mmでハブのオフセット数値が高いことが理由でしょう。左テンションが高いことには間違いありません。

ハブを実測しました

テンション比率がこの数値ならオフセットリムを使えば左を56~60%近くまで上げることができるので1:1組で作ったホイールもテンション比率では負けないと思います。

次にセンターが出ているかを調べました。

右12.65mm
左12.53mm
左6.72mm
右6.64mm

しっかりセンターは出ています。とても優秀です。センターが出ていない完組もよくありますので今回購入のホイールは感心しました。

 

フリーのベアリングがむき出し

気になる点があります。フリーの部分を写真に撮りました。じかにベアリングが見えています。シールドベアリングを使用しているのでこの上からは防御シールはいらないということでしょう。しかし通常ノバテックなどは防御シールを施しています。ベアリングが露出しているということは水やホコリ、泥には注意が必要と思います。特にシクロレースには細かいメンテがいるでしょう。

ニップルホールがない

リムはニップル用の穴がありません。リムテープがいらないということです。これは長所と欠点がはっきり表れている構造と思います。スポーク穴がないのでスポークの交換にはマグネットを使ってニップルを動かします。カンパの説明にはスポーク交換が簡単と書いてありますがとても簡単にはできません。非常に面倒なことです。

ニップルホールがないことはリムの剛性を高めることができると思います。スポーク交換などの利便性には欠けますがリム自体の強度は高めることができるのではないでしょうか。ホイール作りの作業効率よりも強度面の性能を優先したのかなと想像します。それにしてもスポーク折れたら大変やなと思いますね。個人で直せる人は少ないでしょう。

ブラスニップルと厚みのあるニップルベッド

ニップルはブラスを使用しています。アルミの軽さよりブラスの強度を選択しています。1個のブラスニップルの重量は1gなので後輪は合計21gです。これをアルミにすると合計7gなのでわずか14gの違いで強度的なトラブルを避けられるならブラスニップルを使うと思います。

また、リムのニップル部分をを厚く強化し、このニップルベッドから離れたほかの部分を削ることでリムの軽量化を図っています。これもよく考えられたリム作りといえます

製造番号、製造者が分かる証明書

説明書にはフィンガープリントとあります。ホイールの指紋、つまり各ホイールには誰が作ったかがわかるようになっているのも安心できます。DTのホイールも誰が作ったかわかるようにしていると説明しています。しっかりと製品管理していると謳っています。

 

 

このゾンダはクリンチャーホイールでチューブレス対応ではありません。最近はチューブレスで楽しんでいる方も多いので残念です。

 

よくよく見ると結構簡略化されているところも目立ちます。

例えば前述の後輪フリー部分です。ベアリングはむき出しですしスプロケットはかみつき防止がありません。うまく簡素化されているといえばそれでいいのかもしれません。

 

分解したらわかるのですがさすがに新品からは勿体ないのでリム重量は他の部品から逆算してみました。ハブやスポーク、ニップルは大まかな数値ですがわかりますのでホイール重量から引いてみますとしたの表のようになります。

重量g 数量 単品重量 合計重量
後輪 874g ハブ 1 250g 250g
スポーク 21 5g 105g
ニップル 21 1g 21g
合計 376g
リム 498g
前輪 676g ハブ 1 80g 80g
スポーク 16 5g 80g
ニップル 16 1g 16g
合計 176g
リム 500g

 

リム重量は500gくらいと想像いたします。

 

スポークテンションをハイテンションで仕上げるには剛性の高いリムでないとニップルホール部分が割れてきます。この割れを防ぐためにもニップルベッドは丈夫でないといけません。このためニップルベッドを厚く仕上げほかの部分を切削して仕上げています。理屈に合ったリム作りといえます。

500gのリムは軽いリムとはいえません。しかしこれは決して弱みではありません。特別重いわけではないです。重量があることは剛性も高いということですから特にマイナス要因ではないと思います。

 

こうしてみていきますとアルミホイールのベンチマークといわれるのはわかります。よく考えられたホイールです。振れもよく取れていてセンターもばっちり出ていました。これ1本で十分という人もおられるでしょう。

よく話を伺いに行くメカニック店長さんもレー3かゾンダを買えば間違いありませんといっています。

しかしながら私、手組派としましてゾンダ並み、ゾンダ以上のホイールも手組で十分対抗できると思っていますのでいろいろ考えていきたいと思っています。

チューブレスタイヤの重量

新しくホイールを作りましたのでタイヤも新しくしました。これです。

Hutchinson Intensive2 Tubeless 実測345g

ブログに出したらベテランライダーさんよりこのタイヤ何グラムですか?重量の問い合わせがありました。測ってみると実際の重量は345gです。Hutchinsonのカタログ発表重量は315gですのでちょっと誤差が大きいと思います。

ベテランさんは国産のIRCタイヤを使われています。重量はちょうどカタログ通りで満足とのこと。国産メーカーと海外メーカーは考え方が違うのでしょうか?約10%も違うのはちょっと…と思います。

私の購入タイヤは重いのですがインストールも一回で簡単にできました。空気はシーラントなしでも大きく漏れていません。重いのは逆に丈夫と思いますのでそれなりに納得しています。

 

タイヤ購入で参考になるブログがあります。

https://www.bicyclerollingresistance.com/road-bike-reviews/vittoria-rubino-pro-speed-2016

このブログを参考にしてタイヤを買えばいいのですが私の場合レースに出ないのでタイヤ選択基準の第一番が価格でして次に重量や性能となります。

毎年タイヤを取り換えてもそんなにいろいろとタイヤの種類を知ることができません。私にはタイヤの微妙な差を評価するほどの力がないので安いタイヤで満足しています。