MTBダートジャンプホイールの作製

シクロ選手の方からMTBダートジャンプホイールの作製依頼がありました。

もう長いお付き合いとなります。何セットもご注文いただいていますお客様です。組み上げに評価をいただいていると思っています。

TNI ED30リム 496g
前輪ハブ 163g エンドキャップは取り換えできます

今回はTNIリムとシルバーハブをお送りいただきました。スポーク、ニップルはこちらで用意します。ダートジャンプホイールの前輪はブレーキがないと伺いました。通常の32Hのフロントハブです。エンドキャップが取り換えできるタイプのハブです。

スポークはいろいろスポークの提案をしました結果コンペティション黒に決まりました。ニップルは12mmのニップルにしています。リム内の中央部が浅いので長いニップルは使えません。このようにリムの高さがない場合ニップルの長さを考えないといけません。後ろから締めることもできるダブルスクエアタイプは便利なニップルですがこのようなリムに深さがないタイプには使えないので注意が必要です。

前輪ホイール 883g
リムベッドは浅いタイプのリムです 長いニップルは使えません
3クロス組

組み方は3クロスで組みました。リム径が650タイプのリムでスポーク長が短くなります。これはホイールの剛性が高くすることが出来ます。中央部が1.8㎜のスポークで十分剛性が得られます。

スポークテンションを揃えることでトラブルが少なくなります

前輪ホイールは駆動に大きく影響しませんが振れが出にくいホイールにするためにはやはりスポークのテンションを揃えることが大切です。いつものことですが重要なポイントとして作製しています。

Primeホイールをピストホイールに組み替え

ハブとホイールをお送りいただきました。こちらではスポークとニップルを用意してピストホイールのご注文です。

お預かりのホイールです

最近ピストに乗るようになりましたがとても面白いと思います。クランクを回した時はダイレクト感があってロードバイクとは違います。シンプルな構造も気に入っています。

プライムホイールはとてもハイテンションで作られていました。価格を考えますととてもよくできたホイールと思います。しかしメンテはどうするのかを考えて購入されるのが良いかと思います。買った時からメンテは始まりますがなにか不都合なことが起こった時に直せるかが問題です。自転車屋さんに持ちこんでも直してくれないと思っておくのが良いかと思います。自分で直せるか直せる環境があるのなら購入されるのは良いかと思います。しかし昨今の円安ではあまりメリットもないかもしれません。IKANのホイールはアマゾンでも高くなっているので驚いています。安く買ってもメンテが出来なければ心配です。

話題を戻します。

グランコンペのハブ

ハブはグランコンペの両切りハブです。ホイールのスポークテンションは左右同じに仕上がりますのでとても剛性が高いホイールが出来上がります。ピストが面白いのはこれが理由かもしれません。踏み込んだ時の反応は驚きです。

ホイールをばらしました。ストレートプルスポークのハブを使ったホイールです。すべてばらしてリムだけ取り出して組み直します。

スポークはピラーのWING21で組みました。スポーク長を出しますと262mmのスポークです。リムが50mm高です。スポークが短いので太いスポークでなくても剛性の高いホイールが出来上がります。

ニップルがダブルスクエアを使いましたのでテンション調整は後ろからでも締め増しできます。これが出来るニップルは扱い易いので通常の12mm、14mmニップルよりもテンション調整には良いかと思います。少し値段が高いのですがわずかなことなのでお勧めです。

完成しましたピストホイール

完成しました。何度も馴染みだしを行います。一度乗ってから調整するのが一番いい方法ですが遠方のお客様なのでそれもできません。時間をあけて調整する予定です。

トラックホイールのご注文です

ハブとリムをお送りいただき手組ホイールファンではスポークとニップルを用意するというご注文です。

AL31W 493g 31mm高でこの重量は軽量です
ノバテック トラックハブ 前輪20H後輪24H

リムはTNIのAL31Wです。ノバテックのトラックハブでお作りします。

スポーク長はハブとリムを正確に測ることが大切です。使いますスポークはDTコンペティション シルバー、ニップルはピラーのダブルスクエアです。

コスパ、性能をよくお考えいただきお客様が選ばれたスポークでした。とても使いやすいバテッドスポークで中央部がショックアブソーバーの働きをしてくれます。扱い易い優秀なスポークでお勧めです。

最終のホイール部品詳細は次の通りです。

TNI AL31W 前輪20H 後輪24H

ハブ ノバテック トラックハブ

スポーク コンペティション シルバー

ニップル ピラー DSN シルバー

出来上がりのホイール
前輪 ラジアル組
スポークテンションが揃っているので振れが出にくい
後輪 2クロス JIS組
トラックの後輪は左右テンションが同じなので駆動効率は高い

ホイールの作製では出来るだけのスポークテンションの均一化を図り、できるだけ振れを少なくする。何度も馴染みだしを行う。文章にすれば簡単です。これを守って作り上げます。

AL31Wリムはよく走るリムで剛性がとても高いお勧めリムです。ホイールは体重による地面に接している部分は凹んでいます。この連続で前に進むのですが剛性が高いとこの凹みが少ないので駆動ロスは少ないというわけです。アルミリムの中ではトップクラスの剛性です。

力のある方は剛性の高いホイールを選ばれます。重量は大切な選択要因ですがそれ以上に剛性は大切で今回のリム選択は理にかなっています。

ディスクカーボンホイールの作製

何度もご注文いただいていますお客様より紹介いただいたということで新規のお客様よりご連絡いただきました。

ENVEハブ 後輪用232g
ENVEハブ 前輪用124g

初めてのディスクカーボンホイールの作製依頼です。ハブはENVEハブを持ち込みされました。

リムとスポーク、ニップルをこちらで手配いたします。

リピーターのお客様より手組ホイールファンのカーボンホイールを借りられてすでに試乗をされておられますのでホイールの乗り心地などはご理解されています。

リム高あるのに410gは非常に軽い 波打った形が特徴です

ホイールの詳細ですが、リムは28mm幅46.5mm高で波のある特殊なデザインのリムです。空力が良いということでいろいろなメーカーが同タイプのホイールを作っています。因みにこのリムは今年のMt.富士ヒルクライムの優勝者も使用しているとのこと、出来上がりが楽しみですとお客様よりご連絡いただきました。

スポークはサピムのCX-RAYを前輪に、後輪左にもCX-RAY使い、剛性を上げるために後輪ドライブ側にはCX-SPRINTという組み合わせでお作りしました。

バルブの穴が一つあるだけのリムです

リムは穴ナシリムなのでリムテープがいりません。少しの違いですがテープがいるのといらないのでは手間が違います。後々のメンテが楽なことはとても大きな利点です。TNIのリムとかのご指定が無い限りカーボンホイールのご注文はほとんど穴ナシでご注文いただきます。作るのは難しい穴ナシリムですが、使う側にとっては剛性も上がりとても有益なリムと思います。

前輪671g
前輪スポークテンショングラフ
後輪790g
後輪スポークテンショングラフ
リムは空力を考えられて波打っています

出来上がりは前輪671g後輪790g前後1461gとリム高のあるホイールとしましては非常に軽量です。波打った形状は空力を上げるためです。各スポークの張りを出来るだけ均一になるようにして駆動ロスを少なくしています。

お客様の今後に出られるレースにサポートできればいいなと願っています。

MTBホイールのご注文

9月に開催される王滝のレース用としてホイールを新調したいとご連絡いただきました。今までにロード用として3セット、今回のMTB用ホイールで4セット目のお客様です。

シマノハブにスタンスのリムを使いました

リムはお客様がご用意されお送りいただきました。ハブ、スポークはこちらで準備しています。リーズナブルに手に入れた部品を持ち寄って良いホイールを作り上げていきます。

Stans MK4リム 378g

リムはスタンスのCrest MK4に決まりました。27.5規格の軽量リムです。1.5㎜のオフセットがありますのでスポークテンションの左右差を軽減することが出来ます。

ハブはアルテグラグレードのシマノハブを使います。スポークはエアロ効果を期待することはないので丸スポークで提案しています。

前輪はピラーのTB2015 2.2/1.5/2.0mm

後輪左 TB2015 2.2/1.5/2.0mm

後輪右 TB2018 2.2/1.8/2.0mm 

後輪右を少し太くして剛性を上げています。お客様と打ち合わせしましたところ左右を1.8㎜にしますと剛性がありすぎて足が残らないかもしれないということで右側だけ太くして剛性を上げすぎないようにしています。

リムは378gと非常に軽量です。外周部の軽いホイールに仕上がりアップダウンの激しい場面にはとても有利なホイールに仕上がります。

ホイール作製の注意点としまして、穴位置に1.5mmオフセットがありますのでリムの向きには注意が必要です。クランクから伝わる力が減じることなく伝えるにはスポークの張り方はとても重要です。スポークテンションを均一に張ることで駆動ロスを少なくできます。ホイールでは一番大切なところと考えています。

前輪713g
出来るだけスポークテンションを均一に
後輪947g
出来るだけスポークテンションを均一に

シマノハブは重いのですが重いということは剛性が高いということでもあります。大きな力がかかるハブの剛性が高いということは回転のロスが少ないということです。決して重さはマイナス要因ではありません。

MTBホイールについてお客様とご相談しながらハブ、リムを決めました。いろいろと勉強できありがたいことです。

45mm高30mm幅フックレスホイールの作製

FTP280の猛者ライダーさんより以前ブログ記事(23年6月8日)に発表しましたホイールに興味を持たれお問い合わせいただきました。

当初は記事のホイールと同じものということでしたがご希望のリムで作るには別の種類でなければならなく最終的に今回のリムに決定しました。

リムは亀甲柄でつやアリリムです  特注です
フックレスリム

リムは45mm高の軽量リムでリム面には亀甲柄が施されたとても美しい特注リムです。

ハブはノバテックのハブ、スポークは前輪にはサピムのCX-RAY、後輪左CX-RAY、後輪右にはwing21と少し太くして剛性を上げています。

前輪707g
スポークテンションは出来るだけ均一に
後輪843g
スポークテンションは出来るだけ均一に

前輪707g、後輪843g、前後で1550gと軽量です。リムが美しいので存在感がたっぷりのホイールに仕上がりました。

使用部品はすべてが海外調達です。円安なので価格面では影響ありますがブティックブランドのホイールと比べますと1/3の価格で作れますので価格競争力はあります。性能もスポーク調整に時間をかけていますので踏み込んだ力は正しく伝わります。駆動ロスの少ないホイールに仕上がっています。

10速ハブ、AL31W28Hリムで後輪ホイール作製依頼

ご自分でもホイールを組める方よりご注文いただきました。プロに頼んだほうが安心できるといっていただきました。メールでプロと呼んでただきますと少し緊張します。

ご連絡の内容は下記の通りです。

日常使いの後輪を組んでいただきたいです。
10s
28Hを以下の構成で考えています。
ハブ:FH-RS300シルバー
リム:AL31Wまたはxr 31Tオフセット
部材調達からお願いしたいのですが、可能でしょうか。

このようにホイールには部品のご指定がありました。

部品は手持ちがありましたのですぐに取り掛かれます。

リムはTNIのAL31W 28Hオフセットアリ シールは剝がします

スポークは非ドライブ側にピラーTB2015(2.2/1.5/2.0mm)、ドライブ側にはTB2018(2.2/1.8/2.0mm)と太さを替えています。

ニップルはダブルスクエアを使っています。

後輪1067g 重いがよく走る
左スポークテンションが高い

リムは3mmオフセットのリムです。このため左スポークテンションは約10%も高く作れます。スポーク長計算ソフトではスポークテンション比率を計算できるようになっているソフトが多いです。今回のホイールのテンション比率を計算しますと計算値では67:100になります。

この数値は非常に高い比率です。これはホイールの駆動効率の良さを考えるうえで一つの指標になると思っています。やはり左スポークのテンションが低いとスポーク折れの原因となったりしますので高いほうが有利と思います。

お客様は10速ハブの利点をよくご存じでした。すでに記事にしていますが10速ハブはスプロケットが限定されますが11速でも使えます。おまけに10速ハブはハブ構造上のセンターオフセット値が11速ハブと比べて小さいのでスポークテンション比率に関して11速ハブよりも有利です。

このようにハブの特徴をご理解されて今回のホイールをご注文いただいています。ホイール組が出来る黒帯の有段者さんからご注文いただきましたので大いに喜んでいます。

カーボンホイール4本目のご注文

最初はこのブログでは定番のアルミホイールから始まりました。2年前にカーボンホイールを1セットお買い上げいただき、その年の暮れに後輪をご注文いただきました。お客様よりこの度36mm高の前輪をご注文いただきました。今回でカーボンホイール4本目のご注文です。これで合計4本2セット分になります。

①56mm高のリムで後輪ホイール1本

後輪889g  56mm高28mm幅 穴ナシリム使用

②46mm高のリムで前輪ホイール1本

前輪702g  46mm高28mm幅 穴ナシリム使用

③46mm高のリムで後輪ホイール1本

後輪868g 46mm高28mm幅 2:1組

④36mm高のリムで前輪ホイール1本  今回のご注文です

前輪687g 36mm高28mm幅リム使用
つやアリ加工の36mm高リム  穴ナシリムです
ブレーキ面はオプションで強化加工しています

リムは同じ柄で特注していますので統一感があります。リム高がそれぞれ違いますので走る場面に応じて取り換える使い方が出来ます。これだけあればどんな所でも良い走りが出来ます。

お客様とは最初に31mm高のキンリンリムで作りました定番のアルミホイールのご注文からが始まりです。

チューブレスホイールを始められたのもほぼ手組ホイールファンと同時期なのでいろいろと教えていただきました。最初はこちらがお教えしましたがだんだんお客様の情報量が多くなりこうしたほうがいいよという感じでご教授いただいています。ホイールがご縁で売り上げだけではないお付き合いが広がりました。ありがたいことです。

AL22Wリムでホイール作製

7月24日に記事にしていますカーボンホイールから取り出しましたハブを使ってもう一つアルミホイールの作製をご依頼いただきました。一つのホイールより2種類のホイールを作ることになりました。ありがたいことです。

カーボンホイールより取り出しましたハブはノバテックの軽量ハブです。当初お返しする予定でしたが新しくアルミホイールを作ることで再利用いたします。新しくご用意する部品はリムとスポーク、ニップルです。

リム TNI AL22W20・24H

ハブ ノバテックA291SB F482SB カーボンホイールより取り外した部品の再利用

スポーク 前輪 TB2015 2.2/1.5/2.0mm

スポーク 後輪左 TB2015 2.2/1.5/2.0mm

スポーク 後輪右 TB2018 2.2/1.8/2.0mm

ニップル ダブルスクエア 

前輪666g
後輪876g

今までに何度もこのブログ記事で紹介していますホイールです。AL22Wリムは軽量ながら剛性があります。縦ブレの取りやすいこのリムはチューブレスレディーです。チューブレス用のリムテープを巻き、バルブとシーラントを用意すればチューブレスホイールとして使えます。

スポークは中央部が1.5mmの細いスポークを使って乗り心地を柔らかくしています。後輪ドライブ側は中央部が1.8㎜の少し太いスポークを使って剛性を上げています。

細いスポークはねじれ易いので取り扱いは難しいスポークですがねじれ防止をしてうまく使えば利点の多いスポークです。一般にはCX-RAYのような扁平スポークが空力の面で良いといわれています。しかしあるホイールメーカーの風洞実験では1Wの差があるだけです。高価なスポークを使わなくても高性能のホイールは作れます。

出来上がりホイールは前輪666g、後輪876g前後1542gと軽量です。手に入れやすい汎用部品で作りましたホイールです。練習すればだれでも作れるホイールですがどれも同じ出来栄えではありません。。ブランドホイールではないのですが同じグレードなら勝負できるといつも思っています。

キンリンリムXR31T/RT28・32Hでホイール作製

もの凄いパワーを持っておられる方よりご連絡いただきました。FTP350wということでびっくりしました。自転車歴は17年とベテランのライダーさんで、プロ以上のアマチュア選手として活躍されました。今はレースには出られていませんが自転車のことはとてもよくご存じです。

今回の提案ホイールはキンリン社のXR31T/RTリムを使った前輪28H後輪32Hのホイールです。一般にはパワーのある方は軽さよりも剛性を希望されます。リムは500g前後の24mm幅31mm高のこのブログでは定番のリムをご案内しました。

スポークはバテッドスポークの弾力を利用することで2mmスポークの太いスポークを使わなくてもパワーを伝えることが出来ます。前輪には中央部が1.5mmの細いスポークで組みました。後輪もバテッドスポークをうまく組み合わせます。左は1.5mm、右に1.8mmで組んでいます。

ハブはノバテック・ハブを使用しています。性能は必要十分で価格もリーズナブルです。

今回使うXR31T/RTリムは約500gありますので重量は軽いリムとはいえません。しかしリムは剛性がとても大切です。重いリムということは剛性があるということです。

地面に接するリムは凹んでいる

自転車のリムは地面に接しているところは常に凹んでいます。この凹みの連続で前に進んでいるわけですが凹みが小さいと駆動ロスが当然小さいのでよく進むということです。リムに剛性が大切な理由はこのリムの凹みを小さく出来るということにあります。

多スポークホイールはスポーク数から生じる空気抵抗を危惧されがちですが、リムを28本、32本と数多いスポークでリムを支えることになりリムの変形を小さくしますので前に進む力はロスなく進むと考えます。

リム高が31mmありますのも利点です。空力の援護を得ることが出来ますのでスポークが多いと空気抵抗が増えるというマイナス点をカバーできるのも良いところです。

前輪740g
振れは最小になるように スポークテンションは出来るだけ均一にしています
後輪951g
振れは最小になるように スポークテンションは出来るだけ均一にしています

ホイール作りで一番大切なポイントはスポーク調整と考えています。クランクを回して前に進む力は各スポークを通して前に進みますがこのスポークテンションがバラバラに張ってあれば均等に力が加わらないので駆動ロスが発生します。力を減じることがないようにスポークテンションを均一に仕上げることを重視しています。

上記の注意点をしっかり守って作り上げました。

前輪740g後輪951g前後1691gと軽量です。多スポークホイールでこの重量はとても軽いと思います。今回のホイールですが普段使われているホイールと比べたレポートをいただけそうです。これは大いに楽しみです。