ゾンダ後輪を分解

ゾンダ後輪を分解しました。

注意点はハブねじに逆ねじ部分があることです。ゾンダのハブ分解を説明しているYouTubeを参考にすると良いかもしれません。

私はカンパニョーロのホームページを開いてサポートページからハブの解説を読んで勉強しました。図解で説明していますのでわかりやすいです。

ハブは壊れにくい構造です。つまりとても簡素な作りをしています。仕組みさえわかればハブの手入れは難しくありません。カップアンドコーンのハブは基本的にはユーザーが手入れをするように考えられていると思います。

もちろんシールドベアリングを使ったハブも構造はとても簡単にできていますのでベアリングの取り換えもそんなに難しいものではありません。

 

ハブは壊れないように作られています。構造は簡単です。

 

しかし往々にしてハブのねじは固着していることが多いです。ホイールはバイスの上に載せて5mmのレンチには延長補助パイプを使って回すことにしました。

このパイプは建材の部品に適当なパイプがあったので30cmほどの長さに切って使っています。てこの原理でやれば力はいりません。

 

さて、ゾンダですが分解しましてよくわかりました。

491g アルミで剛性を得るには必要な重さ
293g 意外と重い
扁平スポーク使用21本で117g
21個で19g ブラスです

表にしました。

 

  重量(g) 数量 単品重量(g)
リム 491 1 491
ハブ 293 1 293
スポーク 117 21 5.6
ニップル 19 21 0.9

 

ここで注目点をあげてみます。

 

①リムは結構重いです。リムの剛性を考えますとアルミリムの場合500gほどあっても仕方ないことで軽いのに越したことはありませんがある程度の重量は仕方ないと思われます。知り合いにゾンダは軽いので漕ぎ出しが軽いといっていた人がいますがこれはプラシーボ効果ではないでしょうか。

 

②カップアンドコーンのハブを使用しています。重量は重いです。もう少し軽いと思っていましたが意外でした。シマノのハブは350gほどありますが中心部の重量ですので軽さばかりが気になる人にはいい情報と思います。

 

③スポークは約6gの扁平スポークです。まあ普通です。

 

④ニップルはブラスです。私はアルミニップルを使用するのをやめました。お客様が希望されるときは使いますが基本は扱いません。丈夫さを考えますとやはりブラスです。

 

アルミホイールの指標となるゾンダは意外と重かった、こんな印象です。つまりアルミホイールでは剛性を得るにはそれなりの重量が必要です。素材の特性で仕方ありません。

穴なしリム使用

穴なしリム使用し、ニップル穴部分の厚みを取って強度を高めています。これらは剛性に影響していると思います。アルミリムの弱い部分を工夫して補っています。また、このリムはオフセットリムではありません。このため11速で左スポークのスポークテンションを高めるためには2:1組を採用しています。

2:1組で非ドライブ側のスポークテンションを高くすることができるのでフランジ幅は広くとっています。支え棒のように横剛性を高めています。本当によく考えられた設計です。詳しく見ますとさすがカンパニョーロと思います。

 

ホイール作りに参考になることが多くありました。ゾンダのハブは重いのです。ホイールは自動車のばね下と同じと考えで軽いほうが良いのでしょうがアルミの場合は適度な剛性を得るには重量は覚悟をしないといけないようです。

25㎜高カーボンホイールのインプレ送っていただきました

カーボンホイールをご注文いただきましたお客様よりホイールのインプレをお送りいただきました。お客様は昨年アルミホイールをご注文いただいています。的確に印象を述べていただいていますのでカーボンホイールを作られる方には参考になると思います。

以下全文です。

今回製作していただいたホイールのインプレを送らせていただきます。

タイヤ:コンチネンタル グランプリ無印25C
チューブ:軽量ブチルチューブ
空気圧:F:88psi R:90psi
乗り手の体重:65キロ(例年のこの時期より5キロほど重いです……)

タイヤ、チューブ、空気圧は比較対照の46ミリカーボンホイールと同じ条件にしています。

まずメインターゲットの登り区間ですが、リムの軽さとスポークテンションのバランスの良さからシッティング、ダンシング共に軽快です。リムハイトが低いので横剛性が気になるところですが斜度10%付近でダンシングをしてもよれる感じは全くなくシュータッチもありませんでした。

次にアップダウン区間では登りの軽さもさることながら下りがスムーズでスルスル加速していく感じが強いです。また、ブレーキもしっかり効くので不安なく乗ることができます。

リムハイトが低いため平地がどうなのかというところですが、私の脚力では46ミリハイトと違いを感じませんでした。

ちょっと気になる点としては横風の影響でしょうか。山形の庄内地方は5メートル前後の風が吹くことが多く、今日も横風だったのですが比較対照の46ミリハイトよりも風を受けやすい印象でした。リムの軽さによるところがあるかもしれません。

全体的に私のイメージしたホイールになったと思います。平地、山岳関係なくこのホイールで行けそうです。

ひとまず使ってみた印象はこのような感じです。
また暫く乗ったらメールさせていただきます。

このように実際に使われている方のお話はとてもありがたいことで参考になります。写真も一緒にお送りいただき、楽しさが伝わってきます。私の仕事にとってもうれしいことですが、何よりも喜んでいただいていますことが一番励みになります。

46mm高カーボンディスクホイールの作製とインプレいただきました

46mm高のディスクカーボンホイールのご注文をいただきました。

 

リムメーカーに発注しまして1ヶ月以上リムの入荷にかかります。辛抱強くお待ちいただきました。リムは高価ですので沢山在庫することができません。このため入用買いをしています。すぐにお届はできませんがしっかり調整出来たホイールをお届けしています。価格もリーズナブルです。仕様は以下の通りです。

穴なしリム使用 前後1494g
後輪 811g
後輪左右2クロス組 サピムCX-RAY使用
後輪スポークテンショングラフ
前輪683g
前輪左右2クロス組 サピムCX-RAY使用
前輪スポークテンショングラフ

仕様

リム 46mm高カーボンリム 穴なし

ハブ TNI REVOハブ ディスク用

スポーク 前後ともにサピムCX-RAY

ニップル DT Squorxpro ブラス

 

前輪 683g 後輪 811g 前後1494g

非常に軽量ホイールです。

 

通常チューブレスレディーリムの場合パンクやタイヤを変えるときにテープを取り換えなければいけませんがリムテープがいらないのはとてもメリットの大きいものがあります。テープ代金は結構嵩むものでメンテナンスに於いてかなり違います。

検証できていませんがリムに穴があるのとないのとは強度面で違うと思います。ゾンダのアルミリムは穴なしリムです。リムの剛性が高いのはこの穴なしが理由と思うのです。

穴なしリムは作る側にとっては難しいのですが使うお客様にはとても便利なリムです。

 

納品が終わりまして乗られた時の印象をお知らせいただきました。

以下原文です。

 

ホイールの発送案内を送付いただき、ありがとうございます。

昨日、ディスクカーボンホイールが無事到着いたしましたことを報告いたします。

 

本日、作製していただきましたカーボンホイールの試走に行って参りました。

試走ですので距離は30km程ですが、一言で本音の感想を申し上げますと

『思ってた以上に凄くいい感じです』思って以上になんか云うと失礼になると思いましたが、価格以上のものを直ぐに感じました。

 

私のような貧脚のロードバイク乗りでも速度が伸びる、良く回ると感じました。

手組ホイールファンさんのHPを見ているとリピートオーダーをされている情報を

よく見ますが、走ってみてリピートオーダーをされている皆さんの気持ちが良く分かる

ようになりました。

 

手組ホイールファンさんの存在をヤフオクから年初に知りましたが、その1か月半前に

トレックショップでボントレガーの約20万円のカーボンホイールを発注して2カ月間、

入荷を待ちましたが、それよりずっと価値を感じております。

恐らくボントレガーの約20万円のホイールでも、手組ホイールファンさんがこだわって組まれているようなスポークテンションなんかバラバラなんだろうなって思ってしまいます。

 

長文になりましたが、安価でいいカーボンホイールを作成していただき、改めてお礼申し上げます。 本当にありがとうございました。

 

お客様に喜んでいただくことが私のモチベーションになります。ホイールだけに特化していますがいろいろ研究していきたいと思います。ありがとうございました。

25mm高カーボンホイールの作製

昨年22mm高のアルミホイールを受注いただいた上級ライダー様より再度カーボンホイールのオーダーをいただきました。リピートオーダーです、ありがたいことです。

 

今回のカーボンホイールはヒルクライム用として注文いただきました。リムは25mm高25mm幅の超軽量カーボンリムを使用します。チューブレス、クリンチャー兼用の穴なしリムです。リムテープは要りません。

 

前輪は軽量化と空力を意識しましてサピムのCX-RAYスポークをラジアル組で使用します。

後輪は左をサピムのLaserで3クロス組み、右ドライブ側にDTのコンペティションを2クロス組で希望されました。

スポークのオーバーラップ

後輪左3クロス組は24hハブの場合スポークがオーバーラップしますことをお伝えしました。左側を3クロスで組みますと2クロス組より1%テンションが上がります。少しでも左側のスポークテンションを上げることをお客様は決定されています。

 

お客様とはいろいろとリムの提案、スポークの選択や組み方など連絡を取り合って納得しながら作り上げていきます。完全にオーダーメイドの方法です。

 

アルミニップルを使いますと前後で30gほど軽くできるのですが強度や腐食のことを考えてブラスニップルを選ばれています。この選択は私も同じ考えです。やはりブラスのほうが少し重くなりましても安心安全と思います。

 

このリムを発注するときにリムメーカーの担当者より穴なしリムでは25㎜高は難しいからやめておいた方がいいよといわれました。どうしてそんなこと言うのか最初わかりませんでした。

 

果たしてリムが届いて理由がわかりました。25mm高のリムではリムの中にウレタンが残っていることが多いのです。カーボンリムの製造過程を詳しく知っているわけではありませんがカーボンリムを作る工程で使われるウレタンフォームが残っていることがあるので難しいですよとアドバイスしてくれたのです。

 

実際今回のリムには一ヶ所残っていました。穴が開いていないので取り除くことができません。ウレタンが邪魔をしてなかなかニップルを通すことができず振ったりたたいたりで何度も作業が止まりました。

うまく完成するのか冷や汗ものでしたがうまく作り上げることができました。25mm高の穴なしリムにはこんな注意点が必要です。メーカーも25mmの穴なしリムは受付していません。無理を承知で注文しています。メーカー担当者に難しいよといわれても頑張って作りたいと思っています。しかしご自分で作られる場合穴なしリムはもう一サイズ大きいリムで作ったほうが良いようです。

前輪564g
スポークテンションを均一にする
後輪792g
テンションばらつきを5%以内に仕上げる
後輪 ドライブ側 2クロス組
後輪 非ドライブ側 3クロス組
穴なしリム使用

出来上がりましたホイールは前輪564g、後輪792g、合計1356gと非常に軽量のホイールが出来上がりました。インプレいただくのが待ち遠しいです。

Prime black edition カーボンホイールを調べる

お客様よりご依頼がありPrime black edition を調べる機会を得ました。

ご購入の時点では調子が良く、数か月すぎて少しスポークのバラつきがあるのではないか心配になりましたと相談を受けました。

結論を言いますとスポークのテンションはとてもよく整えられています。バラつき偏差は5%以下の仕上がりで、今まで点検しました完組ホイールの中ではとてもよく調整されたホイールでした。お客様はホイールに慣れて購入時点の感動が薄れただけでした。ホイールはしっかりしていました。

このホイールの詳細です。

前輪スポークはDTのエアロスポークです。後輪ドライブ側に同じエアロスポークでも少し1.2mmの厚みがあるエアロコンプを使い左非ドライブには0.9mm厚スポークです。

とてもよく考えられたホイールと思います。

ハブはPrimehubとして販売されていますが形状、サイズからノバテックハブと推察します。このハブはストレイトプルスポークを使うハブです。各寸法を計測しまして計算上の左右スポークテンション比率は37:100です。

少し左スポークテンションが低い数値となります。逆にいいますとスポークの角度を取れますので横剛性は高いといえます。いわば支え棒の考え方です。何事も良いとこばかりではありません。どの点に目が行き、どの点に目をつぶるかです。

点検していて一つ気になることがありました。

前輪 左113kgf右114kgf バラつきもないよくできたホイールです
後輪 左62kgf右164kgf  テンションばらつきはないが、右がとても高い

非常に後輪右ドライブ側スポークテンションが高いことです。スポークのテンションを高くしたから剛性が上がることではありません。ホイールの剛性はリムの剛性+スポークの総面積に比例します。スポークテンションを高くすることで剛性は上がりません。ではなぜこのホイールは右側テンションが高いのでしょうか。

ハブセンターオフセットを計測

理由はハブの構造上ハイテンションに仕上げないといけないようです。左右のテンション比率差が大きいので右側を高く上げないと左スポークがゆるゆるで仕上がってしまします。緩くても乗れないことはないのですが過去の経験上、左は50kgf以上が望ましいと考えられています。正解値はありません。

グラフで示すように右側を大きく上げることにより相対的に左を上げています。強度的にはハブはストレイトプルスポークを使いますので構造上引っ張りには強い形です。このハブだからできるスポークテンションと考えます。しかし常に160kgf近いハイテンションで引っ張っているので経年劣化は通常より早いのではないかと心配します。ただしこのことに関しては残念ですがよくわかりません。

私がいつも買っているカーボンリムメーカーではスポークテンション値は125~135kgfで仕上げてくださいとマニュアルに書かれています。

スポークテンション校正器で調べなおしました

この160kgfの数値ですが私のテンションメーターが間違っているのかと心配になりましたのでテンション校正器で調べました。ホイールに使用されているスポークと同じエアロコンプを持っていますのでスポークを160kgfで引っ張り、メーターで測りますと同じ数値を検出できました。おおむね合っています。

ホイールはタイヤをインストールしますとスポークテンションは10~15%下がります。場合によっては20%下がるホイールもあります。このホイールのハイテンションはおそらくテンションダウンを想定して作っていると思います。タイヤインストール後、左側50kgfアップを得るために右ドライブ側をハイテンションに仕上げているのでしょう。それにしても驚くばかりのハイテンションです。

このホイールに乗ったことはないのですが総じてとてもよくできていると思います。作り方が丁寧です。ただハブの構造上、左テンションを上げるために右側をハイテンションに仕上げないといけない造りです。

このホイールはUCI公認ということでプロチームに提供されているホイールのようですが耐久性に対して知りたいものです。とても高いテンションで作られていますのでどのくらいでプロは交換していくのでしょう。想像ですが意外と交換サイクルは早いのかもしれません。

お客様が心配されたスポークテンションはとてもよく管理されていると思います。ホイールはとてもよくできています。グラフを参考にしてください。

いつも思うのですが海外通販で購入されたホイールは皆さんどうされているのでしょうか?面倒見てくれるショップはそんなに多くはないと思うのですが…

消費者は集められた評価、星の数を頼りに購入されると思います。価格の面で有利なところが多い海外通販ですがこういう機械ものにはメンテナンスが欠かせません。自分でメンテナンスができる人には良い買い物です。周りに面倒見てくれる人がいる人も安心できる良い買い物が出来ると思います。

しかしながら大方の自転車屋さんは面倒を見てくれません。うちでは扱えませんと断られるのが目に見えています。面倒見てくれる場合でもショップで買われた場合と価格が違います。お客様だけにいい目が出る仕組みにはなっていません。

このPrime black edition ホイールは現在価格88000円で販売されています。予備スポークもついています。業者のカタログを見るとビッグブランドの価格と比べてとても安価です。送料無料ですが関税7.8%と地方税がかかることを承知しておかないといけません。

縁あってこのホイールを点検させていただきました。ホイールはよくできていて何もさわることなくお返ししました。お客様もよくできているホイールと聞かれて安心されたようです。

プライベートブランドのホイールを10万近く出すのは勇気のある買い物です。掲載されている☆評価だけを頼りの買い物です。返品もできるシステムで安心できる会社で私もよく利用します。ただ私はよくわかっているものだけにしています。もっと高価なブティックブランドのホイールの場合どうなんかなと思います。買ったが近所の自転車屋は面倒見てくれない、どうしたらいいのでしょう。オークションにでも出しますか?

Primeアルミホイールを購入

Primeアルミホイールを購入しました。理由は価格です。他に理由がありません。驚く価格でしたのでどんなホイールか調べたくなり買うことにしました。

前後 1985g
前輪 840g
購入時点の前輪スポークテンショングラフ
後輪 1145g
購入時点の後輪スポークテンショングラフ

これでプライムホイールは2セット目です。ディスクホイールの時に記事にしましたが今回もびっくりしました。

 

いつもの通りホイールは重量とスポークテンションを測ります。

前輪840g、後輪1145gと非常に重いホイールです。この重さはカタログで事前に知っていましたので承知で購入しました。重いホイールは予想外に走るものです。一般的には軽いほうが良いのですが重いホイールは走ります。

 

スポークテンションは上図の通りです。前輪、後輪ともに驚くばかりのスポークテンションです。

先ず前輪です。スポークテンションを測りますとバラつきがあります。

後輪もバラつきがあり、非常にハイテンションで作られています。びっくりします。こんなに高いテンションではハブ、スポークの疲労が早く傷みやすいのではないかと思われます。

 

前後輪を私のやり方でストレスリリーブを行いました。通常なじみだしと呼ばれています。私のホイール作りは海外の本で勉強して始めましたのでストレスリリーブになってしまします。

私の方法でなじみだしを行いますと次のグラフになりました。

ストレスリリーブ後の前輪
ストレスリリーブ後の後輪

購入時点のスポークテンションはすっかり整えられています。スポークテンションもバラつきなく収まっています。

 

こうなるように考えて手を抜いて作ったホイールなのかわかりませんが驚くばかりのテンションバランスです。ニップルは回していません。ホイールは再度売りに出しても良いくらいのテンションバランスになりました。

 

リムはチューブレスレディーリムを使っています。チューブレスタイヤ、バルブ、シーラントを用意すればチューブレスホイールとして使えます。これは一つのプラス材料です。1万円ほどでチューブレスホイールを使うことができるのは大きいメリットです。

 

ハブを調べてみました。前後ともにシールドベアリングを使っています。前輪ベアリングは容易に取り換えできますが後輪ハブは少し難しいように思います。心棒は鉄の心棒を使われていますのでシマノハブと同じですがシールドベアリングを使っていますのでカップアンドコーンのシマノハブのようにメンテナンスは簡単にはいきません。ベアリングの取り換えは難しそうです。見た感じでは部品入手が難しいハブのように見受けられます。ノバテックやバイテックスのハブのように簡単には部品が手に入らないと思われます。ベアリングは普通のベアリングですのでやる気になればできそうですが力を入れただけの見返りがなさそうです。

 

私の評価としましてはメンテナンス部品が容易に手に入らないので分解した後も楽しめるホイールではありません。

1万円ほどでチューブレスホイールが手に入るのはメリットと思います。しかしメンテナンスを自分で出来る人に限ります。でもこの値段で買えるので試しに買ってみるのも良いかと思いますがすぐに嫌になるでしょう。練習用と割り切るならいいかもしれません。

前輪46mm高、後輪56mm高カーボンホイールのインプレ

4月にお納めいたしましたホイールのインプレと写真も一緒にお送りいただきました。

写真を見ましてこの自転車は欲しいと思いました。乗ってみたいです。

以下インプレ、原文のままです。参考になると思います。

 

少し遅くなりましたが作って頂いたホイールの感想を。

 

まず、組付ですがエアバルブはワイドリムの為、カマボコ型パッキンだとエア漏れするので円錐形の物に変更しました。

これで一週間放置しても1気圧程度の圧力低下で済みますので、

気密性は良好です。

タイヤはいつもの銘柄のイクシオンpro ust2にしましたが、

少しビードフックに食い付く感じが有るので、

銘柄変更が必要かもしれません。

 

実走ですが、回転で加速する時は25kmまで足の重さを乗せるだけで

加速して行きます。

そして大口径のフロントハブが効いているのか手への振動が少ないです。

何気なく走る分には非常に優しいホイールです。

 

ただし、そこから下ハン持って踏み込むとその印象は豹変します。

今までのM社製アルミホイールで30km付近に感じていた抵抗がなく

40km台まで一気に加速してそのまま巡航出来てしまいます。

 

ダンシングをした時は余りに横剛性が高い為、最初は踏みすぎてしまい、

あっという間に足が売り切れになってしまいましたが、

私の方でアジャストしながら踏み込むと、良い加速をしてくれます。

もっとも、私にこの高性能を使いこなせていないので今後の課題なのですが。

 

ひとつ間違い無いのは明らかにレースで運用できる機材です。

 

それと大事な事なのですが、追加して頂いたブレーキ面の加工のおかげなのか、フロントブレーキの効きが良いです。

カンパシューと合わせるとアルミリムと遜色無い効きをします。

未加工のリアが滑る感じがするので効果はあると思います。

また、ブレーキング時にボーラワンのような音がするので楽しいですね。

 

総じて大満足のホイールです。

良いホイールを組んで頂きありがとうございました。

 

こちらこそ感謝を申し上げたいです。使ってみないと分からない細かいアドバイスをいただいています。これからのホイール造りの参考にさせて頂きます。お客様からの生のお声はとても勉強になります。

後輪用56mm高カーボンホイールの作製

何種類かのカーボンホイールを使っておられる方より後輪用56mm高カーボンホイールをご依頼いただきました。ご使用のホイールはどれも後輪だけがトラブルようで単品でのご注文です。

当ブログをお読みいただき今までのホイールを参考にご注文いただいています。リムはニップル穴なしのリムです。

後輪 889g
スポークテンショングラフ 左8本右16本
左ラジアル 右2クロス組
左ラジアル 右2クロス組
穴なしリム使用

仕様は下記の通りです。

 

後輪

リム 56mm高30mm幅 490g

スポークDTコンペティション ストレイトプルスポーク黒

ニップル DT SqourxPro ブラス黒

ハブ BITEX BX301 8:16

重量 889g

 

この56mm高リムは剛性があり、ハブはバイテックスのストレイトプルハブ8:16用を使います。スポークはDTのコンペティション2.0/1.8/2.0mmです。

以前お買い上げいただいたFTP300のお客様のインプレではとても高い評価いただいています。このリムは平地用と思われがちですが登りにも強いホイールです。

ブレーキの効き具合が不安な方は前輪をアルミホイールで乗られて後輪に空力のよいカーボンホイールを使うという方法もあります。

セットでのご注文が多いのですが今回のように単品のご注文も歓迎いたします。

シマノホイールの再生

シマノホイールWH-RS20の後輪ハブを使ってホイール組み換えのご依頼を受けました。

ハブはスポーク左右10本ずつのストレイトプルスポークを使うハブです。

AL31W20hオフセットアリ

リムはTNIのAL31W 20穴オフセットリムです。この20穴リムが販売されています。私は知らなかったのですがお客様より教えていただきました。このリムがあればシマノホイールの組み換えは可能です。

 

もう使えなくなるほどリムがすり減り経年変化でスポーク穴のところにひび割れがしてどうしようもないホイールを再度よみがえらせる道が開けます。シマノハブはグリスアップをしっかり行っていれば20年でも使えます。

計測の位置に注意
計測の位置に注意

送られてきましたハブを計測しました。注意点としては計測の位置に関しては右側に寄せるか、左に寄せるか、中央で測るかを決めることです。

ハブオフセット値が少ないので左スポークテンションを高くできるハブです。重いのが難点ですが重いということは逆に丈夫ということですので総合点の高い優秀なハブと思います。

1:1組後輪1037g
左右2クロス組
スポーク穴が3mmずれています
できるだけ均一にテンションを調整

出来上がりの実測スポークテンション比は左約84kgf:右約129kgf、率にして65:100と非常に左が高い数値です。とても優秀です。ゾンダに負けていません。

右スポークテンションは高めですがタイヤインストール後のテンションドロップすればいい数値に収まります。

 

検証していませんが、以下私の勝手な想像です。

 

2:1組のゾンダの場合後輪は左7本右14本で作られています。左7本はラジアル組ですのでこの組み方はクランクを回して得られる、前に進む駆動力には影響しません。右ドライブ側の14本が駆動に参加します。プルスポークが7本、プッシュスポークが7本です。方やこのシマノハブは1:1組ですのでスポーク20本がクロス組です。プルスポークが10本、プッシュスポークが10本です。すべてのスポークが駆動に使われています。

 

前に進む力にはゾンダが14本、シマノは20本が働いています。仮に同じ力で回しているとしてもスポークの働き数が違うのでシマノのほうが勝ると思うのですが如何でしょうか?

価格の低いシマノより価格の高いゾンダのほうが高評価なのは片手落ちのような気がします。値段ではないと思います。ゾンダより約100g重いのですがシマノのほうが価格、性能などの総合力では勝っているように思うのです。ただスポークの調整はゾンダのほうが上のように思います。シマノはしっかりと事前に調整が必要です。

 

話を戻しますが、ストレートプルスポークのハブを扱う注意点はハブの計測が大切です。どんなハブでも計測が一番気を使うところですがスポークオフセット値をしっかり測ることです。

スポークオフセットについてはDTswiss、wheelproのスポーク長計算ソフトでも図解で説明していますので参考にされると良いと思います。

このホイールは左右スポークのテンション差が少なく、リム高が高いので空力と剛性が期待できます。おまけに非常に安価です。最高です。

漕ぎ出しは重量があるため少し重い走りですがスピードに乗ってしまいますと足を休めることができるホイールです。コスパが良くてよく走るホイールに蘇りました。

36mm高カーボンホイールの受注

アルミリムホイールをご注文いただきました方より再度のご注文です。カーボンホイールは以前よりご興味いただいていました。私も次のホイールはカーボンホイールをお願いしますとお勧めしていました。

36mm高28mm幅カーボンリム使用

36mm高のほかに軽量ホイールありますかとご質問いただき25mm高があることをご説明いたしました。25mm高は登りメインの方に良いことをお知らせしましたところ最終的には36mm高に決められました。

前輪 632g
スポークテンションは均一です
サピムCXRAY使用
後輪 830g
スポークテンションは均一です

後輪右コンペティション左CXRAY使用、36mm高リムはオールラウンドホイールとして優れています。重量は1500gを切っています。登りによく平地でも空力を享受できるホイールです。もう少し高い46mm、56mmもあります。空力重視ならば高めのホイールが良いでしょう。

穴のないリムで作っています。

リムは穴なしリムで作っています。このためリムテープが不要です。テープ代は結構嵩むものです。

 

剛性も穴アリと穴なしとでは違うと思います。ゾンダが穴なしのアルミリムです。ロープロファイルのリムですが評価が高いのはこの穴なしリムだから剛性が高いと推察します。穴をあけると軽くなりますが強度を高めるには穴がないほうが高いと思うのです。残念ながらエビデンスは持っていませんが普通に考えたらそうなると思います。