超軽量ディスクカーボンホイールのご注文

超軽量ディスクリムを使ったカーボンホイールのご注文をいただきました。

 

リムは45mm高でありながら390gと超軽量です。いつも使っているリムの高級版です。一本1万円ばかり高くなりますがこのリム高でこの重量は非常に軽量です。2本で約6万円、高いだけのことはあります。

後輪 391g 穴なしリム 28h
前輪 393g 穴なしリム 24h

ハブはBitexのディスクハブです。価格と性能のバランスが良いと思います。

 

スポークは前輪左右にサピムのCXRAYです。高級スポークを使っています。スポークホルダーを使えばねじれは防げますので非常に扱いやすいスポークです。ホイール作りのビギナーさんにお勧めです。1本350円以上しますのでなかなか簡単に購入できる価格ではありませんが扱いやすさや性能を考えると一番お勧めのスポークといえます。

後輪スポークは左側にCXRAY、右ドライブ側には剛性を高める意味合いで左側より太いDTコンペティションを選んでいます。

DT Squorx Pro アルミニップル

ニップルはDTトルクスを使いました。このニップルは通常ニップルよりも頭の部分が丈夫です。ニップルに関してはアルミをご希望されましたので強度の高いトルクスニップルになりました。

 

普段はガルバニック腐食を考えましてブラスニップルをお勧めしていますがオーナー様は天候がドライの条件で使用されるということでしたのでアルミトルクスを選ばれました。

前輪 641g
前輪スポークテンショングラフ
後輪 797g 28h
後輪スポークテンショングラフ

仕上がり重量は前輪24hで641g、」後輪28hで797gです。スポークが多いにもかかわらず前後で1438gです。やはりこの高級リムの利点は大きいです。外周部の軽さは非常に魅力的です。スポークが多いことは地面からの振動を吸収し乗り味が柔らかくなります。

 

ホイールは穴なしリムを使用していますのでテープ代はかかりません。意外とテープ代金はかさむものです。ホイール代は2万円ほどお高くなりますがランニングコストが少ないないことは結果的にとてもよい選択をされたと思います。

 

ホイールはすべてお客様とご一緒に作り上げていきます。アドバイスはいたしますが決められるのはお客様です。私は作製のお手伝いになります。

 

ホイールはいつものことですがスポークのテンションをできるだけ揃えています。カーボンリムは精度が高いのでテンションのバラつきが少なく、作る立場からいいますと調整は楽です。均一にニップルを締めつけていけば割とすんなりと仕上がります。

 

このホイールは仮組までが一番厄介です。穴なしリムですのでちょっとした力の入れ具合でポロンとニップルがリムの中に落ち込んでしまいます。そうなると作業を止めニップルが出てくるまでリムを振り続けなければいけません。ニップルを取り出してまた作業開始です。

 

仮組が終わりますと後は振れ取りですので作業は順調に進んでいきます。

 

こうして組み上げましたのがこのホイールです。前後で1438gと軽量ながらスポークは24・28hです。スポークが多いと安定した乗り味が期待できます。

チューブラーホイールを組ませていただきました

昨年お納めいたしました方より再度のご注文いただきました。

リピートのお客様は本当にありがたいです。いつも書いていることですが、まえ良かったから今回もということですのでうれしいことです。商いの醍醐味です。

リム、ハブを送っていただきました

ハブとリムはお客様よりお送りいただきました。

Duraハブ 145g
Duraハブ 368g 美しいです!

ハブは8速のオールドDURAハブです。今も性能は驚くばかりです。私個人的にはこの時代のハブのほうが現行ハブより好きです。出来が違います。センターオフセット値が小さいのでスポークの左右テンション差は現行の11速用よりも高い数値です。つまりホイールの走行性能としては現行ハブより上です。

 

細かくギアチェンジをされる方は11速が必要かもしれませんが私の走り方では8速、9速で十分です。しかし好きと仕事とは違いますので現行ハブもできるだけ良いパフォーマンスを得られるようには行っています。

リム重量 388g  軽い!

リムはマヴィックのオープンプロ・チューブラーです。昔はリフレックスと言っていました。現在なかなか手に入りにくいリムです。海外通販でもマビック製品は購入が難しいです。どのサイトでも日本には送れませんと書かれています。このリムを上手に手に入れられたと感心しています。

 

軽量リムながら剛性もしっかりしています。アンブロシオのリムとどちらがいいかと迷ったものです。久しぶりですがやはりいいものはいいです。

 

スポークの選択では私のほうからお願いしました。当初DTチャンピオン2.0mmのストレートスポークをご希望でしたがコンペティション2.0/1.8/2.0mm黒で十分剛性も得ることができますし軽量化できますとお願いしましたら私の意見を聞いていただきました。コンペティション黒でおつくりすることになりニップルは黒のブラスです。

前輪 759g
前輪スポークテンショングラフ
後輪 984g
後輪スポークテンショングラフ

いつものようにスポークテンションはできるだけ均一化を図って作りました。前輪759g、後輪984g前後1743gで仕上がりました。

 

リムの外周部は388gと超軽量リムです。ハブの中心部は若干重いのですが中心部の重さなので回転には影響ありません。テンションバランスも11速ハブよりはるかにいいです。見た目とは違う秘めた力を持っているホイールに仕上がりました。

 

いいホイールを作らせていただき感謝感謝です。

銀輪ホイールのご注文

銀輪ホイールのご注文いただきました。

前後 1623g

オーナー様は現在クロモリロードをオーダーされていますのでオーダーフレームの出来上がりにあわせてのホイールです。

 

なかなか銀輪リムを手に入れることは難しくいろいろ探しました。キンリンリムのXR26T/RTでは銀輪リムを作っていますので取り扱っている会社を探しましたらうまく見つかりました。ハブ、リムともに入手でき作らせていただくことになりました。

 

リム、ハブ、スポークはピカピカでクロモリロードにはぴったりの組み合わせです。

前輪 716g 
前輪スポークテンショングラフ
後輪 907g
後輪スポークテンショングラフ

シルバーハブはバイテックスRAR12,RAF12の組み合わせです。

Bitex hub RAF12 28h  2クロス組
Bitex hub RAR12  32h  3クロス組

スポークは前輪にサピムのLaser2.0/1.5/2.0mm、後輪左はサピムのD-light2.0/1.65/2.0mm、右はDTコンペティション2.0/1.8/2.0mmを使うことにしました。

 

スポークを使う場所に応じて選んでいます。まさに手組ホイールの良さがよく出ています。前輪にはショックアブソーバーの働きをするLaser、後輪は剛性を高めるために太いスポークを使うという組み合わせです。

 

使用するキンリンのリムは非常に軽量ながら剛性があります。キンリンのホームページを参照しますと使用アルミが違うようです。高さも26mm高で重量も460g前後です。空力も期待できるリム高です。

 

スポークテンションには最大の注意を払って作製しています。テンションのバラつきは5%以内に仕上げています。スポークのバラつきを押さえることで前に進む力をロスすることなく伝えることができます。素材を生かすうえでホイール組の一番大切なところと考えています。

 

前輪716g後輪907g 前後1623gです。ワイドリムで多スポークホイールとしては非常に軽量です。後輪にはオフセットリムを使っていますので左スポークテンションは通常よりも10%以上高い仕上がりです。これは駆動ロスを減じることにつながります。

 

2:1組のように組み方で左右テンション差を少なくするために凝った造りにしなくても左右のプルスポークを総動員して駆動に参加させる方法はとても理にかなった方法と思います。もちろん2:1組を否定しているわけではありません。それぞれ長所短所があるわけでこれが最良というものではありません。価格、重量などバランスが必要です。

 

特殊なハブを使わなくても好結果を得られる方法としてオフセットリムを使うことは最良の解決策と思います。

オフセットリムを使用したXR26T/RTは重量、高さなどとても良い塩梅です。これから大いに使っていこうと思います。ロングライドに適したいいホイールが出来上がります。

チューブラーホイールのレビューをいただきました

先日お納めしましたチューブラーホイール(3月4日に記事)のレビューをいただきました。オーナー様はFTP265と力のある方です。普段からしっかりトレーニングされている方ですので私には感じられないことを教えていただくことができました。参考にしていただければ幸いです。

CX22 rim Miche Hub 24/28h 1574g
前輪 685g
前輪スポークテンショングラフ
後輪 889g
後輪スポークテンショングラフ

レビューは以下の通りです。

 

ようやく床づくりとタイヤ貼り付けも終わり400km程走って来たので、レビューさせていたたきます。

 

漕ぎ出しから非常にスムーズです。リム重量がほとんど同じアンブロッシオモントリオール32hと比べてもかかりがいいです。35km/hまで淀みなくスムーズにのびていきます。40km/hからはリムハイトが低いのでのびは落ちますが、それでも気持ちよく回ってくれます。本当に気持ちいいです。

 

右2クロス左3クロス組についてですが、これは最後の足掻きとして、それ以前にやるべき事があるという事がこのホイールをもってわかりました。スポークテンションの偏差をなるべく抑える事だったり適切なケミカルを用いて組む事だったり、小さい事の積み重ねでこのホイールは出来ているなと感じました。

 

それからこのホイールの一番気に入った点は、振れにくさです。400kmをわざとガシガシ踏んだり荒れた道に突っ込んだりしましたが、振れがほとんどといっていいほど出ませんでした。フロントは振れ無し。リアが0.08~0.10mm程振れただけでした。もっと力のある人だと結果は違ってくると思いますが、少なくとも自分が使う分には素晴らしい結果です。アマニ油とロックタイト220それからスポークテンションの偏差の少なさのおかげでしょうか。

 

プライムというブランドの28mmハイトのカーボンチューブラーとも比べてみましたが、さすがに漕ぎ出しはカーボンのほうが軽いですがかかり具合は今回のホイールのほうがいいですね。スポークが均等にリムを回してるからでしょうか、やはりスムーズです。伸びも35km/hまででしたら今回のホイールのほうがいいです。そしてこのプライムのホイールは¥64000です。大体半額で組める今回のホイールとの性能差はそこまでないのではと思いました。

 

最後にミケハブに関してですが、非常にシンプルでメンテナンスしやすく、ベアリングの与圧(ガタ取り)もマビックのQRM+と同じ方式でクイックを締めてからでも調整できるのでいいですね。ただ一点不安なのが、シールが甘い点です。フリーボディなんかはシールがなくベアリング剥き出しなので雨天時は少し心配です。ですが、シールがない分良く回りますね。やはりここはトレードオフの関係ですかね。

 

長々と書きましたが、総評としてメンテナンスしながら長く使える良いホイールです。工賃も倍以上取っていただいてもいいのではないでしょうか?少なくとも僕は払います。

 

以上がレビューです。良い評価をいただけたと思っています。

 

チューブラーホイールは、特にアルミチューブラーは完組では手に入れることができなくなりました。手組ホイールではチューブラーホイールは存在感を示すことができます。今回使用しましたキンリンのリムは剛性が高く軽量です。

 

チューブラーホイールは外周部が軽い軽量ホイールに仕上げることができます。一度お試しください。

5セット目のオーダーを頂きました

DTのPR1400のハブを使ってカーボンホイールに作り替えるというご注文です。今回で5セット目のご注文です。

前回の記事にも書きましたがこちらの力を認めていただいているということですのでリピートのオーダーは本当にうれしいしありがたいです。

ベアリングはセラミックベアリング
スポークは扁平スポーク

ハブとスポークをお送りいただき、リムはこちらでご用意いたしました。

 

最初気楽に考えていましたが非常に難しいとことが後でわかりました。

DT aero comp® wide t-head 特殊なスポーク

扁平スポークは扁平部分が広くて私のスポークカッターでは切れないのです。

ハブ自体はストレイトプルスポークのハブですが構造がまた特殊でした。

T-head spoke を使った特殊構造のハブです

前輪はハブの寸法を計測すればラジアル組ですので割とすんなり寸法が出ます。後輪は特殊な作りのためスポークオフセットの寸法がすっきり出ません。

穴なしリム

リムはニップル穴なしのカーボンリムです。スポークにうまくニップルがはまらなかったらポロっとリム内に落ちてしまい作業を中断してニップルを取り出します。ニップルを取り出しにはリムを振って運に任せるしかありません。ゴロゴロとニップルが出てくるまで降り続けます。運が良ければポロっと出てきますが出ないときは3分以上振り続けます。

 

もう今回はお手あげでハブを変えてくださいとお願いしようかと思ったのですがせっかくお話いただいたのでやり遂げないとという変な意地が出ました。

 

前輪は割とすんなり作り替えが出来たのですが後輪は難儀しました。

 

ハブを最初見て2クロス組という先入観がありましてスポーク長の計算には2クロスで計算していました。1回目を組んでみたのですがスポークがゆるゆるです。理由がわかりません。計算ソフトにハブ計測の数値を入れて出た数字が違うのでハブをまた測りなおしました。

スポークオフセット値が違うのが分かったので再度スポークカットしなおし組み直したました。

 

果たしてまたスポークがゆるゆるでした。

 

じっとハブを観察してわかりました。ハブは左右共に1クロスのハブでした。ほとんどのハブは2クロスか3クロスのハブですが1クロス組のハブを初めて経験しました。1クロスのストレイトプルスポークハブです。注意不足でした。あとでこの話をお客様にしましたがお客様も驚かれていました。あとで確認の写真を送っていただきました。

DT PR1400 DICUT 後輪 DTホームページより

3度目です。1クロス組でスポーク長を出しスポークオフセット値も確認しまして組み直しますとうまく組み上げることができました。

後輪 805g
後輪 ドライブ側 127kgfで仕上げています
前輪 676g
スポークテンションを均一に  約125kgfで仕上げています

一時は音を上げたハブですがじっくり観察して完成することができました。

後輪 右DS側 1クロス組
後輪 左NDS側 1クロス組

勉強できたことは

 

初めてのハブはじっくりと観察し正確に計測することです。できれば完成品の写真があればよくわかります。

スポークカットではカッターに入らないスポークの処理の仕方も覚えました。

 

ホイール作りは奥が深いです。改めて感じました。今回で少し上達しました。難しいハブもこなせるようになりました。お客様のおかげです。

 

オーナー様は①前後ともにCXRAY使用、②前輪CXRAY後輪コンペティション、③DTハブDICUTの1クロス組ホイールと同じリムで3種類の組み方のホイールをお持ちです。

これらのインプレを聞かせていただけるのが楽しみです。

スリーブジョイントの影響

ホイールを組み終わってから写真をよく撮ります。お客様の記録やブログの記事のためです。

青いテープがバルブ側、スリーブ側が下に来る

写真を撮るときに向きを考えるのですがきれいな角度になるようにするにはホイールのバルブ穴の反対を下にします。アルミホイールの場合スリーブジョイントがほとんどですのでリムはスリーブ側に必ず傾きます。

青いテープがバルブ側ジョイント部分が必ず下に来る

振れ取り台にホイールをセットしますとバルブ穴が必ず上にきます。ジョイントのスリーブが影響してつなぎ目が重く下に位置します。

カーボンホイールではどのようにおいてもすんなり転がらずに静止しますので写真は撮りやすいです。

 

スリーブとは棒鋼などを継ぐために用いられる筒型の金具のことをいいますがどうもアルミリムの場合スリーブは7,8gほどあるようです。この重さがリムのバランスを変えています。

鉛板の重さが7,8g

何故重量が分かったのかといいますとホイールのバランス調整で貼る鉛板の重さがこの重さです。

 

クリンチャーカーボンホイールではスリーブは使いませんのでどの位置でもホイールは止まります。タイヤをはめますとバルブの重さが影響して振れ取り台に載せますとホイールはいつもバルブが下にきます。シーラントが入りますとちょっと様子が変わります。

 

ベテランの人はこのようなことはご存知と思いますが誰もが最初はビギナーです。ホイールの回転でリムバランスが悪いとやはり走りに影響します。同じホイールでもチューブ、タイヤで走りが変わります。

ホイールの買い替えはやれることやってからですとあるお客様が教えてくれました。

トルクスのビット

DTのsquorxニップル回しの記事を書きましたが親しくさせていただいていますお客様より連絡いただきました。機械道具屋で販売されているという情報です。

当初いろいろ探してなかったので便利に使うには正規のニップル回しと一つ潰した先だけを使うという2本立てで作業をしていました。

当初の2本立て

教えていただいたトルクスビットの名前を工具屋さんのホームページで探しますとありました。

昨今情報リテラシーという言葉が新聞などでよく見受けられますがまさにこれです。検索力が必要です。うまく探せば楽になります。

今は4つを使い分ける

トルクスのビットが4点になりました。道具がダブりますが道具好きですのでついつい買ってしまいます。

お客様には工具のことは専門の工具屋さんで相談すればいいと教えていただきました。実は私も自動車の工具屋さんにはよく行きます。

ディスクカーボンホイールのリピートオーダー

穴なしカーボンリムを使ったホイールのご注文です。オーナー様は1月に46mm高のリムで作ったディスクホイールをお買い上げいただきました。気に入っていただき2台目のディスクロードを注文されていますので新規のフレーム用にご注文いただきました。先のホイールが良かったで再度のオーダーをいただきました。

どの商いも同じと思いますがリピートいただけるのはありがたいことです。認めていただいたということですのでうれしい限りです。

前後 1448g
前輪 667g

後輪 781g
後輪スポークテンショングラフ

 

ホイールの詳細は次の通りです。

 

リム 36mm高28mm幅カーボンリム ニップル穴なし 前後ともに24h

ハブ TNI REVOディスクハブ 24h

スポーク サピムCXRAY 2.0/0.9/2.3mm 黒

ニップル DT squorx ブラス 黒

 

REVOハブは前後24hの穴数しかありませんので体重のある方は注意が必要です。80kg以上の体重がある方はスポークの本数を増やすほうが良いかと思います。24hでも乗れないことはありませんが私はお勧めしていません。

 

ディスクハブの場合センターオフセット値は小さいので130幅のリムブレーキ用ハブよりは左右のスポークテンション比率は優秀です。ハブ幅が広くなるということは重量も増えるのですがスポークテンションではこちらのほうが優れています。何事もトレードオフの関係です。

 

リムのセンター出しに関してディスクホイールはリムブレーキほどシビアでなくても良いのですがしっかりセンター管理は行いました。タイヤインストール後リムは少し強く引っ張っている方向に寄りますので0.2mmとほんの少しですが事前補正をしてセンターを出しています。

 

一番肝心なのはスポークテンションをできるだけ揃えることです。揃っていれば振れは出にくいです。しっかりとなじみだしを行った後テンションを一致させることが大切です。

 

リムメーカーのテンションばらつき度の推奨値は5%以内に仕上げてくださいとパンフレットに書かれています。もちろん5%以内に仕上げていますがこのハードルは結構高いハードルです。リム自体はとても精度の高い仕上がりですがご自分で組まれる方は注意が必要です。営業になりますができない方はお任せください。

穴なしリムはテープが要りません

穴なしリムを使用したホイールはリムテープがいらないのでメンテナンスが楽です。タイヤ交換はパンクの度にリムテープを交換するのは手間がかかります。テープ代も結構かかります。皆さんリムテープの代替品を探すのはよくわかります。

性能では36mm高のホイールは空力もしっかり得られとても軽量です。リム剛性が高いので踏み込んだ力が逃げません。駆動ロスの少ないホイールです。オールラウンドホイールとして活躍してくれます。価格、性能などブティックブランドに負けません。

チューブラーホイールのご依頼

チューブラーホイールの作製依頼がありました。

 

当初次のようにプランを立てておられました。

以下は最初のご連絡です。

 

[Fホイール]

リム:tni cx22 24h

ハブ:tni エボリューションライトハブ 24h

スポーク:sapim cx-ray シルバー

ニップル:dtswissアルミニップル シルバー 組み方:ラジアル

 

[Rホイール]

リム:tni cx22 28h

ハブ:tni エボリューションライトハブ 28h(シマノ11sフリー)

ndsスポーク:sapim cx-ray シルバー

dsスポーク:sapim leader シルバー

ニップル:dtswissアルミニップル シルバー

 

 組み方:nds3クロス ds2クロス ※ニップルワッシャーがあったほうがよいリム穴形状であればニップルワッシャーも追加

 

体重58kg  ftp265です

使用バイク 東京サンエスjff501

ブルベやロングライドでの運用

マビックgp4で組んだホイールを使用してきましたが摩耗による限界がきたため

 

このようなご連絡いただきました。かなりのご経験がある方と推察いたします。なかなかFTP265は出せません。

ホイールを組める方からのご注文はうれしいものです。しっかりしないといけないと思いますがいろいろご相談できますので面白い組合せができます。

 

メールでやり取りしている間にハブの変更がありました。リムはそのままです。

イタリアのミケハブでの組み合わせです。スポークは前輪サピムのLaser2.0/1.5/2.0㎜、後輪左Laser右DTコンペティション2.0/1.8/2.0mmという組み合わせです。

前輪はラジアル組後輪は左3クロス右2クロス組です。

私の提案も受け入れていただきました。

リム TNI CX22 24・28

ハブ ミケ シルバー 24・28h

スポーク 前輪 サピムLaser ラジアル組

後輪 左 Laser  3クロス組

右 コンペティション 2クロス組

ニップル ブラス

 

ご連絡しながらホイールを考えていく時間は楽しいです。

体重、乗り方、スポークハブの選択など決めていきます。

前輪 シール付き 689g
前輪685g               シールをはがして納品4g軽量化
前輪スポークテンショングラフ
後輪889g
後輪スポークテンショングラフ
前後1574g 外周部が軽いホイールです

TNIのリムシールは剝がして8gの軽量化となりました。TNIのリムは軽量ながら剛性が高く価格もこなれています。いまチューブラーホイールの完組が少ない中今回のホイールはとてもいい選択肢と思います。チューブラーホイールは外周部を軽くできます。良いタイヤを選べばオールラウンドホイールとして活躍してくれます。後日インプレをいただけます。楽しみです。

ロードバイクの科学を再読

2008年4月30日発行

もう13年前になります。この本を書店で見つけたときは感激しました。理屈がわかればロードバイクはさらに面白いと!コメントしてあります。実際、楽しく何度も読ませていただきました。特に155ページ以降の自分でホイールを組むヒントは特に面白かったです。

一番面白かったページです

もうこの時はある程度ホイールを組むことができていましたので理論的なことを吸収するのにとても勉強になりました。今や手に入りませんので古本屋で見つけるか図書館であれば借りられたら良いかと思います。

170ページにスポークにかかる力と張力設定について解説してあるページがあります。作者の藤井さんはエンジニアなので本当に難しいことをわかりやすく説明していただいています。

リアのテンション設定は120kgfにしていると書かれているのですが経験豊かな方なのでこの辺りは経験での値のようです。理論と経験がうまく絡まってとても面白い読み物となっています。

 

ページを戻しますが161ページからはホイールの製作手順を説明されています。本当にわかりやすい説明です。

うんうんとうなずきながら読んでしまいます。

 

何度も読んで勉強させていただきました愛読書ですが1点だけ気になる点があります。

164ページにスポークテンションを調べるテンションメーターにパークツールのテンションメーターを勧められておられます。愛用の道具で買ってよかったものの一つと書かれています。安価で便利な道具です。

当時私もこの記事を読みましてこれは間違いなく私も同感です。テンションメーターを既に私も持っていましたのでうれしく思いました。

 

しかしその後海外の有名ビルダーの記事を読みましてわかったのですがこの道具はとても便利な道具ですが正確ではありません。新品のホイールを買った時にスポークテンションを測っておいてホイール使用後にスポークテンションをもとに戻すときに使うものです。つまりスポークテンションを示す値は正確ではありません。20%くらい狂っているTM-1はざらにあります。輸入元のホーザンさんの担当の方が話していました。電話して確認しました。

 

何度もスポーク折れを経験されている方はバラバラのスポークテンションのホイールだと思います。

ひょっとしたらこの正確でないテンションメーターを信じてホイール作りされているのかもしれないなと思います。

仮にドライブサイドを120kgfで作っても今の11速のハブでは後輪左サイドが右の40%のハブなど沢山あるのが現実です。120kgfの40%で48kgfです。この2割狂っているとして約40kgfです。このテンションでばらつきが20%あれば30kgf近いゆるゆるのスポークがあることも考えられます。握って何キロとわかる人はまずおられません。

この本からJIS規格では最低張力が平均400N(41kgf)ということも学びましたがJIS規格以下のホイールもありうる話と感じます。

 

関西人は話の落ちを求めてしまいます。

 

ロードバイクの科学を楽しく再読して、テンションメーターは校正が必要です、はあまり良い落ちではありませんがこの本を読める機会があれば是非ともお勧めしたいです。ホイール作りに理論武装ができます。