ハブを測ってみる

デジタルのハイトゲージを使いハブを測りました。

デジタルハイト計

ハブはシマノのティアグラクラス

FH-RS400です。グリスをたっぷり入れて使うと上のクラスと遜色ない性能です。

 

  • フランジの外側を計測
  • フランジの内側を計測
  • シマノのデータを使う

 

この3種類でスポーク長を計算します。いつものWheelproの計算ソフトを使います。

リムERDは598mm 3mmオフセット

 

フランジ外側で測ると

左/右 38.8/17.2mm スポーク長は左291.9/右290.0 ≒292/290mm

フランジ内側で測ると

左/右 35/15mm スポーク長は左291.4/右289.9 ≒292/290mm

シマノのデータを使うと

左/右 38.2/18.7mm スポーク長は左291.8/290.1 ≒292/290mm

 

結果は外側でも内側でも変わりませんでした。しかしハブフランジの外側でも内側でもしっかり測ることが必要です。シマノはしっかりしたデータを発表していますがどんなハブでも一度は測ることをお勧めします。

32ホール前輪を作製しました

シマノ ティアググレードのハブを使い32ホールのホイールを作製しました。

スポークを通しテンションを上げていきます。振れ取り台に設置しました。

スポークを通し終わりました

以前ブログに書きましたが、スポークラインを整えます。数秒で済むことですがこれが大事です。

ドライバーを使ってスポークラインを整える

前輪ですので後輪のように右から左へテンション上げるのでなく左右均等にテンションを上げていきます。

サピムLaserのような細いスポークの場合ねじれを防ぐためにプライヤーなどで押さえながらテンションを上げるのがコツです。

プライヤーなしでは2cmくらいのテープなどをスポークにはると捻じれそうになるのがよく分かるので捻じれたら少しニップル回しを戻すという作業でテンションアップをしていく方法もわかりやすいやり方です。

先ずは縦ブレ中心に作業を進めます。縦、横と交互に振れを取るのですが縦ブレをしっかりとることが肝心です。

縦も横もきれいに取れてなじみだしも終わったところでチェックします。

この状態でも振れなく綺麗に回ります
強いところの隣は緩いので平均化を図ります
完ぺきではありませが均等化しています

綺麗に振れもなくホイールは回ります。各スポークのテンションを測ります。きれいにホイールは回っているのですがスポークテンションを見るとバラバラです。強弱、強弱と均等にはなっていません。ここを修正していくことが一番大事な点です。強いところを緩め弱いところを強めて均等になるようにするのです。テンションメーター―なんかいらないという人がいますが、私はいる派でして、メーターで測ると非常にわかりやすいです。

こうすることで長く乗っても狂いの出ないホイールに仕上がります。

 

完組で低価格なのによく回るが1年たてばぬるくなるといわれるのはこの点を怠っているからです。1本1本時間をかけてスポークテンションを均一化することを出来ないのが現実です。数が勝負ですので振れ取が最優先です。スポークのテンションはある程度揃っていれば良しとして出荷されているのです。テンションがばらついているので長く使えば狂いが出るのは当然です。それを要求するのならもっと高いのを買ってくださいでしょう。

ディスコンになりましたが低価格のシマノRS21なんかは本当にいいホイールと思います。上手にテンション調整ができたらの話ですが。

後輪ホイールの作成  後輪ホイールは右から左

後輪ホイールの作成手順を簡単に説明したいと思います。

ホイールを作る人ならすぐわかる話です。

XR22 キンリンリムは剛性高く安価
FH-RS400 32h ハブは重いがメンテは楽です
ERDを計測
ERDは598mmです
仮組が終わりました
スポークラインを整える 10秒ほどで終わりますがとても重要です

スポークを通し終わってテンションをかけて振れ取を始めるところからの話です。

 

左右のスポークはユルユルの状態から軽く緩みを取った状態まで均等にニップルを回します。

左右ともにとても緩い状態です。この時までは縦ブレのみを注意しています。横ブレは気にしません。

基本は右ドライブサイドのみスポークのテンションを上げていきます。

各スポーク少しずつ均等にテンション上げていきます。一周均等にテンション上げます。また一周均等に上げていきます。少しずつ何周にもわたってテンションを上げていきます。この時に左側には手を付けません。右のみ上げていきます。縦振れだけを取りながらテンションを上げていきます。

ここでスポークのテンションを測ります。均一になるようにテンションを調整していきます。だいたい100kgfで均等になるように調整します。

右は均等になり縦ブレも取れたところで左側にかかります。

左のユルユルのスポークをゆっくりテンション上げていきます。この場合も少しずつ一周、また一周とテンションを上げていきますとリムは左に寄っていきます。左の方にリムが寄っていきセンターに近づいていきます。

すでに縦ブレは大まか取れていますので左テンションをあげてリムを左に寄せてセンターを出していきます。

左にリムを寄せていきますと当然のことですが右スポークのテンションは上がっていきます。120kgf前後に上がります。

右から左です。

右を先に調整して次に左を調整するのです。

右のテンションはほぼ均一にテンションを取れていますのでリムを左に寄せて振れ取をするのですが振れが取れた時にテンションを確認しますと左テンションはバラバラです。

スポークテンションが均一でなくても振れは取れるのです。このことは前に説明していますがスポークテンションを完全に均一には出来ませんが振れを最小にスポークテンションは最大に均一化を図る。これがポイントです。

テンションの高いスポークの隣は緩くなっています。高い緩いが隣り合わせになっているのでこれを均等になるように調整していきます。これには慣れが必要です。左を調整しなおして左右のスポークテンションを均一化し振れを取りなおします。

次にストレスリリーブです。スポークを握ってなじみだしを行います。これも前に説明しています。

ストレスリリーブ  簡単ですが重要

ストレスリリーブを行いますとまた振れが出ています。少しずつ訂正していきます。テンションをあげ振れを取り直し、センターを出します。

簡単に説明しますと以上の事を行うのです。

そうです。後輪ホイールは右から左です。

ホイール作る人は、ははーん、そうするのかと納得いただけると思います。

いろんな人がブログで書いていますが、世界中の人が参加している有名フォーラムで確認したのがこの方法です。

スピードが違います。あっという間に出来上がります。微調整は必要ですが、振れは最小スポークテンションは最大限均一に守り精度をあげテンション偏差を5%以内に抑えれば言うことありません。高級完組でもこの数値まで精度を上げているホイールはとても少ないです。

H+SON SL42リムでホイール②

リムをオイルで汚さない組み方です。

スポークにはスポークプレップを使う人もありますが、この頃は私はリンシードオイルをほんの少しネジ部分にオイルを注しています。スポークを数本にぎってオイルにネジ部分を浸して余分なオイルをウエスにちょんちょんと叩くように余分なオイルを取ってハブに通しています。ニップルをインサーターで取り付けるのですがこの時のリムは前処理をしておきます。

このリムの前処理ですがリムの穴より綿棒にグリスを少量付けてリムの内側からニップルが当たる部分にグリスを塗っておきます。こうするとニップルが回転しやすくなり締めこむ際に滑らかに回ります。

リム穴よりグリスを塗る

わずかなひと手間ですが後からオイルを注すよりきれいに仕上げることができます。

簡単なことですがこの前処理をするのとしないのとは大きな差があります。きれいに仕上がりますしニップルを無理なく回せます。お勧めの方法です。

カッコウいいホイールです

H+SON SL42リムでホイール

H+SONのリムを使ってホイール組んでいます。

SL42   高剛性のリムです

リムはSL42を使ってフロント24リア28で組む予定です。

 

SL42は名の通りリムハイトが42mmありますのでカーボンホイールのように見えます。ハブはBITEXのハブを使い軽量化のためサピムのCX-RAYを使いました。

前輪は2クロス、後輪は左3クロス右2クロスです。

この後輪の組み方はヨンロクとか呼ばれていますがどうもこの呼び方は私には馴染めません。まあどうでもよいことですが。

 

後輪を左右2クロスで組むとスポークテンション比率が左43:右100になります。ほんのわずかですが3/2クロスで組むと45:100に左が上がりますのでこの組み方を選びました。右テンションを120kgfにして組み上げると左は理論的には54kgfです。50以上になりますのでもう少し欲しいところですがスポークの緩みから生じる振れは出にくい数値です。わずかですが上がらないよりましです。

いろいろブログでヨンロク組といって作られています。驚くほどテンションが変わると思ってしまいますがやらんよりましというぐらいです。しかしながら今回は採用しています。

このヨンロクよりオフセットリムの方がテンション比率を劇的に改善されます。ただ残念なのはSL42にはオフセットリムがないのでスポークの数を増やして剛性を高めています。このため28にしています。

スポークの剛性はスポーク断面積に比例します。スポーク本数をかけた断面面積に比例します。スポークを太くし、本数を増やせば剛性は高くなります。

さてSL42はとてもカッコウよいホイールに仕上がります。カッコウいいだけではありません。空力もよく掛かりのよいホイールです。重量は重いのでヒルクライムには向きませんがこれで練習してみるのもいいかもしれません。

ホイールのバランス調整

ホイールのバランス調整は以前からいろんなブログで紹介されています。

私もホイールのバランスを調整していますが私にとってはおまじないだけかもしれませんがこんな方法でやっています。

時速35km以上の実力の人には効果が大いに体感できるのかもしれません。

振れ取台にホイールをのせてゆっくり回転させます。写真のホイールはアルミリムのホイールでリムジョイントはスリーブジョイントです。ジョイント部分の重さがホイールの回転バランスを狂わせます。この部分が重いので回転が止まるとジョイント部分が下になって止まります。

一円玉を用意します。1円玉は1gですのでジョイント部分の正反対側にバランスが取れるように一円玉を貼っていきます。今回のホイールでは7枚貼りました。つまり7gです。

1円玉を貼っていきます
7枚貼ってバランスが取れました

7g分鉛板を切ります

ここでゴルフクラブに貼るバランス調整用の鉛板を7g分切り貼り付けます。鉛は1枚300円くらいでした。

手軽にバランス調整ができます。お試しください。

チューブレスタイヤをインストール②

チューブレスタイヤの取り扱いについてバルブコアを外すのは簡単ですと書きましたが初めての方には何のことかわからないかもしれませんので補足致します。

 

私の場合はチューブレスレディーのリムですのでリムテープを巻きます。マウンテンバイクのホイールでは1回巻き、ロードでは2回巻きをいろんなメーカーでは勧めていますので私も2回巻いています。

 

バルブを通す時にテープに穴をあけるのですが千枚通しなどで突き刺せばよろしいです。

 

バルブコアは簡単に外せます。写真のコア外しを使うのですがプライヤーなどを使ってもOKです。バルブの栓のところを回せば楽に取り出せます。

コアは簡単にはずせます

よくネットなどの説明で石鹸水をつかうと書いているのですが別に使わなくても空気はうまく入ります。どうしてもうまくいかない場合は石鹸水を使うのもひとつの解決方法と思いますが通常はいらないと思います。

 

ポンプは大量に空気を出すことができるタンク付きのポンプが便利ですが別にこれでなくても普通のポンプでちょっと勢いよく空気を入れるようにすればうまく膨らんできます。

 

これからバルブのコアを外してシーラントを30ccくらい入れるのですが百均の化粧品用の注射器が便利です。小分けして入れていきます。少量ずつ入れていきますのでかえってシーラントが漏れてべとべとにならずに入れることができます。たとえ漏れても少量です。ゆっくりやればいいことです。

化粧品詰め替え用の注射器が便利

適量のシーラントが入ればバルブコアを締めて空気を入れます。少量の空気を入れて今度はシーラントがタイヤ全体に万遍なくいきわたるようにホイールを軽く回します。

 

タイヤ推奨の空気圧に空気を入れて終わりです。空気は漏れません。安心してください。今までのタイヤとまた違った乗り味です。これからはTLもいいかなと思われるでしょう。

 

紹介しましたやり方のポイントは百均の注射器です。昔チューブラーで高いヴェロフレックスをインストールしたときにシーラントを入れてみようと考え色々やってみましたがうまくいかず困りました。注射器で入れたら簡単なのにと思っていましたが当時は手軽に注射器なんか手に入らなくて結局諦めました。以来チューブラータイヤにシーラントを入れることはやっていませんがまたやってみようかなと思っています。

チューブレスタイヤをインストール

5年ほど前にチューブレスホイールを持っていてチューブレスに挑戦しようと思ったのですが何となく信用できなくて止めていました。主にメインはチューブラータイヤを使っています。しかしいろんな情報を調べるとチューブレスの進化は本物です。

せっかくチューブレスレディーのリムで組んだホイールですのでチューブレスで乗らないのではもったいないです。

こんな方法でやってみました。とても簡単です。食わず嫌いでした。

HUTCHINSON  INTENSIVE2  25mm
Velocity Tubeless Valve 35mm
  • テープは2回巻く
  • バルブは手で締める程度、プライヤーなどは使いません
  • タイヤをはめてポンプで空気を強く入れる。この時にビードがかかり普通にタイヤが膨らんできます。意外と簡単に空気が入っていきます。上手くいかなかったらもう一度タイヤをつまんでビードにはまっているか確認します。そしてまた一気に力強く空気を入れてみます。上手く膨らんでくると思います。
  • ある程度空気が入ったらしばらく置いといて一呼吸。
  • では次にバルブの空気を抜いてバルブコアを外します。小さなプラスティックのコア外しですがこれを使って簡単にコアを外すことができます。
百均の化粧品入れ替え用の注射器 シーラント
ゆっくりシーラントを入れていきます
  • これからシーラントを入れるのですがこれに困るのです。何かいい方法がないか考えていたのですがいい方法があります。百均で化粧品の移し替えの時に使う注射機を買ってきてこれでシーラントを入れるのです。百均の注射器は一回3mlほど入りますので8,9回繰り返してシーラントを入れていきます。少量ずつですのでかえって楽に入れることができます。
  • コアを再度ねじ込んで空気を入れなおします。
  • 空気をある程度入れた時点でホイールを軽く回してシーラントを万遍なくいきわたるようにします。これで完成です。
  • ビックリするほど簡単です。注射張りを使ったために手がべたべたすることありません。

チューブレスのホイールです。今頃なに言ってるのと言われそうですが意外とチューブレスで乗っている人少ないと思います。海外のブログを読んでいますとこれからはTLかなとも思います。チューブラー派の私もちょっと考えが変わりました。

ハイグレードかミドルか?②

アメリカのノヴェンバーバイシクルズ(https://novemberbicycles.com)というメーカーがサピムCXRAYとサピムLaserのスポークを使って風洞テストを行っています。

同じハブ、リムを使ってのテストです。

結果はCXRAYがLaserより1ワット勝った結果です。私はこの結果にびっくりしました。

いろんなホイールメーカーが使用スポークはサピムcxrayとアピールしています。

実際このスポークを国内で購入しますとcxrayシルバーは364円、Laserシルバーは111円です。約3倍値段が違います。スポークの強度を調べますと

Laserは引っ張り強度というか強度は1500N/mm2です。

http://www.sapim.be/spokes/butted/laserを参照願います。

cxrayは1600N/mm2ですので少し違います。

http://www.sapim.be/spokes/aero/cx-rayを参照願います。

スポークの形状についてLaserは丸です。このためスポークの捻じれが分かりにくくホイールのテンションアップに少し技術が要ります。cxrayのように扁平でしたらねじれがすぐわかるので作る立場としたらやりやすいのです。

強度に関しては1500と1600で見分ける人はいないと思います。長い時間かかってわかる問題と思います。

CXRAYは確かに優れたスポークで最強のスポークと言われるだけあると思います。

しかし1ワットの記事を読んで少し考えが変わりました。

ホイールを選ぶときにそれぞれ価格との相談で少々高くても少しでもいいものを欲しい人、いや価格や使う人の実力などのバランスですよという人がいます。

実際、風洞テストではその差は少しですがあるのです。この差は時速40km以上で走る人にとっては大きな問題と思います。

私は巡行速度を35km以上で走れませんのであまりスポークにはこだわっていません。

道具は長く使うものだから安いものを買えばすぐ飽きると先輩から言われたのですが、自分の実力が分かっていますのでここまで高くなくてもいいかなと思う時があります。

2.0/1.8/2.0mmのサピムRace、DTコンペティション

2.0/1.5/2.0mmのサピムLaser、DTレボリューション

扁平スポークのサピムCX-RAY

悩むところですがWheelBuildingの著者RogerMussonさんのメインスポークはコンペティションのようです。

ハイグレードかミドルか?

バイシクルクラブの記事でとても印象に残っている記事があります。

時速30kmに壁があるという話です。ブリジストンサイクルの中西さんのご意見です。

40代のサイクリストで体重は60kg前後の人が走るとして

 

25kmで走れる人は79%の人が走れます。

30kmになると走れる人は一気に下がって9%の人しか達成できません。

35kmになるとわずか1%未満の人しか走れないのです。

 

実際私がいつも走っている淀川から木津川沿いのサイクルロードにおいて明らかに35km以上で走っている人はめったにお目にかかりません。30km巡行の人は割りとおられます。

 

いろいろ観察していますとこの30km~33kmくらいの人は結構いい機材、カーボンホイールで走られていますが35km以上のスピードでは走れていません。この人達は機材にこだわる人たちのように思います。ホイールを変えてスピード上げようと思うのですね。でもそんなに早くならない。やはりこのホイールはあかん、てな具合です。

私は写真も好きでカメラ、レンズも沢山持っています。ついついこれで撮ったらうまく取れるのではないかと思って中古ですが買ってしまいます。写真は相変わらず上手くなれません。

写真仲間で写真の上手な人はずっと同じ機材でレンズも3本くらいです。カメラもずっと同じものを使い続けておられるので結構傷んでいますが写真はとてもうまいのです。

最近自転車も写真と同じやなと思っています。上手い人の機材は結構ぼろい。しかししっかり手入れよく使い込んでいます。