Weraのドライバー

10年以上使っていました電動ドライバーの電池が古くなり使っているとすぐに回らなくなりました。電池交換の出来ない安価な品物でしたがとても役に立つ道具です。

電池が古くなった電動ドライバー

代わりのドライバーを探していたのですが面白いドライバーを見つけました。

手元の4倍回転します

手動のドライバーですが回転部が手元の4倍回るドライバーです。

このWeraのドライバーに手作りのニップルビットを取り付けて作業しています。

これなら電動でなくても4倍回せるドライバーなので作業は軽快です。電池の心配はいりません。道具好きの方には面白い情報です。

DURAホイールC35TUの調整

ホイールの振れ取り調整依頼を受けました。ホイールはシマノDuraホイールC35TUです。

C35TU 前輪645g
前輪スポークテンショングラフ バラつきがあります
C35TU 後輪742g
後輪スポークテンショングラフ  テンションにバラつきが目立ちます

前輪16h後輪21hです。後輪は左7本右14本の2:1組で作られています。

少し前の製品ですが今も根強い人気があります。チューブラーホイールはスポークのテンションダウンが起こりませんのでタイヤをインストールしてもホイールの状態が変わることはありません。チューブラータイヤは乗り心地が良く軽量です。外周部が軽くできますのでクリンチャーホイールが全盛の今もチューブラーホイールを好む人が多いです。

まだチューブラーホイールを試したことがない方はぜひご検討ください。パンク修理の苦手な方もミヤタのテープで運用すればクリンチャータイヤよりも手軽です。チューブラータイヤの高級品は非常に高価ですが価値はあると思っています。敷居が高いホイールではありません。

前輪ハブ スポーク穴位置が均等でない 肉抜き加工のスペースがとられています

このDURAホイールのハブはストレイトプルスポークを使っています。スポークは特殊で頭は平らにたたいてあるスポークです。DTのDicutホイールもこのタイプです。スポークの形状を変えることでハブのフランジ幅を広げているのだと推測します。前輪ハブの穴位置もよく考えられています。穴位置を均等に分割するのではない作りです。このため肉抜き加工を行なえるスペースを作って肉抜きの軽量化を図っています。

後輪ハブ  肉抜き加工で軽量化を図っています スポーク頭は叩いて平らにしています

このハブを見ているとホイールの作る手順を考えてしまいます。スポークを通すには軸を抜かないと通せません。いちいちハブを分解してスポークを通す手間を考えますと時間が掛かります。メーカーのホイール組み立て工程では仮組終わってからハブ軸を通すのではないかと想像しています。実際シマノのホームページで確認しますとスポーク交換にはハブ軸を抜くと書かれています。修理には厄介なハブですがよくできたハブと感心しています。

前から回すには3.75mm 後ろからでは5.5mmで回せます
ねじれを防ぎながらニップルを回すのにDTの道具を使っています

スポークのテンション調整にはニップル回しが必要です。ニップルの前から回すか後ろから回すかですがリムは穴ありリムなのでどちらの方からでも調整できます。私は後ろから行いました。スポークの回転を押さえてニップルを回します。

スポークテンションのばらつきを出来るだけ少なくして振れを最小にしています

振れ取りだけなら振れているスポークだけをニップルを回せばいいのですがせっかく調整するのでスポークテンションの再調整も行いました。つまりテンションを出来るだけ揃えることです。完成品のホイールなのですべてのニップルを回すわけではありませんが結構時間はかかります。テンションメーターで確認しながら行えば難しい作業ではありません。

調整がおわりました。付加価値は上がったと思います。

アルミニップルの扱いは難しい

2年前にお買い上げいただきましたホイールです。振れが出たのでご自分で調整されましたがうまくいかないのでご連絡いただきました。

調整を兼ねてニップル交換をお勧めしました。アルミニップルからブラスに交換です。

振れ取り+ニップル交換のご依頼となりました。

2年前のデータは残しています。

ホイールの仕様は以下の通りです。

リム AL31W フロント28hリア32h

ハブ シマノティアグラハブ 28・32h

スポーク 前後輪ともにサピム Laser 2.0・1.5・2.0mm

ニップル DT アルミ12mmシルバー

割れたニップルはスポークを切るしかない

アルミニップルが4か所割れていました。やはりアルミニップルの取り扱いは難しいです。ニップルが割れてしまいますとうまく取り外すことが出来ません。スポークは切って取り外します。スポークを4本取り換えました。

サピムのLaserは中央部が1.5mmです。このスポークは優秀なスポークですがねじれやすいのでとても取り扱いが難しいスポークです。ねじれを防ぎながらニップルを回すのですがサピムのホームページにも扱いが難しいと書かれています。

くびれているところがTCS

スポークにはTorsionControlSqueresといわれるスポークの根元が角ばっているところがありますがこの部分をうまく使ってねじれを防ぎながらニップルを回すのがコツといえばコツです。自転車屋さんが秘密にしているところです。

アルミニップルは正しく使えば丈夫で軽量化にもなります。しかし十分注意が必要です。ブラスニップルのほうが取り扱いは楽で安心です。下処理なしのスポークはニップルに固着しやすいのでスポークにはプレップを塗ったほうが良いでしょう。ニップルはリム面に当たる部分にグリスを塗るのが良いかと思います。回しやすいです。

最近、ニップルはDTならSquorxPro、ピラーならDSNニップルを使うことが多いです。理由はリム面からニップルを回すのが楽ということです。ニップルをなめて潰すことがなくなります。

左パークツールの2面式ニップルレンチ

特にパークツールのような2面のニップルレンチではニップルをつぶしてしまうことが多いです。ニップルの後ろから回すとこのようなことが防げます。このニップルの難点は手に入れにくいこと、高価な点です。通常のニップル値段と比べて倍はしますがその価値はあると思います。

DTのリムに付属していますSquorxProニップル

DTのアルミリムを購入しますとアルミのSquorxProニップルが一緒についています。単体でSquorxProニップルを購入しますと非常に高価ですがアルミリムにつけて販売するのはどういう目的なのかいつも考えます。ちなみにDTのアルミシルバーSquorxProニップルは一個88円で販売されています。手組ホイールが廃れていくのが分かります。

まあ、余計なことですが…

アルミニップルからブラスニップルに取り換えましたがこれはアルミニップルがいけないということではありません。アルミニップルは扱いが難しいということです。良質のニップルレンチがいります。2面式のレンチではニップルを痛めることがありますので注意が必要です。

リムテープを巻きまして納品です

ホイールは完成しました。いつものようにスポークテンションを揃えています。安心して乗っていただけます。

困った円安

最近の円安進行には驚いています。こんなに急に円が安くなってしまってこの先どうなるかと心配しています。

自転車の部品はほとんど海外からの輸入品です。国内で生産している部品に何があるのかと考えてしまいます。

シマノの部品もよく見ればマレーシヤや中国など海外生産です。115円から今は125円で10円上がっています。10%上がりました。これは大きいです。最近の国内通販価格も連動しているようで値上がりしています。以前に輸入していた部品も値上げしているのが目立ちます。

定番のカーボンホイールを昨年は8万円前半で販売しています。今年の初めは8万円後半です。今は9万円前後となっています。一気に値上がりしています。新聞の情報ではこれからもっと円安に動くとか、150円になるかもしれません。どうしようもないことなのであきらめるしかありません。

当方のホイールには定価はありません。部品代金+工賃です。ホイール価格は為替と連動しています。私の工賃は変わっていませんが為替次第で値段は変わります。

ノーブランドというブランド

お客様からご連絡いただきました。ホイールのご注文です。お客様は以前納品しましたお客様から紹介されたということです。いわゆる口コミです。

通常ブログをお読みいただきご注文のメールをいただくことが多いのです。しかしそれ以上に手組ホイールファンはいいよ、と以前お納めしましたお客様よりご紹介していただいて新規にご連絡いただくことはビルダー冥利に尽きます。

お客様にご提案しましたホイールは当ブログの定番ホイールです。28mm幅46mm高のカーボンホイールです。ディスクとリムタイプと2タイプありますが今回はリムブレーキでご注文いただきました。

ホイールは今まで何度も紹介していますが念のためご説明いたします。

46mm高 前輪661g
46mm高 後輪844g

リム28mm幅46mm高カーボンリム 20・24h

ハブ ノバテックA291SB20H F482SB24h

スポーク ピラーウィングス21 BL

ニップル ブラスニップル BL

値段はスポークの種類に左右しますが8~9万円前後の価格です。ホイールの価格は部品代+工賃です。時給1500円で計算しています。通常6時間分請求しています。

高いか安いか値段はお客様がホイールの性能から判断されています。

高いと思う人には高い、安いと思う人には安いのです。今のところいいホイールと思っていただく人が多いです。高価なブティックブランドホイールなら1セットしか買えないがリム高を変えて3セット買えるといっていただいています。

ホイールの出来不出来の判断は乗ってみないとよくわかりません。しかし乗られる前にできることは十分行っています。

●部材の出来具合で性能の良し悪しが出るのですが一番いい状態にするには先ずテンションの均一化です。 スポークのテンションを出来るだけ揃えて振れを最小にしています。

●乗り手の体重、乗り方の好みに合わせてスポーク数を考えます。

リム、ハブ、スポーク、ニップルこの4つの部品の組み合わせですがいろんな組み方ができますのでバラエティーに富んでいます。お客様の好みに合うように作り上げていくのが手組ホイールです。

しかしこちらも沢山組んできましたので組み合わせは沢山ありますがご提案は数種類で提案しています。経験からの判断です。

このようなことで今回のホイールを作り上げました。

振れは最小に、スポークテンションはできるだけ均一に仕上げています
スポークテンションはできるだけ均一に仕上げています

スポークテンションは上のグラフでよくわかります。テンションが均一ですので駆動ロスは少ないです。

ノーブランドホイールですがブティックブランドホイールに負けないように作っています。

ダイナモホイールを使ってみました

先日作りましたダイナモホイールをクロスバイクに取り付けました。ライトはシマノのダイナモライトです。安価でこのシンプルさが気に入りました。点灯スイッチがついていませんのでライトはつけっ放しです。これも安全のためにはいいかなと思います。

ライトは昼もつけっ放し
ハブとスポークがシルバー

ハブだけを手回ししますと回り方が固いので大丈夫かなと思いましたが全くその心配は無用です。最初は回転ロスが生じるのかなと思っていましたがこれも思い過ごしでした。とてもよく回り快適です。

Vittoria zaffiro pro

タイヤはVittoriaのzaffiro pro trainingです。いわゆる普段使いの練習タイヤ、最安値のタイヤですが私にはこれで十分です。人様にはホイールはタイヤが大切といっていながら本人は安いタイヤです。ニヤッとされると思いますが上も下も試しています。用途に応じて今回は下にしています。

新しいタイヤは値段の高低関係なく気持ちがいいです。タイヤも鮮度なんですかね?しかしこれもすぐに慣れてしまいますが、zaffiro、いいタイヤです。コスパがいい。

このホイールのスポークはちょっと奢ってCX-RAYで組んでいます。たまたまカットしなくてもいい長さのCX-RAYが残っていまして、しかもシルバーでしたのでハブの色と合わせて組みました。これが良かったと思います。勿論サピムLaserを叩いて扁平にしたのがCX-RAYですのでLaserも同じ感覚で乗れます。

非常に楽ちんです。スポークがショックアブソーバーの働きをして地面からの振動を吸収してくれますので楽です。突き上げ感がありません。細いスポークで作り上げた多スポークホイールの良さがよくわかります。

このホイールはお客様に教えていただきました。教えていただきましたお客様はブルべのロングライド用にとオーダーいただきました。理由が納得できます。

ご注文いただきましたホイールのアイデアから私も作ったわけですがこれはお勧めです。私にかかりますと何でもお勧めですがこれはいいです!

疲れにくい、夜も昼も安全、電池の心配無用、ちょっとだけの優越感、少し高価になりますが総合点はとても高いホイールです。

クロスバイクのホイールをご注文いただきました

私は普段クロスバイクをよく乗っています。ロードバイクはアルミとクロモリを持っていますが主にクロスバイクが多いです。ジャイアントのエスケープに乗っています。ホイールはキンリンのリムXR31T/RTで作った手組ホイールです。ホイールのほうが値段が高いです。コンポーネントはそのままでペダルはSPDです。近所に行くときも自転車用の靴に履き替えるとことろが面倒ですがとても乗りやすく気に入っています。サイクルロードを時速30kmで走るのが楽しみです。お声掛けして100万円の自転車で走っている人の後ろを走るのは楽しいです。ベンツと軽が走っている感じですが結構楽しく走れています。

前置きが長くなりました。

さて、クロスバイクで楽しんでいる方よりこのブログをお読みいただいてご連絡いただきました。

いつも乗っておられるクロスバイクのホイールを替えてみたいというご希望です。

タイヤインストールして納品

提案しましたホイール内容は下記の通りです。

XR22T/RT  28h  後輪オフセットリム
シマノティアグラ シルバー 28・28h
前輪スポーク ピラーTB2015 2.2/1.5/2.0mm
後輪スポーク ピラーTB2018 2.2/1.8/2.0mm
後輪スポーク ピラーTB2015 2.2/1.5/2.0mm
nipple ピラーダブルスクエア   IRCチューブレスタイヤ インストールして納品
135mm用ハブ軸

ティアグラハブで見積しましてホイールを納品しましたが大きなミスでした。クロスバイクのエンド幅は135㎜だったのです。

ハブは135mmで提案しないといけなかったのですがうっかりミスで確認できていませんでした。やり直しです。

ハブをいろいろ探したのですが今の部品状況では手に入らないのが現実です。最近の自転車部品の逼迫状況は大きくは変わりません。半年くらい待たないといけないことが当たり前になってきています。

このためハブ軸を135mmで使える品物と取り換える方法で了解いただきました。本来ならハブを交換するのですが交換ハブは半年以上の先の話になりますのでご理解いただきました。

シマノハブではハブシェルは130,135ともに同じサイズですので軸を変えることで対応できます。勿論ハブセンターが左に寄りますのでスポーク長が変わります。ホイールは組み替えになります。

135mmのハブ軸に交換しました

最近はネットでシマノの部材は販売されていますので容易に交換できます。昔は限られた業者しか扱えないようになっていましたが今は違います。その気になればだれでもできるようになりました。

軸を変えることは簡単です。しかし事前にハブの構造を確認しておく方が良いかと思います。シマノのホームページからハブ構造を知ることが出来ます。スペーサーの位置なども調べておく方が良いかと思います。

ベアリングをセットするときにグリスを十分充填しておきました。

ハブ軸を交換して135mm幅用にしましたのでスポークテンションを測ってみました。

図では一番下のグラフを参照ください。

前輪スポークテンション
最初に作りました130mmハブのスポークテンション
135mmハブで作ると左スポークテンションは非常に高い

130mmから135mmに替えると2.5mm左にリムが寄ります。つまり左スポークテンションが大きく変わります。

グラフを見ていただきますとよくわかります。130mmの時と135mmのグラフを比較できます。135mm幅では左スポークテンションは非常に高い仕上がりです。左右差が少ないホイールに仕上がります。

納品後にお客様よりこのような連絡をいただきました。

いつものコースを走りました。往復20.23Kmです。発進する場所が坂道でコケたことがあるのでコケるのではとの恐怖がいつまでも消えなくて漕ぎだしの軽さを感じる余裕がないのが残念でした。上り坂も苦しさは相変わらずでした。体重と車の重量を持ち上げるのですから当然ですね。

タイムは短くなりました。1時間20分くらいが1時間13分です。15km/h16.5km/hです。

上り坂はグイグイ上がる感じがありました。平地に近いほど加速感が増している印象です。

結果としてタイムの短縮と疲労度が少なくなっているのかなとも思います。

10年ほど乗られていましたクロスバイクのホイールを交換され走りは大きく改善できました。

自転車のアップグレードはタイヤ、ホイールからがいいとよく言われます。なるほどその通り!と感心しています。

46mm高ディスクホイールのインプレをいただきました

46mm高のディスクカーボンホイールをお納めしましたトライアスリート選手からのインプレをいただきました。以下いただきましたメールです。少し恥ずかしくなるくらいおほめいただきました。認めていただきましてうれしいです。

46mm高28mm幅ホイール

以下いただきましたインプレです。

先日、作っていただいたホイールのレビューです。

2回乗っただけですが、素晴らしいの一言です。

タイヤ:IRC FORMULA PRO TUBELESS RBCC 25c (前後)

・総評

まさしく万能。実用速度域でのベストな選択だと思います。35万円と言われても納得な感じです。

何よりも自分の体重や目的に合わせてセットアップされているという特別感(プラセボ)がやる気にさせてくれます。

・加速感

 まさに思っていた通りの感じです。スカスカ、ヒラヒラした感じが無く、しっかりと踏んだ力をダイレクトに地面に伝えてくれる感じです。

 特に8%以上の上りでぐっと力をかけたときの加速感が素晴らしいと思いました。

下りの加速感は60mmの方が明らかにあると感じましたが、トータルで考えるとこちらのほうが良いと思います。

・巡航性

45km/hぐらいまでの実用域の速度安定性も素晴らしいです。

それ以上になると下りは安定していますが、平地は60mmの方が安定していると思いました。しかし、普段はそこまでスピードを上げないので、レースもこのハイトのほうが良いかもしれないと思いました。

・剛性感

 私が乗っている限りではたわむことはなく、加速性、直進性、安定性の全てにおいて満たされています。踏み込み時のDiskの擦れもありません。

・TNIのハブ

小気味良いラチェット音でよく回ってくれている感じがします。こちらも満足です。

・横風

風速8m程度、突発的に風速12mの向かい風の中を走りました。フロントが風の流れに従うようになり不安定な挙動がありました。普段はTTで前乗りなのでフロントが暴れることはありませんが、ロードだとフロントの荷重が弱いので暴れるのかと思いました。こういうものかなと思える程度です。リムの性質だと思いますが、風の向きが切り替わってももう少しマイルドに従ってくれると良いかなと思いました。ZIPPのNSWだとならないのですが、ロードに履かせると違うのかもしれません。TT用を作成していただくことになった場合に参考にします。

以上

いいものを作ってくださり、本当にありがとうございます。

このインプレにはビルダーとしまして大喜びをしています。

ジップ404NSW前輪ホイールの再調整

カーボンホイールをお納めしましたお客様より連絡があり現在レースに使われているジップ404NSWのスポークテンション調整依頼を受けました。

細部を計測します

こういう高級ホイールを点検させていただきますのはとても緊張します。やることは同じなのですがやはり失敗しないかと思ってしまいます。

先ずはお預かり時点のスポークテンションを計測して記録することから始まります。

お預かり時  右側にテンションばらつきがありますがよくできていました
ほとんど修正することがなくよくできたホイールです

横ブレ、縦ブレを調べてみますととてもよくできていることが分かりました。当たり前です。振れはは少しありましたがすぐに直せるくらいの振れです。ブランドの名に恥じない仕事でないとブランドではありません。

いろいろ調べさせていただけるのがありがたいです。

ブレーキ面が強化されています

リムのブレーキ面は強化加工されています。これは速さには関係ありませんが安全面で有利です。長持ちするブレーキ面は高価でも結局は経済的です。

スポークはサピムのCX-RAYストレイトプルスポークです。ハブ、リムを計測しました。

これらのデータからスポークの角度を計算しますと次のような結果となります。

ブレイシングアングルが大きい
計算結果

スポークのブレイシングアングルが大きいことがよくわかります。このリムを支えるツッパリ棒的な角度が大きいのです。通常6度前後が多いのですが9.9度あります。この角度は大きいです。角度が大きいほどつまりぐっとリムを支えているということになります。これは横剛性が高いことを意味します。

ハブを見ますとフランジ幅が80mmあります。通常の台湾ハブでは70mmですが10mm横に広いです。この10mmは大きいです。ハブシェルも太く、フランジの径が大きいです。台湾ハブでは30mmが多いのですが38mmあります。シマノハブと同じです。

ハブシェルが太く、フランジ幅が広いハブということは剛性が高いということです。

●ブレイシングアングルが大きい

●フランジが大きい

●リム剛性が高い

スポークのリムを支える力が高く、リム剛性が大きいホイールは撓まないのでコーナーに強いです。駆動力のロスなくコーナーを回れることは大きなメリットです。

いろいろ調べる機会を得ました。ありがたいです。とても良くできたホイールでした。羨ましいです。

ミケハブを使った32h多スポークホイールのご注文

このブログでイタリアのミケ社ハブについて記事にしていますがこのハブを使った多スポークホイールをご注文いただきました。

前輪 822g
後輪 1006g

お客様はクロモリロードで乗られています。

提案しました内容は下記の通りです。

リム キンリン社XR31T/RT 32h

ハブ ミケ社 シルバーハブ 32h

スポーク 前輪ピラー TB2015 2.3/1.5/2.0mm

     後輪左 TB2015 2.3/1.5/2.0mm

     後輪右 TB2018 2.3/1.8/2.0mm

ニップル ピラーDSN シルバー

スポークを細くして、数を増やすことで剛性を確保します。細いスポークはショックアブソーバーのように地面からの振動を吸収します。

後輪右側に中央部が1.8mmと太いスポークを使って剛性を上げています。

ミケハブ シルバー 32h 3クロス組
ミケハブ シルバー 32h 3クロス組

ミケハブのシルバー32hはなかなか手に入りません。クラシックなシルバーハブはとても素敵です。

ピラースポークはJベント部分が2.3mmありますので強化されていると考えます。よくJベントが心配する人が多いのですが強化されているのが安心材料です。スポークが折れる原因はスポークテンションが揃っていないことがほどんどです。作り方が悪ければ折れる、作りが良ければ折れない、ただそれだけです。ストレイトプルスポークのほうが優れていると考えるのは間違いと思っています。

ニップルはピラーのDSN(ダブルスクエアニップル)です。このニップルは前からも後ろからも回すことが出来ます。特に締め増しするときに後ろから締めるのが楽です。ハイテンションになっているスポークのニップルを回すときに後ろから回すと回しやすいです。これはとても便利で扱いやすい利点となります。通常のニップルよりも高価ですが使う価値は高いと思います。

左前輪用 右後輪用 3mmオフセット

リムは31mm高のリムです。ワイドリムでチューブレスレディーです。重量は500g前後と軽いリムではありませんが剛性が高く空力の援護を得ることが出来る優秀なリムです。コスパの高いリムの代表と考えています。

後輪はセンターが3mmオフセットしていますのでスポークテンションを10%ほど高くできます。

手組ホイールの良さは体重、乗り方に、好みに合わせてリム、スポークの数、太さを変えることが出来ることです。

多スポークホイールの良さは今までの記事で何度も書いていますので参考にしていただきたいのですが一言で言いますと乗り味が柔らかいことです。

スポークが地面からの衝撃を吸収してくれますので疲れにくいホイールに出来上がります。ブルべなどの長距離を走る場合にはもってこいのホイールです。おまけにスポークが多いということは落車でスポークが折れても振れは出ますが何とか乗って帰ることが出来ますのでトラブルに強いところも利点に上げられます。

少ないスポークのホイールが今は流行りですがスポークが少ない分太いスポークを使います。どうしても硬いホイールが出来上がります。硬いホイールがいいホイールではありません。乗り方、乗る人に合ったホイールがいいホイールと考えます。

出来るだけスポークテンションを揃えています
スポークテンションんを揃えることが一番大切です

ホイールはスポークテンションを出来るだけ均一になるように、出来るだけ振れを少なくなるように調整しています。

お客様からのインプレが楽しみです。