カーボンホイールの作製

カーボンリムが届きホイール作製にかかりました。

リムは46mm高を前輪に56mm高を後輪に使います。

ハブは前輪DURAハブHB9000 18穴、後輪はBitex BX301 8/16 24穴

スポークは前輪CX-RAY、後輪コンペティション

という構成です。

 

リムは穴なしリムです。この頃はバルブ穴だけのリムを皆さん希望されます。穴なしリムの場合作るのは少し面倒ですがリムテープがいらないので使用してからのランニングコストは非常に安価です。穴ありリムの場合、パンクやタイヤ交換の時に必ずテープを変えないといけませんのでテープは予想外にいります。上手に代用品のテープを使えば安価に済みますが名の通ったテープの購入となりますとテープ代金も結構かさむものです。

 

ニップルはアルミにすると軽量ですが丈夫さとガルバニック腐食のことも考えてブラスをお勧めしています。20gほど増えるのですが差異は感じないのでブラスにしていただいています。

穴なしリムの組み方を教えてくるYouTubeがありますので参考にされるとよいと思います。

https://www.youtube.com/watch?v=nXeZfRD-fQ4

まあ組むのは難しいのですがひとつ挑戦してみるのも勉強になると思います。このYouTubeでは簡単そうにしています。まあできるならやってみたら?という感じで教えてくれています。見ていて私にはとても参考になりました。

後輪877g BX301 8/16h
前輪683g HB900018h
穴なしリムで作製
前輪サピムCX-RAYラジアル組
左ラジアル組右3クロス組 コンペティション

完成したホイールです。リムの入荷に時間が掛かりましたがいいホイールが出来ました。

前輪が683g、後輪877g、合計1560gです。レーシング3とほぼ同じ重量です。

 

ご注文いただいた方はFTP300ありますのでインプレが楽しみです。

リムの実測は必ず要ります

リムが届きホイール作りを始める前に必ず行うことは部材の実測です。今までに何度も失敗を繰り返してきましたのでこれは教訓として間違いありません。

 

今回も危うく失敗するところでしたが実測しましたので間違いを起こさずに済みました。

リムはAR56の穴なしリムです。スポーク穴がないので実測しにくいのですが一度リムにニップルを通して実際の数値を測ることにしています。

 

果たして実測値は予定の数値とは2mm違っていました。ライトバイシクルの発表数値はリムの内寸で正確ですが使用するニップルによってERDの数値は違ってきます。使用するリムを使って実際のニップルを充てて測ることです。

ハブも同じことが言えます。メーカーの発表数値を丸々信用することはやめた方がいいと思います。ただしシマノはデータとして残せます。往々にして発表数値と違うことがあるのです。ハブも実際の数値は発表数値と違っていました。

 

スポークが長い場合は短くカットできますが短いときスポークは2重の買い物になりますので結局は高いホイールになってしまいます。私の場合はいろいろと転用する機会が多いのでそんなにロスとはなりませんが普通は痛っとかんじるものです。

少しの手間です。実測は必ず必要です。

DTスポークホルダーについて

CX-RAYなど扁平スポークスポークを使うときにはスポークのねじれを防ぐためにスポークホルダーを使います。ずっとプライヤーをスポークホルダーとして使っていました。プライヤーは楽ですがDTのスポークホルダーはもっといいと思います。

2種類あるのですが先ずは赤色でいいと思います。

赤と黒があります

赤はスポークの厚みが0.8~1.0mm、黒が1.0~1.3mmです。たいていの方はサピムのCX-RAYかピラーの1420,1422と思いますので赤色で対応できます。

右手でニップル回し、左でスポークホルダーをもって(逆もありです)写真のように回します。

ピラーのニップルレンチでも使えます

パークツールのニップル回しでは距離が開くので使えなくはありませんがスポークホルダーがニップルレンチの根元まで来る方がスポークのねじれを強く抑えることができると思います。

パークツールのレンチとは使いにくい

実はこんなに使いやすいと思っていませんでした。あれば便利な道具としてお勧めです。

立ってホイールを組む(続き)

万能作業台に小さな万力を取り付けて挟み口には小さなアレンキーを取り付けています。

この小さな鉄棒にハブを差し込んでホイールを組み立てているのですが思いのほか作業がはかどります。

仮組はじめ

ニップルにグリスを塗りながらでも仮組が30分ほどで組上がります。慣れている加減もありますが今まで以上にスピードが上がりました。そして間違いが少なくなりました。上部から俯瞰しているからでしょうか?

仮組終了

写真は仮組が終わった状態ですがこの状態で電動ドリルでニップルを締めていきます。

ドリルで一定の深さまでニップルを締める

ビットが空回りするまでニップルを回します。ドリル回しを一周回れば仮組は終わりです。ホイールを振れ取り台にセットします。一連の作業が30分ほどで終わりミスがありません。

新しいスポークを調べる

最近新しいブランドのスポークを使っています。このスポークはいつも買っているセラーが勧めてくれました。

ピラーHPより

ピラーのTB2015です。Jベントスポークで根元2.2mm中央部1.5mmねじ部分2.0mmのスポークです。

スポークの詳細はピラーのホームページを参考にしていただければと思います。

中央部の細いスポークはねじれ易いので扱いが難しいですが中央部がショックアブソーバーの役割をしますので地面からの衝撃を吸収してくれます。乗り味が柔らかくなります。

スポークの多いホイールには最適のスポークです。

105kgfで引っ張っています

さてホイールを作って完成したのですが私のテンションメーターでは105kgfの力でスポークを引っ張っていることになります。初めてのスポークなので確認することにしました。

104.9kgfですが105kgfとします

テンションメーターの換算表では105kgfと出ていますので再確認ということで校正器でも確認いたしました。

テンションメーターでは0.38mmの歪み

校正器にTB2015スポークをセットして105kgfに引っ張りましたらテンションメーターでは105kgfを表す0.38mmの数値が出ています。

ほぼ合っていると確認しました。

自作ホイールを自分で楽しむにはここまで行う必要ないと思いますがやはりできるだけ良いホイールを作るということではいい方法と思います。

正確な数値を知ることはとても大切です。トラブルが少なくて力が逃げないホイールを作るにはスポークテンションの正確な絶対値を知ることが良いホイールへの近道でとても重要なことと思います。新しいスポークも校正器で調べています。

スポークのストレス取りに使う棒

ホイール作り於いてスポークのストレスリリーブにこのような棒を使っています。使い方はスポークの間に入れてひねるだけです。簡単な作業で済みます。

ボディーブラシの柄を使っています

海外のビルダーさんも同じように小さい棒を使っている人を見つけました。この人はハンマーの柄を使っているようですがなかなか使いこんだ色をしています。ここまで使いこむのは相当なものです。

チューブレスホイールはテープ、バルブとコアの予備がいる

チューブレスホイールを使うようになってからはバルブとコアの予備が結構いるようになりました。

コア、バルブの予備は必須

以前の記事にしましたが空気漏れの際バルブを変えてうまくいったことがあります。空気漏れはテープの貼り替えとかバルブ、コアの不調とかいろんな原因で起こります。だんだん会得するしかないのですがチューブレスは面倒なことが多いです。

リム打ちパンク
シーラントの処理が面倒

きょうも部屋に置いてあったバイクの前輪がいきなり大きな音を立てました。パンクです。昨日乗った時に前輪の空気圧が少し高くしたのが原因のようです。リムテープが劣化していたところに高い空気圧で見事にリム打ちパンクを起こしました。

 

家の中でよかったのですが路上では大変な目にあったと思います。この面倒さが嫌でまたクリンチャーに戻る方がおられるのですが私はいろんなトラブル以上に乗り心地のほうを好んでいます。

久しぶりのカーボンホイール

カーボンホイールには久しく乗っていませんでした。貸出用に用意しているだけで乗っていなかったのですが先日ハブの整備も終えましたのでいつも走るコースを2時間ほど乗ってみました。

やはり空力はいいですね。大阪の人ならわかる淀川沿いから木津川沿いの定番コースですが追い風になると200Wほどで時速35~37kmで走れます。踏み込まずに35kmで走る気持ちのよさはロードバイクに乗っている人ならわかっていただけると思います。

 

タイヤはチューブレスです。リムは穴なしのリムを使っています。ハブはノバテックのハブを使用しています。メンテナンスがしやすく使い勝手の良いハブです。

 

カーボンリムはお安くなりました。コモディティー化しています。中華カーボンは一般的になりました。激安のカーボンリムも見かけるようになりましたがやはり命を預けるホイールですので安心できるメーカーの品物でないと心配です。私は今まで有名どころの3社の品物しか使ったことがありませんが手を広げるつもりはありません。しっかりしたメーカーの品物しか使いません。

高いかどうかは個人の判断ですがリムは1セットで4万円くらいです。ハブが1万5千円前後、スポークは5千円から2万円くらいまであります。ご自分で作れば約6万円の出費です。高級スポークを使えば8万円ほどで作れます。

アルミリムではキンリンのXR31T・RTもしくはXR22T/RTは高性能でコスパの良い一押しのリムです。手組カーボンホイールはこれらのアルミホイールと比べて最低でも2倍しますが有名どころの完組カーボンホイールの半分以下の値段です。この値段を考えますと視野に入れられてもよいかと思います。

立ってホイールを組む

朝のNHKの番組で作家の櫻木梨乃さんが出演されていました。

ご自分の仕事部屋も紹介されています。小説は立って書いているとか、そうです、立つと仕事がはかどるのですね。

立ちながら仮組を行っています

私のホイール作りは立って作業しています。これは記事にするほどのことなのかと迷いました。

ホイールを作るのにはどうってことがない話ですが立って仕事をすると守備範囲が広くなりとても作業がスムーズにはかどります。いま企業では立ちながら会議を行う会社もあるようです。短時間で間違いが少ないということでお知らせしたほうがいいと思っていました。これも一つのtipsです。

振れ取りも立って作業しています

 

DTswissのYouTubeを見ていますとビルダーたちは立って仕事をしています。別にどういう姿勢で組み立ててもいいのですが立って仕事をすると作業はとてもはかどります。

 

別に急いで作業を進めることではないのですがとても集中してできるので間違いが少ないように思います。立って作業すると確かに作業効率は良いですね。

 

ずっと仮組までは座って膝にリムを乗せて作業していました。

 

今は立ながら作業をしているので動ける範囲が広いです。このためニップルにグリスを塗ったりする作業がとても素早くできます。スポークを床に落として作業中断ということもありません。スポークでリムを引っ掻いたりして傷をつけてしまうことも何度かあったのですが立って作業をするとこんな失敗もしなくなりました。

ワイドリムで作ったホイールが好評です

キンリンXR22T/RTワイドリムで作ったホイールが良い評価をいただいています。ワイドリムではXR31T・RTの31mm高のリムを使ったホイールがいままでとても高い評価をいただいていました。しかしホイールの重量が気になる方がおられるようです。そんな時に提案していますのがこのリムです。

XR31T・RTより約50g軽いので前後で100gの軽量化です。空力に関してはXR31T・RTよりすこし劣りますが登りに強くなりますのでこの1セットで十分という方もおられます。

 

以下詳細です。

前後1478g
前輪611g

前輪

リム  XR22T 20h

ハブ  NOVATEC A291SB 20h

スポーク DTコンペティション2.0/1.8/2.0mmシルバー ラジアル組

ニップル  DTブラス

重量  611g リムテープ含まず

後輪861g

ABG付 地味ですがメリットは大きい

後輪

リム  XR22RT オフセットリム  24h

ハブ  NOVATEC F482SB  シマノ10速11速兼用 10速スペーサー付き

スポーク 右DTコンペティション2.0/1.8/2.0mmシルバー 2クロス組

左サピムD-light2.0/1.65/2.0mmシルバー 2クロス組

ニップル  DTブラス

重量   861g リムテープ含まず

 

前後1478g  リムテープ含まず クイック付属しません

 

特徴

  • 以下当ホイールの説明をアルミリムホイールのベンチマークといわれるゾンダと比較しながら説明いたします。ゾンダに勝っている面負けている面がわかると思います。参考にしてください。ゾンダの半額で作れるコスパの良さも注目できます。

 

  • ゾンダのリム幅は23mmで重量は1550gです。当ホイールは24mmワイドリム使用で前後1478gのホイールは非常に軽量といえます。

 

  • ゾンダにはABGはついていません。当ホイールにはスプロケットのかみつき防止ABGがついています。通常ハブよりワンランク上のハブフリーを使っています。地味ですがメリットは大きいです。

 

  • ゾンダのリム重量は約500gです。当ホイールは約440gの軽量で剛性の高い24mm幅22mm高のワイドリムです。23c、25c、28cタイヤをお勧めします。

 

  • ゾンダはニップル穴のないリムを使用し後輪はオフセットしていません。当ホイールの後輪はオフセットリムを使用しています。

ハブの11速化に伴い通常の後輪リムでは左スポークテンションは右の半分以下と低い仕上がりです。

当ホイールはオフセットリムを使用していますので左テンションを右の60%近く仕上げることが出来ます。

ゾンダは2:1組にして左テンションを高めています。しかし2:1組ながらテンション比率は意外と低く62:100の比率です。当ホイールとあまり変わりません。

XR22RTでは2:1組にしなくてもテンション比率は高いので1:1組のほうが組み方としては素直です。駆動効率は高いと考えます。ただ見た目は地味です。

 

  • カンパ、フルクラムのホイールが評判いいのはやはり一定水準以上のビルダーが組んで高い品質管理を行っているからです。またデザイン性では非常に優れています。当ホイールのデザイン性は一般的で普通のホイールです。デザイン性では負けています。

 

  • 本ホイールは出来るだけテンションを均一化し且つ振れを最小にしています。テンションばらつき偏差を5%以内に抑えています。この数値はDURAホイールクラスの数値です。スポークを軽く叩いてみると揃っていることがよくわかります。各スポークに均等に力が加わるので駆動ロスが少なく長く使われても狂いが少ないです。テンショングラフを参照ください。

 

  • ゾンダはクリンチャーのみホイールです。当ホイールのリムはチューブレスレディーですのでチューブレス用のリムテープを貼りバルブ、シーラントをご用意されればチューブレスホイールとして使えます。当ホイールではチューブレスを選択できます。

 

  • シーラントなど面倒な点がありますがチューブレスで乗って良さを知ってしまいますとなかなかクリンチャーには戻れません。安価にチューブレスを楽しめるのも当ホイール良いところです。

 

  • ゾンダのリムは穴なしリムですのでメンテナンスは個人では難しいと思います。当ホイールは汎用部品を使っていますのでメンテナンスは楽です。部品交換が発生しても容易に部品手配ができます。

 

  • ゾンダとXR22R/RTの比較をしてきました。ブランドの力は偉大です。しかしながらノーブランドでもそんなに負けるものではありません。