安価なカンパホイール カリマの購入レポート

通販でカリマの後輪が安価で売り出されていましたので勉強のため購入しました。ハブを買う値段で買えましたので分解して調べる予定です。安物買いですがしっかり元を取らせてもらおうと思っています。銭失いではありません。

安価なカリマホイール後輪 3G組です
1089gと重いです ベテランライダー向きです

まだこのホイールに乗っていませんので乗り味の報告はできませんが予想はつきます。参考にしていただきたいと思います。

安価なホイールはその値段に仕上げるために材料、作製工程など削減できるところはギリギリまで削減されています。

まず、考えるのは重量です。とても重いです。これは仕方ないことで一番安価な材料を使っています。

スチールのフリー マグネットがくっつきます
スチールのハブ軸 マグネットがくっつきます

ハブ軸はスチールですし、フリーもスチールです。スポークは2mmのjベントのストレートスポークで価格的に安価で重いスポークです。

しかしこのスポークはホイール作製においてスポークがねじれることなく容易に作り上げることが出来ます。頑丈で壊れにくいのです。おまけに剛性も得られます。欠点ばかりではありません。ただ剛性がありすぎて乗り味が固いのは否めません。安価なホイールはどうしてもビギナー向けと考えますが私の考えではベテラン向きで足のある人には適していると思います。重いホイールはベテラン向きです。

今回のホイールでは最終出荷時の検査報告としてチャートをつけて出荷しています。

付属の検査証明書

Axial and radial skid

Hub centering

Spoke tension

Axle smoothness

Aesthetic control

この5項目にOKのチェックで出荷されています。ビルダーさんもわかります。

縦ブレ横ブレのチェック

スポークテンション

軽やかにに回転するか

見た目はきれいに仕上がっているか

ということです。

詳しく見るためにスポークテンションを調べてグラフにしてみました。以下のグラフになります。

安価なホイールです このぐらいは良しとします

スポークテンションのバラつき度は左右共に10%前後です。価格から言いましてこれ以上の要求は難しいと思います。

まずは評価しやすい項目は振れ取りです。振れがあると調整不良として×マークがつくのでメーカーも注意していると思います。

スポークは綾とりしていません

スポーク組を注意してみますとドライブサイドのスポークは綾を取っていません。ホイールは綾を取るものだと思っている方が多いと思いますが最近は取っていないホイールが多いです。スポークはただ引っ張るだけのものと理解されているからと思います。スポークを針金でくくるソルダリングも手間がかかるだけという考え方が一般的な理解のようです。

このホイールをもう一回なじみだしを行いました。私なりの方法で行ったのですがスポークテンションはやはり少し下がり、ばらつき度は高まりました。このことから言えますのはストレスリリーブ(なじみだし)が不十分なら振れは確実に出てくるということです。

なじみだしを行った後のスポークテンショングラフ

カンパの製品はとてもよく作られていまして品質管理がよくできていると思います。しかし手組で注意深く作るのとは少し違うようです。経済性が先行するのは仕方ないです。

感想

左右のテンション差の少ない2:1組(3G)のこのホイールは剛性が高くとてもよくできていると思います。冬場の練習用ホイールとしては最適です。これだけの品質を安価に販売するのはやはりカンパの製品と思いました。ただもう一度テンション調整を行うことでもっとよくなると思います。

再調整後のスポークテンショングラフ 

再度テンション調整を行いました。テンションばらつき度を5%以内に仕上げています。こうすることで振れが出にくくなります。わかりにくいことなのですが駆動ロスが軽減できます。

一つ改良案があります。スポークを取り換えることです。オリジナルではやはり太いスポークを使っていますのでガチガチの乗り味です。ロングライドには適しません。このため2mm径のスポークをすべて取り換えて細いスポークにします。1.5mmと細くても27本あるので剛性は十分担保できています。スポークの中央部がショックアブソーバーの働きをしますので地面からの振動を軽減します。

もう一案はカーボンリムを別注しまして3G組のカーボンホイールを作ります。

これはとても期待のホイールになると思います。総重量が軽いホイールは確かに良いです。このカリマの2:1組ハブはおそらくシマノハブ105クラスの重量と思います。

仮に350gとしてカーボンリムが400g、スポーク27本で135g、ニップル27gで合計912gです。ほぼゾンダと同じ重量になります。スポークの多い分乗り味は柔らかくなりホイールの剛性は高くなりますので駆動力の高いホイールが出来ると考えます。リム発注できましたらまたレポートする予定ですが安価なホイールもいろいろ楽しめるものです。

ベアリングをポンチで叩いて取り出す

バイテックスハブを購入してずっと置いてあったハブですが少し傷がついていました。このハブをベアリング交換の勉強用に使うことにしました。ベアリングを外して新しくベアリングを圧入する手順の確認を行いました。普段やっていないとやはり腕は錆びてきますので余っているハブの整備に時々行っています。

まずベアリングの取り外しです。

スライドハンマーで取り出すのは楽です

いつもベアリングを取り出しのにスライドハンマーを使っていました。スライドハンマーを使う場合引き抜き金具を取り付けてハンマーで引っ張るだけで簡単に取り出せます。このブログでも何度も紹介してきました。しかし今回ポンチを使って取り外すことを試してみました。

先ずフリーを外します。ハブシェルの中にはベアリングと円筒の金具が入っています。ポンチの場合どうすればいいのかをやってみました。

円筒をずらすと向こう側のベアリングが見えます

写真を見ていただきますとハブシェルの中には円筒があります。これを少し指でずらしますと向こう側のベアリングが見えます。このベアリングをポンチでたたき出します。

ポンチでたたくと楽にはずせました

ハブシェルを覗いて反対側のベアリングをポンチでたたく方法はずっとシェルを傷つけると思っていましたのでやったことがなかったわけです。しかし今回やってみてとても簡単なことが分かりました。スライドハンマーが簡単と思っていましたが、ポンチで取り出す方法も意外に楽でした。

フリー内部のスリーブをずらしてポンチでたたくのは手っ取り早いです。数回たたけばすぐに外せます。大仰なものがいりませんので費用も掛かりません。

ネジで締めていく方法は楽です あればこんな道具もべんりです

ベアリングを再度取り付けるにはベアリングと同じ寸法の金具を使って打ち付けながら入れる方法、長ネジを使って圧入する方法があります。時間かからないのはたたく方法ですがセンター出しが難しいです。写真のようにねじを使って圧入する方法は少し力がいりますがセンターは出しやすいと思います。どちらの方法も外したベアリングを使うと楽です。

Eastonチューブラーカーボンホイール組み換え依頼

ホイール組み替えのご連絡をいただきました。ハブ、リムの手持ちがあるので後輪ホイールを組んでほしいとのことです。

EastonのEC90AEROカーボンリム20穴のリム、スポークと新しいハブをお送りいただくことで商談は進みました。

高いリムハイトですが軽量です  チューブラーーならではと思います
左10右10の1:1組 ストレイトプルスポーク使用

20hのカーボンリム、20hのストレイトプルスポーク用ハブと使われていたスポーク20本が届きました。カーボンリムは使われていたので新品ではありません。チューブラー仕様でとても軽量です。

後輪は20hハブです。市場にあまりないハブですがうまく見つけられたと思います。ストレイトプルスポーク使用のハブです。初めてのハブですのでデータがありません。基本通り計測から始まります。

インターナルニップル用のニップル回し 3種つかえます

リムはインターナルニップル用のリムです。ニップルを回すにはリム穴から回す必要があります。通常のニップル回しは使えませんのでパークツールのSW-15の出番です。使いやすいです。

ストレートプルスポークハブでの注意点はやはりハブの計測です。測るところはほんの数か所ですが正確なデータを取らないとやり直しに直結します。

Up side down nipple sapim ホームページより

今回使いましたサピムUp side downニップルやサピム、ピラーのダブルスクエアニップルはリム穴から調整できますのでスポークの最終締め増しには便利で仕事しやすいです。慣れが必要ですがいいニップルと思います。

完成後のホイールです
743g非常に軽量です チューブラーホイールの優位性は重量と思います
右ドライブ側1クロス組
左ラジアル組
バラつき度が低い仕上がりです

スポークテンションのバラつきを5%以内に仕上げます。なじみだしを何度も行いました。最初簡単と思っていましたが結構難易度の高いホイールです。リーズナブルにいいホイールが再生できました。

多スポークチューブラーホイールのインプレいただきました

ブログに記事で報告しましたホイールですがお客様よりインプレお送りいただきました。お客様の素直なご感想です。とても参考になります。以下の通りです。

スポークは中央部1.5mmのスポーク使用
スポークは中央部1.8mmスポーク使用

ホイールの感想を送らせていただきます。
私なりに感じたことをそのまま送らせてもらいます。
まず私はフレームがカーボンからクロモリになっても分かりませんでした。
フレーム ホイールが同じでクリンチャーからチューブレスにした時も違いが感じ取れませんでした。
こんな程度なので感想を送ろうかどうしようか迷いましたがとりあえず送ります。
12月19日に走りました。
前回の走行から2週間空いています。
タイヤは最終的にビットリアのルビノ25cを前後に6気圧に設定しました。
行きの100キロは5から7メートルの向かい風 帰りの100キロは追い風でした。
まず平坦部はクランクを回すのが軽く感じました。
坂道はいつもよりかなり軽く回せました。坂道においてはかなり軽く感じました。いつもより楽でした。

乗り心地に関しては前輪というかハンドルまわりは凄くいいです振動を感じません。
後輪に関しては悪いです。乗りたくないくらい悪いです。突き上げというかポンポン跳ねます。いつも痛くなることはないお尻が痛くなりました。
次の日の朝、目が覚めるとハンドル回りの振動がないのとペダルを軽く回せたせいなのか体がいままでイチバン楽でした
ただお尻は痛かったです
こんな感想で、すいません思いつくままを送らせてもらいます。

以上がお送りいただきましたインプレです。

ホイールのスポークは前輪が2.0/1.5/2.0mmの中央部が細いスポークで後輪は剛性を求めて2.0/1.8/2.0mmの太さのスポークです。

このご感想より私なりの意見を述べました。

1.5mmスポークの威力ははっきり出ているように思います。地面からの振動は軽減され疲れにくいといっていただきました。多スポークホイールの良いところが出ていると思います。

残念ながら後輪の1.8mmは乗り手と合っていなかったようです。ホイールの剛性がありすぎてお客様の乗り方にあっていないことを説明しました。そこでスポークを細いスポークに取り換えることをお願いしました。1.8㎜では剛性がありすぎたので1.5㎜のスポークで剛性を弱めることを提案しました。

提案を受けいただきスポークを1.8mmから1.5mmにすべて取り換えました。重量で869gから813gに56g軽くなっています。スポークの中央部が細いので前輪と同じくショックアブソーバーの働きをしてくれます。お客様の乗り方に合ったホイールになったと想像しています。

またレビュウをいただけると思いますので貴重なご意見になると思います。

                       朝ドラのようにTo be continued.

そろそろリムブレーキホイールや部品を買いためる時期か?

サイクルスポーツを久しぶりに買いました。本屋さんで次のタイトルが目に入りましたので面白そうだと思ったわけです。

今買えるリムブレーキ ホイールインプレッション

14モデルを駆けるということで買ってみました。読んでみて14種類も乗り比べるのは大変と思いました。そして感想は一言です。そんなにあおらんでもええやん、です。関西ですので平たく言ってしまいます。しかし今のディスクブレーキの状況から言いましてもリムブレーキは減っていくのは自然の流れかなと思います。メーカーさんにとって需要を喚起するには新しい流れを作るのが一番早道で儲かると思います。

大昔の話ですがカメラメーカー、キャノンがFDレンズをやめてEFレンズに切り替えたときのことを思い出します。今までの主力レンズであるFDレンズをすっぱり切り捨ててEFレンズにしました。当然キャノンユーザーは怒りました。今まで使っていたFDレンズが使えなくなったのです。EFレンズを使いたければカメラをEFレンズ用に買い換えないといけません。しかしメーカーはこれのほうがいいですよということで押しとおしました。果たしてユーザーは徐々にEFレンズに切り替えていきカメラを買い替えていきました。結局はメーカーの思惑通りになりました。そう、英断でした。

方やニコンは昔からのFレンズのユーザーを大切にして切り捨てることなく新しいレンズを発売するのですが古いレンズも使えるようなシステムにしました。

古いシステムをスパッと切り捨て新しいシステムがいいですよとするキャノンの考え方、古いものも残しながら新しいシステムを育てるニコンの考え方、どちらも企業の生き残り方法です。私には自転車のシマノはニコンの考え方を続けているように思えるのですがどうでしょうか?最近はちょっと違うかな?う~ん、わかりません。

HB6700 18h  ディスコンハブです

昨年ですがアルテグラハブHB6700 18h用をうまく見つけました。カーボンリムなら18hを別注できますのでお店の在庫みんな買い占めました。今10個残っています。

リムブレーキ部品を買いためていますか?

7年前のホイールデータ

机を整理していますと7年前のホイール組の資料が出てきました。この時はパークツールのスポークテンションアプリを使っていました。スポークテンションを可視化して作るのは手間のようですが精度を上げることができますので気に入っていました。

少し遠回りですがデータを取りながら作い上げるほうが近道です

この時のデータを見ますとテンションばらつき度が大きく今のように5%以内に収めることがほとんど出来ていませんでした。

もっと詳しくデータを見ますとスポークテンションは180kgf~200kgfと異常なハイテンションでした。こんな数値はおかしいと思います。テンションメーターの読み取り数値が違っているのが原因と思います。校正していないTM-1が原因です。

しかし当時はハイテンションがいいホイールと信じていました。TM-1も正確なものと信頼していました。今考えますと恥ずかしいです。もちろん適度なハイテンションで揃うことは必要です。

キャリブレーションしていないテンションメーターで、おまけに可視化といいながらもバラつきの多いホイールしか組めていませんでした。ただ振れ取りだけはしっかりできていました。失礼な言い方になりますが大方のビルダーはこうだと思います。

当時は今のように販売していませんが売り物にするには恥ずかしい出来上がりです。DTがいうようにホイールの持つ隠れた力を発揮するにはスポークテンションを揃えることが必要です。この作業にはやはり何度も経験することが大切ということです。

7年経った今はスポークテンションのバラつきは縦、横ブレともに5%以内に仕上げることが出来ます。何故5%以内かといいますとDuraホイールが5%のようです。このホイールの上を行くのが目標です。

DTのホームページで復習

DTのホームページを見てお正月を過ごしていました。とてもよくできていて勉強になります。ハブサービスの方法も勉強できます。

以前スポークテンションのことを書かれた記事を発見しまして当ブログに紹介しましたがその記事がなくなっていました。その記事がまた復活しているのを発見しました。

それがこの記事です。

DTのホームページより
DTのホームページより

いつもホイールのスポークテンションを揃えることが大切といっていますがDTの記事で簡潔に紹介されていますので読まれたら良いかと思います。

新年のご挨拶

ホイールをお納めしました方々より新年のご挨拶をいただきました。私のほうから出すべきことなのにご連絡いただきました。ありがたいことです。

ある方より面白い情報をいただきましたのでご紹介したいと思います。すでにご存じの方はおられると思いますが、へ~こんなこと出来るの!と驚かれる方もおられるでしょう。

30年前のハブを今も使い続けておられる方のお話です。シマノハブは30年たっても頑丈で手入れさえしっかりしていると使えるという証拠です。

30年前のハブです 130mmで使えるようにされました

ハブ軸を交換して135mmから130mmで使えるようにされました。間違っているかもわかりませんがハブシェル、フリーはそのままのようです。今度おたずねして確認させていただこうと思っています。

ネット情報が発達して部品を手に入れるのは楽になりました。ハブ軸を交換すれば使えると考えられたようです。シマノではこのようにすれば長く使えますよと教えてはくれません。しかし構造を把握していれば想像はつきます。トライしてみる価値はあります。

今まで自転車屋さんが内緒にしていた事柄はどんどんわかってきました。ははん、こうするのかと面白いです。新年から興味深いお知らせいただきました。

新年初仕事

新年の初仕事はTNIのAL300リムを使って作りました。リムはナローリムです。今まで何度もご注文いただいているレース志向のお客様よりご注文いただきました。

前後1542g
431g

AL300は重量430g前後と軽量ですが30㎜の高さがあります。空力も期待できる剛性高いリムです。時代はワイドリムに変わりつつありますが優秀なリムの一つとして残りとてもコスパの良いリムです。

今回のご注文ではハブ、スポークは私のほうで用意しました。

仕様は下記の通りです。

リム AL300 20・24h

ハブ ノバテックA291SB,F482SB   20/24h

スポーク DTコンペティション 黒

ニップル ピラーDNS 黒

前輪658g
前輪ラジアル組
スポークテンションを均一にすることが一番大切です
後輪884g
左右2クロス組
ドライブ側を高くして左側を相対的に高くしています

リムはオフセットリムではありませんので左スポークが緩くなるかと危惧しますが右を130kgfくらいに高めることで解決しています。結果的には左を54kgf近く取れています。ホイール作りではスポークテンションの高低をなくし均一化することが大切です。力が偏ることなく各スポークに伝わるので駆動ロスが軽減されスポーク折れなどのトラブルを避けることが出来ます。

出来上がりは前輪658g、後輪884gでした。合計1542gです。スポークを1.8mmと太くして剛性を高めていますがとても軽量です。一番にはエンジンですがホイールは次に大切です。

500本入りのスポーク、1箱500入りのニップル

最近分かったのですが自転車屋さんもあまりご存じないようです。500入りのスポーク、ニップルはこんな袋、箱に入っています。

サピム、ピラー 一袋500本入り
DT Squorxpro ブラス 黒 500個入り

まあどうでも良いことなのですがスポークも2年前までは沢山買わなくても入用買いで間に合いました。しかしコロナのおかげで部品事情は大きく変わり半年待ちなどは当たり前になったのです。最近少し事情が良くなってきましたがまだまだ在庫状況は回復していません。

おかげさまで私もスポーク、ニップルの購入数を増やしましたので少し安心度は高まりました。

沢山買わないと間に合わない

いつも買っているセラーは今でも3か月待ちで考えてほしいといっています。来年はもう少し回復してほしいものです。