シムで位置調整する

クロスバイクの後輪ホイールですが最上段にシフトしますとかすかに音がします。シャリシャリとチェーンがスポークに触れて出る音です。バイクに乗らずに空で回すと擦れないのですが体重がかかるとリムは少し移動するのでしょう。かすかにこすれる音がします。乗れないことはないので面倒でそのままにしていました。この最上段のギアを使わなかったらいいと不精な解決方法でした。

1パック10枚入りです

最近のことですがシムを使えば良いというヒントをいただきました。シムを使えばディスクブレーキのローターやスプロケットの微妙な位置調整がとても簡単に行えます。

シムリングを検索して内径35mm外径42mm0.2mm厚10枚パックを購入することにしました。スチールとステンレスの2種類あり、今回はステンレスを選択しました。

シムをスプロケットの位置調整に使いましたがディスクブレーキのローターにも使えます。ほんの少しローターの位置をずらしたいときがありますがブレーキ側を動かせないことの方が多いのでこのシムを使うのはとても有効です。

シムでローター位置を調整することなどシマノのホームページを見ても書いていません。いわば裏技です。知っている人は昔から行っているでしょうがなかなかこういうことを知る機会は少ないものです。また、こうすればいいと思いついてもシムをどこから手に入れたらよいのかなどハードルが立ちはだかります。検索すればどこにあるのかわかる時代なのでこの探す力も大切と思っています。

パンク修理が楽なチューブラーホイール

久しぶりにタイヤがパンクしました。ホイールは前輪がクリンチャー、後輪がチューブラーという変な組み合わせで走っています。作ったホイールが沢山ありますので適当に組み合わせています。

クロスバイクが楽なのでロードバイクよりクロスバイクに乗ることが多くなっています。クロスバイクは1,2時間走る分には便利で愛用しています。

今使っているホイールは前輪がクリンチャー、後輪がチューブラーなのでまさかの時の為に予備のチューブラータイヤ、クリンチャー用のチューブとポンプを持って走っています。嵩張りますのでリュックに入れています。

今回のパンクでチューブラーホイールはパンク修理に適したホイールだと再認識しました。前輪はクリンチャーなのでタイヤレバーを使いますが、チューブラータイヤの場合、タイヤを切り取って丸ごと取り換えです。

修理が終わったところです タイヤを切り取りチューブラーテープで新しいタイヤを貼り付けました

携帯用のナイフでタイヤを切り取っていますが、ドライバーを差し込んでタイヤを浮かすことでもよろしいです。リムからタイヤを取り外してチューブラーテープを巻いて新しいタイヤをセットすればいい訳で所要時間は20分くらいです。15分から20分でタイヤ修理はできます。

お客様でチューブラーホイールしか乗らない方がおられます。理由を伺いますとパンク修理が楽だからという理由でした。クリンチャーホイールは結構力が必要なので難しく、修理が出来ないのですがチューブラーなら比較的楽に交換できるというわけです。

遠距離を走るロードバイクではパンク修理は必須科目です。パンクは自分で直す必要があります。山の中でパンクすれば大変です。誰も助けてくれません。

お客様はパンク修理ということを重要な選択基準としてホイールを選んでおられます。クリンチャータイヤは力が要るので難しいがチューブラーなら楽に自分で取り換えられるということからチューブラータイヤを選ぶということです。これも一つの方法だと感心しました。

後輪ホイールを太いスポークに組み替える

前回の記事で説明しましたホイールですが8年ほど使われていると伺いました。

現状は高級スポークのDTエアロライトです。優秀なスポークですが何分にも細いのでパワーライダーのお客様には剛性が不足しています。太さのあるコンペティションに交換を勧めました。

軽量アルミホイールでリムはオフセットリムを使っています。とてもよくできているホイールですがやはり経年変化を感じました。理由は振れ取りがとても難しいリムとなっています。

スポークテンションを揃えると振れが大きくなるというとても取り扱いの難しいリムでした。これはリムが何らかの理由で癖がつき、振れ取りがとても難しいリムになっていました。微妙なことですがホイール作りをしますとよくわかります。

ホイールを作り上げていく場合、まずはホイールの振れがないようにすることが大切です。振れ取り優先で作り上げるのが一般的な方法です。振れ取りが出来れば組み上がりとなります。しかしこれだけではスポークテンションが揃っていないことが多いので駆動ロスも大きいです。

お預かり時は振れ取り優先で作られていました 振れはほとんどありませんがスポークテンションは不揃いです
スポーク取り換え後のスポークテンションです 出来るだけ均一になるようにしました

手組ホイールファンではスポークテンションを優先しています。このほうが駆動ロスが少ないです。先ずはスポークテンションを揃えることを優先してから出来るだけ振れを少なくするという方法を取っています。

スポークテンションを優先するとどうしても振れを取り切ることが出来ないこともあります。こんな時は何故このようにするのか理由もお客様に説明しています。勿論大きな振れはないようにしていますが振れ取り優先ではありません。少しのフレは残ることもあります。しかし理由があっての振れですので納得していただいています。今回のホイールはスポークを太くして剛性を上げています。パワーライダーのインプレが楽しみです。

知ってしまうと気になるホイール

お客様より使っておられるボントレガーのホイールの調整の為をお預かりしました。

お預かりのホイールは購入された自転車屋さんに振れ取りの調整依頼をされたことがあるようです。残念なことにサイズが合っていないニップルレンチで回されたようでニップルを舐めてしまってレンチが使えなくなっていました。幸いにもDTのProlock Hexagonal ニップルでしたのでニップルの後ろから回すことが出来ました。後ろから回せることを知らなかった自転車屋さんもちょっと考えてほしいものです。お客様はニップルのことをご存じなかったのです。自転車屋さんは知らん顔していたことも驚きました。しかしこのようなことは間々あるものです。

ホイールをお預かりしますとまずスポークのテンションをチェックします。グラフにしましたのでわかりやすいです。

この状態で乗っておられました。スポークは強弱強弱とバランスは取れています。振れもあまりありません。

お客様は平均時速35kmで走れる猛者ライダーです。剛性の不足を感じませんでしたか?とおたずねしますと踏み込んだときにすこし力が逃げる感じですと仰っています。ずっとこのホイールで乗ってこられたので慣れておられるのだと思います。

今の細いスポークを取り換え、スポークを太くして剛性を上げたら乗り味が変わりますよとお伝えしました。

ずっと慣れて乗っているホイールは振れがないのでこんなものだとして乗ってこられました。お客様にとっては軽くてよく回るホイールだったと思います。

しかし グラフで可視化しましたテンショングラフをお示しした後、スポークの状況を知ってしまうと気になるものです。 スポーク替えを了解いただきました。

現状はDTのエアロライトでサピムのCX-RAYと同じクラスのスポークです。スポークを太くしてコンペティション黒(2.0/1.8/2.0mm)に変更します。スポークが届くのは少し先になりますので月末には新します。ホイールの剛性はスポークの総面積に比例しますのでスポークを太くすると剛性アップとなります。インプレが楽しみです。

スポーク折れたが無事に帰れた

お客様より次のご連絡をいただきました。

後輪左非ドライブ側のスポークが1本折れました

昨年の5月頃に組んでいただいたホイールのスポークが折れてしまいましたので修理の依頼です。
今日ライドに出かけて帰り道の途中で折れていたようです。
ブレーキの当たりに違和感を感じて気付きました。
状態はリアホイールの非ドライブ側のスポークが1本ハブの方で折れてしまいました。
いわゆる首が飛んだと言われる状態です。

走行不能にはならず転倒もしませんでしたので無事に帰れました。
振れは最小限で走行は出来る状態でしたので、多スポークホイールでよかったと実感しました。
思い当たる原因としては、今日の帰りの途中に薄い板状の金属片のような物を踏んで跳ね上がって自転車のリア付近のどこかに当たったような場面があったことです。
そのときに乾いた感じの「カンッ」という音がしたのですがそれが直接の原因かはわかりません。

すぐにお送りいただくことにしました。

スポークは残念ながら折れるときは折れます。折れないようにスポークテンションを均一にしていますが何か分からない力が働いて折れることはあります。

お客様のように無事に帰宅出来ましたのは多スポークホイールであったからと思います。

お怪我がなくよかったです。すぐに修理をしてまた使っていただけるようにしました。

特筆する点は多スポークホイールでよかった感じていただいたことです。このブログでは多スポークホイールの利点を何度も記事にしています。残念ながらスポークが折れることは間々あります。事故にならなかったこと、無事に帰られたことが本当に良かったと思います。

多スポークホイールの場合、スポークが折れると振れが少し大きくなるくらいで自転車に乗って帰れます。ロングライドに向いたホイールと思います。

タイヤレバーを入れるのが面倒

クリンチャータイヤの場合タイヤ交換、パンクの時はタイヤレバーを使います。長年タイヤを取り外していますが力も衰えてきましたのでなかなかうまくいかなくなりました。

新品のタイヤの場合タイヤレバーを差しいれるのは結構大変です。ビードから外したタイヤを親指で押して隙間を作りタイヤレバーを押し込みます。何とか隙間を作って1本目目はまだ簡単ににできます。次にまた同じように2本目のレバーを差し込みますが今度は隙間がほとんどない状態です。次のレバーがどうしても入らないことが多いのです。何度もレバーを押し込みますが入りません。力んでやりますので血圧が上がる感じです。

何度も外してすこしくたびれたタイヤ、少しビードが伸びたタイヤならレバーは比較的容易に差し込めますが新しいタイヤの場合はなかなか難しいです。コンチネンタルのタイヤは特にきついです。四苦八苦です。しかし何とかやり遂げないといけません。

タイヤシーターでタイヤをつまんで隙間を作ってレバーを差し込む  簡単にできます
タイヤシーターを使えば簡単です

最近このタイヤレバーの悩みを解決することが出来ました。もう何度もブログ記事で登場していますがパークツールのタイヤシーターを使うことで解決できています。ただし屋外では重い道具なのでもっていけないのが残念です。

方法は次の通りです。

タイヤシーターでレバーを差し込む位置のタイヤをつまみます。この巨大なプライヤーを横に倒してタイヤとリムに隙間を作りそこにタイヤレバーを差し込みます。こうすることでこの隙間にレバーを容易にいれることが出来、リムの縁からタイヤのビードを外すことが出来ます。次にまたレバーを差し込んでと同じことを繰り返せばいいわけです。タイヤシーターでタイヤをつまんでレバーを入れる隙間を作る。この繰り返しです。

タイヤ外しはタイヤレバーを入れる隙間作りが大変なわけでこれが簡単にできるなら解決したも同じです。

とても楽な方法です。力を使うことなく簡単にタイヤは外れます。これは優れもので買ってよかった道具の中でも上位に位置するものと思います。

シマノハブ、TNIカーボンリムでホイール作製

TNIのカーボンリムRoad35を使ってホイールを作製しました。ハブはすでにブログ記事にしていますがシマノホイールよりハブを取り出して使っています。何故こういうことをするかと言いますとカップアンドコーンのハブを使いたいからです。

シマノホイールより取り出したカップアンドコーンハブ 20・24穴

シマノのハブはカップアンドコーンです。玉あたりの調整が必要ですが非常に丈夫です。シマノハブはユーザーが育てるハブです。定期的にグリスアップを行えば非常に信頼できるハブとして長く使えます。ハイグレードのハブ、下位グレードのハブと種類がありますがどのグレードも頼りになります。見た目にはグレードの差異はありますがどれも回転性能は優秀です。

残念なことにシマノハブでは前輪20穴後輪24穴のハブは販売されていません。用意するカーボンリムは前輪20穴、後輪24穴です。ここでうまいアイデアがありました。既成のホイールからハブを取り出して転用します。シマノホイールの下位グレードには20・24hのホイールが販売されています。価格もリーズナブルです。これを使うことにしました。

前後セット 1649g

仕様は次の通りです。

リム TNI カーボンリム Road35 20・24H

ハブ シマノ 20・24h

スポーク 前輪後輪ともにピラーwing21 シルバー

ニップル ピラーDSNブラス シルバー

スポークはWing21シルバーにしました。市販のカーボンホイールは黒色ばかりです。オリジナル感を出すためにシルバーのスポークにしています。

Wing21はエアロタイプのスポークです。空力面ではサピムのCX-RAYより優れているという風洞実験の結果があるようです。CX-RAYより少し重いのでCX-RAYやDTのエアロライトで組んだホイールより剛性は上がります。つまり20・24の組み合わせで少しホイールの剛性が弱いと感じる方にはちょうど良い硬さになると思います。

前輪703g
前輪 ラジアル組
後輪946g
後輪 左右2クロス組

ホイールはリムテープを貼り、バルブを用意すればチューブレスホイールとして使えます。シルバースポークのカーボンホイールはあまり見たことがありません。ありきたりのホイールにご不満な方、カップアンドコーンのハブがいいと考えておられる方にお勧めです。ハブが重いので総重量は少し増えますが前後で1649gは軽量ホイールには違いありません。外周部が軽量なので漕ぎ出しは軽いホイールです。

シマノエントリーモデルWH-R500ホイール前輪を分解

カップアンドコーンのハブで容易に手に入るのはシマノの製品です。しかしユーザーが容易に手に入るハブの穴数は限定していまして28、32、36穴のハブがほとんどです。ディスコンになっている古い製品には18、24、28、32、36とバリエーションがありました。しかし残念ながら現状ではこのようなハブは販売されていません。

ここで奇策を取ることにしました。完成品のホイールからハブを調達するわけです。シマノのエントリーモデルは価格的には驚くばかりです。こんな価格が成り立つのかといつも思います。

前輪20H後輪24Hのカーボンホイールを計画しているのですが軽量の台湾製ハブを使用すれば簡単ですがベアリングの調整が必要ながらカップアンドコーンのハブで作ったホイールが欲しいというユーザーさんも沢山おれらます。

新品のシマノホイールから目的のハブを取り出して使うことにしました。一粒で2度おいしい使い方です。ハブとリムは2回使えますが取り出したスポークは2mmスポークなのでほとんど活躍する場面がありません。このため2mmスポークがたまる一方です。

シマノ エントリーモデル WH-R500 前輪862g

今回新しく取り寄せたホイールはシマノのWH-R500です。重量は862gです。決して軽くはありませんが乗る人の用途に合えば素晴らしいホイールです。今回は新品状態ですぐに分解となりました。

新品の状態でスポークテンションを調べてみました。結構優秀です。しかしこの状態からスポークをいつも行う馴染みだしを行いますと次のようになりました。15%くらいテンションは下がりました。

馴染みだし後のスポークテンション

スポークテンションは大きく緩み、ばらつきも大きくなっています。こうなった理由はホイールメーカーの馴染みだしにはプレス方式を取っているからです。リムを固定してハブを押して馴染みだしする方法です。作るのにスピードを要求するホイールメーカーでは仕方ないことでしょう。

馴染みだしの足りないホイールはホイールをフレームに取り付けてしばらく乗るとこのようになるということです。おまけにタイヤをインストールしますとまた10~15%テンションが下がります。これがエントリーモデルはだめだといわれる原因かもしれません。本当はとてもよく走るホイールです。高価なアルミホイールに決して負けるホイールではありません。ただし調整が必要です。

いっそのことラベルを外すのも良いかと思います。安物ホイールを使っているという心理的な影響があるかもしれません。ホイールはとてもプラセボ効果が出る部品です。安物を使っているという負い目が走りに出るかもしれません。冗談ですが…

ホイールは見た目が大切です。購入の際、先ず振れがないかを皆さん調べます。このポイントは大切ですがもう一歩踏み込んできっちりストレスリリーブ(なじみだし)が行われたホイールかということが大切です。勿論価格的にはメーカーとしては手間をかけることはできないわけです。メーカーは見た目を大切にしています。おまけによく走るホイールになってしまいますと高級品が売れなくなります。わかっていてもやらないのが現状かもしれません。

①前輪20後輪24Hのカップアンドコーンハブにはシマノのエントリーモデルがある。性能は優秀です。シマノハブはユーザーが育てる必要があります。これがポイントです。

カップアンドコーン 20穴 145g このハブを使ってカーボンホイールを作ります

②ホイールを作る力があれば取り出したアルミリムは重量がありますので剛性の高いホイールを作ることが出来ます。軽いだけが走るホイールではありません。剛性が大切です。

21mm幅23.5mm高 534g 20穴

③調整をしっかりすれば本当はとてもよく走るシマノエントリーモデルです。スポークを替えればなお一層よくなります。

このようにシマノのエントリーモデル称されるホイールは2度楽しめるホイールです。ディスコンになる前にまた買おうと思っています。部品不足に悩むことはなくなります。

銀輪ホイールのインプレ

昨年の12月にご注文いただきましたシルバーホイールのインプレをいただきました。とても気に入っていただいたようで、写真も一緒にお送りいただきました。

ホイール注文のご連絡いただくきっかけは昨年の6月のブログ記事にあります。シルバーホイールを作製したことを書きました。これを読まれてご連絡いただきました。

お客様はクロモリフレームにシルバー軽量頑丈のキシリウムエリートで走っておられましたがスポークのトラブルから新しいホイールに替えることを考えておられました。

別注のクロモリフレームにあったホイールということで、シルバーホイールのハブとリムをお持ち込みいただきました。スポークはこちら提案しました。ホイールは12月2日の記事にしています。

ホイールのお届後しっかり乗り続けていただきご感想をいただきました。手組ホイールの良さ、欠点を知っていただくうえでとても参考になるインプレをいただきました。

リム AL300 ハブ シマノアルテグラ

以下原文です。

その後、年末年始の休みや週末の度に50から150kのサイクリングを重ね、気づいたら800k超えとなりました。使用感が定まりましたので感謝代わりに感想お伝えさせていただきます。

まず、この厳寒期にこれだけの距離走れたというのも、100k5時間位の行程ならイージーにこなせる属性を自分の自転車が所有したということだと思います。メインのコースが桑名大垣間の揖斐川河川道路往復です。90k程度です。気が向くと大垣から関ヶ原に向かい員弁抜けて桑名というコースで120k。前者はほぼ平坦ですが路面状況が砂利道から敷きたてアスファルト舗装まで様々です。後者は関ヶ原以降員弁まで若干のアップアンダーです。途中雪にふられることもありました。

 前のキシリウムエリート2012では、路面によって跳ね返りが強く衝撃による減速余儀なくされるケースが途中であり、また砂利道は降りて押すという状態でしたが、手組ホイールファンのホイールはそれらの悪路もクリア。一言でいうと接地効率がよく衝撃緩和に優れています。スピードについては不思議な感覚でなんとなく巡航時速25キロという具合でオートマの車に最初に乗った時と感覚が似ています。ただ回した分だけのキシエリと違うので当初は戸惑いました。なお平均時速は2kほど落ちましたが、痛みや疲労感と充分以上トレードオフです。坂は、アップは苦戦。重くなったという偽薬効果かもしれません。ただ下りの安定感と爽快さはそれだけでも価値があるものでした。ヒルクライムホイールならぬダウンヒルホイールの称号つけれます。総じて自身のサイクリングスタイルに全適合という具合です。

見た目そう変わらない手組み<ar713リム アルテグラハブ、ホシスポーク>からのハブ流用で今回作成いただきました。スポークと組みの技術で別物になるということ体感理解出来ました。商売として成立しないでしょうが、完成車のチューンナップでもっとも効果わかりやすい施策ではないでしょうか。

最後に、見た目。物珍しいのでしょうか何度かどこのメーカーと道行のサイクリストに聞かれるケースありました。HPお知らせしておき、費用感伝えると一様に驚かれました。トーケン買おうと思ったけどこちらの方が全然いいとお褒めいただきました。

多スポークホイールは疲れにくいということがよくわかります。スポークが多い分空気抵抗は増えるのですが乗り味は柔らかく疲れにくいということです。予算にあわせてベストのパフォーマンスを得ることが出来る手組ホイールはもっと見直されても良いかと思います。どんなホイールも長所もあれば欠点もあります。乗り手のご希望にあわせて最良のところを見出すには手組ホイールは向いていると思います。

参考になるインプレをお送りいただきまして感謝しています。

26mm高24mm幅シルバーホイールの作製

シルバーホイールのご注文をいただきました。ハブは10速シマノハブの持ち込みです。

シマノ10速ハブ HB6700 FH6700

リムとスポークをこちらで手配しています。

XR26RT シルバーリム 463g
なかなか手に入れにくリムですがうまく手配できました

リムはキンリンのクリンチャーリムです。台湾のキンリンワイドリムは22mm高、31mm高が国内では多く流通しています。しかし26mm高のシルバーリムは国内商社経由では手に入らないと思います。今回のホイールに使うリムはなかなか手に入らなかったのですがうまく手配できました。他のメーカーのシルバーリムは流通していますが非常に高価です。カーボンリムと変わらない価格なので驚きます。商社としましたらリスクを張って輸入しているので高い値段になるのは仕方ないと思います。趣味の世界は奥が深いので価格だけで決めるものでもありません。いずれにしましてもシルバーのリムは非常に手配しにくいことは確かです。

今回のリムは32穴リムですがホイールとしまして王道の穴数です。スポークをうまく選択すればロングライドに適した疲れにくいホイールに仕上がります。

スポークはピラーのトリプルバテッドスポークで作ります。Jベントの部分が2.2mmありますので通常の2mmスポークより強化されているところがいいです。安心感が増します。

前輪を中央部1.5mmで作り、後輪左は1.5mm、右は1.8mmと左右のスポークを変えています。剛性を上げるのが理由です。

ピラーのダブルスクエアニップル(DSN)

ニップルはダブルスクエアです。後ろからテンションアップができますのでとても扱いやすいニップルです。手に入れにくいのが難点です。

モダンなシルバーホイールです なかなか手に入れにくいリムです
前輪スポークテンショングラフ
後輪スポークテンショングラフ

組みあがりましたホイールはとても存在感があります。クロモリフレームとあわせますとよく似合います。後輪はオフセットリムですので通常のスポークテンションより10%以上後輪左テンションが高いです。おまけに10速ハブなので一層左右テンション差は少なくできます。リム自体はチューブレスレディーなのでバルブとシーラントを使えばチューブレスホイールとして使用できます。見た目はクラシックですがモダンホイールの高性能ホイールとして使っていただけます。リム高は26mmありますので空力の援護も得られます。用途の広いホイールとして楽しんでいただけるホイールです。