後輪スポークを結んだと連絡いただきました

25mm高超軽量カーボンホイールをご注文いただきましたお客様よりご連絡いただきました。後輪スポークを結ばれました。ハンダでの結線ではなくテグスです。

写真も送っていただきました。お客様のライド環境は素晴らしいです。

スポークの結線は私も行います。私の場合飾りという感覚です。作りこまれたホイールということがよくわかります。あまり上手ではありません。

私の下手な結線

以前ホイール再点検のご依頼受けました時の結線は素晴らしい仕上がりでした。こんな仕上がりにはなかなかできません。素晴らしいです。

再点検でお預かりしましたホイールです。ビルダーが作ったホイールは勉強になります。
素晴らしい結線です

今回写真をお送りいただきましたお客様はこのように感想を述べておられます。

お客様はテグスで結ばれました

先日作成していただいたホイールですが、リヤホイールの反フリーを結線してみました。

実はこれまでにも何本か手組を持っていたことがあり、リヤの反フリーを結線していました。
今回は自力で行うため、釣糸のPEライン1号(細すぎました、2号でも良いかもしれません)を縦1周、横5周して結び、瞬間接着剤で固めてあります。
その後何度か乗っていますが特に結線が外れたりはしていません。

結線の効果は意見が別れているようですが、個人的には効果があると考えます。
と言ってもテンションメーターを当てたわけではないので感覚論ですが……。

結線前後でテンションを比較すると面白いような気がします。

ひとまず最近の近況になります。

正直なところ結線に関してはよくわかりません。いいという人がおられますし、全く意味がないという人もおられます。私は見た目派です。

ディスクアルミホイールのご注文

以前お買い上げいただきましたお客様よりご連絡いただきました。

ディスクホイールのご依頼です。ハブとリムはお持込で私はスポーク、ニップルをご用意します。お客様はシクロクロス上位クラスの選手です。シーズンが始まる前にということでご注文いただきました。

リム、ハブセットを送っていただきました。

お送りいただきましたリム、ハブは次の通りです。

ハブ prime RD020 ディスクハブ24h

リム DT swiss P1850 spline 24h

リム重量 505g
プライムハブ 前輪用139g
プライムハブ 後輪用 264g

当初、前輪には細いスポークピラーTB2015  2.2/1.5/2.0㎜、後輪を左サピムD-light 2.0/1.6/2.0mm 右ピラーTB2018 2.2/1.8/2.0mm と三種類のスポークを使って提案しました。

いろいろ乗り方、剛性をご一緒に検討しましたところ最終的にはピラーTB2018 2.2/1.8/2.0mmの中央部1.8mmのスポークで剛性重視のスポーク選択となりました。ニップルは丈夫なブラスです。

このお客様との打ち合わせはとても大切です。手組ホイールの良いところと思います。部品はリム、ハブ、スポーク、ニップルと4点ですが組み合わせはさまざまに考えられます。体重、乗り方、剛性重視、ロングライドなどいろんな状況に応じて部品を組み合わせることで適切なホイールに仕上げていくことができます。

完組では購入して試してみないとわかりませんが手組の場合ある程度予測がつきます。オーダーメイドの良いところです。乗り手のご希望を伺いながら一緒に作り上げていきますので失敗は少ないです。私のほうも今までのお客様のデータを集めていますので提案はしやすいです。

出来上がりましたホイールです。

前輪 826g
後輪 941g
前輪 ピラースポーク TB2018 左右2クロス組
後輪 ピラースポーク TB2018 左右2クロス組

なじみだし(ストレスリリーブ)は2日かけて4回以上行います。今までのデータでは4回行いますとほとんど狂いは出ません。長く乗られても振れは出にくい仕上がりです。

スポークテンションはできるだけ均一になるように作り上げています。均一にする、しないでホイールの持つ力の差が出ます。ホイールの実力いっぱいまで引き出すにはスポークテンションの均一化がとても大切と思います。

瞬発力を要求されるシクロレースには剛性の高いホイールが要求されます。印象をお聞かせいただくのが楽しみです。

バイテックス後輪ハブRAR12を分解しました

先日お客様とお話することがありバイテックスのハブについて尋ねられました。

バイテックスハブはあまり知られていないようですが台湾のハブメーカーとして世界的に有名です。ハブのフリーにはアンチバイトガードがついていることなどお話しました。クリスキングなどの高価なハブではありませんが品質はいいと思います。私はよく使います。

バイスに5mmレンチをセットします。
もう片方にも5mmレンチをセットし、反時計回りに回すとキャップが外れます。
キャップが外れたら10mmレンチで心棒を反時計回りに回す。
キャップが残ります。

ハブベアリングは6902,6802が各2個ずつ使われています。分解には5㎜の6角レンチが2本、10㎜のレンチが1本必要です。

5mmレンチをバイスに挟んでからハブをセットします。もう片方に5mmレンチを差し込んで反時計回りで回しますと簡単にキャップが外れます。10mmレンチで心棒を回せば反対側のキャップを簡単に外せます。

フリーは回しながら引き抜けばすんなり抜くことができます。構造はとてもシンプルにできています。

爪の下にばねがはめ込まれています。ベアリングは6802です。

いつ頃からフリーの爪にばねが仕込まれたのかわかりませんが各爪の下に小さなばねが取り付けてあり爪が立ちやすくなっています。ノバテックのフリーにはこのようなばねがありません。良い工夫と思います。

ノバテックのハブもたくさん使ってきました。今までに一度だけですがノバテックハブでフリーの爪が立たなく空回りをするハブがありました。お客様よりご連絡いただきましてわかりました。グリスが固着していたのが原因です。

グリスを変えて組み直しますと直りましたが、小さいばねを使っているこのバイテックスハブのフリーでは爪が立たなくなるようなことはないですね。いろいろと改良されているので驚いています。

フリーを外したドライブ側です。6902のベアリングが見えます。
キャップを外した非ドライブ側です。10mmレンチで回すようになっています。ベアリングは6802です。

今回の分解ではハブの中を見ただけですが構造は非常に単純です。シンプルなのでトラブルが少ないと考えます。ベアリング交換も簡単にできます。

ベアリングをさわるには少し勇気がいりますがそんなに難しいことではありません。NTNの非接触型に替えればもっと回転も軽くなると思います。

部品がない

経済のことはよくわかりませんが今自転車業界では世界中で部品がなくて困っています。スポーク、ハブ、リムなど自転車部品はなかなか手に入りません。通販ショップも在庫なしの表示ばかりです。注文しましても下のような返事がかえってきます。

よく話をするメカニックさんも困っていると話しておられました。実際私もいつも買っている海外セラーより連絡がはいります。部品オーダーしましても今は在庫がないという返事です。ここ10年来こんなに忙しいことはない、メールの返事は遅くなることを承知してほしいと連絡入っています。

いろんな国の有名ビルダーのブログ読んでいますが店の取扱品は遅れるか在庫なしの記述が多くみられます。やはり世界中が部品不足であることは間違いありません。

別の話ですが、時々買っている海外セラーにオーダーを出しましたら送料がとても高くなっていました。通販業界は昔から送料で儲けるといいますがまさにその通りでとても強気の商いです。こちらは必要な部材なので仕方なく買いましたがこんなことはしっかり覚えているもので通常に戻ったらこのセラーからはもう買い求めることはないと思います。

あれこれと慌てずじっくり待つしかないですね。通常に戻るまで待つ。それまでに作業場を使いやすいように片付けようと思います。

使っていないハブメンテナンスツール

シマノのディスクハブのマニュアル見ますととても分かりやすく解説しています。

シマノ マニュアルより参照

シマノハブは一般ユーザーでもメンテナンス作業ができるように図表を使って説明されています。やる気さえあればできるようになっています。ありがたいことです。

持っているのですが使ったことがない道具が数点ありますがこの6角レンチはこれから使う出番が出てきそうです。

15mm6角レンチ

シマノ純正のTL-FH15は15mmの6角レンチです。ディスクハブには必要です。15mmは使うことがなかったのですがディスクホイールが広まってきていますのでこれからは使う機会も出てくると思っています。

しかしハブフリーを交換するほど使い込むことはなかなかありません。シクロレースに使われることが多いとフリー交換もあるかと思います。いずれにしましても使って見たいです。

この6角レンチはとても高価です。1万円もするという価格ではありませんが単なるレンチとなりますと私には値段が張ります。機械工具メーカーさんのホームページを探して純正の半分の値段の品物を見つけました。機能は同じと思っています。

ディスクハブマニュアルより参照
マニュアルの通りバイスで挟んで使います

シマノハブのマニュアル通りにセットして使うつもりです。シマノのマニュアルはわかりやすいです。一通り目を通しておかれることをお勧めいたします。

多スポークホイールのご注文をいただきました

このブログより次のようなご連絡がありました。

どちらかというと登る方が楽しいというか、しんどいのですが走っている実感を感じれていいのです。 次は平地も巡航して楽しみたいと思うようになってきました。 もっと踏みたいと思わせてくれる、平地を走るのが楽しくなるホイールがほしいのです。 足が売り切れるとかの問題は関係ありません。楽しければいいのだと思います。何か良さそうなホイールを教えてください。

体重もお知らせいただいています。60㎏台前半のFTPもとても高い方です。

私のご提案はキンリンのXR31T/RTリムを使った多スポークホイールです。アルミリムで平地をメインに走り、疲れにくいホイールのおススメとなりますとキンリンリムはコスパが良くてとても優秀です。このリムで28・32hの組み合わせをご提案しました。

内容は下記の通りです。

リム XR31RT 28/32h

ハブ  Bitex A781 – BLACK – 28

ハブ Bitex RAR12 – BLACK – 32

スポーク サピムLaser2.0/1.5/2.0mm(前輪)

スポーク サピムLaser2.0/1.5/2.0mm(後輪左)

スポーク コンペティション2.0/1.8/2.0mm(後輪右)

ニップル ブラス

前輪786g

前輪786g
前輪スポークテンショングラフ スポークは均一です

後輪938g

後輪938g
後輪スポークテンショングラフ 左右均一です

前後1724g

軽いホイールではありませんが重いホイールでもありません。

キンリンのXR31T/RTで組んだ多スポークホイールは良いところが多いホイールです。しかし残念なところもあります。それは地味なところです。派手さがない見た目は普通のホイールです。ところが実力はなかなかのものを持っています。

リム重量は500g前後と少し重いのですがカンパニョーロのゾンダも同じくらいの重量です。アルミリムの場合ある程度の剛性を得るにはこの重量は必要と思います。

31mmとリム高がありますので空力の良いホイールに仕上げることができます。

お客様より少し乗られた印象をご連絡いただきました。

以下インプレです。

先日40kmほど走ってきましたので簡単な感想をお送りします。

wh-6800との比較になります。タイヤも移植しましたので同条件だと思います。

○良い点
乗り心地がソフト
空気抵抗が減った
疲労軽減


○悪い点
加速が鈍い

トータルすると完全に良い点が勝っています。
何より乗っていて楽しいですから、良いホイールだと思います。
ダンシングでもシュータッチはありませんし、普通に登れます。
フリーがとても静かです。シマノよりも静かだと思います。ハブも違いますね。
シマノは「ベアリングが回っている感」があるのですが、これはヌルヌルとした「滑ってる感」に近いような気がします。
まだまだ当たりが付いていないでしょうから回転は渋い気がしますが、これから育てて行く感覚でより楽しめそうです。
ガンガン使って剛性不足を感じる位になりたいと思います。

固いフレームには手組ホイールを組み合わせると良いような気がしますがどうでしょうか。
最近は乗り心地にも配慮したフレームが増えて来ていると思いますが、こんなに良くはならないと思います。
私のエントリーアルミフレーム(センチュリオンハイパードライブ500)が
まるでクロモリフレームのようになりましたので。

とても分かりやすく乗られた印象をおしえていただきました。

空気抵抗が少なく感じられたのはリム高が影響していると思います。ソフトな乗り心地はLaserがショックアブソーバーの働きをしていると思います。ハンドルからに振動が軽減されていますので疲れが軽減したと考えます。加速が悪いのは後輪スポークの剛性が少し足りなかったのかもしれません。改良点として左右コンペティションにしてスポーク面積を増やせば剛性が高くなると思います。あとでいろいろと加減できるのが手組ホイールの良いところです。

お客様のお話はとても勉強になります。ありがたいことです。

雨降りだからタイヤの張替でもしよう

植草甚一、J.Jおじさんの本のようなタイトルですが今日のような雨の日には自転車の整備をよくします。

特にタイヤ関係です。自転車に乗らない日はホイールの整備です。晴れで乗らない日は自転車を洗います。

マイナスドライバーで抉るとはがしやすいです。
きれいにしました。手軽なミヤタテープを使っています。輪行にはテープのほうが楽なのでテープにしています。

久し振りにチューブラータイヤを貼り替えました。タイヤはヴェロフレックスのカーボンです。小さく方向性のマークがあります。注意が必要です。

矢印があります。方向性には注意が必要です。

ワイドリム、チューブレスが流行りですので23mmのこのチューブラータイヤは正直なところ少し前のタイヤかもしれません。しかしながらこのタイヤの乗り味はなかなかのものです。チューブレスはいいですよと言っておきながらチューブラーをほめちぎるのは一貫性に欠けるかもしれませんがいつの世もいいものはいいのです。

プロツアーの世界ではチューブラーホイールはクリンチャー全盛の今でもずっとメインに取り扱われています。軽量、グリップの良さ、取り扱いの手軽さどの項目にも優がつきます。

今までは前輪だけを高価なタイヤにしておけばハンドリング、乗り心地の良さを得ることができるので後輪は安価な練習タイヤで我慢していました。しかしながら今回は後輪も奢ることにしました。

ヴェロフレックス カーボン使用
併せて振れ取りも行いました。

1本1万円のタイヤは私には勇気がいります。タイヤ2本でママチャリが買えます。いつも千円前後のワインを飲んで幸せといっているのですが、まあ、たまにはこんな贅沢もいいかなと思います。乗り心地が違います。

自慢話になりますが…

ホイールをお納めしたお客様よりお電話いただきました。スポーク組み換えのご依頼です。

お客様はこのブログをお読み頂いているようです。

皆さん褒められていますね、あかんという人いないですね。」という話になりました。

そうなんです、皆さん気に入っていただいています。」とお答えしました。

お客様はボントレガーのカーボンホイールもお持ちですが比較すると私のお納めしたほうが良く走るというお答えです。

スポークのテンションが揃っていることが大切です。おそらくこれが原因と思います。揃っていないと力が逃げる、踏み込んだ力はどのスポークにも同じ力が加わりますがスポークテンションが揃っていなければ加わる力にロスが生じます。

このようなお話でご納得いただきました。

カーボンホイール 
前輪スポークテンショングラフ
後輪スポークテンショングラフ

特別な材料を使っているわけではありません。体重に応じてスポーク数を調整してテンションをできるだけ均一に仕上げる。これだけです。

文章で書けば一行です。スポークテンションを揃えば良いホイールが出来ます。

ベテランライダー様よりご連絡いただきました

今まで2セットご注文いただきましたベテランライダー様よりご連絡いただきました。400kmのブルべに参加されたご友人の話です。

シャマル ミレ カンパニョーロHPより

400kmを無事完走されたのですがこの時はシャマルミレで走られたそうです。無事終わられたのですがシャマルの乗り心地の悪さが理由でホイールをゾンダに買い替えられたそうです。

ゾンダの倍以上もするシャマルですが硬すぎて乗り心地は最悪であったらしいです。

ホイールはいろいろ性格があります。乗り手の力量、体重、乗られる方の好みいろいろです。

一般にはブランドのホイールは評価がたくさん集まっていますのでこれらの情報を参考にすると選びやすいです。

今回のシャマルご使用のライダーさんはアルミスポークが硬すぎてご自身には全く合っていなかったようです。どんな評価を参考にされて購入されたかわかりません。おそらくシャマルは走るというたくさんの評価を参考にされたのでしょう。しかし実際ロングライドで使ってみると最悪でした。

いろんなサイトの評価の星数を数えて買ってもぴったりのホイールを見つけることは難しいようです。

シャマルの悪口のようになりましたがシャマル自体はとても優秀なホイールです。誤解のないようにお願いいたします。

セラミックベアリング、アルミスポーク、特製ハブとモダンホイールの代表的なホイールですがベテランライダーさんが乗られても相性が悪かったらどうしようもありません。

お値段と評価が正比例しないのがホイールのようです。

2セットご注文頂きました中の多スポークホイール

最後に少し宣伝です。今回の話をしていただいたベテランライダー様はお納めしましたホイール2セットをとても気に入っていただきました。現在お持ちのユーラスに負けていないとほめていただいています。お墨付きをいただいたようでほかのお客様にも自信をもってお勧めしています。

ゾンダハブは重かった

ゾンダ後輪ホイール分解の記事を書きました。正直言いましてハブは意外と重かったのです。

以前ゾンダを購入しました時の記事を書きましたがこの時は分解しないで台湾ハブとほぼ同じ重量で計算しましてリム重量を算出しました。ざっくりリムは500g前後だろうという記事ですがリム重量はほぼ合っていました。

ゾンダ 後輪ハブ

驚いたのはハブの重量です。軽量しますと293gと予想外に重かったのです。ノバテック、バイテックスなどの台湾製ハブは

バイテックス 231g

おおよそ230g前後ですのでゾンダハブの重さはびっくりしました。

 

よく使うハブの中で重いハブはシマノハブです。ミケハブもよく使います。シマノハブは360gほどあります。ミケは295gと重量があります。

ミケハブ 295g

シマノハブ 365g

今まで重いハブですがという枕詞付きで説明していましたハブですがなんとなく援護射撃を得た感じがあります。軽いに越したことはありませんが重いハブもいいものです。気にしないで使いましょう。

 

アルミホイールのベンチマークと言われるカンパのゾンダハブは軽いハブではない。つまり中心部の重量は回転には大して影響していないと考えます。もちろん車のばね下理論と同じ考えでホイールが軽いことはいいのでしょうが必ずしも軽いホイールは走るホイールではないということが言えるのではないかと思います。ゾンダのハブは重い。この事実はとてもインパクトあります。