ゾンダはホイールのベンチマークになるくらいのホイールです。どんな自転車屋さんでもゾンダ、レーシング3を買っておけば大丈夫といわれています。
それだけで実績があり安心できるホイールです。これ1本で大丈夫ともいわれています。
最近アルミホイールの雄であるゾンダホイールを調べる機会を得ました。
最初にお断りです。本ホイールは譲っていただいたホイールです。このホイールを調べ上げてあれこれと意見を述べるのはいただいた方に対して申し訳ない感じがします。
しかしこんな事例もあるということを知っていただくことが大切と思い今回の記事にいたしました。以前にもゾンダ購入の記事を書いています。これも参考になるかと思います。
残念なことにこのホイールは後輪リムベッドにひび割れが入り危険で使うことができません。スポークのテンションを調べてみました。果たしてテンショングラフにしますと驚くことが分かりました。びっくりのハイテンションで作られています。
後輪ホイールは21本のスポークを使われています。右ドライブ側14本左非ドライブ側7本、2:1組の代表的なホイールです。スポークテンショングラフで見ますと前輪は平均約120kgfで張られてばらつきもなく優秀です。
後輪はドライブ側が驚くばかりのハイテンションで仕上がっています。私のテンションメーターでは約140kgf前後でスポークは張られています。使用のデジタルテンションメーターは校正していますので大きく狂いはありません。
ホイールは2万kmほど走っておられますので新品ホイールとは違います。そんな使い込んだホイールのスポークテンションが140kgfですので新品の時はもう少し高いと思われます。正直後輪は高いテンションです。
ではホイールのスポークテンションどのくらいが正解値なのでしょう。
正解は必要十分なスポークテンションであればよいというのが正解のようです。きっちり**kgfにするべきですという正解値があればいいのですがそうではありません。とてもあいまいです。いわば正解というものがありません。
しかしながら私はおおよその数値は決めています。前輪は110kgf~120kgfで仕上げます。後輪は120~130kgfで仕上げています。
この辺りで仕上げるのが経験からでた数値です。つまりホイールの強度やスポーク数によって決めていますのである程度の幅があります。一律ではありません。
スポーク数が多い32hのクラシックなホイールでは前輪は70kgf前後、後輪100kgfで十分という人もおられます。
各ホイールメーカーにはスポークテンションの推奨値があります。ある程度の範囲内で作っているということですがこのゾンダはどうも推奨値の最上限で作られたようです。
ゆるゆるのテンションでは力が伝わりませんがスポークテンションを高くして剛性を上げるということは間違いです。スポークテンションはホイールの剛性には関係ありません。ホイールの剛性はリムの剛性とスポークの総面積で決まります。スポークが太いと剛性が上がります。ホイールの剛性はスポークの総面積に比例するといわれています。
リムの疲労はスポークのハイテンションで起こりやすくなりますが、このゾンダはもう少しスポークテンションが低い作りであったらリムのひび割れは起こらなかったと思いますのでとても残念です。せっかくのゾンダが使えなくなるのは悲しい話です。
では予防策はないのでしょうか?
結果的には購入時点で調べて少し下げるしかありませんがそんなサービスをしてくれるところ、正確なテンションメーターを持っているショップは少ないと思います。
やはり残念ですが運に任せるしかないのかもしれません。当たりが悪かったというしかありません。人為的な問題なので解決はできるのですが…