シクロレース用カーボンチューブラーホイールのご依頼

ブログにご連絡が入りました。シクロレースにご使用ということでカーボンチューブラーホイール提案のご依頼をいただきました。

お客様のご注文は、ハブを前輪100mm、後輪135mmの6ボルトQR仕様ということでした。

MTBでは普通の仕様ですがロードでは珍しいご注文です。部品不足のいま、特殊なハブはなかなか手に入りません。量産ハブですが割と手に入れやすく価格もこなれていて高品質のノバテックハブを提案しました。

ノバテックハブ 100mm幅 QR 6ボルト
ノバテックハブ 24穴 135mmQR 6ボルト

今までレースに出られている方々の経験を伺いましたところ、シクロレースでは瞬発力が重要視されます。このため通常のホイールよりも高剛性のホイールを求められます。

ホイールの剛性を高めるには太いスポークを使うのですが、太すぎるとカーボンリムを傷めます。一般にはスポークをCX-RAYなど細いスポークで組み上げますがシクロ用ということでリムを傷めないギリギリまで剛性を上げます。DTのコンペティションを使うことにしました。

38mm高20.5mm幅 TNI チューブラーリム 378g 軽量です

リムはチューブラーです。TNIのリムが手に入りやすくリム幅がちょうどよいので了解いただきました。

ERDを確認しています カタログ値と違いがなかったです

ニップルはリムがインターナルニップルを使うリムですのでサピムのブラスニップルを使います。

リムブレーキのリムですがディスク用に使っても違和感はありません

TNIのチューブラーカーボンリムはリムブレーキ用です。このリムをディスク用として使うのですが全く違和感がありません。以前にも記事に書いたのですがリムブレーキ用のカーボンリムはディスクホイールにも使えて便利と思います。リムブレーキで乗っておられる方は前輪24後輪24,28で注文しておかれたら将来ディスクに替えられてもリムはそのまま使えます。これはなかなかいいアイデアと思いました。前輪24穴は下りコーナーで安定感を得ます。おススメです。

一般的には前輪は16,18,20穴ですが24穴で作れば後々使えるということです。リムブレーキでブレーキ面がすり減っても捨てることなくディスクで使える。いいアイデアと思うのですがいかがでしょうか?貧乏くさい話とおしかり受けそうですがSDGsの世の中ですので長く使うのは良いことと思います。

組み上げたホイールは写真の通りです。なかなか存在感がありとても軽量です。外周部が378gです。踏み込んで一気にホイールは回ります。瞬時の加速を得ること間違いないです。

前輪712g
後輪829g

ホイール重量は前輪712g後輪829gでした。総重量1541g、軽量に仕上がりました。出だしから力を100%爆発させるシクロレースにはぴったりのホイールと思います。お客様からのご意見が楽しみです。

24mm幅アルミワイドリム・ミケハブ使用ホイールの作製

ブログにご連絡いただきました。

体重を考えてポーク数を提案しますとこのブログに書いていますのでご希望ホイールと体重をお知らせいただきました。お客様はクロモリフレームで乗られています。本来なら銀輪ホイールをご希望でしたが残念ながらシルバーのリム、ハブが手配できないことをお知らせいたしました。

最終的に以下の仕様でお作りすることになりなした。

リム キンリンXR22T/RT 前輪24h後輪28h

ハブ イタリア ミケ社ハブ 24.28h

スポーク 前輪 ピラーTB2015 2.2/1.5/2.0mm

     後輪左 ピラーTB2015 2.2/1.5/2.0mm

     後輪右 ピラーTB2018 2.2/1.8/2.0mm

ニップル ピラーDSN シルバー

リム2本で856gハブ430g 合計1286g

ミケハブの重量は台湾の軽量ハブと比べまして約100g重たく、シマノハブと比べてほぼ100g軽いハブです。ミケハブはベアリングのサイズの大きいことが一番の利点です。ベアリングが大きいと丈夫です。ベアリングを収めるハブシェルが太くなりますのでハブ自体の剛性が高くなります。剛性が高いハブは駆動ロスが少ないと考えます。軽さを取るか丈夫さを取るかですがどちらも利点がありますのでお決めになるのはお客様です。今回はミケハブでご理解いただきました。

スポークですがこの1.5mmスポークは扁平状態にしますとCX-RAYやエアロライトになりますのでスポークの形は違いますが面積的にはほぼ同じと考えています。

丸と扁平の違いですが、空気抵抗や強度では少し違います。しかし価格が3倍違いますのでこの違いは大きいです。レースに出る方は僅かでも空力を優先されますのでCX-RAYを選ぶことが多いのは事実です。どちらを取るかは考え方次第です。今回は提案スポークでお作りすることになりました。

細いスポークはねじれ易いので取り扱いが難しいです。ただ、うまく使うと非常に乗り心地がいいホイールが出来上がります。

安価な完組ホイールは走らないホイールではなく、スポークが太いので乗り心地が硬いホイールとご理解いただいた方が良いかと思います。

シマノの安価なホイールは乗り手の体重を広範囲でカバーする必要がありますの2㎜の丸スポークで作っています。このため小スポークながら剛性がありとてもよく走ります。しかし乗り味が硬いのでビギナーの方には疲れやすいホイールかもしれません。走らないホイールではなくロングライドに向かないホイールといえます。

前輪709g
後輪917g

さて、前後1626gで出来上がりましたホイールはスポークテンションを出来るだけ揃えています。テンションの均一化が大切と考えています。時間をあけて何度も馴染みだしを行うことで狂いの出にくいホイールに仕上がります。

細いスポークで作りましたホイールは疲れにくいホイールです。お客様からのインプレが楽しみです。

チューブラーカーボンホイールのご注文

このブログにご連絡いただきました。

カーボンチューブラーホイールを作りたいのですが。 現在アルミのチューブラーホイールを使っています、休日健康のため に乗り、9速と10速で使います。ハブはRS300で良いかと思います。

上記の内容でした。

提案しましたホイールは次のような内容です。

あいにく在庫リムはクリンチャーリムなのでチューブラーカーボンリムは発注となりました

リム 35mm高25mm幅カーボンチューブラーリム 28H

ハブ シマノ ソラハブ 前輪HB-RS300 28H  後輪FH-RS300 28H

スポーク サピム Laser 2.0/1.5/2.0mm

ニップル ピラーDSN シルバー

リムの在庫はなく発注になりました。入荷まで約一月掛かります。ハブとスポークはもう揃っていますのであとはリムを待つだけです。

お客様はホイールをよくご存知のようです。

ハブは9.10速で乗られる予定で、シマノのソラシリーズで良いと考えておられます。シマノハブは重いハブですがメンテナンスを定期的に行えば30年は十分使えるハブです。軽さは正義と世間では軽いハブを求める方が多い中ですが、ソラハブを使えば自分の求める十分な性能を得られるというお考えです。

スポーク長を計算しますとテンション比率もわかります。

wheelproの計算ソフトでの結果です。

黄色のマーカーで分かりますが左右のテンション比率が良好です 

実際、ハブのセンターオフセット値を考えますと11速ハブより左右のスポークテンション比は10%ほど高く、ギアが1枚少ないがテンション比はこちらの方がよいということです。おまけに価格は非常に安価で台湾の軽量ハブの1/3の価格です。

スポークは高級スポークCX-RAYが作られる元となるスポークLaserを、もしくは同等品を提案しましたらそれでよいというお返事でした。

CX-RAYはとても優秀スポークですが価格はLaserの3倍です。お客様はご自分の必要なものは何かをよくご存じのようです。下位グレードといえどもLaserという優れたスポークを使うことで価格も抑えることが出来ます。

安価で、高性能で、乗り心地の良い軽量カーボンホイールは出来ます。リムが届くのが一ヶ月後ですのでまたご報告いたします。楽しみです。

ミケハブ、キンリンリム使用ホイールのインプレ

表題のとおりです。ホイールの印象をお送りいただきました。

私は自分で組んだホイールばかり乗っていますので感覚に慣れきっています。微妙な違いなどわかりません。お客様はずっと違うホイールに乗っておられたので微妙な差は感じ取れます。勿論長い経験のある人でないとなかなか違いの表現が出来ないことは確かです。

キンリンはいろんなメーカーに納めている台湾のビッグメーカーですのでいわばどこでも見受けるリムですが作り方で印象が変わります。このようなところがホイールの面白いところです。組み方、作り方で出来不出来がはっきりわかるのがホイールです。

ご感想をいただきますと厚かましいのですがホイールの宣伝になってしまいます。しかし宣伝という見方を差し引いてもホイール選び、ホイール作りには参考になると思います。

XR22T 20H ミケハブ使用
XR22RT 24H ミケハブ使用

組んで頂いたホイールを早速使用してみましたので拙い文章ではありますが感想を送らせていただきます。

新しいホイールに合わせてアジリストの28Cも用意していましたが比較のため元から使用していたウルトラスポーツ3の25Cで試してみました。

まず漕ぎ出しが非常に楽になりました。リムの軽さもありますがそれ以上に駆動効率が良く前のホイールにあった踏んでから少し溜めるような感触が無くなりペダリングにダイレクトについてくる感じです。

巡航速度はリムハイトが前とほぼ同じなので変わらないかと思いましたが1~2㎞/hほど上がり速度の維持も楽になっています。

ハブはフリーボディの歯数が16から30に増えバックラッシュが減ったので休んでから漕ぎ直す際の衝撃が少なくなりました。

ホイール自体の感想ではないのですがタイヤを交換後 ホイールのバランス調整を行った所、低速でも縦の振動が無くなりスムーズに転がるのがはっきりと分かり驚きました。

今回のホイールは軽量で反応が良くとても気に入りましたが、空気抵抗が少ないリムハイトが高いホイールも興味があるのでまた機会がありましたらお願いさせて頂きたいと思います。

以上ありがたいご感想をいただきました。

手組ホイールは既製品のホイールとは違いますので価格的にはけっして格安ホイールではありません。勿論格安に作れるホイールもあります。一番のメリットは乗り手にあわせたホイールが出来ることです。体重と乗り方に合わせて考えますので次へのステップになると考えます。値段だけを考えるのでしたらシマノのアルミホイールをお勧めします。

キンリンリム、ミケハブ使用アルミホイール作製

お客様よりこのブログにご連絡いただきました。キンリンの22mm高リムを使ってプランを立てておられました。当初はノバテックのストレイトプルハブの予定でした。しかしミケハブにも興味持っておられました。

打ち合わせ後、次の仕様に決まりました。ミケハブを使います。

リム XR22T/RT 22mm高24mm幅リム 前輪20H後輪24H

ハブ ミケプリマート 20・24h 黒

スポーク 前輪 サピムLaser 2.0/1.5/2.0mm 黒

     後輪 左サピムLaser 2.0/1.5/2.0mm 黒

        右サピムRace 2.0・1.8・2.0mm 黒

ニップル  ピラーDSN 黒

ベアリングが大きいので重量も増えます 大きいベアリングは丈夫です

ミケのハブはお勧めのハブです。理由はベアリングの大きさです。6001規格のベアリングを使われています。大きいベアリングは重量が増えますが回転に安定感があり丈夫です。ハブ重量はノバテックなどの台湾ハブと比べて100gほど増えますがシマノハブより約100g軽いです。ホイール中心部の重量なので回転には影響ありませんが軽さは正義と考えられる方には向いていないかもしれません。使ってみればわかるのですがあまり国内では使ったというブログ記事は見受けません。しかし使えば良さがよくわかります。

リムは台湾のキンリン製です。軽量ながら剛性が高く優秀なリムです。価格も手ごろでお勧めです。3mmオフセットリムも用意されていますので後輪に使用します。オフセットリムを使いますと左右のスポークテンション差を少なくできますので駆動ロスを減らすことが出来ます。

スポークは前輪がLaser、後輪ドライブ側に少し太いRaceで剛性を上げています。左はLaserを使います。Laserスポークは取り扱いが難しいスポークです。このスポークを扁平にしたのがCX-RAYといわれています。強度があり弾性に富んで優秀なスポークです。しかしとても細いスポークなのでねじれ易いのが難点です。ニップルを回すときにねじれないようにしながらテンションを上げることが大切です。

ホイール作りの基本的なことですがスポークのねじれを防ぎながらホイールを仕上げました。前輪は左右同じテンションなので100~110kgfで仕上げます。後輪はギアの枚数が11枚ありますので左テンションが低くなります。オフセットリムを使いますと左テンションを通常リムより10%ほど上回って仕上げることが出来ます。しかし後輪には左右のテンション差がありますので右ドライブ側を120~130kgfの上げることで左テンションの低さをカバーします。いずれにしましてもオフセットリムは左テンションの改善には大いに役立ちます。

ホイールの仕上げにはスポークのテンションを出来るだけ揃えること、振れは最小になるようにすることで駆動ロスを防ぎます。

手組ホイールの良さはプランを立てて自分の乗り方にあわせてホイールを作り上げることが出来ます。このため値段的にはいつも格安というわけにはいきません。格安値段で楽しむのならシマノのアルミホイールが良いかと思います。しかし万人にあわせて作られた既成ホイールと乗り人の好みや乗り方にあわせたオーダーメイドは違います。

前輪714g
後輪890g

お客様はこの点をよく理解しておられます。今お持ちのホイールより軽いホイールが出来たと喜んでいただきました。

ダイナモハブ使用銀輪ホイールの作製

ダイナモハブを使ったホイール作製のご依頼です。ダイナモハブはシマノの36穴ダイナモハブ後輪ハブは持ち込みのシマノハブFH-6500です。前後ともに36穴なので用意出来るリムが限定されます。

最近では32穴までのリムなら手に入りやすいのですが36穴となりますと手に入れにくくのが現状です。たまたまH+SONのAT25アルミリムで36穴リムの手持ちリムがありましたので提案いたしました。

仕様は次の通りです。

H+SON AT25シルバー36h

リム H+SON AT25 シルバー 36H

ハブ 前輪シマノダイナモハブ DH-C2100 

   後輪シマノFH-6500 36H

シマノホームページより

スポーク 前輪 ピラーTB2015 2.2/1.5/2.0mm

     後輪 左ピラーTB2015 2.2/1.5/2.0mm 右TB2018 2.2/1.8/2.0mm

ニップル ピラー DSN

シルバーリム、ハブ、スポークなので銀輪ホイールです。出来上がりはなかなかの存在感があります。

台湾のH+SONは個性的なリムを作っています。一般の自転車屋さんはあまり取り扱いがないようです。どちらかといえばファッション系の自転車屋さんで扱っている感じがします。リムに入っているロゴなど見ますととても洒落ていて銀輪というクラシックなイメージの中にモダンなセンスがあると思います。とてもいい感じです。

36hという多スポークホイールは長時間乗っても疲れにくく、その上とても丈夫です。細めのバテッドスポークを使えば軽量化できますし、細いスポークがショックアブソーバーの働きをしてくれますので地面からの衝撃を吸収してくれます。ロングライドにぴったりのホイールに仕上がります。

一般的にはスポークの少ないホイールが主流ですので36hのハブやリムは手に入れにくくなっています。オークションなどで見つけたら買っておくのも良いかと思います。

36hの銀輪ホイールは丈夫で疲れにくいのでロングライドに適します
シマノダイナモハブ使用
クラシックな36hですがとても仕上がりはモダンです

特に輪行用のホイールは32h、36hの多スポークホイールをお勧めします。落車などでスポークが1本折れても少し振れが出る程度で楽々乗り続けることが出来ます。空気抵抗が増えるとかいう意見もありますが乗り味も大事な要素です。既製品のホイールでは味わえない良さが多スポークホイールにはありますので試されることをお勧めいたします。

46mm高リムブレーキ用定番カーボンホイールの作製とインプレ

当ブログにご連絡いただきまして定番ホイールの46mm高カーボンホイールをご注文いただきました。しばらく乗られたあとのご感想もお聞かせいただきました。生の声を聴かせていただきましたのでご参考になると思います。

ホイールのご注文の際まずお尋ねしますのは体重です。体重でスポーク数を考えます。厳密なものではありませんが90kgの方が20・24hのホイールに乗られるのはバランスが悪いと思います。こんな場合スポーク数を増やした提案をいたします。このように体重はとても重要です。

リム高も大切です。平地が多いか丘陵地帯で登り下りの多い場所かということもリムの選択に影響します。基本的には36mm、46mm、56mmの中から選びます。もっとバリエーションがありますが概ねこの3種類です。

既製品ではありませんので前36mm後ろ46mmというような自由度も高いです。せっかくお作りするので乗り方に合ったホイールをご提案しています。

今回はリムブレーキの46mm高ホイールになりました。リムブレーキの場合ブレーキ面を強化したリムも選択できます。強化リムは4000円ほどの追加料金が掛かりますがディスクブレーキに変更しなくても良いくらいブレーキの効きがいいホイールが出来ますのでこのオプションは良い選択と思います。

ホイールは次のように部材でお作りすることになりました。

リム 46mm高28mm幅穴なしカーボンリム

   前輪20H後輪24H

   前輪のみ強化リム

ハブ ノバテックハブ 20・24H

スポーク ピラーwing21 黒

ニップル DT SqorxPro 黒 ブラス

穴なしリムはリムテープがいりません。このテープがいらないリムは使われると楽なのがよくわかります。新しいテープなど余計な費用も要りません。

ホイール作製に於いてスポークテンションはリムメーカーの推奨テンションがあります。

前輪は100~110kgf

後輪右は120~130kgf

この値にあわせてテンションメーターで測りながら仕上げます。タイヤをはめますと10~15%スポークテンションは下がりますのでこの下がりを見越してハイテンションを推奨していると考えます。概ねテンションを合わせて作りました。厳密にする必要はありませんが高すぎるのも低すぎるのもよくありません。

強化リムには方向性があります

完成しました。前輪リムは方向性がありますので注意がいります。ブレーキ面の強化はとても安心感が増し有効です。少し金額は上がりますが安全性が高まりますのでお勧めです。

ホイールの各スポークテンションが揃うように注意して組み上げました。

前輪 630g
後輪839g

以下お客様より了解得ましたので当ホイールのインプレを紹介いたします。

メールの原文通りです。参考になると思います。

写真もお送りいただきました

ホイールの件、すこぶる良好です。個人的な偏見もありますが、自分なりのインプレッションをさせていただきます。

はじめに今までのホイール遍歴ですが、

フルクラムレーシング3→マヴィックキシリウムプロ→デダエレメンティ SL48です。

いずれもクリンチャーでの使用です。

今回組んでもらいましたホイールもクリンチャーで使用し、チューブはブリヂストンエクステンザ、タイヤはコンチネンタルGP5000での運用です。

・タイヤインストール

今まで使用したホイールのなかでは、もっともリム幅が広いホイールでしたが、なにも問題なくタイヤレバー無しでインストールできました。また、ニップル穴無し=リムテープ無しということで、ひと手間減るのとリムテープの偏りなどを気にすること無く作業が出来ました。

・走行感

漕ぎ出しは、思っていたよりも軽い感じ。街中でのストップ&ゴーも重い感じはしませんでした。巡航は振動が少ない感じ。細かなアップダウンでは細かな変速が不要になりました。スピードが乗る感じと言うか、スピードが落ちにくい感じなので、下りから上りに変わっても勢いで行ける印象です。

長い登り坂では、後ろに引きずられるような印象も無く、淡々と回して登る走り方が合っているホイールだと思います。体感する振動が少ないので、後まで体力が残るような感じです。

・総合的に

個人的に思った、このホイールが合っていると言うか、特徴をいちばん活かせる場面は、細かなアップダウン路と緩斜面路だと思います。軽い46mmハイトリムで均一なスポークテンションが要因なのかなと思っています。ノバティックハブは初めて使用しましたが剛性が高いように思いました。良い印象です。

今回、以前から気になっていた「手組ホイール」をご縁があって使用させていただきましたが、コストパフォーマンス抜群だと思います。

あと、ホイールで何か不具合があっても、ホイールを最初から最後の仕上げまで組んだ張本人のビルダー様にお願いしたら、なんとかしてくれるんじゃないかという安心感があり気兼ねなく自転車に乗れるのがいい感じです。

自分なりのファーストインプレッションは以上です。

改めまして、ホイールの件、有難うございました。

以上印象を述べていただきました。

コスパの良いホイールだとおほめいただきました。良かったです。お客様が喜んでいただくことが一番ビルダー冥利に尽きます。尚、ホイールメンテはご安心いただきたいです。海外通販で買われた方はいつも面倒見てくれるところを探されますがこのご心配は無用です。

超軽量カーボンリム使用ディスクホイールの作製

クリスキングのハブをお持ち込みでディスクカーボンホイールの作製依頼です。

カーボンリム、スポークは私のほうで用意します。

ディスクハブでこの重量は軽い
クリスキングホームページより
クリスキングハブ重そうに見えるがとても軽量です
クリスキングホームページより

先にクリスキングのディスクハブをお送りいただきました。ハブは前後ともに28hハブです。赤色ハブは存在感があります。ハブデータはクリスキングのホームページで確認できます。ハブデータは正確でスポーク長はこのデータで間違いありません。

35mm高28mm幅 365gは軽量です

リムは穴なしカーボンリムです。いつも注文するメーカーの上位グレードリムで通常より入荷に時間が倍以上掛かります。リム入荷に約3か月掛かりますがお待ちいただくだけのものはあります。

スポークはCX-RAYを使います。空力がよく軽量ながら丈夫ですがとても高価です。

組み方は前後ともに左右2クロス組です。前輪逆イタリアン、後輪JIS組のシマノ方式で組んでいます。

前輪666g
後輪779g

前輪666g後輪779g合計1445gと非常に軽量です。前後ともに28hありますが1500gを切っています。スポークが多いということはコーナーで安定するということです。

超軽量リムの入荷に時間が掛かりましたがいいホイールが出来上がりました。中心部の赤いハブが効いています。シールのないシンプルな無印ホイールですが存在感がたっぷりです。このホイールは欲しいです。

36H輪行用に銀輪ホイールの作製

輪行用にと銀輪ホイールのご注文をいただきました。

最近はなかなか銀輪のリムは手に入りません。H+SONのリムなら銀輪リムが手に入りますよとお知らせしますとすぐに手配されハブとリムを当方にお送りいただきました。

スポークをこちらで用意してお作りすることになりました。ハブとリムの寸法を調べてからスポーク長が出ますのでスポークをこちらで用意するのが一番間違いありません。スポークと作業代金のご請求となります。

さて、リムとハブが届きました。

SONY DSC

リムは台湾のH+SONのリムでAT25の品番です。モダンな銀輪リムです。

重いハブは丈夫です
シマノハブとほとんど同じ重量です

ハブはQuandoというブランドで初めてです。ネットで調べますと中国か台湾の品物でアメリカではよく使われているようです。結構重いのですが、重い=丈夫ですのであまり気になりません。どちらかといえば好きなほうです。皆さん軽さを求められますが中心部の重量ですので重くても気になりません。

先ず測ることです
23mm幅25mm高リムは480g前後です

リム、ハブを測ります。シマノハブはデータが出ていますが初めてのハブはしっかりと計測しないといけません。スポーク長はしっかりと測らないと正しい数値は出ません。

今回のスポークはピラーのTB2015,TB2018で作りました。どちらもトリプルバテッドスポークでJベントの部分が2.2mmあり丈夫です。ねじ部分はどちらも2mmです。サピム、DTが有名ですがピラーは後発だけにいいところをうまく取り入れている感じがします。

スポークは均一にすることが肝心です
スポークテンションを揃えています

ホイール作りの大切なところはスポークテンションが揃っていることです。振れ取りはテンションが揃っていなくても振れは取れます。スポークのバランスが取れていますと振れがなくなります。これから一歩進めて各スポークのテンションを揃えることで長く乗られても振れが出にくいホイールに仕上がります。

モダンな銀輪ホイールです

出来上がりました。モダンな銀輪ホイールは目立ちます。存在感がありきらきらと輝いています。スポークテンションが揃っていますので駆動ロスは少ないです。ロングライドに適した多スポークホイールは疲れにくいホイールとして使っていただけます。36Hは美しいです。

マビックオープンプロとミケハブでホイール作製とそのインプレ

お客様よりマビックリムをお送りいただきました。リピートオーダーでハブ、スポークは当方で提案します。

マビックオープンプロ 32h

リムは再利用です。この場合癖がついているリムが多いので注意が必要です。どうしても振れ取りとスポークテンションが一致しなく大幅に妥協しないといけない場合もあります。

振れをきっちりとるとテンションが全く揃わないのです。こんな場合はどちらかといえばスポークテンションを優先します。少しくらいの振れは我慢してスポークの張りを揃えるほうが駆動効率はいいと考えています。ただ何事もいい塩梅がありますのである程度の妥協は必要です。幸いにも今回お預かりしましたリムは癖もなくうまく作り上げることが出来ました。

ミケハブ 32hシルバー

ハブはミケハブのシルバーを在庫していましたので提案しました。クラシックなホイールにはぴったりの色です。ミケハブは少し重いハブですが丈夫ということでもあります。良いところはベアリングが大きいのも良いところです。滑らかな回転で安定しています。

ピラーホームページより

スポークは32本と多スポークホイールなのでスポークは細いスポークを使っています。ピラーのTB2015というトリプルバテッドスポーク(2.2/1.5/2.0mm)を使いました。

Jベント部分が2.2mmありますので通常の2mmスポークと比べて強度は高く中央部が1.5mmなので地面からの衝撃を吸収する働きをしてくれます。

スポークテンションを可視化しています
出来るだけスポークテンションが均一になるように調整しています
出来るだけスポークテンションが均一になるように調整しています

いつものようにスポークテンションを出来るだけ均一になるように作っています。ホイール作りでは振れ取りがまず優先されますが肝心なところはスポークテンションの揃っているかということです。見た目だけ良くてもだめということです。

2か月乗られてインプレをお送りいただきました。多スポークホイールの良さを感じていただいたようです。

以下の通りです。

 5月に組んでいただいたホイールを履いて何度かロングライドに行きましたので、遅くなりましたが感想を。 以前購入したワイドリムのホイールと比べると柔らかめな乗り心地かなという印象でした。 巡航維持や路面との接地感はワイドリムの方が有利に感じます。 ですが登り、ダンシング、発進から巡航速度まで上げていくときの反応はかなり軽快です。数字ほどの重さを感じません。 実際には前後で1600g台の重量なので下りでもヒラヒラするような不安定さはほとんど感じませんでした。 山をメインに走るコースだとかなり調子良いです。 長距離を走ってみると、全体的にマイルドな乗り心地でありながら低速域では機敏に反応してくれる印象でした。 今回も良いホイールを組んでいただき誠にありがとうございました。

ビルダーとしてホイールを作らせていただきますがいつもどう感じていただいているか考えます。今回のように教えていただきますと勉強になります。ありがたいことです。