シマノのダイナモハブで前輪ホイール作製

段々と日が暮れるのが早くなりライトを使う機会が増えました。

シャッタープレシジョンのダイナモハブで作ったホイールを使っています

普段ダイナモハブのホイールを使っていますがとても便利です。電池を気にする必要ありません。ずっとライトをつけた状態で走っています。安心安全でハブによる減速は感じません。よく走ります。レースに出ないのならお勧めです。レースでもブルべにはとてもいいかと思います。ブルべに出ておられる方より注文いただいたことがあります。ホイールが重くなるという理由で使わない方にはお勧めです。このホイールの便利さは格別です。

リムのジョイント部分に問題ありました

さて、新車の自転車から取り外したホイールを分解して置いてあったリムがありました。リムはシルバーなので好みのタイプです。クロモリ自転車に合うかなと思いハブダイナモを使ったホイールを作りました。ハブはシマノのダイナモハブを使っています。発電容量は小さいですが十分使える光量です。

今回のリムはナロータイプです。普段使いなので特別な仕様もありません。唯一スポークを細くして乗り味を柔らかくすることだけのホイールです。通常の3クロスの組み方なのですぐに仮組が終わりテンションを上げて左右の振れ取りをするということを行いました。調整は順調に進みましたがどうしても一ヶ所がうまくできません。縦ブレを取ってスポークのテンションを出来るだけ均一になるようにしましたが一ヶ所だけはどうしても揃いません。スポークテンションを揃えると振れが大きく出ます。振れを取るとテンションが揃わない。この繰り返しです。

どんなに頑張ってもうまく調整できないリムです あきらめました

見た目が良くても精度の低いリムは結局は駄目ホイールです。いくら頑張っても良くなりません。残念ですがこのリムはあきらめました。改めて中古ですがMavicの古いリムで組むことにしました。偶然にもリムのERDが同じでしたのでスポーク長は変えなくて済みました。

前輪1091g 重量あるのはハブが重いのが理由ですが外周部は軽いので問題ありません 便利さ優先です
とても精度の高いリムなので組みやすいです

結果は正解でした。仮組からテンションを上げていきますが一発で決まりました。リムがいいと何事もうまくいきます。今回の失敗はリムのジョイント部分でした。この部分の精度が悪いためうまく組めません。振れ取りは出来てもテンションが揃わなければしばらく使うとまた振れが出てきます。

マビックリムで作ったホイールのスポークテンショングラフです

古いマビックリムのブレーキ面はすり減っていましたが十分使える状態です。ジョイント部分の精度が高く容易にスポークテンションが揃います。やはり名前だけのことはありました。

リムの精度はくじ引き的なところもあり多少は当たり外れがありますが総じて問屋さん経由のリムは安心です。

何本作ったら気が済むの?と叱られそうですがホイールは奥が深いです。ダイナモハブのホイールは普段使いに最適です。ママチャリについているのがよくわかります。おススメです。

振れ取りのご依頼です

21年の3月にご注文いただきました多スポークホイールの振れ取り依頼の連絡をいただきました。

多スポークホイール
前輪はほとんど変わっていません
後輪の振れが出た状態

後ろのディレーラーが壊れてホイールに当たり振れが出たとのこと。ホイールが届きましたのでどんな具合なのかデータを取りました。なるほど後輪は大きく振れています。前輪もデータを一緒に撮りましたが前輪はほとんど狂いもなくきれいな状態でした。やはりホイールを組み上がってから馴染みだしをシッカリとしておくと狂いが出にくいものです。

ほとんど変わりのない前輪
振れ取りが終わって、締め増しとスポークテンションを均一化

前輪は少しの再調整で済みました。後輪はまず振れを取ってからスポークテンションの再調整です。後輪スポークは全体に締め増しを行っています。

もともときれいにテンションを揃えていますので大きく振れている部分を元に戻すと振れはなくなりきれいに回ります。後輪の振れがとれてきれいに回りましたら改めて全体の締め増しを行いました。右ドライブ側を調整してから左を揃えていく方法が一番正確で手早くできると思います。

振れ取りは呼び名の通り左右に振れている部分を直すのですが、振れを取るだけでは不十分です。同時にスポークテンションを揃えることがとても大切です。

ホイールはもともと馴染みだしを十分取っていますので今回のようなトラブルがない限りそんなに振れは出ません。ホイールの作製で馴染みだしの方法としては一度乗ってみてから再調整するのが手っ取り早い方法です。販売のホイールなのでこの手法が使えませんが自分用のホイールなら何度でも調整ができるので試し乗りしてから本格調整するのはお勧めです。

自転車、ホイールは購入したときからメンテが始まります。ECサイトでお安く買えるホイールは価格的には魅力がありますが個人で直せる力のある人、直せる環境がある人にはどんどん試されたら良いかと思いますが代理店が無く直接中国や台湾メーカーに交渉しないといけないホイールには注意が必要です。

改造レーシング3のインプレいただきました

9月2日に出しましたブログ記事に24gの増加で剛性を高めるという記事があります。オーナー様より改造後のインプレをお送りいただきました。

ホイールはアルミホイールの道標となっているレーシング3をカーボンホイールに改造しました改造版レーシング3です。

改造版レーシング3var.2

最初お納めしました時は気に入っていただきましたが乗り続けているといわゆるぬるさが目立ってきました。見た目はとてもいいのですが乗るとぬるいホイールという仕上がりでした。お客様からご連絡いただき後輪スポークをスポークを太くすることで剛性を上げることにしました。

今回パワーと経験に裏付けされた感性がないとなかなか感じ取れないことをうまく文章にしていただきました。記事にすることをお許しいただきましたので参考になると思います。

以下お客様のインプレです。

先日、スポーク交換を施してもらいました改造レーシング3ですが、感想を述べさせていただきます。

スポーク交換後、重量的には重くなってるはずですが、出だしは明らかに軽く進むようになり「ぬるい」印象は改善されました。

ただ、やはり巡航は46mmハイトの方が軽く進む感じです。
これはリムハイトの違いということで、全てにおいて合格点なホイールと言うことだと思っています。
(注:お客様は46mm高のホイールもご注文いただいています)

今回、タイヤも変えてみました。

自分の好みでミシュランパワーカップを使用してましたが、コンチネンタル gp5000に交換しました。

自分の偏見のようなものですが、今まではパワーカップは乗り心地良くて伸びが良い印象で、gp5000は乗り心地硬くて軽く回る印象といった感じでしたが、今回改造レーシング3を色々試してみて、印象が変わりました。

以前の「ぬるい」時より出だしが軽くなったのであれば、苦手な巡航性能を補う形で、パワーカップがベストなチョイスかと思ってましたが、gp5000の方が色々な場面での使い勝手で言ったらベストチョイスというか、しっくりした感じです。


空気圧も色々試してみました。

一般的な空気圧より少し高い目が好みですが、パワーカップでの46mmハイトより0.4bar低いところが良い印象です。

ちなみにメーカー推奨で言えば、コンチネンタルはミシュランより高い空気圧での運用を推奨してますが、改造レーシング3にあてはめると、ミシュランより低い空気圧がしっくりした感じです。

今回の件で、色々とホイールの事を考えさせていただき思ったのは、つくづく自転車はバランスが大事なんだなと改めて思った次第です。

これからも色々なシチュエーションで合格点な改造レーシング3を使用し、場合によっては46mmハイトを使い分けようと思っております。

改造レーシング3ver.2は常用ホイールとして合格したようです。雑誌記事に出ているライターさんのステマ的インプレではない生の情報をいただきました。メーカーの推奨値を参考にご自分の価値観で判断されている姿勢は参考になると思います。

電池を替えても動かないカメラ

写真の仲間がいます。サクラの時期、紅葉の時期など年に4,5回ですが定期的に撮影会をします。仲間内で品評会も行っていますので結構モチベーション維持が出来ています。会の名前が撮り飲み会です。いつも飲み飲み会になっています。

すべて電池を替えても動きません

写真が下手なのでどうしても機材に頼ってしまいがちで機材がどんどん増えてしまいました。これで撮ればうまくなると信じて機材を購入してしまいます。自転車の世界となんとなく似ている気がします。

写真はモノクロ派でして自家現像もしています。昨今のフイルム高騰でどうしてもデジタルカメラになってしまい、今は2台のデジタルカメラがメインであとはフルマニュアルの古いフイルムカメラだけになってしまっています。電池を使わないカメラは今でも現役で働いてくれます。

今では金食い虫のフイルムカメラですが、フイルムの良さは忘れられないので電池交換と汚れ取りだけですが動くかどうかのカメラ点検は定期的にやっています。

最近のことですがしばらく使わなかったカメラを点検していたら使えなくなっているカメラがこれだけ出てきました。すべて電気系統が壊れてしまいシャッターがおりません。一応マニュアルカメラですが基本的には電池で動かすカメラです。やはりこの手のカメラは使っていないといけないようで除湿庫の保管だけではダメなようです。

カメラをジャンク品として売り払うとほとんどお金にはなりません。カメラ屋さんにお願いしますと処分してあげますよといって0円でもっていかれます。

思い出のあるカメラなので直して使おうか、ジャンク品としてオークションに出すべきか今のところ迷っています。

自転車の世界もどんどん電動化しています。電池を使う自転車がどんどん増えています。機械部品を使っていますがコントロールするのに電池がいる自転車はこれからどうなっていくのか考えてしまいます。しかし時代には逆らえません。メカニカルといえども電池が必要な自転車ばかりになっていくと思います。どんどん増えていく動かないカメラを見て今溜息出ています。

スターラチェット方式のハブ

リムブレーキ用スターラチェット方式のハブを入手しました。223gでとても軽量です。

スターラチェット方式のハブ 223g

スターラチェット方式のハブといえばDTSwissですが、このハブのブランドはDTSwissではありません。

爪方式のハブ

ハブには爪方式とDTハブのようにギアとギアをかみ合わせて駆動推進する方式があります。効率がいいのはDTの方法だといわれています。しかしDTの方式でハブを作ればハブメーカーは特許料を払わないといけません。この辺りのことはよくわかりませんが従来の爪方式なら料金は発生しませんのでどのハブメーカーも爪方式で作っているようです。

TNI Biteハブ ホームページより

TNIのBiteハブはスターラチェット方式のハブです。36Tギアが使われているハブです。

今回手に入れたスターラチェット方式のハブを分解しました

今回手に入れたハブを分解してみました。全くDTのハブと同じ構造です。星形のギア2枚入っていましてばねで押し上げられています。

スターラチェット方式のハブがちらほら販売されてきだしたということは特許関連の問題がクリアになったのではないかと思います。高価なDTハブの半額以下で性能の良いハブを使えるということなら、名を取らずに実を取るのも良いかなと思います。

ディスクカーボンホイールの作製

何度もご注文いただいていますお客様より紹介いただいたということで新規のお客様よりご連絡いただきました。

ENVEハブ 後輪用232g
ENVEハブ 前輪用124g

初めてのディスクカーボンホイールの作製依頼です。ハブはENVEハブを持ち込みされました。

リムとスポーク、ニップルをこちらで手配いたします。

リピーターのお客様より手組ホイールファンのカーボンホイールを借りられてすでに試乗をされておられますのでホイールの乗り心地などはご理解されています。

リム高あるのに410gは非常に軽い 波打った形が特徴です

ホイールの詳細ですが、リムは28mm幅46.5mm高で波のある特殊なデザインのリムです。空力が良いということでいろいろなメーカーが同タイプのホイールを作っています。因みにこのリムは今年のMt.富士ヒルクライムの優勝者も使用しているとのこと、出来上がりが楽しみですとお客様よりご連絡いただきました。

スポークはサピムのCX-RAYを前輪に、後輪左にもCX-RAY使い、剛性を上げるために後輪ドライブ側にはCX-SPRINTという組み合わせでお作りしました。

バルブの穴が一つあるだけのリムです

リムは穴ナシリムなのでリムテープがいりません。少しの違いですがテープがいるのといらないのでは手間が違います。後々のメンテが楽なことはとても大きな利点です。TNIのリムとかのご指定が無い限りカーボンホイールのご注文はほとんど穴ナシでご注文いただきます。作るのは難しい穴ナシリムですが、使う側にとっては剛性も上がりとても有益なリムと思います。

前輪671g
前輪スポークテンショングラフ
後輪790g
後輪スポークテンショングラフ
リムは空力を考えられて波打っています

出来上がりは前輪671g後輪790g前後1461gとリム高のあるホイールとしましては非常に軽量です。波打った形状は空力を上げるためです。各スポークの張りを出来るだけ均一になるようにして駆動ロスを少なくしています。

お客様の今後に出られるレースにサポートできればいいなと願っています。

ホームページのデータにはご用心

カーボンホイールのご注文をいただきました。ハブはお客様がご用意され、ENVEハブをお持ち込みいただいています。リムを注文していますのでスポークも同時に準備をしました。

ENVE 前輪ハブ124g
ENVE 後輪ハブ232g

ハブメーカーのホームページではサイズデータが発表されていることが多いのでこのデータを見てスポークを注文される方がおられるかと思います。リム、ハブが届く前にスポークを注文しておく手順です。段取りとしましてはいい方法ですがこれは失敗することが多いです。

今回のENVEハブですが、ホームページのハブデータを参考にするとスポーク長は間違います。現物とホームページのデータは違っていました。このようなことはよくあることでホームページから得たサイズは間違っていることが多いので注意が必要です。

ハブの実寸を測ってからスポークを発注しました。現物から出しました寸法ですので正確です。リムが届けばすぐに取り掛かれます。

知っている人には当たり前でも

表題の通りのことですが最近DTハブの整備をいたしました。知っている人には当たり前のことでもたまにしかやらないことには迷うことがあります。

DT350ストレートプルハブを分解します

このハブはスターラチェット方式のハブです。ハブのエンドキャップは嵌め込み式で取り外しには引き抜くだけです。硬くて抜けないときがありますがこんな時はバイスに固定してポンと引き抜くと意外なほど簡単に抜けます。

フリーを外して中のラチェットを取り外します。ばねで押さえてありますのでばねもそっと外します。

ハブ内部の構造はとても簡素にできています

古いグリスで汚れた部品をきれいにふき取りまた新しいグリスを塗って順番に元に戻していきます。とても簡単な作業で整備が出来ます。

元に戻すときですが、ばねには方向性がありました。分解するときにじっくり観察すればいいことなのですがフリーを引き抜くときに一緒に取れたので向きが分かりません。

今回はDTSwissのホームページから整備方法をYouTubeやテクニカルマニュアルで教えてくれますので確認しました。ばねの向きなんて慣れている人には当たり前のことなのですが、どうしたらよいのか迷うときもあります。こんなことの積み重ねで上達するのだとあらためて感じています。

テンションメーターなしで組んだホイール

久しぶりにテンションメーターを使わずに前輪ホイールを組んでみました。

結論から言いますと、縦横のフレをとりきれいに回るホイールが出来ましてもテンションメーターなしではやはりまともなホイールは組めません。前輪ですので左右のニップルを均等に回していけば組めるはずですが実際はなかなかうまくいきません。経験を積んでも手の感覚だけでは難しいのが現実です。

XR31T、シマノハブで組みました

このブログでテンションメーターなしで組んだという記事を21年1月17日に出しています。約2年経ち少しは上達しているのですが、やはりメーターなしではしっかりとしたホイールは組めないということです。

組むスピードはとても速くなりました。振れのないホイールは約1時間で組み上がります。しかしプロとしましては早く仕上げているとは言えないようです。上手な人は30分で組み上げます。まだまだ修行が足りません。

ダイヤルゲージと手の感覚だけで作って調べた最初のテンションデータです

ゆっくりなのはニップルにグリスを塗りながら着実に作っているのが理由ですが、早く作れるということはニップルを無駄に回していないということでホイールの丈夫さアップにつながります。何度も締めたり、ゆるめたりすればニップルのねじ部分は弱くなるということです。特にアルミニップルの場合は注意が必要です。とはいうものの腫れ物に触るというようなものでもありません。

縦ブレ横ブレをダイヤルゲージで管理

上のグラフを見ますと振れ取り台に取り付けたダイヤルゲージと手の感覚を頼りに組んだホイールですがテンションメーターを使ってグラフ化するといかに人の感覚は頼りにならないかがよくわかります。

組み上げた後さらに1時間ほどメーターを使いながら調整施したホイールのスポークテンションが次の通りです。

テンションメーターを使って仕上げたホイールのスポークテンションデータです

何度も馴染みだしを行って各スポークは出来るだけ均等に張り、フレは最小になるように仕上げています。同じ言葉の繰り返しになりますがスポークを握っただけでは分からないものです。正しく道具を使えばいいホイールが出来上がります。テンションメーターなんかいらないと豪語する人は神の手を持っておられると思います。

ピラースポークが届きました

最近よく使うスポークはピラーのスポークがメインになっています。勿論サピム、DTも使いますがjベントの部分が2.2mmと少し太く、中央部が1.5mmや1.8mmでねじ部分が2mmのトリプルバテッドのスポークがいいなと思っています。

スポークのねじ部分でねじを切っていない部分に少し余裕がありますのでリムのERDサイズに合わせてカットして使うことが出来ます。大まかにいえば4種類ほどの長さのスポークを用意すれば大方のリムに対応できます。これも大きな利点です。スポークをいつも300本~500本単位で購入しますが長さの違うスポークを沢山用意しなくても使えるのがいいです。

トリプルバテッドスポークです

写真のようによく使うスポークの在庫が少なくなってきましたので注文していました。約一ヶ月かかりますがスポーク在庫に余裕があると安心です。

cx-sprintはブランクで手に入る スポークカッターが必要

余談ですが、サピムスポークの代理店、トライスポーツのホームページを検索しますとサピムのcx-sprintブランドが掲載されています。このスポークはシルバー、黒を扱っていますが長さは2種類をブランク状態で販売されています。ねじ部分がない状態なのでユーザーがカットしないといけません。言わばカッターなしでは使えないプロ向けの商品となっています。このcx-sprintもホイールの剛性を上げるときに使いますと有効です。特に後輪ドライブ側に使われることが多いです。

ホイール作製にはリム、ハブ、スポーク、ニップルの4種類の部品を使います。どの部品も大切ですが乗り味を決めるのはスポークが大きく影響していますので特に重要といえます。