LWCカーボンディスクホイールのスポーク交換

LWCというカーボンホイールの後輪スポーク組み替え依頼の連絡がありました。

軽量のカーボンホイールですが踏み込んだときに力が抜ける、いわゆる温いホイールということです。一般に温いホイールはホイールの剛性不足です。これは主にスポークが原因で処方箋としてはスポーク替えが一番効きます。

後輪665g
2:1組ディスクホイール

お預かりホイールを先ず点検しました。使われているスポークはとても細く、数量も21本です。右ドライブ側に14本、左側に7本の2:1組のディスク仕様です。スポークは#15の扁平スポークです。

ホームページからの情報ではサピムのCXスーパーRAYという規格でニップルも#15(1.8mm)を使われていました。スポーク替えのご依頼でしたので、てっきり普通のCXRAYから太いスポークに替えればよいと考えていましたが#15スポークは予定外です。スポークは1本約3.6gでした。

お預かり時のスポークテンション状態

さて、スポークテンションをグラフにしますとよくわかります。ドライブ側のスポークテンションはバラつきが大きいのでこれもぬるい原因と思われます。

穴なしリムを使われています

お預かりしたときにもう一つ驚いたことがあります。ホイールは穴ナシリムを使っていましてチューブレス仕様のホイールでした。

手組ホイールファンではこの穴ナシリムを標準としていますので普通の扱いですが、一般にはこの手のホイール修理を受け付けるショップは少ないと思います。理由は手間がかかるのが理由です。ひょっとしたらやり方が分からなくて断るショップも多いかもしれません。スポーク組み替えの場合ニップル穴がないのでニップル交換にはバルブ穴から取り出すしかありません。リムを細かく振り続けてバルブ穴から取り出します。この方法しかありません。運がいいときはスッとニップルが出てきますが大概はリムを振り続けないといけません。苦痛が続く作業です。

元のスポーク14本 54g
エアロコンプ14本 79g

スポークを取り出して計測しますとスポーク14本で54gです。新しく取り付けたエアロコンプは14本で79gです。25gの違いは大きくスポーク7本分を追加したと考えられます。

剛性は大きく高まりました。この強化で乗り味は変わるでしょう。この強化でも剛性が不足の場合はホイール交換がいいと思います。もっと太い2mmのスポークに交換も考えられますがその場合リムが割れる恐れがあります。手組ホイールファンの定番リムでは1.8mmのスポークまでにしています。リムメーカーが2mmのスポークを勧めていないのが理由です。

サピムのCXRAYは最高のスポークといわれています。このCXRAY神話を信じるユーザーさんも多いのも事実でホイールメーカーもこれに乗らない手はありません。CXRAYの優秀さは否定しませんが理屈に合った使い方が必要です。CXRAYをウリにしているホイール屋さんは逆に要注意かもしれません。とはいえ手組ホイールファンでもCXRAYはよく使います。

スポーク交換後のスポークテンショングラフ

ホイールは出来上がりました。穴なしリムなので少し時間が掛かりましたが達成感たっぷりのホイールです。お客様のご感想が楽しみです。

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