超安価プライムディスクホイールを購入しました

Wiggleのホームページを何気なく見ていて超安価のディスクホイールを見つけました。

買った理由は単純です。1万円で買えるホイールはどんなものかとても興味がわきました。

届いたときの写真です。この値段で勉強できるなら安いものです。

きれいなパッキングです

届きました。非常に丁寧に梱包されています。はるばるイギリスから航空便で届いたのです。おまけに送料無料です。どういうことになっているのかいつも考えてしまします。

 

ホイールが届きますといつものお作法を行います。

前輪 943g
到着時の前輪スポークテンショングラフ
後輪 1199g
到着時の後輪スポークテンショングラフ

重量とスポークテンションを測ります。

前輪942g、後輪1199g前後2141gと正直言って重いです。カタログでわかっていたのですが実際に測ってみて少し驚きました。

 

では前後輪を細かく見ていきます。

 

スポークは2㎜のストレートスポークを使っています。ニップルはもちろんブラスです。

リムはアルミリムでオフセットリムではありません。24hの普通のアルミリムです。

チューブレスで使えます

リムはprimeの白いロゴが入っていますがシールではありません。つまりペイントしていますので簡単に取り除くことはできません。チューブレステープを1回巻きで処理されています。そう、チューブレスレディーです。重いホイールですが驚くことばかりです。

シマノ方式(シマノH.P.より)

スポークの組み方は前輪が逆イタリアン後輪はイタリアンです。通常シマノでは後輪はJIS組みを勧めていますがこのホイールは違います。まあそんなに影響ないということでしょう。私はシマノ方式で前輪は逆イタリアン、後輪はJIS組みで組みます。このことは前から疑問に思っていました。まあそんなに変わらないということかもしれません。

 

スポークテンションは上記のグラフになります。スポークテンションのバラつきは少ないと思います。ただスポークテンションはびっくりの値です。非常にハイテンションでスポークを引っ張っています。今までこんなに高い数値は見たことありません。ここまで必要かよくわかりません。

 

スポークテンションの適正値はこの数値でないといけないという決まりはありません。どのホイールメーカーも違うので決まった数値というのはないのが実情です。ではどういう風に決めるのかとなりますと必要十分な数値にするというあいまいな数値で管理されているようです。

 

このホイールでは前輪左ブレーキ側140kgf、後輪右ドライブ側150kgfです。驚きのハイテンションで仕上げています。これでいいのだ!といった感じで作られていますがこんなに高い数値ではスポークが疲労しないのか心配です。まあ値段が値段ですのであまり考える必要がないのかもしれません。

 

ホイールの剛性アップはスポークテンションを上げることではできません。高いから剛性が上がるわけではありません。スポークテンションの均一化は必要ですがむやみに高くすることがホイールの性能アップにはつながりません。必要十分であればいいのに何故こんなに高いのかよくわかりません。必要十分というあいまいな書き方もわかりにくいのですが数値が決まっていないのでこういう書き方になってしまします。しかしおおよその数値はあります。私はドライブ側を120前後にしています。

 

おそらくこのプライムホイールはタイヤをはめた後のスポークテンションドロップを計算しているのだと思いますが通常10~15%のテンションドロップですのでやはりたかい数値です。

 

1万円のホイールにいろいろと意見をいうのはおかしいかもしれませんが分解してみようと思います。安物買いの**なのかまたレポートしたいと考えております。

DTSwiss DICUT PR1400ホイールの組み換え

DTSwissホイールを組み替えるご相談をいただきました。DICUT PR1400ホイールのハブを使ってカーボンホイールの組み換えです。このホイールの組み換えはこれで2回目です。

穴アリリム36mm高です
前輪670g
前輪スポークテンショングラフ
後輪811g
後輪スポークテンショングラフ
後輪ハブ ドライブ側 1クロス組
後輪ハブ 非ドライブ側 1クロス組
前輪 ラジアル組

ストレイトプルスポークを使ったDT240ハブですが一般に販売されているハブとは違う形状です。前輪は20hラジアル組、後輪は24h1クロス組です。後輪ハブは特殊な構造をしています。

ストレイトプルスポーク使用のハブ
DT aero comp® wide t-head

スポークはDTAero compというあまりなじみのないスポークです。ストレイトプルスポークですが頭部分はT-headという形になっています。つまり頭部分を叩いて平らにしてあるスポークです。ハブ内部におさまりが良いように加工してあります。金床でたたいて平らにすればよい話ですがうまく考えたものです。

 

ハブを計測しスポーク長を出しますとスポークをカットすれば新しいカーボンリムに使えます。リムは36mm高ですのでスポークのカットはどのスポークも10mmほどカットすればうまく再利用できます。リム高が46mm高になりますとスポークが使えないのでCX-RAYを使用などほかの方法を考えなければいけませんが今回はそのまま使えます。

ドライブ側でスポークを引っ掛けています

このホイールの後輪ハブはスポークをハブのドライブ側でスポークの頭をハブフランジに引っ掛けて使う方法を取っています。特殊な構造です。通常はハブにスポークを通すのですがこのハブではスポークの頭をハブフランジに引っ掻けます。通常のハブのようにスポークをハブフランジ穴に通す方法ではないこのハブの方式はは作業効率の良い方法です。しかしリムが穴なしリムの場合これが最大の難所となりました。

 

詳しい説明は割愛しますがとても難しいハブであることには違いありません。穴ありリムの場合にはこのハブを使うと簡単に出来上がります。とてもよく考えられたハブと感心いたしました。

 

仮組みには時間はかかりますがゆっくりと一つ一つスポークを通していけば組みあがります。あとはスポークテンションを上げていきます。カーボンリムの場合精度が高いので均等にニップルを回していけば割と楽に仕上がります。

スポークはDTAero Compという私には初めてでなじみのないスポークです。規格では1.2mmの厚みの扁平スポークということなのでスポークテンションの交換表でテンションの数値がわかるのですが念のためテンション校正器で調べることにしました。120kgfで0.35mmという値ですのでほぼ正確に測れることが分かりました。

 

リムメーカーのスポークテンション推奨値は120~130kgfです。メーカーの勧める値に仕上げます。なじみだしは3回行いました。最終のなじみだし後はほとんどスポークテンションの変化はありません。我ながらよくできたと思っています。お客様のレビューを楽しみにしています。

超軽量ディスクカーボンホイールのご注文

超軽量ディスクリムを使ったカーボンホイールのご注文をいただきました。

 

リムは45mm高でありながら390gと超軽量です。いつも使っているリムの高級版です。一本1万円ばかり高くなりますがこのリム高でこの重量は非常に軽量です。2本で約6万円、高いだけのことはあります。

後輪 391g 穴なしリム 28h
前輪 393g 穴なしリム 24h

ハブはBitexのディスクハブです。価格と性能のバランスが良いと思います。

 

スポークは前輪左右にサピムのCXRAYです。高級スポークを使っています。スポークホルダーを使えばねじれは防げますので非常に扱いやすいスポークです。ホイール作りのビギナーさんにお勧めです。1本350円以上しますのでなかなか簡単に購入できる価格ではありませんが扱いやすさや性能を考えると一番お勧めのスポークといえます。

後輪スポークは左側にCXRAY、右ドライブ側には剛性を高める意味合いで左側より太いDTコンペティションを選んでいます。

DT Squorx Pro アルミニップル

ニップルはDTトルクスを使いました。このニップルは通常ニップルよりも頭の部分が丈夫です。ニップルに関してはアルミをご希望されましたので強度の高いトルクスニップルになりました。

 

普段はガルバニック腐食を考えましてブラスニップルをお勧めしていますがオーナー様は天候がドライの条件で使用されるということでしたのでアルミトルクスを選ばれました。

前輪 641g
前輪スポークテンショングラフ
後輪 797g 28h
後輪スポークテンショングラフ

仕上がり重量は前輪24hで641g、」後輪28hで797gです。スポークが多いにもかかわらず前後で1438gです。やはりこの高級リムの利点は大きいです。外周部の軽さは非常に魅力的です。スポークが多いことは地面からの振動を吸収し乗り味が柔らかくなります。

 

ホイールは穴なしリムを使用していますのでテープ代はかかりません。意外とテープ代金はかさむものです。ホイール代は2万円ほどお高くなりますがランニングコストが少ないないことは結果的にとてもよい選択をされたと思います。

 

ホイールはすべてお客様とご一緒に作り上げていきます。アドバイスはいたしますが決められるのはお客様です。私は作製のお手伝いになります。

 

ホイールはいつものことですがスポークのテンションをできるだけ揃えています。カーボンリムは精度が高いのでテンションのバラつきが少なく、作る立場からいいますと調整は楽です。均一にニップルを締めつけていけば割とすんなりと仕上がります。

 

このホイールは仮組までが一番厄介です。穴なしリムですのでちょっとした力の入れ具合でポロンとニップルがリムの中に落ち込んでしまいます。そうなると作業を止めニップルが出てくるまでリムを振り続けなければいけません。ニップルを取り出してまた作業開始です。

 

仮組が終わりますと後は振れ取りですので作業は順調に進んでいきます。

 

こうして組み上げましたのがこのホイールです。前後で1438gと軽量ながらスポークは24・28hです。スポークが多いと安定した乗り味が期待できます。

チューブラーホイールを組ませていただきました

昨年お納めいたしました方より再度のご注文いただきました。

リピートのお客様は本当にありがたいです。いつも書いていることですが、まえ良かったから今回もということですのでうれしいことです。商いの醍醐味です。

リム、ハブを送っていただきました

ハブとリムはお客様よりお送りいただきました。

Duraハブ 145g
Duraハブ 368g 美しいです!

ハブは8速のオールドDURAハブです。今も性能は驚くばかりです。私個人的にはこの時代のハブのほうが現行ハブより好きです。出来が違います。センターオフセット値が小さいのでスポークの左右テンション差は現行の11速用よりも高い数値です。つまりホイールの走行性能としては現行ハブより上です。

 

細かくギアチェンジをされる方は11速が必要かもしれませんが私の走り方では8速、9速で十分です。しかし好きと仕事とは違いますので現行ハブもできるだけ良いパフォーマンスを得られるようには行っています。

リム重量 388g  軽い!

リムはマヴィックのオープンプロ・チューブラーです。昔はリフレックスと言っていました。現在なかなか手に入りにくいリムです。海外通販でもマビック製品は購入が難しいです。どのサイトでも日本には送れませんと書かれています。このリムを上手に手に入れられたと感心しています。

 

軽量リムながら剛性もしっかりしています。アンブロシオのリムとどちらがいいかと迷ったものです。久しぶりですがやはりいいものはいいです。

 

スポークの選択では私のほうからお願いしました。当初DTチャンピオン2.0mmのストレートスポークをご希望でしたがコンペティション2.0/1.8/2.0mm黒で十分剛性も得ることができますし軽量化できますとお願いしましたら私の意見を聞いていただきました。コンペティション黒でおつくりすることになりニップルは黒のブラスです。

前輪 759g
前輪スポークテンショングラフ
後輪 984g
後輪スポークテンショングラフ

いつものようにスポークテンションはできるだけ均一化を図って作りました。前輪759g、後輪984g前後1743gで仕上がりました。

 

リムの外周部は388gと超軽量リムです。ハブの中心部は若干重いのですが中心部の重さなので回転には影響ありません。テンションバランスも11速ハブよりはるかにいいです。見た目とは違う秘めた力を持っているホイールに仕上がりました。

 

いいホイールを作らせていただき感謝感謝です。

銀輪ホイールのご注文

銀輪ホイールのご注文いただきました。

前後 1623g

オーナー様は現在クロモリロードをオーダーされていますのでオーダーフレームの出来上がりにあわせてのホイールです。

 

なかなか銀輪リムを手に入れることは難しくいろいろ探しました。キンリンリムのXR26T/RTでは銀輪リムを作っていますので取り扱っている会社を探しましたらうまく見つかりました。ハブ、リムともに入手でき作らせていただくことになりました。

 

リム、ハブ、スポークはピカピカでクロモリロードにはぴったりの組み合わせです。

前輪 716g 
前輪スポークテンショングラフ
後輪 907g
後輪スポークテンショングラフ

シルバーハブはバイテックスRAR12,RAF12の組み合わせです。

Bitex hub RAF12 28h  2クロス組
Bitex hub RAR12  32h  3クロス組

スポークは前輪にサピムのLaser2.0/1.5/2.0mm、後輪左はサピムのD-light2.0/1.65/2.0mm、右はDTコンペティション2.0/1.8/2.0mmを使うことにしました。

 

スポークを使う場所に応じて選んでいます。まさに手組ホイールの良さがよく出ています。前輪にはショックアブソーバーの働きをするLaser、後輪は剛性を高めるために太いスポークを使うという組み合わせです。

 

使用するキンリンのリムは非常に軽量ながら剛性があります。キンリンのホームページを参照しますと使用アルミが違うようです。高さも26mm高で重量も460g前後です。空力も期待できるリム高です。

 

スポークテンションには最大の注意を払って作製しています。テンションのバラつきは5%以内に仕上げています。スポークのバラつきを押さえることで前に進む力をロスすることなく伝えることができます。素材を生かすうえでホイール組の一番大切なところと考えています。

 

前輪716g後輪907g 前後1623gです。ワイドリムで多スポークホイールとしては非常に軽量です。後輪にはオフセットリムを使っていますので左スポークテンションは通常よりも10%以上高い仕上がりです。これは駆動ロスを減じることにつながります。

 

2:1組のように組み方で左右テンション差を少なくするために凝った造りにしなくても左右のプルスポークを総動員して駆動に参加させる方法はとても理にかなった方法と思います。もちろん2:1組を否定しているわけではありません。それぞれ長所短所があるわけでこれが最良というものではありません。価格、重量などバランスが必要です。

 

特殊なハブを使わなくても好結果を得られる方法としてオフセットリムを使うことは最良の解決策と思います。

オフセットリムを使用したXR26T/RTは重量、高さなどとても良い塩梅です。これから大いに使っていこうと思います。ロングライドに適したいいホイールが出来上がります。

チューブラーホイールのレビューをいただきました

先日お納めしましたチューブラーホイール(3月4日に記事)のレビューをいただきました。オーナー様はFTP265と力のある方です。普段からしっかりトレーニングされている方ですので私には感じられないことを教えていただくことができました。参考にしていただければ幸いです。

CX22 rim Miche Hub 24/28h 1574g
前輪 685g
前輪スポークテンショングラフ
後輪 889g
後輪スポークテンショングラフ

レビューは以下の通りです。

 

ようやく床づくりとタイヤ貼り付けも終わり400km程走って来たので、レビューさせていたたきます。

 

漕ぎ出しから非常にスムーズです。リム重量がほとんど同じアンブロッシオモントリオール32hと比べてもかかりがいいです。35km/hまで淀みなくスムーズにのびていきます。40km/hからはリムハイトが低いのでのびは落ちますが、それでも気持ちよく回ってくれます。本当に気持ちいいです。

 

右2クロス左3クロス組についてですが、これは最後の足掻きとして、それ以前にやるべき事があるという事がこのホイールをもってわかりました。スポークテンションの偏差をなるべく抑える事だったり適切なケミカルを用いて組む事だったり、小さい事の積み重ねでこのホイールは出来ているなと感じました。

 

それからこのホイールの一番気に入った点は、振れにくさです。400kmをわざとガシガシ踏んだり荒れた道に突っ込んだりしましたが、振れがほとんどといっていいほど出ませんでした。フロントは振れ無し。リアが0.08~0.10mm程振れただけでした。もっと力のある人だと結果は違ってくると思いますが、少なくとも自分が使う分には素晴らしい結果です。アマニ油とロックタイト220それからスポークテンションの偏差の少なさのおかげでしょうか。

 

プライムというブランドの28mmハイトのカーボンチューブラーとも比べてみましたが、さすがに漕ぎ出しはカーボンのほうが軽いですがかかり具合は今回のホイールのほうがいいですね。スポークが均等にリムを回してるからでしょうか、やはりスムーズです。伸びも35km/hまででしたら今回のホイールのほうがいいです。そしてこのプライムのホイールは¥64000です。大体半額で組める今回のホイールとの性能差はそこまでないのではと思いました。

 

最後にミケハブに関してですが、非常にシンプルでメンテナンスしやすく、ベアリングの与圧(ガタ取り)もマビックのQRM+と同じ方式でクイックを締めてからでも調整できるのでいいですね。ただ一点不安なのが、シールが甘い点です。フリーボディなんかはシールがなくベアリング剥き出しなので雨天時は少し心配です。ですが、シールがない分良く回りますね。やはりここはトレードオフの関係ですかね。

 

長々と書きましたが、総評としてメンテナンスしながら長く使える良いホイールです。工賃も倍以上取っていただいてもいいのではないでしょうか?少なくとも僕は払います。

 

以上がレビューです。良い評価をいただけたと思っています。

 

チューブラーホイールは、特にアルミチューブラーは完組では手に入れることができなくなりました。手組ホイールではチューブラーホイールは存在感を示すことができます。今回使用しましたキンリンのリムは剛性が高く軽量です。

 

チューブラーホイールは外周部が軽い軽量ホイールに仕上げることができます。一度お試しください。

5セット目のオーダーを頂きました

DTのPR1400のハブを使ってカーボンホイールに作り替えるというご注文です。今回で5セット目のご注文です。

前回の記事にも書きましたがこちらの力を認めていただいているということですのでリピートのオーダーは本当にうれしいしありがたいです。

ベアリングはセラミックベアリング
スポークは扁平スポーク

ハブとスポークをお送りいただき、リムはこちらでご用意いたしました。

 

最初気楽に考えていましたが非常に難しいとことが後でわかりました。

DT aero comp® wide t-head 特殊なスポーク

扁平スポークは扁平部分が広くて私のスポークカッターでは切れないのです。

ハブ自体はストレイトプルスポークのハブですが構造がまた特殊でした。

T-head spoke を使った特殊構造のハブです

前輪はハブの寸法を計測すればラジアル組ですので割とすんなり寸法が出ます。後輪は特殊な作りのためスポークオフセットの寸法がすっきり出ません。

穴なしリム

リムはニップル穴なしのカーボンリムです。スポークにうまくニップルがはまらなかったらポロっとリム内に落ちてしまい作業を中断してニップルを取り出します。ニップルを取り出しにはリムを振って運に任せるしかありません。ゴロゴロとニップルが出てくるまで降り続けます。運が良ければポロっと出てきますが出ないときは3分以上振り続けます。

 

もう今回はお手あげでハブを変えてくださいとお願いしようかと思ったのですがせっかくお話いただいたのでやり遂げないとという変な意地が出ました。

 

前輪は割とすんなり作り替えが出来たのですが後輪は難儀しました。

 

ハブを最初見て2クロス組という先入観がありましてスポーク長の計算には2クロスで計算していました。1回目を組んでみたのですがスポークがゆるゆるです。理由がわかりません。計算ソフトにハブ計測の数値を入れて出た数字が違うのでハブをまた測りなおしました。

スポークオフセット値が違うのが分かったので再度スポークカットしなおし組み直したました。

 

果たしてまたスポークがゆるゆるでした。

 

じっとハブを観察してわかりました。ハブは左右共に1クロスのハブでした。ほとんどのハブは2クロスか3クロスのハブですが1クロス組のハブを初めて経験しました。1クロスのストレイトプルスポークハブです。注意不足でした。あとでこの話をお客様にしましたがお客様も驚かれていました。あとで確認の写真を送っていただきました。

DT PR1400 DICUT 後輪 DTホームページより

3度目です。1クロス組でスポーク長を出しスポークオフセット値も確認しまして組み直しますとうまく組み上げることができました。

後輪 805g
後輪 ドライブ側 127kgfで仕上げています
前輪 676g
スポークテンションを均一に  約125kgfで仕上げています

一時は音を上げたハブですがじっくり観察して完成することができました。

後輪 右DS側 1クロス組
後輪 左NDS側 1クロス組

勉強できたことは

 

初めてのハブはじっくりと観察し正確に計測することです。できれば完成品の写真があればよくわかります。

スポークカットではカッターに入らないスポークの処理の仕方も覚えました。

 

ホイール作りは奥が深いです。改めて感じました。今回で少し上達しました。難しいハブもこなせるようになりました。お客様のおかげです。

 

オーナー様は①前後ともにCXRAY使用、②前輪CXRAY後輪コンペティション、③DTハブDICUTの1クロス組ホイールと同じリムで3種類の組み方のホイールをお持ちです。

これらのインプレを聞かせていただけるのが楽しみです。

スリーブジョイントの影響

ホイールを組み終わってから写真をよく撮ります。お客様の記録やブログの記事のためです。

青いテープがバルブ側、スリーブ側が下に来る

写真を撮るときに向きを考えるのですがきれいな角度になるようにするにはホイールのバルブ穴の反対を下にします。アルミホイールの場合スリーブジョイントがほとんどですのでリムはスリーブ側に必ず傾きます。

青いテープがバルブ側ジョイント部分が必ず下に来る

振れ取り台にホイールをセットしますとバルブ穴が必ず上にきます。ジョイントのスリーブが影響してつなぎ目が重く下に位置します。

カーボンホイールではどのようにおいてもすんなり転がらずに静止しますので写真は撮りやすいです。

 

スリーブとは棒鋼などを継ぐために用いられる筒型の金具のことをいいますがどうもアルミリムの場合スリーブは7,8gほどあるようです。この重さがリムのバランスを変えています。

鉛板の重さが7,8g

何故重量が分かったのかといいますとホイールのバランス調整で貼る鉛板の重さがこの重さです。

 

クリンチャーカーボンホイールではスリーブは使いませんのでどの位置でもホイールは止まります。タイヤをはめますとバルブの重さが影響して振れ取り台に載せますとホイールはいつもバルブが下にきます。シーラントが入りますとちょっと様子が変わります。

 

ベテランの人はこのようなことはご存知と思いますが誰もが最初はビギナーです。ホイールの回転でリムバランスが悪いとやはり走りに影響します。同じホイールでもチューブ、タイヤで走りが変わります。

ホイールの買い替えはやれることやってからですとあるお客様が教えてくれました。

トルクスのビット

DTのsquorxニップル回しの記事を書きましたが親しくさせていただいていますお客様より連絡いただきました。機械道具屋で販売されているという情報です。

当初いろいろ探してなかったので便利に使うには正規のニップル回しと一つ潰した先だけを使うという2本立てで作業をしていました。

当初の2本立て

教えていただいたトルクスビットの名前を工具屋さんのホームページで探しますとありました。

昨今情報リテラシーという言葉が新聞などでよく見受けられますがまさにこれです。検索力が必要です。うまく探せば楽になります。

今は4つを使い分ける

トルクスのビットが4点になりました。道具がダブりますが道具好きですのでついつい買ってしまいます。

お客様には工具のことは専門の工具屋さんで相談すればいいと教えていただきました。実は私も自動車の工具屋さんにはよく行きます。

ディスクカーボンホイールのリピートオーダー

穴なしカーボンリムを使ったホイールのご注文です。オーナー様は1月に46mm高のリムで作ったディスクホイールをお買い上げいただきました。気に入っていただき2台目のディスクロードを注文されていますので新規のフレーム用にご注文いただきました。先のホイールが良かったで再度のオーダーをいただきました。

どの商いも同じと思いますがリピートいただけるのはありがたいことです。認めていただいたということですのでうれしい限りです。

前後 1448g
前輪 667g

後輪 781g
後輪スポークテンショングラフ

 

ホイールの詳細は次の通りです。

 

リム 36mm高28mm幅カーボンリム ニップル穴なし 前後ともに24h

ハブ TNI REVOディスクハブ 24h

スポーク サピムCXRAY 2.0/0.9/2.3mm 黒

ニップル DT squorx ブラス 黒

 

REVOハブは前後24hの穴数しかありませんので体重のある方は注意が必要です。80kg以上の体重がある方はスポークの本数を増やすほうが良いかと思います。24hでも乗れないことはありませんが私はお勧めしていません。

 

ディスクハブの場合センターオフセット値は小さいので130幅のリムブレーキ用ハブよりは左右のスポークテンション比率は優秀です。ハブ幅が広くなるということは重量も増えるのですがスポークテンションではこちらのほうが優れています。何事もトレードオフの関係です。

 

リムのセンター出しに関してディスクホイールはリムブレーキほどシビアでなくても良いのですがしっかりセンター管理は行いました。タイヤインストール後リムは少し強く引っ張っている方向に寄りますので0.2mmとほんの少しですが事前補正をしてセンターを出しています。

 

一番肝心なのはスポークテンションをできるだけ揃えることです。揃っていれば振れは出にくいです。しっかりとなじみだしを行った後テンションを一致させることが大切です。

 

リムメーカーのテンションばらつき度の推奨値は5%以内に仕上げてくださいとパンフレットに書かれています。もちろん5%以内に仕上げていますがこのハードルは結構高いハードルです。リム自体はとても精度の高い仕上がりですがご自分で組まれる方は注意が必要です。営業になりますができない方はお任せください。

穴なしリムはテープが要りません

穴なしリムを使用したホイールはリムテープがいらないのでメンテナンスが楽です。タイヤ交換はパンクの度にリムテープを交換するのは手間がかかります。テープ代も結構かかります。皆さんリムテープの代替品を探すのはよくわかります。

性能では36mm高のホイールは空力もしっかり得られとても軽量です。リム剛性が高いので踏み込んだ力が逃げません。駆動ロスの少ないホイールです。オールラウンドホイールとして活躍してくれます。価格、性能などブティックブランドに負けません。