プライムハブについて

前回の記事で使いましたプライムハブについて調べてみました。お客様より送られてきましたハブです。このハブは英国通販で販売されています。

プライム 

プライムハブの重量は

前輪138g  後輪266g 前後404gでした。

ノバテックD791SB + D792SB

ハブ在庫を見てみますとノバテックのハブとよく似ています。

前輪140g  後輪267g  前後407g

形もハブフリーも同じ形をしています。フリーにはアンチバイトガード(ABG)もついています。

通販会社にノバテックですかと尋ねたらプライムハブですというでしょう。まあどうでもよいことですが価格は安いです。現在の値段は前輪5800円後輪9600円です。どういう仕組みかわかりませんが1セット買えば送料がいりません。

私のノバテックハブは前輪60ドル後輪110ドルでした。おまけに送料と関税が追加されます。

TNI REVO ハブ

いつも発信しています定番ホイールにはTNIのREVOハブをよく使っています。お世話になっているお店ではとても良くしていただいてリーズナブルな価格です。でも価格が安いからプライムハブにしようとは思いません。メンテナンスのことを考えると入荷しやすいこと、続けて買えることが大切です。

しかしこのプライムハブはよく売れているのでしょう。なかなか品切れになりません。評価高いのだと思います。自分用なら買ってもいいかなと思います。

シマノハブのクラス分けについて

シマノハブを使ってみていつも感じることを述べたいと思います。

よく使う下位グレードのシマノハブ  重いがよく回る メンテが楽

カップアンドコーンのシマノハブはとてもよくできています。ハブは下位グレードから上位グレードまで使っていて安心できます。メンテナンスを定期的に行えば何十年も使えるハブです。基本設計がよくできていますのでどのグレードもよく回ります。

こうしてみますといつもシマノハブはダイヤモンドのグレード分けと似ていると思います。

ダイヤモンドのグレードは石の中の不純物の量によってクラス分けしているのですがどのクラスのダイヤも硬さは同じです。輝き方は目を凝らしてみますと少し違いますが通常の使い方では上位クラスのダイヤも下位クラスのダイヤもよく輝きます。

これと同じ考えでシマノハブを見ますとハブの基本は同じです。外回りの化粧の仕方で変わるということになります。見た目の仕上げはクラスによって違いますので印象は大きく違い上位ハブほど高級感があります。しかし回転に関しては上位も下位クラスもよく回ります。同じと言い切るのは少し大胆と思いますが私にとりましては同じくらいの回転性能です。

ハブの中身についてですが機械もののクラス分けでは細かくグレード分けはできないと思います。同じ部品を使っていることがシマノハブデータを見ますとよくわかります。

シマノハブのカップアンドコーンはメンテがし易く長持ちです。とても優秀です。しかし少スポーク用のハブが販売されていません。シマノハブはすべて多スポークホイール用になります。この点はメーカーもよく考えています。ハブ穴は限られています。最低28穴で32,36穴と限られたハブ穴しか手に入りません。

しかしながら世の中うまく考える人がいます。完組ホイールを分解している人が多々見受けることです。シマノ下位グレードホイールのハブには少スポークのカップアンドコーンハブが使われています。これを利用するわけです。何度か注文をお受けしたことがありますが下位グレードホイールから取り外したハブを送ってこられました。

私は多スポークホイールがメインで使うホイールですのでこのような裏技は行いませんがうまく考えられたものです。

一般にはどうしても軽いホイールの目が行きます。軽いブティックブランドのハブに注目します。余裕があれば私も使いたいハブは高級ハブです。しかし実質本位で考えますとティアグラ、ソラグレードはもっと使われても良いかと思います。

下位グレードの重たい肝っ玉母さん的なシマノハブはよく働いてくれます。これをよくご存知の方は軽量台湾ハブではなくシマノハブを購入されるようです。

輪行によく使う多スポークホイール

シマノハブ、多スポークで作ったホイールは疲れにくいホイールです。長持ち、メンテが楽、疲れにくい、こんな切り口で作り上げたホイールは、軽さだけではないという別の観点からみた優秀なホイールです。

べリングの感触、確かに違う

バイテックスのハブからベアリングを取り出しました。

ベアリングをポンチで取り外しました
バイテックスハブより取り外した台湾製ベアリング

ハブ本体、シェル側のベアリングです。6902規格のベアリングでした。マクロレンズを使って写真で拡大しますと台湾製とわかります。このベアリングを写真のように回してみました。回る感触は鈍感な私もよくわかります。

このベアリングをNTNと比べてみました。ベアリングは安心のNTNです。規格はLLB規格です。この非接触型のベアリングと比べてみました。ベアリングについて詳しくはありませんがこのメーカーにしておけば安心と海外のビルダーさんたちも太鼓判を押しています。

同じ規格ですので大きさは変わりません。

取り出したベアリングのシールは朱色と黒のゴムシールを取り付けてあります。詳しい方に教えていただきたいのですが朱色には6901LU、黒には6902LBと書かれています。接触、非接触の区分けと思いますが左右同じではありません。

このように回して感触を比べてみました

さて用意しましたベアリングはNTNの6902LLBベアリングです。同時に回して感触を比べてみますと明らかにNTNのほうが軽く回ります。私だけの感覚では心配なので家の者にもさわってもらいました。違うとの答えです。

カンパハブより取り出したベアリング、シールを外してある

以前にカンパの前輪ハブから取り出した6001RS2のベアリングがあります。このベアリングはハブシェル内部のシールは取り外してありました。ハブの中には埃が入らないという考えです。

このベアリングも用意したNTNベアリングを回して比べてみました。果たしてNTNの非接触ベアリングのほうが軽く回りました。シールを片側外してあるベアリングよりNTNのほうが軽く回ります。

ホイールを評価する場合いろんな要素が絡みますのでベアリングだけがホイールの評価に大きく影響するとは思えませんが気分的には違うような気がします。

性能の良いベアリングに取り換えたというだけで早く走れる感じがしてしまいます。

しかし自分の中のもう一人の私が、ベアリングで決まるのやったらグランツールではみんなゴキソに替えるのとちがう?といっているので本当はどうなのでしょう。

上段NTNのLLBベアリング、下段左バイテックスハブよりより出したベアリング、中カンパハブより取り出し、右NTNベアリング

上のNTNベアリングですがこれだけあって5000円です。

ベアリング1個約500円です。2個で約1000円、これだけで今よりパフォーマンスが上がると思えば確かにコスパはいいです。おまけにベアリング交換という達成感は大きいです。私の場合、性能を言うよりもベアリング交換したというやり遂げた感、腕が上がった感を得られるのがうれしいです。

新年のご挨拶

ホイールをお納めしました方々より新年のご挨拶をいただきました。私のほうから出すべきことなのにご連絡いただきました。ありがたいことです。

ある方より面白い情報をいただきましたのでご紹介したいと思います。すでにご存じの方はおられると思いますが、へ~こんなこと出来るの!と驚かれる方もおられるでしょう。

30年前のハブを今も使い続けておられる方のお話です。シマノハブは30年たっても頑丈で手入れさえしっかりしていると使えるという証拠です。

30年前のハブです 130mmで使えるようにされました

ハブ軸を交換して135mmから130mmで使えるようにされました。間違っているかもわかりませんがハブシェル、フリーはそのままのようです。今度おたずねして確認させていただこうと思っています。

ネット情報が発達して部品を手に入れるのは楽になりました。ハブ軸を交換すれば使えると考えられたようです。シマノではこのようにすれば長く使えますよと教えてはくれません。しかし構造を把握していれば想像はつきます。トライしてみる価値はあります。

今まで自転車屋さんが内緒にしていた事柄はどんどんわかってきました。ははん、こうするのかと面白いです。新年から興味深いお知らせいただきました。

クリスキングのハブが届きました

カーボンホイールのご注文いただきました。クリスキングのハブを希望されましたが残念ながら私のほうでは適当なハブを手配することが出来ませんでした。いろいろ連絡のやり取りの結果ハブはお客様が手配されることになりリム、スポークは私のほうで準備しますということで商談は進みました。

今回のリムはハイグレードリムなので在庫していません。入用買いを行っています。ハイグレード軽量リムは通常より時間が掛かります。

お客様はクリスキングのハブを手配され先に送ってこられました。10万円以上もするハブですがお送りいただきました。お客様とはメールのやりとりだけです。お顔合わせて商談というわけではありません。それなのにこちらを信頼していただき高価なハブをお送りいただいたことに感謝いたしています。

憧れのクリスキングハブですが特徴はこんなところにあるのかもしれません。

・自社製作の精密ベアリング

・丈夫で軽量

・メンテナンスがほとんど不要

・見て美しいハブ

・豊富な色を選べる

・みんなが羨む、とても大切なポイントです

リムが届くのはもうしばらくかかると思いますが毎日ハブを眺めてニヤニヤしています。美しいハブです。

ティアグラハブの調整

多スポークのホイールにはシマノハブが一番使いやすいと思います。価格、性能、メンテナンス、すべてに於いてとても優秀で世界のシマノを実感します。ハブメンテナンスに関してもすべてシマノサイトから知ることができます。古い部品もすべて調べられますのでありがたいサイトです。

シマノHP、ディーラーマニュアルより引用しました。

メンテナンスの方法も公表されていますディーラーマニュアルを見ればよくわかります。

マニュアルには上位グレード、下位グレードとの互換性、共通部品も記されています。共通部品は沢山使われています。このため見た目は違いますが性能には差がないと考えています。

今までハブをさわっていまして新品状態のティアグラハブはゴリ感がありことが多いです。そのままでも使えることは使えますが少し調整して使うことにしています。

ディーラーマニュアルにメンテナンス方法が書かれていますので同じようにメンテすればいいのですが楽に行うにはバイスを使うほうが簡単です。

バイスに固定するのが一番楽です。
プライヤーレンチとハブスパナを使っています。
プライヤーレンチで左ロックナットを少し緩めてハブスパナを使って左玉押しを緩めます。新品状態から1~2mm動かすだけです。

バイスにフリー側のナットを挟んで固定します。左ロックナットをハブスパナで緩めるのですが私はプライヤーレンチでロックナットを1~2mmゆるめてから左玉押しナットをハブスパナで同じように緩めて終わりです。ゴリ感はこれで取れますが緩めすぎてもうまくいきません。すぐに慣れますが軽く回るように調整してガタついていないかもよく見ます。ハブをバイスに固定するのが一番楽です。

丁寧に調整しますと下位グレードのハブが驚くばかりによく回ります。締めすぎず緩めすぎないところに玉押しナットを調整する。整備好きの人には楽しい時間です。

ベテランの方が読まれると笑ってしまわれる内容ですが誰でもみんな最初は素人です。

フリーの爪が立たないトラブル

ノバテックのハブを使ったホイールをお納めしましたお客様よりご連絡いただきました。

初乗りで調子よく走れたのですがフリーが空回りする場面があったようです。

ホイール自体はよく走るといっていただきましたがハブの調子が悪かったのです。

こんなことが起これば通常慌てるのですが一度経験があります。理由がある程度想像がつきました。

写真をお送りいただきました。参考になると思います。

フリーの爪が立たない状態です。グリスが原因のようです。

ハブフリーのグリスが固まっていてラチェットの爪が立たなく空回りしてしまったのです。

新品のハブでもこんなことが起こることがあります。何らかの理由でハブ内に塗られているグリスが固まっていたのが原因です。グリスを塗りすぎるのもよくないようです。

グリスを拭き取り再度組み立てるときれいに爪が立ちます。ハブ用のグリスを塗りなおしていただきました。

お客様はハブを分解して作業ができる方なのでグリスをふき取っていたただき、お送りしたハブ用のグリスを塗って様子を見ていただくことをお願いいたしました。

果たしてやはりグリスが原因でした。固着したグリスを取り去り、新しいグリスを塗ることで解決できました。爪が立つようになったと連絡いただきました。

新品のハブでもお客様には申し訳ありませんがトラブることもあります。2回目のことなので何とか解決ができました。ご迷惑をおかけしましたがご理解いただけました。ちょっと引き出しが増えた感じです。

LLBは効く

多スポークホイールをご注文いただきましたお客様よりご連絡いただきました。

ハブベアリングを交換されたそうです。

ベアリングは安価に手に入ります。非接触型が多いです。私の手持ちベアリングです。

NTNの非接触型ベアリングLLB型に交換されて結果をご連絡いただきました。ベアリングを交換された結果を教えていただいたのは初めてです。

ホイールは記事にしています。参考になると思います。

ベアリングを変えられますとこうなります。貴重なご意見です。

前後ハブのベアリング交換しました。
NTNの非接触タイプです。
走ってみましたが、やはり回るようになっています。加速も最高速も良くなっていると感じますが、絶対に変えておきたい程回る訳ではないと思っています。

私的には面白くて、つい頑張ってしまいます。そんで足がつります。

ということで、私には更に魅力的なホイールになったと思いますが、ブルベやロングライドにお使いの方は乗りやすさと耐久性からノーマルのままが良いかもしれませんね。

以前wh-6800と比べて加速が鈍いと書きましたが、今回は近付いたと思います。あのハブは私が調整していますが、たまたま良かったんだと思います。
あくまでも私の感想です。

ハードルが高そうに見えるベアリングの交換は道具があれば意外と簡単です。道具もそんなに高価ではありません。ホームセンターで安価に揃えることができます。カップアンドコーンとはまた違った楽しみです。

バイテックス後輪ハブRAR12を分解しました

先日お客様とお話することがありバイテックスのハブについて尋ねられました。

バイテックスハブはあまり知られていないようですが台湾のハブメーカーとして世界的に有名です。ハブのフリーにはアンチバイトガードがついていることなどお話しました。クリスキングなどの高価なハブではありませんが品質はいいと思います。私はよく使います。

バイスに5mmレンチをセットします。
もう片方にも5mmレンチをセットし、反時計回りに回すとキャップが外れます。
キャップが外れたら10mmレンチで心棒を反時計回りに回す。
キャップが残ります。

ハブベアリングは6902,6802が各2個ずつ使われています。分解には5㎜の6角レンチが2本、10㎜のレンチが1本必要です。

5mmレンチをバイスに挟んでからハブをセットします。もう片方に5mmレンチを差し込んで反時計回りで回しますと簡単にキャップが外れます。10mmレンチで心棒を回せば反対側のキャップを簡単に外せます。

フリーは回しながら引き抜けばすんなり抜くことができます。構造はとてもシンプルにできています。

爪の下にばねがはめ込まれています。ベアリングは6802です。

いつ頃からフリーの爪にばねが仕込まれたのかわかりませんが各爪の下に小さなばねが取り付けてあり爪が立ちやすくなっています。ノバテックのフリーにはこのようなばねがありません。良い工夫と思います。

ノバテックのハブもたくさん使ってきました。今までに一度だけですがノバテックハブでフリーの爪が立たなく空回りをするハブがありました。お客様よりご連絡いただきましてわかりました。グリスが固着していたのが原因です。

グリスを変えて組み直しますと直りましたが、小さいばねを使っているこのバイテックスハブのフリーでは爪が立たなくなるようなことはないですね。いろいろと改良されているので驚いています。

フリーを外したドライブ側です。6902のベアリングが見えます。
キャップを外した非ドライブ側です。10mmレンチで回すようになっています。ベアリングは6802です。

今回の分解ではハブの中を見ただけですが構造は非常に単純です。シンプルなのでトラブルが少ないと考えます。ベアリング交換も簡単にできます。

ベアリングをさわるには少し勇気がいりますがそんなに難しいことではありません。NTNの非接触型に替えればもっと回転も軽くなると思います。

使っていないハブメンテナンスツール

シマノのディスクハブのマニュアル見ますととても分かりやすく解説しています。

シマノ マニュアルより参照

シマノハブは一般ユーザーでもメンテナンス作業ができるように図表を使って説明されています。やる気さえあればできるようになっています。ありがたいことです。

持っているのですが使ったことがない道具が数点ありますがこの6角レンチはこれから使う出番が出てきそうです。

15mm6角レンチ

シマノ純正のTL-FH15は15mmの6角レンチです。ディスクハブには必要です。15mmは使うことがなかったのですがディスクホイールが広まってきていますのでこれからは使う機会も出てくると思っています。

しかしハブフリーを交換するほど使い込むことはなかなかありません。シクロレースに使われることが多いとフリー交換もあるかと思います。いずれにしましても使って見たいです。

この6角レンチはとても高価です。1万円もするという価格ではありませんが単なるレンチとなりますと私には値段が張ります。機械工具メーカーさんのホームページを探して純正の半分の値段の品物を見つけました。機能は同じと思っています。

ディスクハブマニュアルより参照
マニュアルの通りバイスで挟んで使います

シマノハブのマニュアル通りにセットして使うつもりです。シマノのマニュアルはわかりやすいです。一通り目を通しておかれることをお勧めいたします。