使用済みチューブのバルブを使う

ずっと使用済みのチューブを何かに利用できないかと思っていました。

パッチを当ててチューブを再利用するのもいいのですがなんとなくチューブが固くなるのと継ぎはぎから空気が漏れるのではと気になってやっていません。結局は捨てていました。バルブが残るのでこのバルブを取り出してチューブレスタイヤ用のバルブにできるのではないかとふと思いつきやってみました。

最初はバルブ周りのゴムを切り取ってやってみたのですが全くうまくいきません。あきらめて捨てようと思ったのですがホームセンターのネジコーナーでゴムワッシャーが売られているのを見つけました。M5x12x1.5というゴムワッシャーです。一袋140円でした。このゴムワッシャーを使ってもう一度タイヤインストールに挑戦しました。

ホームセンターで買ったゴムワッシャー
チューブから取り出したバルブ  余分なゴムをきれいに切り取りました ゴムワッシャーを使っています
パキパキとビードは一瞬で上がりました

バルブを取り付けてねじは手まわしでOKです。とりあえず石ケン水をタイヤ周り吹きかけてコンプレッサーで一気の空気を入れてみました。果たしてうまくビードはパキパキ音を立てて上がります。うまくいったようです。

予備のバルブはありますが捨てるチューブの再利用は話が違います

バルブは沢山予備を持っています。使用済みのタイヤからバルブだけ取り出すのはけち臭いといえばそのとおりですが、やはりもったいないです。ゴムワッシャーと一緒に使えば再利用できます。但しチューブレスタイヤの運用ではコンプレッサーはあった方がストレスなく進みます。うまくいって良かったです。骨までしゃぶっています。

ヨンロク組をどう思いますかと質問いただきました

だいぶん前にブログ記事にしていますが表題の件で何度か問い合わせがありました。

最近も問い合わせいただきました。どう思いますか?とご質問なのでざっと考えていることお返事しました。

10年以上前のことですがこの組み方を知りました。へー、こんな組み方があるんやと驚きました。いろんな方がブログ発信されて大きな風が起こったことを覚えています。

しかし日本ではこんなにヨンロク旋風が巻き起こっているのに海外では全く話題にもなっていなかったことも印象に残っています。

スポークテンション比率は計算できます。比率は左右のスポークの長さで決まるのですが今はスポーク長の計算ソフトにテンション比率も出るようになっていますので容易にわかります。

Wheelproのソフトで理解できますので見ていきたいと思います。勿論Spocalcでもテンション比率が簡単にわかります。

シマノのティアグラハブとキンリンのXR31T/RT 28穴リムを使ったホイールを計算してみましたので理解しやすいです。

Crossの入力部分に入力しました。左非ドライブ側3クロス右ドライブ側3クロスでは次の数値となります。

左右のスポークテンション比率は44*100 左が低いことが分かります。

左非ドライブ側3クロス右ドライブ側2クロス(いわゆるヨンロク組)では次のようになります。

Crossと書いてあるところに左は3右は2の数字を入力しています。結果は45%:100%の数値が出ます。1%左スポークテンションが上がりました。

ヨンロク組では左右のスポークテンション比率が45:100となり1%改善されます。

次に穴位置が3mmオフセットしたリムを使いますとこのようになります。

リムセンターが3mmずれたオフセットリムを使いますと左右のテンション比率が58:100です

こうして見ますと3mmオフセットリムを使うとテンション比率が58:100と劇的に改善できます。ヨンロクでは1%改善できるのでこれを大きな数字ととらえるか、なに?それだけ?と捉えるかです。

私もヨンロク組を使ってホイール組をいたします。マージナルゲインを追求する上でも良い方法だと思います。チェーンを洗う、ハンドルバーを替える、ヘルメットは空力のよいヘルメットを使うというような細かいことの積み重ねを大切にするという考えの一環です。しかしオフセットリムを使えば大きくテンションの改善が出来るのでこの場合はほとんどヨンロクでは組みません。お客様からのご指定の場合は別ですが...

左側のテンションを上げるには右側を135kgfくらいに上げて相対的に左を上げるという方法が一般的です。ヨンロク組で組み方を工夫してテンションをあげるという方法はホイールメーカーでは取り入れられません。手間がかかるし、効果としましてはわずかな数値からだと想像します。イソパルスで組んでも2%の効率アップです。このため組み方として一番効率が良くなるのは2:1組です。この組み方はいろんなホイールメーカーが取り入れています。世界的といっても良いくらい広まっているのが2:1組です。

このようなことを書きましてお返事いたしました。ヨンロク組は1%のアップですが意外と手間がかかります。ハブを再利用する場合はヨンロク組でしか使えません。穴位置に跡が出来ていますので他の組み方ではハブが割れる原因となりますので注意が必要です。

以上のことから

①オフセットリムを使う

②右ドライブ側のテンションを出来るだけ上げて相対的に左も上げる

この2つの方法が一般的だと思っています。

手組ホイールとゾンダの試乗比較です

カーボンホイールをご注文いただきましたお客様からの紹介でご縁が広がりました。

石垣島で自転車の乗り方を指導されているフランキー・たけさんから手組ホイールファンのホイールに乗ってみたいということでご連絡いただきました。いままで存じ上げなかったのですが長年のプロとしての経験から効率よい自転車の乗り方を教えておられます。

今回はご自身のゾンダと手組ホイールを比較するという企画です。最初はどんな乗り味なのか心配されていたと思います。

このブログ自体がある意味広告となっていますのでなかなか言い辛いことですが、結論から言いますと丁寧につくられた手組ホイールはブティックブランドの完組ホイールと十分勝負が出来ています。価格面でははるかに安価ですが走りの性能では負けていません。

ホイールの造り手があれこれ言うのもどうかと思いますのでYouTubeをご覧になってください。https://youtu.be/bA-pIhZI6rg

感覚の鋭い人はサドルを1mmずらしても変化を感じ取れるといわれていますが元競輪選手のたけさんもその感覚を持っておられるようです。勿論計測には機械を使っておられますが走りでの感覚はご自分の五感を大いに働かせておられます。バイクを走らせるときに感じる感覚を言葉にされるのですがとても興味深いものです。

キンリンホイールは次の通りです。

前輪679g
後輪911g
後輪 2:1組 16:8ハイテックスハブ使用

ゾンダとほぼ同じくらいの重量です。リム高31mm24mm幅のアルミリムでリム重量は約500gです。決して軽くはありませんがリムの高さから考えますと軽いリムです。ハブは台湾のバイテックス製でストレートプルスポークを使用しています。

このホイールは2:1で組んでいますが通常の1:1組も優秀なホイールが出来上がります。ブランドホイールに乗っておられる方に是非知っていただきたいと思っています。

キャノンデールAIフレーム用のホイールに作り直す

キャノンデールにはシートステーの位置を6mmずらしたAIフレームが販売されていました。今はディスコンになっているようです。このAIフレームに使えるようにホイールの調整依頼です。

キャノンデールのホームページより

ギアが増えることによるホイールのスポークテンション差を是正する方法としてうまく考えたものだと思います。リムに穴位置をずらしたリムがありますがこのセンター位置をずらすアイデアをフレーム側に応用しています。

シートステーをずらすことでホイールセンターの位置が変わりこのずらしでホイールの左右テンション差をなくすという方法です。画期的ですがコストもかかるのでしょう。今は販売されていません。

このフレームに合うように通常のホイールを調整して作りなおします。

後輪794g 通常の組み方です

ホイールはマビックのクロスマックス・カーボンホイールでノーマル仕様の650cホイールです。センターは通常の位置にあります。6mm左によってはいません。

ホイールのフレはほとんどありません  スポークテンションは全く揃っていません 残念です

いつものようにスポークテンションを測ってみまして調整を行うことにします。グラフにしますと状態がよくわかります。このグラフが現状です。

とてもスポークのバラつきが大きく、このホイールはプロが作ったホイールなのか疑いました。これではホイールの健康状態はよくないです。力を引き出すことはできません。

調整後のグラフです。

センターを左に6mm寄せたので左右がほぼ同じテンションになりました

一般にカーボンリムに於いてスポークテンションは120~130kgfが推奨されていますのでこれに従っています。リムセンターを左に6mm寄せたグラフです。左右のスポークがほぼ同じテンションで張ることが出来ています。おまけに揃っていますので駆動効率は上がります。

あまり一般的ではないフレームにあわせるホイールなので知っておられる方も少ないと思います。しかしアイデアとしてはとても面白いホイールなので結果が楽しみです。

シマノWH6800アルテグラホイールの再調整

ホイールの調整依頼が続いています。

後輪975g  この重量はハブが重いのが原因です

シマノのアルテグラクラスWH6800チューブレスホイールを調整する機会を得ました。

ホイールは結構使い込んでおられ黒いスポークですが黒が剥げてシルバー色が出てきています。オーナーさんはパンクすればチューブを使って帰るという方法を取られていますのでリム内部はとてもきれいなホイールです。

ご自分で調整されたのかもわかりませんがとても振れが大きいホイールです

いつものように現状を把握します。各スポークテンションを測りグラフにするとわかりやすいです。グラフで確認するとどの部分を修正すればよいか一目瞭然です。

シマノホイールはホームページから製品の構造図を容易得ることが出来ます。このホイールは特殊なニップルを使っています。一般に販売されているニップルレンチは使えません。サイズが合わないです。シマノより販売されているレンチを使うしかないようです。残念ながらパークツールではこのホイールに使えるニップルレンチは販売されていません。

シマノの純正ニップルレンチ 残念ながらとても使いにくい

この専用レンチはとても使いにくいレンチです。しっかりと固められたニップルをこのレンチで回すのはなかなか難しく力が必要です。あまりに硬いのでこれで回すのを諦めました。自作のニップルレンチで回すことにしています。

ニップルに合うように削って手作りしました

WH7850、WH6800と一昔前のホイールは中古でよく販売されていますがこのホイールはばらして再利用はなかなかできないホイールです。通常はハブ側にスポークを通してリムにニップルをねじ込むという構造ですがこれらのホイールはハブ側にスポークのねじ部分がとおり、リム側には特殊なニップルを使ってテンションを上げていくという構造です。専用のニップルが使われていましてとても取り扱いが難しいです。

おまけにもう一つ頭を切り替えなければなりません。このホイールではニップルレンチを時計周りに回しますとスポークは緩みます。反時計回りでスポークは締まります。これはリム側に特殊なニップルが使われているからですが通常のニップルと思って回しますと考えていることの反対になりますのでホイールはぐちゃぐちゃになってしまいます。

以前DURAホイールを持ち込まれた方がおられますがこの方もニップルの回転を間違われました。リムセンターが大きくずれてしまってどうにも出来なくなりました。通常のニップルと勘違いされたのが理由ですがこれに気付く人はなかなかおられないと思います。

とても調整が難しいホイールでした 

再調整ができました。このホイール調整の勘所はニップルレンチにあります。皆さんそれぞれやり方がありますので一概には言えませんが回しやすいニップルレンチを用意すること、回転は通常ニップルの逆ということが一番のポイントと思います。

分解して再利用ができないようにしていると疑ってしまう難しいホイールでした。しかしホイール、ハブを分解できないことはありませんのでこのハブを利用することはできます。このハブを使ってほしいと自転車さんに依頼するとびっくりする工賃を請求されるのは間違いありません。玉あたりなどの調整はとても簡単で使い良いハブですがスポーク交換が難しいハブです。結論として、このホイールはややこしいです。

誰でも再利用できるホイールならいいのですがリユースできない製品は残念なことです。このハブを使って新しいホイールを作るのは誰でも出来ることではありません。しかしこのホイールは中古は沢山出回っています。スポークの両側をねじ切りしたスポークを用意して魔改造ホイールとして楽しめそうです。挑戦してみたいホイールです。ジャンクのホイールを見つけようと思っています。

レーシング3ホイールの調整

レーシング3の調整する機会を得ました。

前輪669g
後輪917g
2:1組です

後輪スポークが一本折れてご自分で直されたのですがどうも調子が悪いようです。見た目は変わらないのですが以前のように走らないと言っておられます。

前輪は非常にいい状態です ほとんど触るところがありません

お送りいただきましたホイールを点検しました。スポークのテンション状態を見ればよくわかります。グラフにしてみましたところ前輪は非常によくできていました。3か所さわりましたがテンションが変わるほどではありません。グラフで見ますとよくわかります。左右のグラフがきれいに円になっています。

ドライブ側 非ドライブ側 共にバラつき度が高いです

後輪はやはりスポークテンションが揃っていませんでした。テンションバラつき度も大きくなっています。スポークが折れてバランスが崩れた上に再調整後も引っ張る力が少なくてほかのスポークにも影響しているのが分かります。

調整後の後輪です スポークテンションばらつき度が少ない(いいということです)

再調整しましたホイールグラフです。スポークテンションが揃っているのが分かっていただけると思います。

最近ゾンダにBora、レー3とテンション調整が続いています。手前味噌になりますが今までスポークテンションのことばかりブログに書いてきましたのでおわかりと思います。スポークのテンション調整が一番大切です。

ホイールは振れ取りが終わればいいということではありません。ホイールメーカーも細かいことまで説明しません。強度、軽さは強調しますがスポークテンションのことまで説明すると墓穴を掘ります。テンションを揃えるにはとても時間が掛かりますので1万円のホイールに時間をかけることはできません。一般には振れさえなければいいホイールです。

隠し味を利かしたホイールは高価です。当たり前のことですが調整に時間が掛かっているのです。手間賃を考えれば当然です。秘伝のたれは自分で作れないことはありませんが時間が掛かります。ご自分で穴ナシホイールを直せる力のある方もホイールをお送りいただきました。正直うれしいです。

クロスバイク用ホイールのインプレいただきました

4月4日の記事にしていますクロスバイク用ホイールのインプレをお送りいただきました。

結論から言いますとホイールは気に入っていただきました。お客様はご自分でホイールのシールまで作られて存在感を高めておられます。これはとても参考になりました。

シールはご自分で作られました
トレックのホイールではありません
トレックのホイールではありません

今まで何度かシールのことはお客様より提案いただいていました。本腰を入れて作ろうと思っています。

今回のホイール提案の際、ホイールにもお寿司屋、うなぎ屋のように松竹梅ばありますが梅でいかがですかとご提案しました。そのホイールが今回の梅ホイールです。

あとで松、竹ではどう変わりますか?とお尋ねいただきました。変わるのはハブとスポークですとお答えしています。台湾ハブの軽量ハブを使いますと約300g、シマノハブでは約500gと200gの差があります。スポークもサピムCXRAYのような上位スポークを使えばスポークの値段は3倍以上価格は違います。しかし性能は何倍も違いうのかといいますと数ワットの違いです。レースに出るのなら最上位スポークがいいかもしれませんが普段使いのホイールなら梅クラスのホイールが良いとお勧めしました。

ハブはシマノの下位グレードです。スポークはバテッドの丸スポークを使っています。

シマノハブは乗る人が育てるハブです。玉あたりを上手に調整すればグレードに上も下もありません。どちらもとてもよく回ります。グリスアップを怠らなかったら長く使える丈夫なハブです。

長い前書きとなりました。

今回のホイールはブログの記事にさせてくださいとお願いしていましたので少し加点いただいたかもしれませんがご感想をお送りいただきました。ホイールは予想以上であったことがよくわかります。読者さんにもホイールをお勧めいただきました。

以下原文です。


15年使った街乗りクロスバイクのホイールを変えようと探してもほとんどがディスクブレーキ仕様でした。

リムブレーキで探すと 手組みホイールファンがヒット。
早速連絡をすると松竹梅のメニューがあるが梅仕様をすすめられました。
梅は重いので漕ぎ出しが少し重く感じられるが走り出すと良く走る旨でした。

実際には取り外したボントレガー アルミホイールより軽かったです。

素人ながらの感想は良く走ります。
漕ぎ出しも違和感なくスピードに乗ります。
段差もボントレガー製に比べショックが柔らかいです。

リーズナブルな価格で街乗りクロスバイクには十分な性能です。
おススメします。

ありがたいインプレでした。

オーダーホイールなので決してお安くはありませんがお高くもありません。こちらの説明をご理解いただきご注文いただきました。お客様とはとてもいいご縁をいただきました。

Bora One 50の再調整

Boraのスポーク調整依頼を受けました。

通販のページから写真を借りました

結論から申し上げますと非常によくできたホイールでした。ニップルをさわることはさわったのですがほんの数か所でほとんど調整はしていません。お客様は改めてご自分のホイールがいいホイールだということを確認できて安心されたと思います。フリクションなくクルクルよく回り、欲しい!うらやましい!欲しい!と思いました。

穴ナシリムです
リムが銀色に光るのはバランス取りされているからです
ドライブ側のスポークテンションは約120kgfです  均一です
スポークテンションは均一に張っています

このような高級ホイールを使ったことがありませんのでとても興味深い、楽しい経験をさせていただきました。

このホイールはさすがに最上級の仕上げや管理をされたホイールと感心しました。組み終わってから何度も馴染みだしをされていると思います。長く乗られてもほとんど振れは出ていません。いわゆる手間が掛かっているホイールでした。お金は正しいのかもしれません。買える方なら購入されるのをお勧めします。間違いありません。

ほとんどメンテナンスがいりません。これは大切です。こういう機械ものは買った時からメンテナンスが始まります。勿論ほったらかしはいけませんが適時のグリスアップさえ怠らなかったらいつまでも調子がいいと思います。機械さわりが好きな人には残念なホイールです。

ホイールメーカーも振れ取りがいらないですよということで作っているのかわかりませんがこのホイールはニップルレンチが通常のレンチでは回せません。4mm幅の一般には売っていないニップルを使っていますのでパークツールなど販売されているニップルレンチでは全く使えません。これには驚きました。たまたまですが使えるニップル回しを持っていましたので回せたのですが一般的に販売されているレンチは使えません。合うレンチがなければそのままお返しすることになったわけですから良かったです。

このホイールのオーナーさんでご自分で振れ取りする方はおそらくないと思います。勿論、こんなホイールを持っておられる方はメンテはメカニックさんにやってもらうものと思っていられるでしょう。

ホイールの細部を観察しまして感じたことですが、

やはり長く乗られるのならメンテが出来るショップで買われるのが良いかと思います。残念ながらメンテできるショップといいましてもホイールを組めないショップも多いです。ショップ選びの目利きがいると思います。

メンテフリーの逆手を取るのもありと思います。つまりある程度乗り続けて鮮度があるうちに売ってまた新しいホイールで楽しむという方法です。これを出来る人は少ないと思いますが常に最良の状態で楽しめます。

この度はとても優秀なホイールということを知ることができました。ありがたいことです。

ここからは厚かましいですが手組ホイールファンの宣伝です。

Boraのハブは2:1組なので同じハブは用意できませんがBoraと同格のリムは用意できます。スポークも同じです。性能はBoraと比べたことがないのでわかりませんがそんなに負けていないと思います。手組ホイールファンのホイールを使って表彰台に上がった人もおられます。価格が3分の一なので手組ホイールファンのホイールも結構やります。残念ながら無印なので優越感を得ることはありませんが負けてないで!とやる気を得ることはできます。

ゾンダホイールの再調整

お客様からのご紹介でまたご縁が広がりました。

Y様からの紹介であたらしいお客様より今乗っておられるゾンダを再調整してほしいと送ってこられました。ゾンダのスポークテンションを調整します。

前輪684g

後輪916g

先ずスポーク状態を調べてみることにしました。グラフにしますとわかりやすいです。現状を知るということはとても大切です。

左右のテンションが違いますのでセンターは少しずれています  左右共に均等に張られていますので優秀です
右ドライブ側のバラつき度が約12%ほどあります 左は6.5%です  完組では普通でいいほうです

前輪、後輪ともに少しさわれば良いという程度で、とてもよく回る良いホイールでした。いつも思うのですがゾンダはよくできています。

以下ホイールの現状と作業状況です。

前輪  左右の振れを見ながらスポークテンションを揃えます

前輪

若干左右のスポークテンションの平均値が少し違っていますのでセンターが少しずれています。全体のスポークは均等に張られていますのでばらつきは少なくグラフはきれいな形をしています。左右のスポークテンションの平均値を揃えることでほぼセンターがでます。

後輪  右ドライブ側を揃える  左は振れとのバランスで頃合いの良い点を見つけます

後輪

スポークはドライブ側のテンションバラつき度は11%ほどあります。しかしこのくらいのバラつきは完組では一般的な数値です。完組ホイールはまず見た目を重視しますので振れがないように組まれています。売り物ホイールでは振れが大敵です。ホイールにとってスポークテンションを均一にするのがとても大切なことですがこれは次のこととして扱われるようです。つまりスポークテンションを均一にするまで調整すると時間が掛かります。作業効率は下がりますのである程度で打ち切るということです。

スポークテンションのバラつき度を5%以下になるように調整しました。バラつき度の数値は少ないほどいい状態ということです。今までに出会ったDuraホイールのバラつき度は5%くらいでしたので作業の目標としましてはDura以上を目標としています。今回のホイールはとても程度がいいのであまりさわるところはありませんがテンションメーターを使って確認取りながら作業を進めました。

以下、このホイールの細部を見ての感想です。

●スポーク数は前輪が16本、後輪が21本です。少スポークホイールの典型で、やはり70kgまでのライダーでないとホイールのパフォーマンスを得ることは難しいと思います。自転車屋さんは体重まで聞いてくれるところは少ないと思いますが体重制限アリと理解したほうが良いと思います。体重のある人には向かないホイールです。

●リムは穴ナシ構造にしています。組み立てでは時間が掛かりますがリム全体を強化するということでは成功しているよく考えられたリムです。

●リムは余分なところは削り取り軽量化を図っていますがスポークニップル穴の周りはアルミリムの厚みがあり強化されています。

●スポークはストレイトプルスポークですが後輪右と左は太さが違います。前輪スポークと後輪左スポークが同じです。後輪右側は少し太くなっています。

●ドライブ側のクロス部分には綾が取られていません。最近は綾を取らないホイールがふえています。

●リムは穴ナシリムです。スポーク替えなどの組み替え修理は一般的には難しいです。

●ニップルはがっちりとロックタイトのような固着剤を使われて固めてありますのでニップルは回しにくいです。

さて、調整が終わりました。この度の作業だけではほとんど大きな変化はないと思いますが、ホイールの現状を知ることが出来ました。このことが重要と思います。まめなグリスアップ、タイヤの選択、適切な空気圧の調整、流行言葉でいいますとマージナルゲインを積み重ねることで良い成果が出ると思います。お客様のご感想が楽しみです。

カンパのことはカンパに聞く

ゾンダのハブを分解して新しいカーボンリムを用意してチューブレスホイールを作りました。前々回の記事にしています。

ゾンダのハブはシマノと同じカップアンドコーンのハブですが少し造りは違います。ハブを分解するのは簡単ですがシマノハブと比べますと細かいところが違います。取り扱いの経験数から言いますとシマノハブがほとんどでカンパはたまに扱うという感じです。

カンパニョーロ ホームページより

やはり慣れていないハブを扱うときは注意が必要です。こんな時はメーカーが出しているホームページからサポートのページを探して再確認しています。

カンパのことはカンパに聞く、これが一番早道で間違いがありません。いつもはシマノのホームページを参考にしていますが今回はカンパのホームページにあるサポートの欄をよく読んで復習してからハブを分解しました。

カンパニョーロホームページより  的確で分かりやすい

シマノのサポートページもよくできていますが、カンパもわかりやすいです。順序通りにやれば出来るようになっています。大きなメーカーの部品はサポートがしっかりしていますので安心です。