通販でカリマの後輪が安価で売り出されていましたので勉強のため購入しました。ハブを買う値段で買えましたので分解して調べる予定です。安物買いですがしっかり元を取らせてもらおうと思っています。銭失いではありません。
まだこのホイールに乗っていませんので乗り味の報告はできませんが予想はつきます。参考にしていただきたいと思います。
安価なホイールはその値段に仕上げるために材料、作製工程など削減できるところはギリギリまで削減されています。
まず、考えるのは重量です。とても重いです。これは仕方ないことで一番安価な材料を使っています。
ハブ軸はスチールですし、フリーもスチールです。スポークは2mmのjベントのストレートスポークで価格的に安価で重いスポークです。
しかしこのスポークはホイール作製においてスポークがねじれることなく容易に作り上げることが出来ます。頑丈で壊れにくいのです。おまけに剛性も得られます。欠点ばかりではありません。ただ剛性がありすぎて乗り味が固いのは否めません。安価なホイールはどうしてもビギナー向けと考えますが私の考えではベテラン向きで足のある人には適していると思います。重いホイールはベテラン向きです。
今回のホイールでは最終出荷時の検査報告としてチャートをつけて出荷しています。
Axial and radial skid
Hub centering
Spoke tension
Axle smoothness
Aesthetic control
この5項目にOKのチェックで出荷されています。ビルダーさんもわかります。
縦ブレ横ブレのチェック
スポークテンション
軽やかにに回転するか
見た目はきれいに仕上がっているか
ということです。
詳しく見るためにスポークテンションを調べてグラフにしてみました。以下のグラフになります。
スポークテンションのバラつき度は左右共に10%前後です。価格から言いましてこれ以上の要求は難しいと思います。
まずは評価しやすい項目は振れ取りです。振れがあると調整不良として×マークがつくのでメーカーも注意していると思います。
スポーク組を注意してみますとドライブサイドのスポークは綾を取っていません。ホイールは綾を取るものだと思っている方が多いと思いますが最近は取っていないホイールが多いです。スポークはただ引っ張るだけのものと理解されているからと思います。スポークを針金でくくるソルダリングも手間がかかるだけという考え方が一般的な理解のようです。
このホイールをもう一回なじみだしを行いました。私なりの方法で行ったのですがスポークテンションはやはり少し下がり、ばらつき度は高まりました。このことから言えますのはストレスリリーブ(なじみだし)が不十分なら振れは確実に出てくるということです。
カンパの製品はとてもよく作られていまして品質管理がよくできていると思います。しかし手組で注意深く作るのとは少し違うようです。経済性が先行するのは仕方ないです。
感想
左右のテンション差の少ない2:1組(3G)のこのホイールは剛性が高くとてもよくできていると思います。冬場の練習用ホイールとしては最適です。これだけの品質を安価に販売するのはやはりカンパの製品と思いました。ただもう一度テンション調整を行うことでもっとよくなると思います。
再度テンション調整を行いました。テンションばらつき度を5%以内に仕上げています。こうすることで振れが出にくくなります。わかりにくいことなのですが駆動ロスが軽減できます。
一つ改良案があります。スポークを取り換えることです。オリジナルではやはり太いスポークを使っていますのでガチガチの乗り味です。ロングライドには適しません。このため2mm径のスポークをすべて取り換えて細いスポークにします。1.5mmと細くても27本あるので剛性は十分担保できています。スポークの中央部がショックアブソーバーの働きをしますので地面からの振動を軽減します。
もう一案はカーボンリムを別注しまして3G組のカーボンホイールを作ります。
これはとても期待のホイールになると思います。総重量が軽いホイールは確かに良いです。このカリマの2:1組ハブはおそらくシマノハブ105クラスの重量と思います。
仮に350gとしてカーボンリムが400g、スポーク27本で135g、ニップル27gで合計912gです。ほぼゾンダと同じ重量になります。スポークの多い分乗り味は柔らかくなりホイールの剛性は高くなりますので駆動力の高いホイールが出来ると考えます。リム発注できましたらまたレポートする予定ですが安価なホイールもいろいろ楽しめるものです。