新しいエクタープロトンです

ずっと前から新しいロードバイクを作ろうと考えていました。それが 昨年のことです。ENVEのカーボンフォークを購入したことから始まりました。

ENVEのディスク用フォーク

ディスク用フォークが届いたので予てから考えていましたディスクブレーキの自転車をオーダーすることにしました。良い切っ掛けとなりました。

EXTAR PROTON  ホイール XR31RTディスク
Special Hand Made by Hashiguchi

フレームは前から決めていました。ディスク用フレームはエクタープロトンの橋口さんにお願いすることに決めていました。2台目のエクタープロトンです。時間かかってもいいのでゆっくり部品を集めてからこの夏に注文に伺いました。

大まかには11速のフロントシングルでお願いしました。ENVEフォークを使うことまでは決まっていますので細かい仕様はお任せしました。フレームサイズデータは前回の記録があります。ケーブルはパイプ中に通す作りにしています。部品の組みつけも併せてお願いしました。フレーム完成の連絡をいただいてから集めた部品をお預けして次の連絡を待ちます。

当初から急いでいませんとお願いしていましたので完成まで約半年かかりました。希望通りの作品でした。

サイクルスポーツ1月号
日本の名工 

新しいエクタープロトンを持ち帰る間際でしたが、恥ずかしそうに出されるサイクルスポーツ1月号を見せていただきました。橋口さんの記事が特集されいます。フレームを早く注文しておいてよかったです。これからは注文しましても時間が何倍もかかると思います。

ダブルスクエアニップルをよく使う

ダブルスクエアというニップルをよく使います。ニップルを締めるのに前からでも後ろからでも使えるのが特徴です。

ピラーのダブルスクエアニップル  ブラス

勿論通常の12mmニップルでも後ろから使えますがマイナスドライバーでは強力な締め増しするにはちょっと使いにくいと思います。

星の12mmブラスニップル 安価で手に入りやすい
サピム ダブルスクエア  サピムのホームページより
DTのSquorxProニップル ブラス  高価なニップルです

ダブルスクエアニップルはサピムでも販売されています。DTはSquorxProというトルクスねじで作られたニップルが手に入ります。通常の12mm、14mmニップルとは違って後ろから強く締め付けることが出来るのでホイールの最後の仕上げには有効です。リムの後ろからニップルを回せるのでハイテンションで微調整するときにはとても使い良いニップルです。

難点は価格です。特殊なニップル回しも必要です。高価なニップルなので使うのはもったいない感じです。実際私も通常のニップルのほうが安価なので作るホイールにあわせています。130kgfあたりのハイテンションで回すのならこのニップルが使いやすいと思います。

ほとんどのビルダーさんはこのニップルの良さを発表していません。あまり国内では流通していないのが理由かもしれません。国内価格はDTのSquorxProアルミニップルが1個80円以上しますので結構な値段です。販売ルートも少ないです。購入には二の足を踏むと思います。しかしホイール最後の仕上げに行うスポークテンションの締め増しにはこのニップルを使えば楽に行えます。使ったら良さがよくわかります。

ピラースポークが届きました

ピラースポークの記事を書きまして驚くことが起こっています。普段より倍の方々よりアクセスしていただきました。なんでもない普通の記事と思うのですがびっくりしています。ピラースポークは珍しいスポークではありませんがとても不思議です。

シルバースポークならほとんど対応できます

今日、10月に発注していましたスポーク、ニップルが届きました。部品購入にはやはり時間が掛かります。私の場合2か月は待たないといけません。いつも買っているセラーさんも時間が掛かるといっていますがその通りです。時間がかかるのでその分多めに買っています。回転率はよくありませんが余計な心配は無用となりました。私のような細々とホイール作っている者でもコロナで事情は大きく変わりました。入用買いが出来ないので部品がたまる一方です。

よく使うピラースポークのトリプルバテッドは長さを大きく4種類に分けて揃えています。スポークカッターで微妙なスポーク長の違いにも対応できます。ブランクのストレートスポークなら2㎜径300mmを在庫しておけばどんな場合でも対応できますがバテッドスポークはそんなわけにはいきません。

しかし強度、耐久性ではストレートスポークとバテッドスポークとは大きく違います。金属は叩くと強度が増します。使うならバテッドがいいと思っています。

銀輪ホイールの作製

キシリウムホイールをクロモリフレームで乗っておられた方よりご連絡いただきました。ハブとリムを持っておられますのでスポークをこちらで提案するということでお送りいただきました。

AL300はリム高もあって空力が期待できます

リムはTNIのAL300シルバー32H、ハブはディスコンハブのアルテグラ6600です。

シマノハブは重いが丈夫で長持ち トレードオフの関係です

ハブは再利用でとても滑らかに回ります。シマノハブは定期的なグリスアップを行えば長く使える優秀ハブです。

シルバーリムで手に入りやすいリムはTNIのAL300があります。ナローリムですが十分現役リムとして使えます。30mmのリムハイトがありますので剛性が高く空力の援護も得られます。

提案しましたスポークは前輪をピラーのTB2015、後輪左TB2015後輪右TB2018という組み合わせです。TB2015は中央部が1.5mm、TB2018は中央部が1.8mmの太さです。

ピラースポークはjベント部分が2.2mmありますので一般的なダブルバテッドではありません。トリプルバテッドのスポークでロード用のスポークとしては特殊かもしれません。2.2㎜と太いのは歓迎します。

前後ともに3クロスで組み上げました。前輪の1.5mmスポークは地面からの衝撃を吸収してくれますので長いライドにはうってつけと思います。

長くホイールを組んで感じるのですがベアリングで性能の差異は大きく感じないと思います。リムとスポークははっきり違いがわかると思います。

高価なDuraハブを使われてもスポークが2mmのスポークでは乗り味はとても硬く疲れやすいホイールになります。細いスポークはねじれ易いので組むのは難しいのですが乗り味は大きく変わります。

ビルダーさんにオーダーされる場合、せっかくオーダーされるのでスポークにはこだわるべきと思います。サピムのCX-RAYを使わなくてもTB2015,サピムLaser、DTのRevolutionと細いスポークがありますので尋ねられたら良いかと思います。

このホイールは目が引くと思います やはり銀輪ホイールはいいです
ハブが重いのですが外周部は軽い  スポークが細いので乗り心地がいい
こんなにスポークテンションが揃っていなくて使えるのですが揃っていると振れが出にくいです
中央部の重さが影響しています 外周部は軽いので漕ぎ出しは軽いです
スポークテンションが揃っていると振れが出にくく駆動ロスが少ない

クロモリフレームに銀輪ホイールは最高の組み合わせと思います。仮組は1日でできますがあとのスポーク調整は3日くらいかけるようにしています。緊張したスポークを休ませながら調整しています。振れの出にくいホイールを作るには時間をあけることです。

一番いい方法は一度乗って再調整するのが一番ですが遠方の方には難しいです。このため時間をかけて調整するのが最良と考えています。

TM-1の校正

当ブログをお読みいただきました方からご連絡いただきました。

TM-1の校正依頼です。

新品のTM-1を受け取りました

初めてホイール作りに挑戦される方です。当ブログではTM-1は正確でないと何度も発信していますのでホイール作りには先ずは正確なテンションメーターが必要と判断されたようです。

秤は校正機関にて証明していただいた秤を使っています。正確さという点から考えますと多少は誤差があるかもしれませんがいい加減な秤を使って調べているのではありません。ただメーターを当てる位置や角度で多少は違うかもしれません。しかしホイール作りの指針になるのは間違いありません。

今回のように真っ新なTM-1を送っていただいたことに多少なりともブログで発信してきました事柄が納得していただいているのかなと思っています。

今までにテンションメーターの校正器について何度も記事にしましたがこれを参考にしたという方のメールや写真をいただいたことがあります。また記事にしたいと思っています。

使えるテープを探す

7,8年ほど前ですがリムテープを沢山使うので何かいい方法がないものかと考えていました。

海外の自転車フォーラムでも私と同じことを考えている人が沢山いましてフォーラムに投稿していました。

ある賢い人が自転車部品メーカーは化学製品を作れないということを投稿していました。そうです、どこかのテープ会社に注文しているわけです。この記事を投稿した人はこの会社のこのテープがいいですと教えてくれていました。

同じ思いの世界中の人が(英語圏ですので世界中の人が読んでいます)これがいいとかこのテープははがれやすいとか意見を出してきました。

フォーラムの読者の中には自転車屋さんもいますので早速使ってみるという投稿をしていました。小さな穴が開いてじわりじわりと広まってきているようです。

年間では沢山のテープを使いますのでこの話はとてもありがたい話です。とてもいいヒントを得たと思っています。

いろんなテープを試しています

自転車部品の販売店さんの邪魔をするつもりはありません。長尺のテープを買っても余るだけの人もおられるので費用対効果を考えますと自転車部品のテープで十分な方が多いと思います。55mのテープを買っても使い切るには何年もかかる人が多いと思いますのでその都度入用買いされたほうが鮮度の高いテープを使えると思います。

下はシマノのテクニカルマニュアルから引用させて頂きました。

シマノ テクニカルマニュアルより

マニュアルを読んでいますとリムテープにポリイミドテープを使うと書かれています。やはり大会社は違います。隠しません。

市販のポリイミドテープ

これを読んですぐにポリイミドテープを購入しました。

折れずに残っているタイヤレバー

タイヤレバーは自転車乗りには必需品です。いろんなメーカーのタイヤレバーをいろいろ使ってきました。同じメーカーの品物を何度も買い足してきました。折れずに生き残っているレバーを紹介したいと思います。

最後の1本 長らく使いましたがビードがきついタイヤの時は折れました
only for IRCと書いていますが折れないのでいろんなタイヤに使っています

IRCのタイヤレバーはなかなか折れないです。チューブレスタイヤを試すようになって購入しましたので結構長く使っています。丈夫ななのでとても気に入っています。

写真上のタイヤレバーも使いやすいです

握力が年とともに弱くなってきていますので手だけではタイヤをインストールすることはとてもとても無理です。最近はレバーだけでは心もとないので別の道具も使うようになりました。しかしやはり携帯にはこのレバー2本がかさばりません。

アフェリエイト広告はやっていません。個人的にいいと思ったものをブログ記事にしています。

ピラースポークが主役を取るようになりました

いつも部品を買っているセラーさんから「ピラーのスポークはいいスポークですよ。」と紹介していただいて買うようになったのですが最近はこの台湾メーカーのスポークがメインになりつつあります。

1袋500本入りです

ホームページを見てみますとこのピラー社はスポークメーカーとしては後発メーカーのようですが30年以上の歴史はあります。

手組ホイールファンでは多スポークホイールを提唱することが多いです。使用スポークの本数を増やしたリムに中央部が細いスポークを使って地面からの衝撃を和らげた乗り味が柔らかいホイールです。

中央部が1.5mmの細いスポークにはサピムのLaser、DTのレボリューションの名前が上がりますがピラーのTB2015がよく使うスポークになりました。

TB****のTBはトリプルバテッドです。スポークを3分割できる作りをしています。根元が2.2mm、中央部が1.5mm、ねじ部分が2.0mmです。

サピムでないと嫌、DTが一番という方もおられますのでご指定があればそのようにしていますが私からの提案では見積もりにはTB2015もしくは同等品という形で提案しています。

一番良いと思うところは根元の2.2mmです。やはりベント部分が太いというところがいいと思います。スポークは丈夫なものですが強化されているところに安心感が増します。難点は国内で気軽に買えるスポークではないところです。

36穴ハブに24穴カーボンリムでホイール作製 続き

ママチャリ用カーボンホイールの続きです。

実は昨日用ブログの読者さんよりメールをいただきました。この方は私のブログをいつも楽しんでいただいているとおっしゃっています。

ママチャリの後輪を組み替えたことがあるとご連絡いただきました。ママチャリホイールの注意点を教えていただきました。

センターはブレーキローターの厚みを入れて出します

注意点はブレーキローターの厚みがあるので後輪センターは締め付けナット間でセンターを出さないといけませんということです。ご自身の経験をお知らせいただきました。ありがたいことです。

私もハブを観察していまして気が付きつきました。スポーク長の計算ではナットを外しての計算をしています。

ローターの取り付け金具の厚みを計算に入れないで左右の長さを測ったわけです。これに気が付かなくてそのまま組み立てたのですが昨日のご連絡で間違っていたことが分かりました。

恥ずかしいことですがローターの厚みを計算に入れていませんでした。ブレーキの現物があればすぐに気が付くことですが手元にないのでそのままでスポークを計算しました。

さて、もう一度スポークを外して再度計測しなおしました。センターオフセット値が変わるのですがスポーク長は同じ寸法でした。つまりハブからリムに向かうスポークのブレイシングアングルが変わるだけでした。左スポークテンション値を上げてリムセンターを2mmほど左に寄せて組むだけで済みました。スポーク長は同じです。左右のナット間の寸法は130mmでした。ハブを変えブレーキのシステムを変えてもフレームはさわらなくても良いように設計されているのかなと思いました。

ブログ読者さんのおかげでストップかけることが出来ました。誰でも最初はビギナーですが恥ずかしいことでした。。失敗を記事にするのはビルダーとして恥ずかしいのですが間違いを早く気づけて良かったと思っています。読者さんに助けていただきました。本当に感謝しています。

36穴ハブに24穴カーボンリムでホイール作製

面白いアイデアのホイールをご注文いただきました。

当初、36穴ハブで24穴リムのホイールを作製できますかというご質問から始まりました。

リム、ハブは持ち込みです。できますよという返事をしました。

いろいろと伺いますとハブはママチャリに使われるシマノのローラーブレーキ用ハブです。どんなリムなのか興味があったので尋ねますと中華カーボンのチューブラーリムを使うということでした。

ママチャリにカーボンホイールという組み合わせです。いや、驚きました。いろんなアイデアがあるものです。

25mm幅30mm高カーボンチューブラーリム 345gは軽い
ハブにブレーキ部分がくっついている構造なので重い

送られてきましたハブとカーボンリムを計測しました。ハブ530g、リム345gです。ハブは重いのですが中心部の重さなので回転には影響ありません。ただ構造がカップアンドコーンなので玉あたり調整が必要です。新品の状態ではとても硬いです。ねじを緩めついでにグリスを入れると良いかと思います。この調整はお客様の好みがありますので行いません。

リムは25mm幅30mm高のチューブラーリムです。とても軽量です。漕ぎ出しはとても軽いと想像します。カーボンリムの良いところは剛性が高いところです。アルミリムよりはるかに硬いところが良い点です。お客様より伺っていましたカタログ発表のリム径は580mmということでしたが実測しますと588mmありました。やはり実測が大切です。カタログ値を信用してスポーク長を出せば余計な出費となります。

ホイールのクロス数は2.75クロスです。ハブの5穴間隔で組んでいきます。ネットで発表されている写真を見れば慣れている方ならそんなに難しくはありません。ドライブ側を先に組み上げて次に反対側という感じで片面ごとに組み上げていけば楽です。3行で説明しましたがわかる人ならこれで分かると思います。

話変わって、なぜカーボンリムが優れているのかを説明します。

走る場合ホイールが地面に接するところは常に凹んでいます。これは自転車が走っている限り連続します。この連続した凹みが駆動ロスになるわけです。出来るだけ真円の状態で走れば駆動ロスは少ないです。ふにゃふにゃのママチャリ-アルミリムから今回の剛性高いカーボンホイールに変わればママチャリの大変身は間違いありません。

所で、お代金ですがお客様には3時間分の作業代金+スポーク、ニップル代を請求しています。変則組だから特別料金を請求するようなことはしていません。組み立てが難しくてできない場合はお断りしています。お断りの場合は特殊なスポークとかニップルを使う場合です。部品を手に入れるルートがない場合もありますのでそんな場合は残念ですが諦めていただきます。

半分はハブの重さです 外周部はとても軽量
2.75クロスで組んでいます
チューブラーリムは外周を軽くできます ビードによるテンションダウンも起こりません

出来上がりました。最近クロスバイク用にカーボンホイールをお納めしたことがあります。今回はママチャリにカーボンホイールです。このアイデアがとても面白いです。試してみるには勇気もいると思います。

河川敷のサイクリングロードで猛スピードのママチャリを見ることが出来るのではと思っています。100万円のロードバイクに乗っている人を追い越しているママチャリを見ることが出来れば楽しいなと想像しています。最高に面白いホイールです。前輪の注文はどうかな?