ホイール作製依頼を受けました

私の作ったホイールの実力を調べていただいたAクラスシクロ選手より再度ホイールの作製依頼されました。

リム、スポークは選手から私のほうへ送られました。当方はハブ、ニップルの手持ちがありましたのでこれを使うという方法です。私はハブ、ニップルの部品代と手間代4000円をいただきます。

 

お互いの持ち物を出し合ってホイールを仕上げています。

ホイールの設計は選手のほうからいただきました。私はアドバイス的な立場です。

 

リムはメカニコのリムが送られてきました。

フロント AL24F 20h  センターホールリム 439g

リア   AL24R 24h  オフセットリム  454g

 

スポークはフロントDTチャンピオン2.0mm

リア 左DTコンペティション2.0/1.8/2.0mm

リア 右DTチャンピオン2.0mm

 

組み方は フロント 2クロス

リア 左 3クロス 右2クロス

フロント 2クロス組
リア 右D側2クロス 左ND側3クロス

ホイールの剛性は主にリムの剛性とスポークの総面積できまります。スポークが太くなると剛性も高くなるということです。

ご注文のホイールは20/24hの少スポークのホイールです。シクロ用として高い剛性を得るために設計されています。通常シクロではフロント24hを使いますので今回の20hでは剛性高めるためにより太いスポークを使っています。

前輪スポーク20本で2クロス組はあまり見ない組み方です。通常はラジアル組です。しかし2クロス組により横剛性を高めるとともにクッション性もよくなるということで計画されました。私も前輪20hの2クロス組は姿が好きでよく使います。

 

手組ホイールはこのように自在にスポークを変えることができますので好みの剛性に仕上げることができます。

フロント 679g
リア 872g

重量もフロント679g、リア872g、前後あわせて1551gで仕上がりました。非常に軽量です。ゾンダクラスの重量ですがチューブレス対応ということで価格、メンテのしやすさではこちらのほうが優れています。性能面ではまたリポートいただけると思います。おそらく負けていないでしょう。

フロントテンショングラフ

リアテンショングラフ

スポークテンションも前輪115kgf、後輪右124kgf左73kgfとしっかりスポークテンションも取れています。チューブレスタイヤをインストールしてテンションダウンしますが15%下がっても十分テンションは維持できます。

チューブレス用のテープを貼ってチューブレスホイールとして今期シーズンのシクロレースに挑まれるようです。

手組ホイールも面白そうだと思われる方ご興味あれば連絡お待ちいたします。

カーボンホイールのご注文いただきました

ホイール既に2セットお買い上げの方、リピーターの方です。超軽量のカーボンホイールをご注文いただきました。仕様はこのようになっています。

前後1208g 超軽量カーボンリム使用チューブラーホイール  シマノ10/11速兼用

前輪

リム  LightBicycle  幅25mmx深さ25mm  20h

ハブ  ノバテック ストレイトプル 20h

スポーク サピム Lazer    ラジアル組

ニップル  アルミ

重量  496g

後輪

リム  LightBicycle  幅25mmx深さ25mm  24h

ハブ  ノバテック ストレイトプル   24h シマノ10/11速兼用

スポーク  左DT コンペティション 左右2クロス

ニップル  アルミ

重量   712g

 

タイヤ取り付での注意事項を教えてほしいと連絡いたしました。

以下連絡の詳細です。

 

タイヤですがコンチネンタルのタイヤでは、コンペティションやガータスキンが有名ですがどちらもはめにくいです。性能は確かですがはめるのにとても力が要ります。ヴィットリア、ヴェロフレックスのほうがはめるのは楽ですね。

 

ちょっと節約するのに前だけ高級タイヤにして後ろは練習用にする方法があります。ハンドリングでは前輪が重要ですので前をいいタイヤにするのです。私はレースに出ないので常に練習用にしています。

 

残念ですがタイヤは使い捨てです。しかし日本の道路事情ではそんなにパンクはしないものです。

最初ミヤタのテープを使わずにタイヤをはめてみて慣れたら本番にすれば良いでしょう。

チューブラーにすればまた違う感じで驚かれるでしょう。

 

ブレーキについての問い合わせがありました。以下詳細です。

 

ブレーキシューはカーボンリム専用にしてください。アルミリムと併用できるシューがありますがこれはお勧めできません。

私はコリマのコルクパッドを使っていました。おススメです。ちょっと高いのですがカーボンリムを痛めません。

 

シマノのブレーキシューを別に購入してコリマのパッドを入れたものを用意して取り換えていました。面倒ですがカーボンリムを守るのに必要です。

 

超軽量チューブラーホイールを経験されたらまたホイールの楽しみが増えると思います。インプレを期待しています。

ホイールのご注文いただきました

このブログを読んで興味をもたれた方よりホイールをご発注いただきました。

品物は私のほうから提案いたしました。写真で案内します。キンリンの24mmワイドリムを使っています。私のお気に入りホイールです。

前輪

リム  キンリン  XR31T  20h

ハブ  ノバテックA291SB 20h

スポーク サピムCX-RAY  黒    ラジアル組

ニップル  アルミ

重量  671g

前輪 671g

後輪

リム  キンリン  XR-31RT   3mm オフセット  24h

ハブ  ノバテック F482SB-11   シマノ10速11速兼用

スポーク  サピムCX-RAY  黒  左右2クロス組

ニップル  アルミ

重量   861g

後輪 861g

前後1532g

 

私からいいですよと書くのはちょっと厚かましいですがこのリムを使ったホイールはお勧めいたします。オールラウンドに使用できます。

以下詳細です。

★PROS

*リムが容易に手に入る

*フロント20,24,28,32h リアオフセット24,28,32hと種類が多い

*ワイドリムでワイドタイヤと組み合わせ転がり抵抗を低減する

*リム重量は500g前後で特別軽くはありませんが高い剛性を得ることができる

*後輪をオフセットリムで作ることができ左スポークテンションの高いホイールが出来る

*難しい組み方をしなくてもよい

*チューブレスレディーでリムテープの接着面が滑らかでテープ貼りが楽

*チューブレスタイヤとの相性がいい

*汎用部品を使うので修理がしやすい

CONS

*地味、特別感がない

 

このリムを使った手組ホイールはそんなに見た目は特別な感じにはなりませんが走りはキリっとしています。また地味なところが逆にいいという人もおられます。

リム幅24mmリムハイト31mmのため剛性が高く空力の良さを発揮しています。硬めのホイールがお好きな方にはいいと思います。

 

ご購入のお客様は自転車のブログを書かれています。このホイールを使って38kmほどの一定コースを走りトレーニングの成果を記していくと連絡いただきました。どんな計測方法でどのような結果が出るのか楽しみです。

32hのホイールを依頼されました③

スポークテンションのグラフ化についてお話します。

超ベテランの方から32hホイールを組む注文をいただきました。ハブはシマノDuraハブHB7700、FH7700の前後セットです。ハブは持ち込みで私のほうはリムとスポークを用意するという注文です。

納品の際スポークテンションのグラフを添えて納品いたしました。

このグラフはとても説得力があったようです。素晴らしいと唸っていただきました。私にとっては覚書のような位置づけのものでしたが喜んでいただけたようです。

 

ホイールの作製において振れ取りは一番大切な作業です。通常は振れを取りなじみだしを行えば作業は終わりです。ここで一番大切なことはスポークのテンションができるだけ均一になるように調整されているかが問題です。この作業を怠るとスポークが折れたり、スポークが伸びる原因となります。長く乗っていると必ず出る振れがとても早く出る原因となります。

 

私は縦、横の振れ取りによる振れの最小化+スポークテンションの均一化、この2つを視覚化して行っています。

これが技術といえば技術なんですがビルダーとしてそんなに長い経験もない私がわりと早く高精度に仕上げれるようになれたもとになっています。

グラフ化し、データを可視化することのよりどのくらいニップルを回せばいいかと逆に計算ができます。

 

神の手を持たないビルダーが最良の結果を出す方法としてスポークテンションの可視化が一番と思っています。

『手組ホイール』をキーワードにいろいろな方のブログを読みますとJベントスポークのホイールはスポークが折れやすいとJベントスポークホイールをけなしておられるブログに当たりました。ホイールはストレートスポークでないと折れる欠点があると言っている人のブログでした。

私はこの方の意見にはあまり賛成できません。スポーク折れトラブルのほとんどがスポークテンションの不一致が原因と考えています。要は組み方が下手、もしくは手抜きではないでしょうか。経年劣化でない限り折れの原因はスポークテンションにあると思います。上手に組めばなかなか折るものではありません。

こんなことからもスポークテンションのグラフ化は有力なツールといえます。

32hのホイールを依頼されました②

DuraハブHB7700,FH7700を使ってホイールが完成しました。

超ベテランの方からの依頼です。少し気合が入っています。

 

ハブデータは実測しました。

デジタルハイト計で計測

理論値の後輪スポークテンション比率は66:100で左が高い数値です。スポークが32本ありテンション比率もいい数値です。駆動ロスが少なく長時間乗っても疲れにくいホイールに仕上がります。

後輪用 オフセットリム 447g
前輪用 417g

リムはDTのRR411を使いました。チューブレス対応のリムで後輪はオフセットリムです。420~450gの重量はアルミリムでは剛性を得るにはこのぐらいの重量が必要と考えます。キンリンのXR200などを使うともっと軽くできますがあえてこのリムをお勧めしました。チューブレス+オフセットのメリットは大きいです。

前後ともに3クロス組
前輪 711g
後輪 989g
前輪 3クロス組
後輪 3クロス組

 

王道の3クロス組です。スポークテンショングラフは以下の通りです。出来るだけ振れを取りながら各スポークのテンションを均一にする。簡単に言えばこれにつきます。

 

昨日完成しましたが1日おいて再調整しました。実際一日置くとスポークのテンションが少しですが落ちていました。またテンションを上げて仕上がりです。

このハブ使ったホイールは美しい。私も欲しいです。

O様より応援メールいただきました

ヤフオクに出品していました私のホイールに興味を持っていただいた方より励ましのメールをいただきました。許可をいただいていますのでこのブログに掲載いたします。応援していただいてありがたいです。

広いスペースに保管されています。以下全文です。

 

以前ホイールを2セット購入したOです。
色々とお世話になりました。

私のような素人目線からの素直な感想を見て多少の参考になる方が居ればと思って書かせて頂きますね。

高校生の時のロードバイクは、ミヤタのフルアルミ製10万位の14段のWレバー。ホイールは、格安手組みに練習用の千円程度のチューブラー仕様でした。
44歳になり、昔の良き思い出だけを頼りに再びロードバイクを中古購入するが、あまりの違いに愕然としました。アルミフレームですけど、フォークはカーボンなのにガチガチな乗り心地で手も痺れて軽快さが無い!歳のせいか、思い出が美化され過ぎてるのか???
ホイールは、フルクラムレーシングクワトロに
コンチネンタルグランプリ4000SⅡです。
雑誌やネットで調べて悩み続ける日々でした。
ホイールやタイヤで走行性能が大幅に変わるとの情報が多く、フルクラムレーシング3で検討してました。軽さは大事で、後悔したくないならレーシングゼロ!って意見も多いけど価格も…
ふと、高校時代からの友人がシマノに勤めている事を思い出し早速相談しました。
そもそも手組みの良さを知ってる人に完組みは、ガチガチでお勧めしない事や今の世の中チューブラーでは無い事も初めて知りました(汗)

軽さを求めたホイールは、速度維持するのに大変な事やハブとリムのバランス、慣性の説明も聞き軽さ神話は脆くも崩れ落ちました。
何気にヤフオクで物色してると、ただならぬ違う匂いの出品者に心寄せられました(笑)
測定器の校正をしてるのは、ただのヤフオクの出品者では無いなとすぐ分かりましたね(笑)
売ってしまえば終わりと考えるなら、超軽量ホイールにして目を引けば簡単ですがそうじゃない所が流石だと思いました。
ブログを一通り読ませて頂き、体重や使用目的をお伝えして、要望はチューブレスにする事と、オリジナリティを出したいのでスポークをアクセントに少しカラー化したいと伝えました。

装着したタイヤは、IRCのフォーミュラプロのライトです。
走行してみると、振動吸収性はタイヤ要因もありますが明らかに良く手がしびれ無くなりました。漕ぎ出しでは元々ガツガツ踏まないので驚く程軽くは無いですが、少し走りだすと速度は明らかに出てます。ペダルを止めても速度を維持し続ける回転力も凄く向上しています。

乗るのが楽しくなり、乗る機会がとても増えて楽しいです。
20キロ~27キロの速度しか出さない子供でも、違いはすぐ分かるようで、お試しで貸しただけなのにあまりに欲しがったので、2セット目も注文しました。子供に勿体無いと妻は言いましたが、せっかくロードに乗るなら本当の良さや楽しさももっと知って欲しいと思いました。私自身が高校の時に手組みチューブラーの良さを知って存分に楽しんだ思い出があるから余計そう思いました。
自分のホイールのタイヤは自分で装着しましたが、手が腫れる程辛かったので息子のホイールを注文した際にはタイヤ付きで購入させて頂いたのは言うまでもありません(笑)
IRCさんのホームページのタイヤ装着動画は簡単そうに付けてますが、自転車屋で聞けばあんな簡単に付けれないメーカーだよ!との事でした…

シーラントの運用ですが、私のホイールでは無しで使っております。基本的に乗る度に空気入れるタイプなので数日大丈夫なら気にしません。息子のホイールは、同じリムを使用してますがシーラントを使用して使っています。出先でのトラブルに対処出来ないからもあります。

サイクルイベントに行っても、同じ仕様にまず会わないですし、お勧めします。
遠方からの注文でしたが、下手な自転車に触られたくないのでアフターまでお任せ出来るので安心ですよ♪
良く無ければ子供のホイールまで再び買いませんからね。
ハイアマチュアレベルでの感想もありましたが、私のような素人でも性能的にもデザイン(見映え)も大満足です☆素人が体感出来るってのは、それだけ変化が大きいのだと思います。
写真も添付しておくので良かったら使って下さい♪

お父さんのバイクです。 グリーンスポークをアクセントにしています。

息子さんのバイクです。 グリーンのスポークで作製。

32hのホイールを依頼されました

超ベテランの方よりホイール組みの依頼を受けました。ちょっと緊張します。

クロモリロード、アルミロード、カーボンロードと3台のロードバイクで月1000kmを走る方です。私なんか足元にも及ばない自転車歴です。

シマノDuraハブ7700の32hハブを前後で持っているのでホイールを提案してほしいとのことです。

軽いリム

チューブレス

タイヤは23c

という条件でした。

オーソドックスに前後を3クロスのド定番を勧めました。リムはDTのRR411のリムを使います。これならリアはオフセットリムなのでリム左側NDSのスポークテンションを高くできます。またチューブレスレディーですので依頼された条件にぴったりでした。

理由は今までのブログにも書きましたが、長時間のライドに疲れにくく、後輪のスポークは1:1組でもリムのオフセットとハブ自体のセンターオフセットが少ないハブで左側スポークを高くとることができます。

 

見た目は地味な仕上がりですがホイールはパワーロスの少ないホイールに仕上がります。

リム重量も430g~450g前後で軽量リムといえます。チューブレスレディーですのでクリンチャーとしても使えます。

 

ハブが届きましたので実測してみます。ハイトゲージで測りました。

後輪左右3クロスで組むとしてスポークテンション比率を出しますと                左66:右100 となります。

左がとても高い数値です。この数値ならオーソドックスな組み方が最適です。

左右16本で組むということはスポークの負担を少なくして組むことができます。

 

多スポークホイールの長所を生かしながら軽量化を図るためスポークは前輪を軽量スポークで仕上げ後輪は剛性を高めるために少し太いスポークを選択します。

 

このようなスポークの選択で組みたいと思います。

ホールのご注文

ハイアマチュアの方よりホイールをご注文いただきました。

私の作ったホイールに関しての適格な感想をしていただく方です。FTP300Wのパワーをお持ちの方ですので微妙な感覚がお分かりになるのでしょう。私にはこの方ほどの力がないのでとてもありがたいご意見です。

 

さてご注文の内容はリム、スポークの材料は私のところに送っていただき私が組み立てるやり方です。

 

リムは後輪オフセットリムです。重要は460gほどで軽すぎず重すぎずのリムです。

前後ともに28h

 

前輪 スポーク コンペティション 2.0/1.8/2.0mm 3クロス

ハブ TNIエヴォリューション・ライト 28h

重量 708g

後輪 スポーク   右 チャンピオン 2.0mm 3クロス

左 CX-RAY  3クロス

ハブ  ノヴァテック F482 SB-11 28h

重量 909g

シクロ選手のご希望はご自身のパワーに耐えるホイールです。このためあえて太いスポークを選択しています。軽さではなく剛性です。もちろん軽さは優先しますが漕ぐ力に耐えうる剛性が必要です。ホイールスポークの引っ張り剛性はスポークの太さに比例します。このため後輪右スポークは2.0mmの太さを選択です。スポークの太さを前輪、後輪の場所に応じて変え、軽さと強さが両立するようにしています。すべてこの選手のアイデアです。

前後 1617g

私の出番は正確に狂いの出ないように作り組むことです。しっかりとストレスリリーブを行いました。リムの剛性が高いのか縦、横±0.1㎜で納めることができました。

試走された結果をうかがうのが楽しみです。