もう13年前になります。この本を書店で見つけたときは感激しました。理屈がわかればロードバイクはさらに面白いと!コメントしてあります。実際、楽しく何度も読ませていただきました。特に155ページ以降の自分でホイールを組むヒントは特に面白かったです。
もうこの時はある程度ホイールを組むことができていましたので理論的なことを吸収するのにとても勉強になりました。今や手に入りませんので古本屋で見つけるか図書館であれば借りられたら良いかと思います。
170ページにスポークにかかる力と張力設定について解説してあるページがあります。作者の藤井さんはエンジニアなので本当に難しいことをわかりやすく説明していただいています。
リアのテンション設定は120kgfにしていると書かれているのですが経験豊かな方なのでこの辺りは経験での値のようです。理論と経験がうまく絡まってとても面白い読み物となっています。
ページを戻しますが161ページからはホイールの製作手順を説明されています。本当にわかりやすい説明です。
うんうんとうなずきながら読んでしまいます。
何度も読んで勉強させていただきました愛読書ですが1点だけ気になる点があります。
164ページにスポークテンションを調べるテンションメーターにパークツールのテンションメーターを勧められておられます。愛用の道具で買ってよかったものの一つと書かれています。安価で便利な道具です。
当時私もこの記事を読みましてこれは間違いなく私も同感です。テンションメーターを既に私も持っていましたのでうれしく思いました。
しかしその後海外の有名ビルダーの記事を読みましてわかったのですがこの道具はとても便利な道具ですが正確ではありません。新品のホイールを買った時にスポークテンションを測っておいてホイール使用後にスポークテンションをもとに戻すときに使うものです。つまりスポークテンションを示す値は正確ではありません。20%くらい狂っているTM-1はざらにあります。輸入元のホーザンさんの担当の方が話していました。電話して確認しました。
何度もスポーク折れを経験されている方はバラバラのスポークテンションのホイールだと思います。
ひょっとしたらこの正確でないテンションメーターを信じてホイール作りされているのかもしれないなと思います。
仮にドライブサイドを120kgfで作っても今の11速のハブでは後輪左サイドが右の40%のハブなど沢山あるのが現実です。120kgfの40%で48kgfです。この2割狂っているとして約40kgfです。このテンションでばらつきが20%あれば30kgf近いゆるゆるのスポークがあることも考えられます。握って何キロとわかる人はまずおられません。
この本からJIS規格では最低張力が平均400N(41kgf)ということも学びましたがJIS規格以下のホイールもありうる話と感じます。
関西人は話の落ちを求めてしまいます。
ロードバイクの科学を楽しく再読して、テンションメーターは校正が必要です、はあまり良い落ちではありませんがこの本を読める機会があれば是非ともお勧めしたいです。ホイール作りに理論武装ができます。