チューブラーホイールの作製

ブログより連絡入りました。チューブラーホイールのご依頼です。完組チューブラーホイールは今やカーボンホイールしか手に入らない状況です。アルミリムの場合手組ホイールしか選択肢はありません。

前輪 819g
後輪 1037g

多スポークホイールでロングライドにご使用したいとご連絡いただきました。時々競輪場でも練習をされるとか。この時は時速40kmの巡行で走ると伺いました。

これは凄いと思います。なかなかこのスピードでの巡行はできません。私も気合入りますが作製には特別なことはありません。通常のホイール作りと変わりません。

ティアグラハブ 前輪用
ティアグラハブ 後輪用

ハブは当初DURAハブ、アルテグラハブをご希望でしたが今はなかなか手に入りません。ティアグラハブがご用意できましたでこのハブに決定いたしました。ハブのグレードの違いはありますが性能には差はないと考えています。見た目の仕上がりの違いは大きくありますが回転性能に関しては遜色ないという考えです。

シマノハブは購入時点が極端な言い方ですが一番状態の悪い時と思います。使い込むとあたりがでてもっと回転が良くなります。ハブのあたり調整も好みに調整できます。

今回新品状態では少しゴリ感がありましたのでほんの少しですがナットを緩めて調整しました。

スポークはDTコンペティション黒を使用しています。使いやすいコンペティションです。ニップルはブラスで作ります。

25mm高 433g

チューブラーリムはキンリンのTB25を使っています。430g~440gのナローリムですが剛性が高いうえに25mmのリムハイトもありますので空力も期待できます。価格はリーズナブルで非常に使いやすいリムです。手に入れ易いおススメのリムです。派手なホイールではありませんが実利優先の方には是非ともトライしていただきたいホイールです。

トレーニング用にツーリング用に用途が広く、安価でよく回り、スポークが折れても無事に帰れる安全安心のホイールです。

また、32本スポークが多いと空気抵抗は少し増えますがほかのプラス面が多いので優秀なホイールには変わりありません。競輪では36hですので空気抵抗はそんなに問題ではないと思います。

前輪スポークテンショングラフ
後輪スポークテンショングラフ

ホイールを組む際ハブが11速ではスポークの左右テンション差は大きくなります。この対処方法は右テンションを高くすることで相対的に左スポークテンションを上げる方法が一般的です。今回もこの方法を使うことにして右を高めに張ることにより左スポークテンションも一緒に高くするようにしました。左右のスポークはできるだけ均一になるようにスポークを調整しています。

自転車は1フレーム2ホイールといいますので是非とも使っていただきたいホイールです。

46mm高でディスクカーボンホイール作製

ブログよりご連絡がはいりました。46mm高のディスクカーボンホイール作製のご注文です。

メールだけのやり取りで商談を進めるのですがお客様には勇気がいることだと思います。しかし私のほうもありがたいことですが心配なこともあります。言わばお互い様です。

これらの心配事を超えてお客さまが喜んでいただいたご連絡を頂戴すると格別なものがあります。お顔あわせてご商談できればもっといいのですが、離れていましてもとても達成感を感じます。

最近のカーボンホイールのご注文はディスクホイールが多いです。やはり時代かもしれません。ツールドフランスではイネオスはリムブレーキでしたがほとんどのチームがディスクホイールでした。

しかし新しく自転車をオーダーされる方なら自転車業界はディスクホイールに移っていますのでディスクブレーキの自転車となるのは当然のことです。

ご依頼主は硬めのカーボンフレームに載せるといっておられます。スポーク決めるときにCX-RAYは乗り味が柔らかくなるので硬いフレームとは相性がいいと多くの方から評価いただいていることを申し上げました。果たしてスポークはCX-RAYということになり話はトントンと進みました。

前輪708g CX-RAY使用
前輪スポークテンションは均一です。
後輪 823g CX-RAY使用
スポークをいかに均一に張るかが一番大切です。

カーボンホイールのご注文はすべて穴なしリムのご注文です。穴なしリムは穴アリと比べて剛性の上では穴なしリムのほうが若干高いようです。おまけにテープがいらないのでとても扱いやすいホイールになります。作るほうは厄介ですが使う方にはメリットが多いです。

ニップルはDTのSquorxProブラスを使っています。このニップルは通常ニップルの2倍以上の値段がしますが強度面では価格以上の良さを感じます。ニップルにはグリスを塗りながらスポークを通しています。グリスを塗るのは回転しやすくするためです。ニップルとリム面の摩擦を減らして回転しやすくしています。面倒な作業ですがスポークテンションを上げていく際滑らかにニップルが回りますので作業がし易いです。オイルを注せば簡単ですがべとつきますので綺麗に仕上がりません。個人用ならオイルを注すのが簡単です。

ニップルに磁石ネジを取り付ける方法が楽です

ニップルを通すのに穴なしリムでは専用の磁石ねじを使って磁石で引っ張り出す方法が楽です。いずれにしましても仮組までが大変です。しかしこれを乗り越えればもう普通のホイールと同じです。スポークテンションを揃えて均一に、振れを最小になるように調整するだけです。 ホイールの重量は非常に軽量です。穴なしリムですので通常の穴ありリムより剛性が高く空力の良いリムです。

ノンブランドのホイールですが高価なブランドホイールに負けないパフォーマンスを発揮してくれます。お金を出せばいいホイールが手に入る。これはある程度は当たっていますがホイールは簡単に値段で決まるものではありません。

ホイール調整後のご感想

36hのホイール調整後ホイールをお返ししてから乗られた感想をお送りいただきました。

お預かり時点の後輪スポークテンション
調整後の後輪です。各スポークを均一になるように仕上げています。

以下ご連絡いただきましたメールそのままです。

36Hのホイールに乗ってみました。

1~2kmくらい巡航が速くなったような進むような…こちらはプラセボの所為かもしれません。

硬い輪っかに乗ってるような気もしますが、こちらもプラセボかもしれません。

乗り心地は若干硬いのかもですが、よく分からないレベルです。

違うと思ったのはアンダーパスを登る時に通常アウター×19Tで登りますが

アウター×17Tで同じくらいに登れたことです。

今までもたわみとか感じたことは無かったのですが駆動効率が上がっているのかもしれません。

完組に近くなったような気がします。

今は思い込みがあると思うので、明日も乗ってみます。

2回目のご感想です。

36Hのホイールですが、駆動効率向上しているようです。

通勤で家からサイクリングロードまで出て幹線道路までの平均速度が25.5とか25.8キロでした。

これまでは追い風に助けられないと出なかったので、微風に助けられたとはいえ

少なくとも1キロくらいは平均速度が上がっていると思います。

乗り心地と回り方にも慣れてきました。これが回転体という感じでしょうか。

ご感想から判断しました。確かにスポークテンションの調整で駆動効率は上がったようです。スポークの張り具合でホイールは確かに変わります。やはりテンションの均一化を図ることが重要です。

「手組ホイールの限界」というキーワードでネット検索しますといろんな方々がブログで発表されています。ビルダーさんのブログは勉強になります。結論的には手組ホイールを良くする方法はスポークテンションを揃えることが一番の近道のようです。

アルミニップルの破断

3年前にお買い上げいただきましたお客様よりご連絡がありました。XR31T/RT20・24hのホイールをお買い上げいただきました方よりニップル破断の連絡をいただきました。

お写真とともに状況をお知らせいただきました。

お怪我がなくて本当によかったです。

ホイール自体はとても具合が良く気に入っていただいています。実はお客様のホイールは2回目です。こんなことがあるのです。前回は後輪でした。今回は前輪です。

ビルダーとしまして恥ずかしいことです。アルミニップルの欠点を十分知っていたつもりでしたが正しく対処できていませんでした。

右のニップル以上に突き抜けたほうが良いと思います。

スポークがニップルを突き抜けるほどの長さでないとアルミニップルでは強度を保てません。

突き抜けるとやはり下手なビルダーと思われると考えていました。このためスポーク長をニップルのすり割りギリギリのところで長さを決めていました。やはりこれがだめでした。アルミニップルは突き抜けないと強度を維持することはできません。

ニップル破断はこれで5回目です。500本ほどホイールを作っていますので約1%です。ニップル破断を考えますとやはりもうこれでアルミニップルを使うことをはやめました。

使う場合は十分アルミニップルの欠点を十分ご説明して使うことにしています。スポーク長も長めにしてニップルから突き抜けるようにすることを説明しています。しかしほとんどの方はアルミの弱点を説明しますとブラスにされます。ブランドメーカーもニップルはトラブル防止のためブラスにしていますと説明しますとブラスにされます。

DTSquorxPro ブラス

お送りいただきましたホイールのニップルはすべてDTSquorxProブラスに交換しました。スポーク長も計算しなおしまして1mm長くしました。30gほど重量は増えるのですが安心感はぐっと増しました。 スポークのテンションを表したグラフをそえてお返しいたしました。

前輪スポークテンショングラフ
後輪スポークテンショングラフ

ご連絡をいただきました。今お持ちのレー3よりもよく走ると気に入っていただいています。お怪我がなくて本当に良かったです。

バルブ3個目でうまくいく

7月になって立て続けにチューブレスレディーホイールのパンクが続きました。テープが破れるリム打ちパンクでした。

①テープを貼り替え

②タイヤをきれいにする

③シーラントを入れる

チューブレスレディーホイールは少なくても3つの作業をこなさないといけません。どの作業も大切です。一つでも手を抜くとうまくいきません。

今回2本パンク修理を行いました。どのホイールも3項目に注意してやり替えました。2本ともうまくビードが上がり修理は終わったのですが1本はうまくいきました。しかしもう1本は1日経つと空気が漏れて2気圧になってしまいます。

また一からやり直しです。タイヤを外して、シーラントを抜いて、テープを貼り替えます。

3つの手順を守って作業します。バルブも変えました。ビードが上がり空気を入れて一日置いて見ました。

空気圧を測りますとまた2気圧に減っています。

きれいにテープを貼っていますので考えられるところはタイヤのシーラント滓が原因と考えました。もう一度きれいにタイヤをほとんど新品状態になるまできれいにしました。

また空気を入れて一日様子を見ました。

やはり2気圧に減っています。

バルブ3個目で成功しました

もうバルブしかないと考えました。新しいバルブを入れてやり直しました。果たして今度はうまくいったようです。空気圧は6気圧入れて5.2気圧に減っています。これなら妥当なところです。

3回目でやっとうまくいきました。新しいバルブでもうまくいかないときがあります。

そんなときはバルブを疑うことも必要です。

チューブレスホイールは本当に大変です。私は性能のほうを優先しますのでチューブレスタイヤを使っていますがクリンチャーに戻られる方が多いのはよくわかります。うまくいかないときはバルブです。

ホイール調整のご依頼

通勤やロングライドに愛用されている手組ホイールの状態を知りたいというご連絡が入りました。

私はいつもスポークテンションが揃っていることが大切とこのブログに書いています。このテンションの一致にとても興味を示された方からのご依頼です。

今乗っておられるホイールを調整しますとどのように変わるのかを知ることは私にとっても勉強になりますのでテンション調整をお受けすることにしました。

前輪 915g
前輪DURA HB-7900 36h 左右3クロス組
後輪 1036g FH-7900 36h
Duraハブは丈夫で美しいですね。左右3クロス組です。

お預かりしましたホイールはマビック36穴オープンプロに36穴Duraハブ、スポークはDTチャンピオンにブラスニップルという構成です。

いつもホイールをお預かりしますとスポークテンションを点検いたします。グラフにしました。

以下ホイールを点検しました。

前輪

お預かりの時状態

センターはしっかりと出ています。驚くばかりです。
センターがよく出ています。

きれいに組まれています。目視では縦、横の振れはありません。センターも驚くばかりドンピシャです。

スポークテンション

スポークテンションが約60kgfです。とても緩い仕上がりです。スポークテンションは強弱、強弱でバランスが取れています。

スポークテンションは約58kgfと緩い仕上がりです。緩いテンションはスポーク折れの原因になりますのでもう少し高いほうが良いと思います。

一般には前輪は100~110kgf、後輪右110~120kgfが良いとされています。

各スポークを計測しました。バラつきがとても多い仕上がりです。各スポークが強弱、強弱とバランスが取れているので振れが出ていないのです。お預かり時のスポークテンションをグラフにしています。

各スポークにばらつきが多いホイールは長い期間使用すればスポーク折れの原因になります。今まで折れなかったのはスポークが太くて36本あるので各スポークへの負担が分散されて負荷が少なかったと思います。

リムテープを少しめくってスポークの長さを見ましたが適正でした。

作業

各スポークテンションを約100kgfにあげてしっかりと揃えています。

各スポークのテンション調整を行いスポークのテンションを揃えできるだけ均一になるようにします。振れは最小に、テンションは最大限均一に、このような作業を行います。

最後にスポークの緩み止めのためロックタイト220を各ニップルに一滴注いでいます。固着しないタイプですので簡単に緩めることができます。

後輪

お預かり時の状態

下写真と比べたらセンターが少しずれているのがわかります。
左非ドライブ側に約0.5mmずれています。しかし問題なく乗れるのは確かです。

きれいに組まれています。振れもありません。センターが少しずれています。

スポークテンション

強弱、強弱と続いています。これでバランスが取れています。一ヶ所ゆるゆるでグラフにならない箇所があります。

スポークテンショングラフで見ることにしました。各スポークのテンションを測りますとよくわかりますがバラつきが非常に大きいです。後輪も強弱、強弱の連続です。強弱、強弱とバランスが取れていますので振れが出ていません。この理由で見た目ではきれいにできています。ホイールは見た目ではわかりません。

ホイールが回り、力が各スポークに加わりますとばらつきスポークが原因で駆動効率は下がります。加わる力が一定でも受ける側のスポークにばらつきがあるので均一に力が伝わりません。しかしこれらの違いがわかるのは高速時で低速ではあまり分からないと思います。

スポークが36本あるのは非常に強力で欠点が目立ちにくいです。グラフでもわかりますが1ヶ所ゆるゆるのスポークがあるのに乗れています。多スポークホイールの良いところが出ています。

作業

後輪です。各スポークを均一になるように仕上げています。

●スポークのバラつきが大きいので先ずこれを是正します。

ドライブ側と非ドライブ側とは少しずらしています。下写真と少し違います。
ほんの少し非ドライブ側に寄せています。

●センターがずれていますので先ずセンターを出してからほんの少し非ドライブ側(左側)に寄せるように調整します。0.2mmくらいが良いかと思います。タイヤをインストールしますとリムは右に寄りますので事前に少しだけ寄せておいてスポークの調整をします。

●各スポークテンションのバラつき偏差は5%以内に収めます。

●最後にロックタイト220を各ニップルに少し注いで固定します。スポーク、ニップルを痛めることはありません。固着しないので緩めることも容易です。

まとめ

お預かり時と修正後は見た目は同じです。振れもほとんどありません。

後でホイールはご自分で作られたのですかと伺いますと自転車屋さんにオーダーされたそうです。振れ取りができれば完成と思われている方が多いのは事実です。あと一歩足りないのが残念です。

各スポークを見直し、スポークテンションを均一になるように調整しました。

恐らく乗り味はスポークテンションを上げましたので少し硬くなった用に感じられると思います。これはホイール剛性が上がったということではありません。スポークテンションと剛性とは別の問題です。ホイールの剛性はスポークの総面積に比例しますのでテンションを上げたから剛性が高まるということではありません。

乗り味が変わったのか、あまり変化はないのかインプレを教えていただけると思いますので楽しみです。

チューブレステープを貼る

チューブレス専用リムでない限りリムテープは必ず要ります。多くの方は何度か失敗されていると思います。簡単そうに見えてリムテープ貼りは難しいです。

テープを貼ったけれどきっちり押さえつけることができなく浮いてくることがあります。テープが浮きますと空気は漏れますのでチューブレスタイヤのインストールは失敗します。

リム面の仕上がりでも貼りやすさが違います。今までやりにくかったのはDTのリムです。DTリムは梨地でざらついている仕上がりです。このリム面にテープを貼るのはとても難しいのです。

先日お客様よりいいアイデアを教えていただきました。一度テープをはってから押さえつけるのにクリンチャータイヤを一度はめてクリンチャーのチューブで押さえつけるという方法です。リム面に圧力をかけられるなかなかのアイデアです。行きつけの自転車屋さんに教えていただいた方法のようです。私もこれならうまくいくと思いました。

チューブラータイヤでリム面を押さえつけると楽になじみます。

数日たってからふと思いついたのです。クリンチャーのチューブでテープを押さえつけなくてもチューブラータイヤでいいのではないかと考えました。そう、チューブラータイヤの空気圧で押さえつけます。このほうが手軽です。

DTリムのホイールがありますのでチューブラータイヤに4気圧ほど入れて押さえつけてみました。果たしてうまくいきました。ピタッと貼りついています。

最初にこの2行を書けば終わりなのですがご辛抱ください。リムテープはチューブラータイヤで押さえつけるとうまくいく。この話を先のクリンチャーのやり方を教えていただいた方に連絡しますとそれはアリですね、と返事をいただきました。

意外とチューブレスタイヤに関しては超ベテランのライダーさんもビギナーさんもスタートは同じのようで手こずっておられる方が多いようです。参考にしてください。

スポークワッシャーを使ってホイールを作る

このブログを通じてお問い合わせがありました。

スポークワッシャーを使ってホイールを作れるかという問い合わせです。

YouTubeであるビルダーさんがスポークワッシャーを使ってホイールを作られているサイトの紹介もしていただきました。

わたしも一度見たことがあるのですがあまり参考にならないのでスルーしていました。理由は知りたいところを見れなかったのです。どの方も秘伝のたれは大切にされています。それで当たり前です。

作れますかというお問い合わせでした。作れますがそんなに目の色変えてまでの技術ではないと考えていました。性能が劇的に変わるのであれば世界中のホイールメーカーが取り入れますのでお問い合わせにはそのようなことを書いてお返事いたしました。

しかしできないからそんな返事をしたということもありますので作ってみることにしました。

ワッシャーはサピムのワッシャーを使いました。

サピム スポークワッシャー
スポークにワッシャーを通しておきます。

先にワッシャーをスポークに通して準備してからハブに通して通常のように組み立てます。

そんなに難しいことではありません。

ただ先にワッシャーを通しますとスポークのjベントのところの曲がったところがハブフランジに当たります。

奥スポークはワッシャー入り、手前スポークはワッシャーなし
左ワッシャーあり、右ワッシャーなし、スポークの角度が違います。

ニップルをしめていけば通常の角度にスポークを張れますがうまくいくのかどうか戸惑われると思います。スポーク長はワッシャーの厚みだけ長くする必要がありますがスポーク長を切り上げで出している分にはワッシャーの厚みがわずかなのでそのままのスポーク長でうまくいくと思います。

コツがあることはあるのですがそんなに難しいことではありません。まあ普通に作れます。

じっくり見ますと
ワッシャーの金色がわずかに見えています。

出来上がったホイールはなんとなく作りこんだ感があります。へんな表現ですがじっくり見ると凝っているな!という感じです。

性能に関してはよくわからないというのが実情です。ソルダリングと同じ感じです。ホイールの性能が良くなるのかどうかわかりません。

私も作れます、ということを知っていただきたいので記事にいたしました。

銀輪ホイールのインプレお送りいただきました

ご注文いただきました銀輪ホイールのインプレをお願いしていました。

お客様からいつも走られるコースで乗られた印象を写真と一緒にお送りいただきました。

私がこのホイールいいですよとお勧めしましてもやはりお客様からのインプレが一番安心できます。通販会社の星マークと同じですが、このブログでは何も編集しないでそのままの印象を発表したいと思っています。

私にもホイールの改良点を見出すことができますし、ブログ読者さんもインプレを参考にホイール探しができると思います。

以下、お送りいただきました文章そのままです。ブログに発表させていただくことを念頭にお送りいただきました。

昨日、40kmほどライドしてきました。獲得標高500mほどのヒルクライム、ダウンヒルを含むコースです。

インプレをお知らせします。

自転車はラレーCRF(クラブグリーン)。三ヶ島のフラットペダルにハーフクリップをつけています。

ライダーは体重64kg。週に一度程度、40~100kmほどのライドをしています。

以前はスペシャライズドのアレースプリントに乗っており、ホイールは完組だとゾンダ(C17)、レーシングゼロ、レーシングゼロカーボン、ROVAL CL50などを使ったことがあります。手組ホイールはナローリム(リム幅20mmほど)のマビックオープンプロを使ったことがあります。

今回のホイールはご提案いただいたキンリンのワイドリムXR26を使用したものです。リム幅は24mmありますので、25cタイヤにぴったり。同じタイヤ(GP5000)をオープンプロにつけていた時は、リム幅が狭いので、タイヤも細く見えていました。前後とも32Hの多スポーク。ハブはシマノ105(R7000系)。重量は前輪805g、後輪1058g、合計1863gと近年の完組ホイールに比べれば重いですが、リムハイトが26mmある割にリム重量は470g前後とそこそこ軽量です。もっと軽量なハブ、小スポークを選べば1600g以下にもできると思いますが、今回はロングライド向け+剛性感のあるホイールにしたかったのでOKです。

チューブレス対応のホイールですが、ビットリアラテックスチューブにGP5000で運用しています。以前、ROVAL CL50でシュワルベプロワンTLE+カフェラテックス40ccでチューブレス運用していましたが、空気圧を同じ(フロント6.2BAR、リア6.8BAR)にすると乗り心地に違いはありません。どちらも極上です。重量的にもほぼイコール。転がり抵抗はビットリア+GP5000の方が数値的に低いそうですので、パンク対応の手軽さからも今後、クリンチャー運用していくと思います。

【見た目】

非常に地味(笑)ですが、狙い通りのきれいな銀輪ホイールで満足しています。クロモリはアルミ・カーボン車に比べるとチューブが細いため、30mm以上のリムハイトになると違和感が出てくると思います。個人的には26mmあたりまでが無難にまとまる限界かなと思います。ラレーはクロモリのなかではチューブが太めですが、もっと細いパイプを使用しているクロモリの場合は、同タイプのシルバーリムで22mm(XR22)がお勧めです。しかし現在、世界的なパーツ不足で、市場に出回っていないそうです。黒いリムなら在庫があるようですが、やはりクロモリにはシルバーリムが似合います。22mmハイトを狙っている方は、在庫の復活を待つのがベターです。

【漕ぎ出し】

特筆すべき点はなし。ホイール全体の重量は重めですが、ワイドリムのゾンダ(480g程度?)より軽いリムのため、嫌な重さはなく、軽快に漕ぎ出せます。もっともっさりするかと思っていましたが杞憂でした。

【加速感】

時速25~30kmくらいに至るまでの加速が思いのほかスムーズでした。軽量なカーボンホイールに比べれば劣りますが、簡単に巡行速度まで持っていくことができます。

【巡行】

速度維持が楽です。足を止めても、すぐにスピードが落ちません。26mmハイトなので、多少はエアロ効果も出ているのでしょうか。レーゼロカーボンは最高の加速性がありますが、リムが軽量過ぎて(390g前後)、足を止めるとスピードが落ちていきます。私が常用する速度域(25~35km位)だと、ROVAL CL50と大差はないように思いました。

【ヒルクライム】

飛びぬけた性能はないものの、リム・ハブとも剛性があるので、グイグイ上ることができます。ホイールが寄れて、ブレーキシューにタッチすることもありません。別のホイールを使用していた時は、10%を超える斜度になってくると、ケイデンスが落ちて、時速10kmを下回ってしまうことが多かったのですが、このホイールだと10kmを下回ることはありませんでした。低速になった時、力が逃げないのでふらつかず、安定している印象です。

【ダウンヒル】

このホイールの一番優れているポイントはダウンヒル性能だと思いました。ワイドリムになったことでエアボリュームが増えたことと、ハブの剛性感が高く、安定性が抜群です。ROVAL CL50と同等の安定感を感じました。普段時速56kmほどで下っていた箇所で、60kmを超えたのですが、まったく不安がありませんでした。まだまだ飛ばせそうな気配です。ブレーキもよく効きますし、ハブの回転性能もかなり高いのではないでしょうか。

【まとめ】

尖った性能はないものの、全体的にバランスの良い、コスパに優れた優良ホイールです。クロモリに似合う銀輪ホイールのデファクトスタンダードになり得ると思います。見た目はクラシカルですが、性能は現代的。クロモリには見た目的にも性能的にも、ゾンダよりこちらをお勧めします。もっと見た目をクラシカル寄りにしたい方は、XR22のシルバーリムを入手し、トラディツィオーネやホワイトインダストリーズなんかのハブで組めば最高と思います。105ハブはシルバー色ですが、塗装したシルバーですので、金属そのものの質感とは異なります。

手組ホイールに使用するシルバーリムは当初、ベロシティのA23かH Plus sonのアーキタイプを検討していました。どちらもリム幅23mmのワイドリムですが、一本あたり9000円~13000円ほどします。キンリンXR26は重量はほぼ同じで、24mmのワイドリム、送料は別ですが一本あたり6000円ほどと、お値打ちです。

今回、はじめて手組ホイールファンさんに依頼させていただきましたが、各パーツのメリット・デメリットを細かく提示してくださり、終始安心してやり取りすることができました。キンリンのシルバーリムも提案いただかなければ知らないままでした(黒リムがあるのは知っていたのですが)。組み上がったホイールも、丁寧な仕事ぶりがわかるものです。この度はありがとうございました

とてもありがたいご連絡でした。ほめていただくと正直言いましてとてもうれしいです。

46mm高ディスクカーボンホイールの作製

ご自分でディスクバイクを組まれるベテランライダーさんが組まれたバイクに載せるディスクホイールをネットで探されていたところこのブログを見つけられご連絡いただきました。

一般的にはなかなか勇気がいることですがブログで発表しているお客様からのインプレやヤフオクに出品しての評価を参考にしていただいたようです。見積もりしましてご納得いただきご注文いただきました。

申し訳ないことですが納品には時間が掛かります。カーボンリムは高価なので沢山在庫ができればいいのですがリムは入用買いしています。約1月、時間が掛かりますことをご了解いただきました。

46mm高28mm幅の穴なしカーボンリムを使ったホイールのご注文です。穴なしリムは作り上げるには時間が掛かりますがリム自体の強度は穴なしリムのほうが若干高いと思います。リム強度が高くなることはゾンダのリムが穴なしリムを使っていることからも理解できます。

スポークはCX-RAY使用しました。安心のCX-RAYです。ハブはTNIのREVOハブです。

ニップルも重要で軽さよりも腐食に強いブラスニップルを使いました。

前輪 708g CX-RAY 左右2クロス組
振れは最小に、できるだけスポークテンションを均一になるように作ります。
後輪 823g CX-RAY 左右2クロス組
振れは最小に、スポークテンションはできるだけ均一になるようにしています。

前輪 708g 後輪823g 前後1531g

この重量は46mm高のリムを使ったディスクホイールですので非常に軽量と思います。作製にあたり注意点はスポークテンションの均一化です。リムとハブをつなぐスポークテンションがバラバラではいくら良い材料で合っても力を引き出すことができません。駆動ロスの少ないホイール作りにはばらつきのないスポークテンションが一番大切です。

お納めしましたお客様より使用の印象をお知らせいただけるようです。楽しみです。