銀輪ホイールの作製

以前ホイールをお納めした方のご友人からご注文いただきました。

前輪28h
前輪スポークテンショングラフ
後輪 28h
後輪スポークテンショングラフ

 

今回は銀色のヴェロシティA23アルミリムと銀色のハブを使います。この部品を使ってのご依頼です。クロモリ自転車にはぴったりの組み合わせです。見た目はクラシックでありながら中身は新しい高性能の部材を使っています。

ヴェロシティ A23
ヴェロシティ ハブ 28h
TRADIZIONE クラシックハブ28h

ロングライドでは地面からの振動で疲れるので振動を吸収してくれるホイールがいいというご希望です。

ホイールはリムとスポークの選択で乗り味が大きく変わりますのでスポークは私のほうで提案いたしました。

 

前輪はピラーのTB2015 2.2/1.5/2.0mmのトリプルバテッドスポークを使います。中央部が1.5mmの細いスポークはショックアブソーバーの働きをします。振動を吸収してくれますので乗り味の柔らかいホイールに仕上がります。

 

後輪は右ドライブ側にDTコンペティション 2.0/1.8/2.0mmと太くして左側にはサピムD-light 2.0/1.65/2.0mmを使っています。剛性を高める意味もあって太くしています。後輪の左右の違いは軽量化と左右スポークの応力の違いを利用して左スポークテンションを高めています。もちろん後輪リムはオフセットリムなので左テンションは通常リムよりも10%ほど高くでき力の伝達ロスを防いでいます。

ハブは計測してスポーク長を計算します

A23リムは精度が高くとても組みやすいリムでした。銀輪リムはなかなか手に入らないのでよい選択をされたと思います。銀輪ホイールは完組ではあまり販売されていません。結果的には手組ホイールになります。

 

フレームとのバランス、走りの具合など聞かせていただけるのが楽しみです。

キンリンXR31T/RTホイールのインプレをいただきました

昨年10月にお納めしましたホイールのインプレをいただきました。記事にさせていただくことにご了解を得ました。これからのホイール作り、購入の参考にしてください。

前輪

リム  キンリンXR31T 18h

ハブ  シマノ アルテグラHB-6700 18h

スポーク サピムCX-RAY 黒  ラジアル組

ニップル  ブラス

重量  757g

 

後輪

リム  キンリンXR31RT オフセットリム 24h

ハブ  シマノ アルテグラFH-6700 24h 10速用

スポーク  コンペティション2.0/1.8/2.0mm 黒 2クロス組

ニップル  ブラス

重量   1013g

前後1770g

以下ご感想いただきましたメールです。

 

ずいぶんと遅くなりましたが、平坦も登りも走れたので感想をお伝えさせて頂きます。

正直エアロ効果をあまり期待はしてなかったですが、その違いにとても驚きました、私はリムAL22WにRS400ハブの手組も所有していますがそれよりは明らかに時速30キロ保持の巡行が楽です、リムハイトが高い分、重量は重たくなったとしても今回作成していただいたホイールのほうが明らかに楽に走れます。ハブの回転もとても滑らかで良く回りますね、足を止めていた時にスルスルと転がっていく感覚はとても気持ちいいものです。あと、フリーの音が静かなのが私は好きなので今回のハブ選択は私にはベストです。

登りもリムの剛性が高いからでしょうか、ダンシングしたときに力が逃げずにちゃんと前に転がっていきます、横にたわまないという言い方だとわかりやすいでしょうか。登りでも向かい風は普通にあるわけですから軽さも大事でしょうが空力も大事なのがよくわかりました。今回作って頂いたホイールは万能に使えますが、ロングライドに使うのに適したホイールと思いました、楽に長い距離を走るのに適していると思いす。見た目も悪くないです。私の自転車には最高にマッチしていると思います。

それと、私が何より気に入ったのが製作者の高い技術力と、ホイール作成に真面目に取り組んでいただいたことがハッキリとわかる品物だったということです。リムとハブの選択や完璧と呼ぶにふさわしい調整は私の所有欲を満たすには十分すぎるものです、また機会があればよろしくお願いします。ありがとうございました。

 

こんなにほめていただきまして恐縮いたしますがXR31T/RTリムがいいことには間違いありません。

 

1本500gほどのリム、ハブも前後で約500gありますのでビギナーの方は少し重いホイールと敬遠されますが剛性がありますのでご心配は取り越し苦労に終わります。

踏んだ力が逃げなく適度の空力も得られます。ゾンダ、レー3何するものぞ!と思っています。

ブランドのあるなしに関わらず剛性の高いリムを使いスポークが適正に調整できているホイールはよく走ります。

DTSquorxニップル用の電動ビット

DTのニップルの中でもSquorxニップルをよく使っています。このニップルは長さ15mmでねじ部分が長く、頭部分が強化されています。ニップルの頭が飛びやすいアルミニップルの弱点を補っています。最近はブラスばかり使っていますがこのニップルならアルミもいいかなと思います。

DT Swiss pro lock SQUORX nipple

RR411などのDTアルミリムには一緒についています。リムとニップルのセット販売です。単品で購入しますと1個80円ほどの高価なニップルですがリムと一緒に販売されています。リムが安いのか高いのかわかりにくいのですがこのリムはお買い得かな?と思っています。

 

このニップルは専用のニップル回しが用意されています。手回しではとても時間が掛かります。よく使うので電動用のビットが欲しかったのですがいろいろ探しても販売されていません。売ってないのでニップル回しを一つ潰して電動ビットを作りました。

上が手回し部分を取り除いたニップル回し

中がどのようになっているのかわからなかったので金鋸で少しずつ握りの部分を切り取りました。バイスに挟んでのこぎりで刻んでいけば簡単に取り外しができました。あとは適当な長さに切っています。

しかしこの方法は回り道でした。取り出した金具部分は上写真ようになっていますのであっさり根元を金鋸でカットしてしまう方法が一番良いと思います。

これを使って最後までホイールを仕上げることはできませんが仮組まではこのビットが活躍します。手回し用と電動用と2つ使って時間短縮しています。

サピムCX-RAYは偶数の長さで販売されています

ホイール作りの中でスポーク長をまず計算します。それからスポークを用意します。この時スポークを発注するのですが長さの偶数、奇数が問題となります。1mm単位で販売されているスポークなら問題がありません。

CX-RAYは偶数の長さで販売されています

Wheelproの計算ソフトを無料で使わしてくれているロジャー・ムッセンさんはスポークの小数点は切り上げにしてくださいといっています。例えば283.2mmの場合284mmのスポークを用意します。0.8mm長いのですが短いよりはいいというわけです。

私はスポークカッターを持っていますので目測ですがほぼ283.2mmに近い長さにカットしてスポークを用意しています。ほぼ近い寸法でも通常は少し長めになります。ニップルを突き抜けるほどにはなりませんが短いということはほとんどありません。

 

個人用のホイールなら1mmニップルから突き抜けていても特別問題ではありませんがお金をいただくホイールなら見た目も大切です。

 

長さが偶数単位で販売されているスポークでは長さがうまく合わないときがあります。1mmの差ですがこれは結構大きいです。しかしスポークが短くなることは避けないといけません。ニップルの頭が飛んだりするトラブルの元になります。突き抜けるほうなら見た目が少し悪いだけで問題がありません。特にアルミニップルの場合は少し突き抜けるほうが正解値です。

ニップルワッシャーで長さ調整する方法もあります。ワッシャーの本来の目的ではありませんがこれもありです。長さ調整の方法としてニップルの長さで調整するとうまく解決できます。

DTのスポークカルクで計算したところニップルを変えてみるとスポークが奇数から偶数に変わります。図のように12㎜のニップルと14mmのニップルではスポーク長の結果が偶数、奇数と違います。この方法で長さ調整すれば奇数、偶数の調整ができます。スポークカッターを持っていなかったときはこのように調整していました。今はスポークカッターがあるのでしていません。

チューブラーホイールをクリンチャーに組み替え

オールドカンパハブを使用のチューブラーホイールをクリンチャーに組み替えるご依頼がありました。ホイールの名医になるにはどれだけ患者さんに接したかで決まります。新も旧もこなせないといけませんので引き受けました。

オールドカンパハブ使用チューブラーホイール

36hのクリンチャーリムは手に入りにくいのですがキンリンのXR240リム36hが手に入りますので提案いたしました。ナローリムですが強度があります。安価な点もうれしいところです。

ボスフリーがないと分解できません

お預かりのホイールは前後輪ともに本当に古いなというのが第一印象でした。6速ですので特殊な器具を使わないとフリーは外せません。ボスフリーはいろんな種類があります。昔からのライダーさんや最近はやりの自転車レストアに興味がある方はよくご存じと思いますがこういった金具は見つけたら手に入れておくととだと思います。

 

先ずホイールのスポークテンションを測りました。下図のグラフが前輪のグラフです。後輪は測定不能の数値でしたので割愛します。

緩いスポークテンションで均等に張られていません

ホイールを組み直すにはこのフリーを外さないと前へ進みません。長年ほっておかれたので固着していました。オイルをさして動きやすくするなど四苦八苦しましたが何とか外せました。固着したフリーを外せたときはほっとします。ちょっとした感動の気分を味わえます。よかった!と思う瞬間です。

フリーを外せるかがキーポイントです

全部ばらしてハブを磨きました。昔のハブは磨くと本当に美しくなります。ピカピカになります。この点が今のハブに一番欠けているところです。もちろんインダストリー9やクリスキングなど美しいハブはあるのですがとても高価です。値段を考えますと購入には躊躇してしまいます。

ハブを計測 前輪用ハブ
後輪ハブ

ハブはしっかりと寸法を測りスポーク長を出しました。ここまでくれば通常のホイールと変わりません。スポークはテンションを均等になるようにします。スポークテンションは前輪約100kgf、後輪右110kgfの張り具合まで調整して完成です。

組み換え後の前輪
前輪スポークテンショングラフ

今回の組み換えのキーポイントはハブに合ったボスフリーを揃えているかということでした。合うボスフリーでしたのでよかったです。

前輪46㎜高、後輪56mm高カーボンホイールのインプレ

楽しみにしていましたホイールのインプレをご連絡いただきました。ホイールの詳細は以下の通りです。

前輪683g Duraハブ18h
CX-RAY 18h ラジアル組

前輪 46mm高28mm幅カーボンリム

ハブDURA HB9000 18h

スポーク サピムCX-RAY

ブラスニップル

後輪877g Bitex BX301 8:16
左8本右16本 1:2組

後輪 56mm高30mm幅カーボンリム

ハブBitex BX301 8:16

スポーク コンペティション ストレイトプル

ニップル ブラス

前輪18hラジアル683g、後輪24h2:1組877gのホイールです。前後で1560gです。とても軽いホイールです。

穴なしリムです

久しぶりに走られたそうですが良かったと印象の連絡いただきました。以下メールでいただきました。走力ある人のインプレです。次のホイールに参考になると思います。

 

今日3週間ぶりに自転車乗って160キロ程走ったんですがメチャクチャ走ります。正直下りは怖いほどスピードのるのできょうは路面がスリッピーだったせいで怖かったです。

 

1500gちょっと重量ありますけど初速のもたつきなど無かったです。平坦もスピードの乗りがかなりいいので僕にはもってこいです。誰かの後ろについた時にホイールの惰性が強いので大分脚も休められますし、そこからさらに平坦でアタックとかしやすいです。

 

登りはキシリウムproと同じです。キシリウムの方が軽いですけど剛性が今回のホイール方が高いのでグイグイ進んでくれるので重さは気になりません。これ一本でなんでもいけるので正直キシリウム要らないです。。。

3週間ぶりに走ったわりには走れた感覚ですが大分ホイールに助けられました。お世辞でも無くてホンマです。気にいりすぎました。

 

詳しく教えていただきました。ビルダーとして本当にうれしいご連絡です。このホイールは後輪を2:1組にしています。後輪スポークはコンペティションを使ってスポークを太くしています。硬さがすこし増えますが力のある方なので逆にい良いのだろうと思います。

存在感あるリムは空力の良さを十分体感していただけるリム高です。前後輪ともにリム幅が広いので良好な空力を得ることができます。

どんどん作り手としてのデータが増えてきました。沢山乗っていただいて得れる情報は貴重です。それにしてもカーボンホイールは穴なしリムがいいですね。リム打ちパンクがありません。テープがいりません。穴ありリムよりは穴がないので剛性が高いと思うのですがいかがでしょうか?

サピムスポークのTCSとは

えー馬鹿馬鹿しいお話を一席・・・ではありませんが15年以上サピムのスポークを使ってきましたが最近TCSとは何かを知りました。

サピムのホームページより引用

ホイールを作るのに全く関係のないことですがサピムのホームページを見ていてもスポークの説明でこのTCSという言葉が出てきます。じっくり読んだらわかることですが長年使っているのにわからなかったことが分かったので記事にしました。

ネジ部分の終わったところが四角に加工されています

TCSはTorsion control squaresの略です。ねじれをコントロールする四角ということです。

じっくりサピムのストレイトプルスポークを観察しますとねじ部分が終わったところが四角に加工されています。スポークがねじれないようにこの部分をプライヤーなどで挟めばねじれを防ぎます。ホイールを作る機械ロボットがこの部分を挟むように作られているという話です。

なんでスポークのねじ部分の終わったところが丸でないのかがよくわかりました。スポークを挟みやすくしているのです。ここを挟めば丸スポークはねじれません。本当によく考えられています。

タイヤを選ぶ

ロードバイクで一番コスパの良いアップグレードはタイヤで次にホイールといわれています。まずタイヤが大切と考えいろいろ試してきましたが何でも彼でもというわけにはいきません。時間的にも経済的にも無駄が多いです。お店で評判を聞くのもいい方法です。バイク仲間からの情報も大切です。

 

ホイールをお買い上げいたいた方に使っておられるタイヤをおたずねしますとコンチネンタルGP5000を使っている方が多いようです。よく知られているタイヤで評価がとても高いタイヤです。

私はコンチネンタル・チューブラータイヤのコンペティションでインストールがしんどい(西日本の方言)のを知っていますので今のところはGP5Kを試していません。

チューブラーのコンペティションはしんどい!

BicycleRollingResistanceというホームページを参考にしています。ご存知の方が多いと思いますが海外のサイトですのでまだ知らない方に紹介したいと思います。

タイヤの商品試験を発表しているホームページでとても勉強になります。「暮らしの手帳」の商品試験と同じようにタイヤをテストしていろいろな切り口で評価しています。このホームページから得た情報でタイヤを購入してきました。

 

転がり抵抗の少ないタイヤを探すのに有益な情報が多いのです。競技に出ないライダーですがコスパの良いタイヤを探したりするのにとても参考になります。すべてコンチネンタルのGP5000で行くのは間違いではありませんがいろいろ試してみるのも楽しいです。タイヤ、ホイールは奥深いです。

 

36mm高のディスクカーボンホイールを作製

36mm高28mm幅のカーボンリムでディスクホイールをご注文いただきました。

36mm高28mm幅 ディスク用418g

リム重量は420g前後の軽量リムです。ディスク仕様になりますとリムブレーキと比べて少し軽くなるようです。

TNI REVOハブ

ハブは手に入れやすいTNIのREVOハブです。24hの仕様です。体重のある方は違うメーカーを探されることをお勧めします。

 

スポークは前輪にCX-RAY、後輪にDTコンペティションを使います。前輪のCX-RAYは乗り味が少し柔らかく、ねばりを感じると今までのお客様よりご報告いただいていますのでお勧めいたします。

後輪はお好みで剛性を上げて反応よくするにはスポークを太くしてコンペティションを使う、乗り心地を優先する方はCX-RAYを使うなど組み合わせは自由にできます。

リムメーカーは2mm径のスポークの剛性が高いスポークは勧めていません。カーボンリムには不向きなようです。

シマノHPより

組み方はシマノ方式です。前輪は逆イタリアン、後輪はJIS組みで組みます。ブレーキかけたときに出る力をハブにかかる負担が少なくなるようにする方法のようです。検証したことはありませんがシマノさんが勧める方法です。

バルブ穴のみ

リムはニップル穴のないリムです。作るには難度が上がりますがリムテープがいらないのでランニングコストは少なく済みます。クリンチャーで乗ってもリムテープがいらないのでリム打ちパンクは発生しません。ユーザーには良いリムです。

後輪834g 軽量です
左ブレーキ側のテンションが高く左右のテンションバランスが良い
前輪678g 軽量です
左右のテンションバランスが良い

上写真が完成しましたホイールです。前後1512gとディスクホイールながら重量はとても軽量です。

 

スポークのテンション比率はハブのセンターオフセットが少ないのでリムブレーキのホイールと比べて高い数値を得ることができます。組み方を2:1組のように変則的なことをしなくても良好なテンションを得ることができます。

スポークの左右テンションを見ますとディスクホイールのテンション比率はとても良い数値に仕上がります。通常のリムブレーキよりテンション比率はいいです。

リムブレーキの場合後輪ハブのセンターオフセット数値が高く右スポークテンションが高くても左スポークテンションがゆるいホイールが出来上がります。このためいろいろ組み方を工夫されることなったのですがディスクホイールではこのような心配はいらないようです。ハブの幅が広くなったのでセンターオフセット数値が低くなりました。

 

ややこしい説明ですがグラフで示しますとわかりやすいです。図で見ますと内円が大きいです。これはテンションの比率が良好であることがよくわかります。

 

こうしてスポークテンションだけみますとディスクブレーキのホイールはリムブレーキと比べてテンション比率は優秀です。ホイール重量で見ますとハブが重い分ディスクホイールはリムブレーキと比べて重くなります。スポークテンションから見ますとリムブレーキよりも内容がいいと考えます。スポークの張り方で工夫しなくてもノーマルな1:1組で良好なスポークテンションを得ることができます。こうしてみるとどちらも一長一短です。

リムブレーキ、ディスクブレーキどちらであってもスポークテンションを揃えることにが一番大切ということには変わりはありません。

コロナのおかげでなかなか部品が揃わずお客様には長い間お待たせいたしましたが良いホイールが出来上がりました。

ストレイトプルスポークを使って感じたこと

ストレイトプルスポークのホイールをべた褒めする人がおられます。でも本当にそうでしょうか?

スポークメーカーのDTがJベントとストレイトプルスポークの性能は同じと言っています。Jベントは折れやすいという人がいますがJベントもストレイトプルスポークも強度的にはほぼ同じのようです

 

私もストレイトプルハブ、スポークを使います。ホイールを作っていてああ、こういう理由でメーカーはストレイトプルハブになったのかと思うようになりました。以下、ストレイトプルスポークを使った印象を述べたいと思います。

ハブにスポークを通しておけば作りやすい
スポークを先に通しておけば効率が良い
  • 先にスポークをハブ穴に通しておけば簡単にスポークを取り付けることができます。仮組に時間が掛かりません。私もこれをやってみて楽だなと思いました。難しいことを考えることなくニップルを通していけます。これなら楽でいいわ、というところです。ホイールメーカーがこのハブを使うのは納得です。時間的に短縮できるのはこのハブです。

ホイールメーカーのYouTubeを見ていますと分業して組み立てしています。ハブにスポークを通すことだけの仕事をしている人、スポークにニップルを通す人、スポークテンションを上げて振れ取りする人、最終検品する人とすべて分業して作業効率を上げています。ストレイトスポークハブはこのように作業効率を上げるには最適です。

 

  • Jベントスポーク用のハブではグラグラとスポークが動きますのでリムにスポークを通すには時間が掛かります。方やストレイトプルスポークではハブの穴位置が決まっていますのでただ通すだけです。

 

  • 同じように作業効率ですが、スポークを曲げなくてニップルを通すことができます。Jベントスポークの場合ニップルを通すときにスポークを若干曲げないとうまく通すことができませんがストレイトプルスポークでは曲げなくてもスポークを後ろに少し引けばニップルを楽に取り付けることができます。

 

このようにストレイトプルスポークで組み上げるのはJベントより確実に間違えることなく短時間でホイールを作り上げることができます。ホイールメーカーでは経済性、生産性が先に立つのでストレイトプルスポークを使っているのだろうと思います。

不満なところとして

●ハブの穴が決まっていますので2クロス、3クロスと選択ができません。決まった組方しか選べません。ラジアルとクロス組のミックスなどJベントならいろいろ変化を選ぶことができますがストレイトプルスポークでは1つしか選択できません。

ストレートプルハブ、スポークを使うと

●ハブ計測の仕方などストレイトプルスポークを使ってをホイールを作る情報を詳しく得ることができないのが問題でハードルを高くしているように思います。

●作り方としてはストレイトプルスポークのほうが作りやすいのにスポーク長の計算方法やハブを少し分解しないと組み上げることができないのでこれが難しいと思わせる一つでないかと考えます。

以上がストレイトプルスポークのホイールを作って感じていることです。

DTが言うように強度的な問題ではどちらもほぼ同じとなりますと組み方が固定的なストレイトプルより一つのハブでいろいろ組み方が出来るJベントのほうが好きです。

それにしても作る工程など考えてもそんなに違いがないのにストレイトプルスポーク用の部材の割高なのは何故でしょうか?