後輪用56mm高カーボンホイールの作製

何種類かのカーボンホイールを使っておられる方より後輪用56mm高カーボンホイールをご依頼いただきました。ご使用のホイールはどれも後輪だけがトラブルようで単品でのご注文です。

当ブログをお読みいただき今までのホイールを参考にご注文いただいています。リムはニップル穴なしのリムです。

後輪 889g
スポークテンショングラフ 左8本右16本
左ラジアル 右2クロス組
左ラジアル 右2クロス組
穴なしリム使用

仕様は下記の通りです。

 

後輪

リム 56mm高30mm幅 490g

スポークDTコンペティション ストレイトプルスポーク黒

ニップル DT SqourxPro ブラス黒

ハブ BITEX BX301 8:16

重量 889g

 

この56mm高リムは剛性があり、ハブはバイテックスのストレイトプルハブ8:16用を使います。スポークはDTのコンペティション2.0/1.8/2.0mmです。

以前お買い上げいただいたFTP300のお客様のインプレではとても高い評価いただいています。このリムは平地用と思われがちですが登りにも強いホイールです。

ブレーキの効き具合が不安な方は前輪をアルミホイールで乗られて後輪に空力のよいカーボンホイールを使うという方法もあります。

セットでのご注文が多いのですが今回のように単品のご注文も歓迎いたします。

シマノホイールの再生

シマノホイールWH-RS20の後輪ハブを使ってホイール組み換えのご依頼を受けました。

ハブはスポーク左右10本ずつのストレイトプルスポークを使うハブです。

AL31W20hオフセットアリ

リムはTNIのAL31W 20穴オフセットリムです。この20穴リムが販売されています。私は知らなかったのですがお客様より教えていただきました。このリムがあればシマノホイールの組み換えは可能です。

 

もう使えなくなるほどリムがすり減り経年変化でスポーク穴のところにひび割れがしてどうしようもないホイールを再度よみがえらせる道が開けます。シマノハブはグリスアップをしっかり行っていれば20年でも使えます。

計測の位置に注意
計測の位置に注意

送られてきましたハブを計測しました。注意点としては計測の位置に関しては右側に寄せるか、左に寄せるか、中央で測るかを決めることです。

ハブオフセット値が少ないので左スポークテンションを高くできるハブです。重いのが難点ですが重いということは逆に丈夫ということですので総合点の高い優秀なハブと思います。

1:1組後輪1037g
左右2クロス組
スポーク穴が3mmずれています
できるだけ均一にテンションを調整

出来上がりの実測スポークテンション比は左約84kgf:右約129kgf、率にして65:100と非常に左が高い数値です。とても優秀です。ゾンダに負けていません。

右スポークテンションは高めですがタイヤインストール後のテンションドロップすればいい数値に収まります。

 

検証していませんが、以下私の勝手な想像です。

 

2:1組のゾンダの場合後輪は左7本右14本で作られています。左7本はラジアル組ですのでこの組み方はクランクを回して得られる、前に進む駆動力には影響しません。右ドライブ側の14本が駆動に参加します。プルスポークが7本、プッシュスポークが7本です。方やこのシマノハブは1:1組ですのでスポーク20本がクロス組です。プルスポークが10本、プッシュスポークが10本です。すべてのスポークが駆動に使われています。

 

前に進む力にはゾンダが14本、シマノは20本が働いています。仮に同じ力で回しているとしてもスポークの働き数が違うのでシマノのほうが勝ると思うのですが如何でしょうか?

価格の低いシマノより価格の高いゾンダのほうが高評価なのは片手落ちのような気がします。値段ではないと思います。ゾンダより約100g重いのですがシマノのほうが価格、性能などの総合力では勝っているように思うのです。ただスポークの調整はゾンダのほうが上のように思います。シマノはしっかりと事前に調整が必要です。

 

話を戻しますが、ストレートプルスポークのハブを扱う注意点はハブの計測が大切です。どんなハブでも計測が一番気を使うところですがスポークオフセット値をしっかり測ることです。

スポークオフセットについてはDTswiss、wheelproのスポーク長計算ソフトでも図解で説明していますので参考にされると良いと思います。

このホイールは左右スポークのテンション差が少なく、リム高が高いので空力と剛性が期待できます。おまけに非常に安価です。最高です。

漕ぎ出しは重量があるため少し重い走りですがスピードに乗ってしまいますと足を休めることができるホイールです。コスパが良くてよく走るホイールに蘇りました。

36mm高カーボンホイールの受注

アルミリムホイールをご注文いただきました方より再度のご注文です。カーボンホイールは以前よりご興味いただいていました。私も次のホイールはカーボンホイールをお願いしますとお勧めしていました。

36mm高28mm幅カーボンリム使用

36mm高のほかに軽量ホイールありますかとご質問いただき25mm高があることをご説明いたしました。25mm高は登りメインの方に良いことをお知らせしましたところ最終的には36mm高に決められました。

前輪 632g
スポークテンションは均一です
サピムCXRAY使用
後輪 830g
スポークテンションは均一です

後輪右コンペティション左CXRAY使用、36mm高リムはオールラウンドホイールとして優れています。重量は1500gを切っています。登りによく平地でも空力を享受できるホイールです。もう少し高い46mm、56mmもあります。空力重視ならば高めのホイールが良いでしょう。

穴のないリムで作っています。

リムは穴なしリムで作っています。このためリムテープが不要です。テープ代は結構嵩むものです。

 

剛性も穴アリと穴なしとでは違うと思います。ゾンダが穴なしのアルミリムです。ロープロファイルのリムですが評価が高いのはこの穴なしリムだから剛性が高いと推察します。穴をあけると軽くなりますが強度を高めるには穴がないほうが高いと思うのです。残念ながらエビデンスは持っていませんが普通に考えたらそうなると思います。

超軽量カーボンホイールのレビューをいただきました

超軽量ディスクカーボンホイールのご注文いただきました記事を書きましたがレビューをいただきました。生の声をお聞かせいただきました。お客様よりブログ掲載の許可を得ました。とても参考になると思います。

 

お客様とは何度もメールでやりとりを行いました。沢山ご質問をいただきました。こういう疑問があるのかと私もお調べすることで知識を深めることができたと思います。言わばお客様との合作ホイールです。お互いに意見を出し合って組み立てましたホイールです。

以下インプレ内容です。

ようやく、試走出来ましたので感想をご連絡できます。

重量

シマノ6穴のディスクアダプターを着けまして同じ条件で比較したところ、これまでのアルミとほぼ同じ重量です。アダプターを他社の軽いモノにすれば、少しばかり軽くなるかなといったところです。

タイヤはチューブレス25ですので、23のクリンチャーとほぼ同じ重さです。

重量では、重くならないことがターゲットでしたので、成功です。

ハブはバイテックスの方が、重いので合計の回転モーメントは軽くかなったことになります。

 

マウント

チューブレスは初めてで心配でしたが、リムテープ無しで、キツキツなくらいでしたので、普通のポンプでやさしくビードが乗りました。この恩恵は、整備性の面で大きなことだと思います。

25のコンチネンタルグランプリ5000TLをはめて、微かにリム幅がはみ出る感じです、105%にちかいと思います。

 

ハブの品位

ディスクブレーキハブは、メーカーでは違いがありえるので、キャリパー位置調整が必要と思いましたが、これまでのノバテックハブの位置で差し障りなくばっちりでした。

ホイールを入れ替えるごとにキャリパーを動かすわけにはいきません。

 

フロントのスペーサーの、構造がすぐ抜けて、外れてしまうのは正直に嫌です。フロントはよく外しますので余計に。

ただ、12スルーとのコンバージョンを考えるといた仕方ないかなと思います。

リアフリーは齧り防止が施してあり、良いです。

ラチェットもかっちりしています。

 

走行感

タイヤの、空気圧は荷重に、合わせて前4.5後ろ5.5です。

ほどほどの柔らかさと、抵抗の、バランスです。まだ下げられるかもです。

 

走り出しが軽いです。

片足を地面から離しただけで転がりはじめるような、感じのうえ、踏んだ分にきっちり反応して加速度を感じます。

28スポーク、コンペ、カーボンが全て協力していると思います。

今まで、バイク本来の能力を封印してしまっていたのか、悔やまれるくらいです。

 

平坦では、25キロ位はただ足を回しているだけで、意識して漕がずでも維持できる感じですし、少し踏めば、楽に35キロくらい維持できます。

乗った速度は落ちません。きんとん雲に乗った気分です。

 

立ち漕ぎは、以前ですとロスが大きくてやる気にならなかったですが、こちらは漕いだ分加速しますので、立ち漕ぎが楽しいです。やはり、ロスがあるのは体で感じるものですね。

 

ハンドリング

フレームの要素が大きいですが、以前のクリンチャーアルミがふらふらですが、それより少しばかり安定しましたがそれほど変わりません。

初めてなので驚きは横風にかなり煽られることです。油断禁止です。

 

走行音

薄い作りのカーボンだけにかなりします、速度が高いとゴーゴーいいますが、玄人になった気分になります。

 

見た目

ファットチューブの、フレームに合わさって、黒艶でキマッタって感じです。

プロリムの塗装ではない仕上がりが活きています。

 

ご相談できて材料の選択から、スポーク、穴、ハブ色々と、検討でき、組み立ても安心してお任せすることが出来ました。

まさにイメージ通り、希望通りの、大変満足なホイールを得ることができました。

 

以上がお送りいただきましたインプレです。過分なお褒めのお言葉をいただきましたので少しこそばゆい感じがいたします。でもありがたいことです。

今回使用しましたリムはいつも使いますカーボンリムよりはワンランク上のリムを使っています。95㎏までの方という使用制限がありますが通常では問題ありません。軽量化を図るにはとても有効なリムです。少しお高くなりますがグレードの高いホイールを得ることができます。

WH-R501ハブでホイールを組む

シマノのホイールから取り出したハブを使ってのホイール組をご依頼いただきました。ハブはシマノホイールWH-R501から取り出しています。ハブは前輪20h後輪24hのカップアンドコーンでシマノから一般には販売されていません。ホイールから取り出す必要があります。私はリムとスポークを提供します。驚きのアイデアです。一本取られた感があります。

取り出した後輪ハブ 366g
取り出した前輪ハブ 144g

話は少しそれますが、

シマノの低価格ホイールはびっくりの低価格ですがそこはシマノブランドです、他のメーカーではまねができません。よく考えられて作られています。

前回のブログ記事ではマイナス点ばかりを述べましたがよくできたホイールと思います。このホイールは長く楽しめます。分解しても楽しめるホイールはあまりないと思います。

WH-R501 後輪1118g
スポークテンションのばらつきが目立ちます

個人的にはシマノの低下価格ホイールは中級、上級者のトレーニングホイールとして最高ではないかと思います。スポークのテンションを均一になるように調整してスポークテンションのアンバランスから生じる力が逃げにくくなるようにすれば練習用のホイールとして最適です。踏み込んだ力が正しく伝われば重いホイールはよく回ります。重いホイールで練習すれば本番の時の軽いホイールは驚くばかりのパフォーマンスを発揮できるでしょう。シマノの低価格ホイールは設計が良くても作りがすこし雑なので適切なスポークの調整が必要です。これさえやっておけば本当にコスパの良いホイールと思います。

WH-R501前輪861g
スポークテンションのバラつきが目立ちます

違う考え方で、初心者の方には最初に重いホイールをつけて走ると負荷ばかり掛かり自転車とはこんなにしんどいものなのかと思わせてしまいます。初心者こそいいホイールで始めるべきだと思うのです。10万円の自転車でスタートしてもついているホイールは新品ですぐに売りに出すことです。そしてゾンダ、レー3を買って自転車を始めれば自転車の良さがよくわかると思うのです。タイヤ、ホイールは一番大切と考えます。

さて、本題です。

使うリムはキンリンのXR22T/RTです。24mm幅のワイドリムですチューブレスレディーリムですのでテープを貼り、チューブレスタイヤとバルブを用意すればチューブレスホイールとして使用できます。

組みあがり後 後輪989g
右Race左Laser 2クロス組
スポークテンションが均一です
前輪組みあがり730g
Laserスポークをラジアル組で
スポークテンションが均一です

このリムは440g前後の軽量リムです。剛性はしっかり確保でき、外周部を軽量化できる優秀なリムと思います。おまけにチューブレスレディーですのでこれからはこのリムでしょう。

ご依頼主の体重を伺いますと前輪20h後輪24hで対応できます。スポークは前輪をサピムのLaser、後輪左をLaser、後輪右をサピムのRaceにしています。

Laserはねじれ易いので扱いが難しいスポークですが性能は非常に優秀です。最強スポークといわれるCX-RAYスポークの扁平前のスポークがLaserですので強度は十分といえます。

後輪右ドライブ側にはスポークの太さを変えて剛性を高めています。

ホイールの剛性はリムの剛性+スポークの総面積に比例しますので右側のスポークを太くすることは有効な方法と思います。

後輪リムはオフセットリムです。ハブの11速化に対応するためにはとてもよい手法です。リムは3mm中心部より非ドライブ側(左側)に寄っていることで左側のスポークテンションが10%ほど上がります。後輪スポークの左右テンションバランスが良くなり駆動ロスが減じられます。

3mmずれることの効果は非常に大きいです。2:1組などの特殊な組み方をすることなく左テンションを上げることができます。おまけに24スポークの半分、12本がプルスポークとして働きますので有効です。デザイン的にはオーソドックスで地味な組み方ですが十分力を発揮します。

組みあがったスポークのテンション比率は66:100で左スポークは非常に高いテンションで組めています。比率は以前購入のゾンダより良い比率です。駆動ロスが少ない掛かりの良いホイールに仕上がりました。

前輪は862gから730gに、後輪は1118gから989gへ軽量化できています。

前後では1979gから1719gに260gの軽量化です。

ショックアブソーバーの働きをするLaserスポークを使ったホイールはチューブレスホイールとしても使えます。おまけにハブの重量は少しありますがシマノのカップアンドコーンハブです。丈夫さとメンテナンスが楽なのは過去のシマノハブで証明済です。デザインは地味ですが価格、性能を考えますと素晴らしい変身であることははっきり言えます。

前輪46mm高、後輪56mm高カーボンホイールのご注文

アルミリムホイールXR31T・RT、24・28hホイールをお使い頂いていましたお客様よりカーボンホイールのご注文をいただきました。リピートオーダーのお客様です。

前輪46mm高 456g 穴なし
後輪56mm高 489g 穴なし

ご指定いただきましたリム高リム幅は前輪が46mm高20h、後輪は56mm高24hで2:1組です。前輪後輪の高さを変えて乗り心地と空力の配慮をされた組み合わせです。

ハブもよく考えておられます。前輪はミケハブの20hです。台湾ハブよりは少し重いのですがベアリングが6001と大きいので安定感があります。ベアリング取り換えも楽なハブです。何より頑丈なところがいいです。

後輪はBITEXハブのBX301を使います。2:1組専用の24hハブでストレイトプルスポークが必要です。フリーの爪は6個ありアンチバイトガードがついていますのでスプロケットのかみつきを防止できます。価格も値ごろ感のある良いハブです。

 

リム、ハブをご指定されての作製です。言わば黒帯の方よりご注文いただきました。

きれいで存在感あります

カーボンリムは一般的なUD仕上げではありません。カーボンの網目がはっきりわかり存在感は驚くばかりです。白色のシールもご指定です。どこのメーカーなのだろうと目立つことは必至です。

 

ホイール作製に於きましてはスポークのテンション均一化を十分行い振れを最小にします。8:16の後輪はスポークの長さを決めるのにjベントのハブよりも長さの決定には注意が必要です。

どちらのハブもサイズの計測はしっかりと行わないといけないのですがストレイトプルスポークではスポークオフセットの数値がどのくらいあるのかを正しく測らないと正しい数値は出ません。スポークの伸びも計算の中に入れる必要があります。

前輪 702g
前輪スポークテンショングラフ
ミケハブ CXRAY使用

前輪

リム 46mm高28mm幅 460g

スポーク サピムCXRAY

ニップル DT SqourxPro ブラス黒

ハブ ミケ 20h

重量 702g

後輪 889g
後輪 スポークテンショングラフ
8:16組 コンペティション黒

後輪

リム 56mm高30mm幅 490g

スポークDTコンペティション ストレイトプルスポーク黒

ニップル DT SqourxPro ブラス黒

ハブ BITEX BX301 8:16組専用

重量 889g

 

出来上がりましたホイールは前後1591gです。乗り手よし、見た目よし、走りよし、三方よしで最高です。

ロングライドに適した32hホイールのご注文

ブルべ200kmなどロングライドの大会に参加される方よりご依頼いただきました。オーナー様は重量にはこだわらないので安心安全のホイールをご希望でした。

リム、ハブはお持ち込みです。リムはアラヤのAR713、ハブはシマノのティアグラハブです。ともに32穴用です。スポーク、ニップルは私が提案しました。

部品お持ち込み
アラヤ AR713

 

ロングライドになりますと安心安全のホイールが必要です。スポークがトラブルで折れても無事に帰れるホイールです。また疲れにくいホイールということも必要です。

 

ホイールは地面からの振動を伝えます。ダイレクトにハンドルへ振動が伝わりますと長時間乗っている間に手がだるくなりハンドリングにも影響してきます。

 

このようなマイナス要因を避けるにはホイールを選択することで疲れを防ぐことができます。ご意見はいろいろとあると思いますが一般的にはスポークが多いとスポークが地面からの振動を吸収してくれます。おまけにホイールは長持ちします。

スポークテンションを下げて調整するということではありません。スポークテンションはしっかりと100kgfはキープする必要があります。

 

ショックアブソーバーの役割として最適なスポークは中心部の細いスポークです。サピムでは1.5mmのLaser、DTではレボリューションの2点があげられます。2mmのストーレートになりますと剛性が高くなりすぎて少し不向きと思われます。中間の1.8mmスポーク、サピムRaceやDTコンペティションはオールマイティのスポークとしてお勧めです。ねじれにくく扱いやすいスポークです。

今回はLaserを提案いたしました。オーナー様の体重は60㎏台ですので32本のスポークは細くても十分対応できます。

 

お客様に前輪左右はLaser、後輪は左にLaser右にコンペティションと右側のドライブ側に剛性を上げる目的でコンペティションをお勧めいたしました。

提案をご了解いただきまして完成しましたのが写真の通りです。各スポークテンションはできるだけ均一になるようにして振れは最小にしています。完璧に納めることはできませんができるだけ近づくようにしています。ホイール仕上げのコツはこの2点が要です。

他にもいろいろと細かいお作法がありますがこの2つを押さえればいいのです。

 

あるお客様が「ホイール組初心者には希望を与え、ホイール組経験者には絶望を与えるチャート」と言っていただいていますこのグラフを参考にしてください。

 

数をこなす経験が必要ですがホイール作りは楽しいです。性能、出来栄えには差がありますが出来上がればうれしいものです。道具や時間の節約にはご一報いただければ幸いです。

前輪836g
前輪スポークテンショングラフ
前輪 左右Laser 3クロス組
後輪1080g
後輪スポークテンショングラフ
左Laser右コンペティション 3クロス組

出来上がりました。お受け取り後のご連絡にはインプレ送りますとのことでした。

とても楽しみにしています。

チューブラーホイールのインプレお送りいただきました

マビックのオープンプロ・チューブラーリムを使ったホイールの記事を書きました。

オーナー様よりインプレいただきました。ブログ掲載の承諾をいただきましたのでご紹介いたします。

マビック チューブラーホイール
後輪スポークテンショングラフ
マビック チューブラーホイール
前輪スポークテンショングラフ

チューブラーホイールは現時点ではカーボンホイール販売されているだけで完組ではなかなか手に入れることはできません。チューブラーホイールを試すには手組しかありませんがこのチューブラーホイールの良さを知ってしまいますとなかなかクリンチャーに変えることができません。

 

ホイールの宣伝になりますがチューブラーホイールを知っていただくうえでとても参考になります。以下いただきましたインプレです。

 

ある程度、乗ることができたので感想を書きます。

まず、最初に乗った時に「自分に合っている」ということを強く感じました。同じものをもう1セット作ってもらおうかな?と思ったほどです。それは、「力を逃さずに前に進んでくれるホイール」だからです。

特に感じるのが、ギアを大きくした時です。力がそのままスピードになるのがよく分かります。提案してくださったスポークが効いていると思います。乗っていて、すごく楽しいです。

このホイールの良さはそれだけではありません。次に、「長い距離を乗っても疲れが残らない」というのもこのホイールの良さです。疲れが残らないからこそ、毎日乗りたいと思えます。

疲れが残らないホイールになるのは、スポークテンションのバランスが良いからだと思います。スポークテンションが均一で(グラフを見てびっくりしました。機械でもここまで精度が高いホイールを作るのは難しいと思います。)乗り心地が抜群に良いです。

乗り心地において、32Hの手組とチューブラーは最高の組み合わせだと思っています。このような素晴らしいホイールを作ってくださり、ありがとうございました。これから暖かい日が続き、自転車乗りのシーズンです。しばらく乗り続けたら、また感想をお送りします。

最初の打ち合わせの時はスポークはDTのチャンピオン(2.0mm)でした。しかし剛性が強すぎるのでバテッドスポークのコンペティション(2.0/1.8/2.0mm)をお勧めしました。結果的にはこちらのほうが良かったようです。手組ホイールはいろいろな組み合わせができるのでお勧めしました。

チューブラーホイールはリムにタイヤを貼り付けるのですが貼り付ける方法として接着剤とテープを使う方法があります。本格的には接着剤ですがミヤタテープを使うと手軽にできます。私はテープ派です。ロングライドでのパンク修理にはテープでやれば簡単です。10分もあればパンクは直せます。クリンチャーよりも早くできます。チューブラーホイールのハードルは高くないです。

インダストリー9ハブを使ってカーボンホイールを作製

DTのRR411リムを使ったホイールを以前ご依頼いただきましたお客様よりディスクカーボンホイールのご注文をいただきました。

 

お客様は懇意にされているショップにハブを注文されていましたがホイールの作製はショップを超えて私のほうにご注文です。今まで何度も書いていますがリピートオーダーは本当に嬉しい限りです。

 

使用リムは36mm高28mm幅のカーボンリムで私のほうでは定番の穴なしリムです。前後ともに24hです。

I9 Torch 24h  112g
I9 Torch 24h 252g

ハブはインダストリー9のディスクハブです。入荷に3か月かかったそうです。今世界中で自転車部品は欠品が多く皆さん難儀されています。いろんな国のホイールビルダーさんのホームページを見ますとどのショップも部品が欠品していることを書かれています。それだけ自転車に対して見直されているということなのかもしれません。

 

さてこのインダストリー9のハブは新しい自転車が買えてしまうくらいの高価なハブです。見るからに存在感があります。高額のハブをお預かりしましたが少し緊張します。

 

このオーナー様はバイクフレームにあわせてハブの色を決められました。スポークはコンペティション黒で作ります。敢えてCX-RAYを使わないところに自転車に対するこだわりを感じます。

 

一般的には黒一色のホイールがほとんどですのでハブをフレームと同色にされるとオリジナル感が出てとてもいいなと思います。重量も前輪681g後輪816g前後1497gと非常に軽量です。リム重量は400gほどですので外周部はとても軽く36mmのリム高ですので空力も期待できます。平地にも登りにも対応できまさにオールラウンドホイールといえる仕上がりです。

穴なしリム使用36mm高28mm幅 1497g
前輪681g
前輪スポークテンショングラフ
後輪816g
後輪スポークテンショングラフ

完成しました。ブルーのハブが利いています。とても美しいホイールです。

DTSwiss DICUT PR1400ホイールの組み換え

DTSwissホイールを組み替えるご相談をいただきました。DICUT PR1400ホイールのハブを使ってカーボンホイールの組み換えです。このホイールの組み換えはこれで2回目です。

穴アリリム36mm高です
前輪670g
前輪スポークテンショングラフ
後輪811g
後輪スポークテンショングラフ
後輪ハブ ドライブ側 1クロス組
後輪ハブ 非ドライブ側 1クロス組
前輪 ラジアル組

ストレイトプルスポークを使ったDT240ハブですが一般に販売されているハブとは違う形状です。前輪は20hラジアル組、後輪は24h1クロス組です。後輪ハブは特殊な構造をしています。

ストレイトプルスポーク使用のハブ
DT aero comp® wide t-head

スポークはDTAero compというあまりなじみのないスポークです。ストレイトプルスポークですが頭部分はT-headという形になっています。つまり頭部分を叩いて平らにしてあるスポークです。ハブ内部におさまりが良いように加工してあります。金床でたたいて平らにすればよい話ですがうまく考えたものです。

 

ハブを計測しスポーク長を出しますとスポークをカットすれば新しいカーボンリムに使えます。リムは36mm高ですのでスポークのカットはどのスポークも10mmほどカットすればうまく再利用できます。リム高が46mm高になりますとスポークが使えないのでCX-RAYを使用などほかの方法を考えなければいけませんが今回はそのまま使えます。

ドライブ側でスポークを引っ掛けています

このホイールの後輪ハブはスポークをハブのドライブ側でスポークの頭をハブフランジに引っ掛けて使う方法を取っています。特殊な構造です。通常はハブにスポークを通すのですがこのハブではスポークの頭をハブフランジに引っ掻けます。通常のハブのようにスポークをハブフランジ穴に通す方法ではないこのハブの方式はは作業効率の良い方法です。しかしリムが穴なしリムの場合これが最大の難所となりました。

 

詳しい説明は割愛しますがとても難しいハブであることには違いありません。穴ありリムの場合にはこのハブを使うと簡単に出来上がります。とてもよく考えられたハブと感心いたしました。

 

仮組みには時間はかかりますがゆっくりと一つ一つスポークを通していけば組みあがります。あとはスポークテンションを上げていきます。カーボンリムの場合精度が高いので均等にニップルを回していけば割と楽に仕上がります。

スポークはDTAero Compという私には初めてでなじみのないスポークです。規格では1.2mmの厚みの扁平スポークということなのでスポークテンションの交換表でテンションの数値がわかるのですが念のためテンション校正器で調べることにしました。120kgfで0.35mmという値ですのでほぼ正確に測れることが分かりました。

 

リムメーカーのスポークテンション推奨値は120~130kgfです。メーカーの勧める値に仕上げます。なじみだしは3回行いました。最終のなじみだし後はほとんどスポークテンションの変化はありません。我ながらよくできたと思っています。お客様のレビューを楽しみにしています。