リムがひび割れする理由

後輪ホイールを組み換えでお送りいただきました。後輪ホイールのリムがひび割れしていました。このホイールのハブを取り出して新しいホイールに組み替えします。

ハブを取り出し新しいホイールに組み替えの予定
スポーク穴にひび割れ

組み替える前にどうしてリムが傷んだのかを調べてみました。ホイールはいつもお送りいただきました時にスポークのテンションチェックを行っていますので今回も同じ作業を行いました。

ホイールは振れが大きくはありません。振れ取り台に乗せて回してみると振れはありますがきれいに回っています。以下のグラフが今回のホイールのスポークテンショングラフです。

グラフを見ますとよくわかります。リムがひび割れたのには理由がありました。極端なスポークテンションで組まれています。グラフには大きく山が四つあります。この 四つ の山でリムはバランスが取れていましたので振れなく回っていました。しかしスポークテンションの高低が大きくありますので一部の高いところにテンションが集中します。

リムが回転するときにはリムが地面に触れるところは体重が掛かりますので常に凹んでいます。この凹みが連続しながら回転しているわけですが、凹む時には体重で圧力掛けますのでスポークテンションが高くなります。残念ながらスポークテンションの高低差が大きく作られていますので高い部分に体重がかかるとなお一層テンションが加わることになります。この状態を長い期間続くとなれば何時かはリムが耐えきれなくなりスポーク穴のところにひび割れがでるということになるわけです。

スポークテンションが揃っていなくても振れ取りはできますのでこのようなテンションばらつきが大きいホイールはトラブルが出やすいということになります。今回のひび割れたリムの原因はスポークテンションの不揃いから起こったといえます。

上図は新しく作り替えたホイールです。このように出来るだけテンションを揃えて負荷が一部に大きくかかることを防ぐことです。スポークテンションを揃えると間違いなくリム割れなどのトラブルを減らせます。

キンリンリム、ミケハブ使用アルミホイール作製

お客様よりこのブログにご連絡いただきました。キンリンの22mm高リムを使ってプランを立てておられました。当初はノバテックのストレイトプルハブの予定でした。しかしミケハブにも興味持っておられました。

打ち合わせ後、次の仕様に決まりました。ミケハブを使います。

リム XR22T/RT 22mm高24mm幅リム 前輪20H後輪24H

ハブ ミケプリマート 20・24h 黒

スポーク 前輪 サピムLaser 2.0/1.5/2.0mm 黒

     後輪 左サピムLaser 2.0/1.5/2.0mm 黒

        右サピムRace 2.0・1.8・2.0mm 黒

ニップル  ピラーDSN 黒

ベアリングが大きいので重量も増えます 大きいベアリングは丈夫です

ミケのハブはお勧めのハブです。理由はベアリングの大きさです。6001規格のベアリングを使われています。大きいベアリングは重量が増えますが回転に安定感があり丈夫です。ハブ重量はノバテックなどの台湾ハブと比べて100gほど増えますがシマノハブより約100g軽いです。ホイール中心部の重量なので回転には影響ありませんが軽さは正義と考えられる方には向いていないかもしれません。使ってみればわかるのですがあまり国内では使ったというブログ記事は見受けません。しかし使えば良さがよくわかります。

リムは台湾のキンリン製です。軽量ながら剛性が高く優秀なリムです。価格も手ごろでお勧めです。3mmオフセットリムも用意されていますので後輪に使用します。オフセットリムを使いますと左右のスポークテンション差を少なくできますので駆動ロスを減らすことが出来ます。

スポークは前輪がLaser、後輪ドライブ側に少し太いRaceで剛性を上げています。左はLaserを使います。Laserスポークは取り扱いが難しいスポークです。このスポークを扁平にしたのがCX-RAYといわれています。強度があり弾性に富んで優秀なスポークです。しかしとても細いスポークなのでねじれ易いのが難点です。ニップルを回すときにねじれないようにしながらテンションを上げることが大切です。

ホイール作りの基本的なことですがスポークのねじれを防ぎながらホイールを仕上げました。前輪は左右同じテンションなので100~110kgfで仕上げます。後輪はギアの枚数が11枚ありますので左テンションが低くなります。オフセットリムを使いますと左テンションを通常リムより10%ほど上回って仕上げることが出来ます。しかし後輪には左右のテンション差がありますので右ドライブ側を120~130kgfの上げることで左テンションの低さをカバーします。いずれにしましてもオフセットリムは左テンションの改善には大いに役立ちます。

ホイールの仕上げにはスポークのテンションを出来るだけ揃えること、振れは最小になるようにすることで駆動ロスを防ぎます。

手組ホイールの良さはプランを立てて自分の乗り方にあわせてホイールを作り上げることが出来ます。このため値段的にはいつも格安というわけにはいきません。格安値段で楽しむのならシマノのアルミホイールが良いかと思います。しかし万人にあわせて作られた既成ホイールと乗り人の好みや乗り方にあわせたオーダーメイドは違います。

前輪714g
後輪890g

お客様はこの点をよく理解しておられます。今お持ちのホイールより軽いホイールが出来たと喜んでいただきました。

ダイナモハブ使用銀輪ホイールの作製

ダイナモハブを使ったホイール作製のご依頼です。ダイナモハブはシマノの36穴ダイナモハブ後輪ハブは持ち込みのシマノハブFH-6500です。前後ともに36穴なので用意出来るリムが限定されます。

最近では32穴までのリムなら手に入りやすいのですが36穴となりますと手に入れにくくのが現状です。たまたまH+SONのAT25アルミリムで36穴リムの手持ちリムがありましたので提案いたしました。

仕様は次の通りです。

H+SON AT25シルバー36h

リム H+SON AT25 シルバー 36H

ハブ 前輪シマノダイナモハブ DH-C2100 

   後輪シマノFH-6500 36H

シマノホームページより

スポーク 前輪 ピラーTB2015 2.2/1.5/2.0mm

     後輪 左ピラーTB2015 2.2/1.5/2.0mm 右TB2018 2.2/1.8/2.0mm

ニップル ピラー DSN

シルバーリム、ハブ、スポークなので銀輪ホイールです。出来上がりはなかなかの存在感があります。

台湾のH+SONは個性的なリムを作っています。一般の自転車屋さんはあまり取り扱いがないようです。どちらかといえばファッション系の自転車屋さんで扱っている感じがします。リムに入っているロゴなど見ますととても洒落ていて銀輪というクラシックなイメージの中にモダンなセンスがあると思います。とてもいい感じです。

36hという多スポークホイールは長時間乗っても疲れにくく、その上とても丈夫です。細めのバテッドスポークを使えば軽量化できますし、細いスポークがショックアブソーバーの働きをしてくれますので地面からの衝撃を吸収してくれます。ロングライドにぴったりのホイールに仕上がります。

一般的にはスポークの少ないホイールが主流ですので36hのハブやリムは手に入れにくくなっています。オークションなどで見つけたら買っておくのも良いかと思います。

36hの銀輪ホイールは丈夫で疲れにくいのでロングライドに適します
シマノダイナモハブ使用
クラシックな36hですがとても仕上がりはモダンです

特に輪行用のホイールは32h、36hの多スポークホイールをお勧めします。落車などでスポークが1本折れても少し振れが出る程度で楽々乗り続けることが出来ます。空気抵抗が増えるとかいう意見もありますが乗り味も大事な要素です。既製品のホイールでは味わえない良さが多スポークホイールにはありますので試されることをお勧めいたします。

オールドホイールのスポーク替え

スポークが折れて長く使われていないホイールの修理依頼です。

スポークが1本折れていました

約40~50年前のホイールの修理です。ホイールはマビックのGP4 、ハブは1970年代のDuraハブです。とても珍しいハブですが今も調子よく回ります。

6枚ギアです
1970年代のDURAハブです ギアの外し方が特殊です
チェーンが落ちてスポークの根元が傷んでいました
フリーにねじ部分があります
ヌンチャクを2つ使ってギアを外しました(ホーザンのホームページより)
6速ハブ ギアを外しました

ギアをはずしてみますとチェーンが落ちたからと思いますがギア側根元が傷んでいるスポークが多数あります。チェーンで削れているところもありスポークの取り換えを提案しました。反対側の非ドライブ側はスポークの損傷はありません。何度かスポークが折れたのか取り換えたところがあります。

今回のホイール再点検では

①折れたところだけ変える

②ドライブ側16本を変える

③32本すべて変える

④とても珍しいホイールで、特にハブはなかなか手に入らないオールドDURAハブです。ネットオークションに出されると良いかもしれません。

このように選択肢を4つ用意しましたところ2番をお客様は選択されドライブ側のスポークを取り換えることとしました。

ホイールの組み替えでは難しい問題があります。リム精度の高くないリムが多い点です。最初に組まれた時の癖が残るといいますか、どうしても振れとスポークテンションが一致しないリムがあります。こちらが下手だからかもしれませんがスポークのテンションを揃えると大きく振れが出ることがあります。振れ取りを優先しますとスポークのテンションが揃ません。

このようなことは度々起こります。今回もリムには癖がついていました。スポークが折れた状態で長く置かれていたのかもしれません。

スポークテンションばらつきを出来るだけ抑え、振れを最小になるように仕上げました。テンションと振れのバランスですがどちらかといえばテンション優先です。

スポークテンションを優先すれば振れは少しあってもそれ以上に振れは大きくなりません。この逆では長く使われますと振れは大きくなってきます。こんな事から振れ取りではスポークテンションを出来るだけ揃えるようにしています。

お預かり時点のニップルは3.4mmニップルでしたのでスポークを新しく取り換える際ニップル径は左右同じにしています。左右揃っていますと作業が楽なので星のニップルを使いました。

再生しましたチューブラーホイール

出来上がりました。1970年代のハブですが現役で使えます。カップアンドコーンハブの良いところは自分で手入れ出来るところです。定期的なグリスアップを行えば何十年も使えるとこのハブは証明しています。自転車の歴史を感じるホイールです。

後輪ハブから異音がする?

お客様よりご連絡いただきました。納品しましたホイールにタイヤをインストールして地面から浮かして後輪を回してみると後輪ハブから異音がするということでした。

後輪ハブから異音がするということは初めてのことでしたので、とりあえず着払いで送り返していただきました。

お送りいただきましたホイールを当方の自転車に取り付けて回してみました。じっと回り方を見まして理解しました。

お客様のご心配はホイールのバランスから発生する異音でした。フレームを地面から浮かして空で回転させますと音が発生します。グワングワンと回るこの音をハブから異音がするということでご連絡いただいたわけです。

確認のため手持ちのホイール3点をフレームに取り付けて回してみました。それぞれ音の大小はありますが回るときにグワングワンと音が鳴ります。ご指摘いただきました異音はホイールバランスから発生する音でした。どんなホイールでも大なり小なり音の大きさの違いはありますが音はなります。

ホイールのバランスを取れば音が小さくなりますがそのままで使っても大丈夫です。時速40kmならバランスとったほうが良いかもしれません。しかし通常の乗り方なら大層にしなくてもいいと思います。

今回の解決

①お客様にはホイールのバランスが原因で音が鳴ることをご説明いたしました。したがって不良品ではないことをお知らせしました。

②YouTubeでも沢山の方がホイールのバランスで説明されていますのでご覧になることを案内しました。

同じものを作って比べていただきました

③次に新しい部品を使ってホイールを作りなおして比べていただくことにしました。もう1本作ったわけです。一番わかりやすい解決です。

結論

お客様より連絡があり新しいホイールで快適に乗っておられるようです。同じように空で回しますと同じように音が鳴ることをわかっていただきました。遠回りになりましたが不良品ではないことご理解されたので良かったです。

誰でも最初はビギナーです。私もうまく説明できなかったので大層なことになったのですがお客様も私も一つ賢くなりました。

ホイールバランスが取れていないホイールは大なり小なりですが後輪を地面から浮かして回しますとグワングワンと音出して回ります。これは不良品ではありません。

チューブレスタイヤにはコンプレッサー

コンプレッサーを勧める内容の記事は自転車のメンテナンス解説本には書いていません。ネットでいろいろ解説している人もこれがいいと書いている記事はあるかもしれませんが私は見たことがありません。タイヤメーカーIRCのホームページでもコンプレッサーを使ってくださいと解説されていません。ましてや自転車屋さんから買ったほうがいいというアドバイスは聞いたことがありません。しかしこれほど有益な道具はないと思っています。いわば教えたくない道具です。

中級品のコンプレッサーですがとても便利です

チューブレスタイヤを使うになっても新品のタイヤなら普通のポンプでビードが上がるので当初はこのポンプでもいかなと思っていました。しかしパンクすると通常のポンプではタイヤインストールは難しいです。

これでいいかなと思いましたが使い勝手ではコンプレッサーに劣ります

次に使ったのがブースター付きのポンプです。

このポンプで結構役に立ったのですがやはり本格的には少し力不足でした。結局コンプレッサーを使うことにしました。

コンプレッサーは便利な道具です。いろんな工具を使えます。自転車を洗った時に水滴を吹き飛ばすにも便利です。勿論チューブレスタイヤは一発でビードが上がります。ビードが上がりにくいときは石ケン水を使ってコンプレッサーの空気を一気にタイヤに注入すると間違いなくうまくいきます。やり直すことはありません。

残念ながら一般的にコンプレッサーを購入するとなればご家族から白い目で見られることも覚悟しなければいけません。理由は置く場所と音です。この条件をうまく解決できるならコンプレッサーは是非お勧めします。

コンプレッサーまで買ってしまう自転車好きの方は少ないと思いますがタイヤ交換が楽しくなります。買ってよかった道具の筆頭に挙げても良いかと思います。

ホイールを持ち帰っていただきました

ホイール修理のお客様です。

バイクで来られてホイールを背負って帰られました。リュックに括り付けるやり方です。昔の画像でチューブラータイヤを背負って走っている姿をテレビで見たことがありますがホイールを背負って帰られました。

うまくリュックにくくり付ければホイールは運べます。車でもっていかなくても自転車屋さんに行けます。きっと喜ばれると思います。

後輪スポークが折れた

キンリンのXR31T.・RTで組んだホイールの後輪スポークが1本折れたとご連絡いただきました。前輪20H後輪24Hの手組ホイールファンでは定番のアルミホイールです。

後輪ドライブ側 CX-RAY1本折れています

スポークはサピムのCX-RAYを使っています。お怪我がなく本当によかったです。

お客様からは経年劣化は仕方ないといっていただきましたが折れたことにはとても申し訳ないと思っています。ホイールをなん百本も作っています。スポークが折れたとご連絡いただいたのはこれで2回目です。一ヶ所に負荷がかからないようにスポークテンションを均一にしていますが今回は残念ながら折れてしまいました。

すぐに取り換えの段取りを行いました。その際、後輪右ドライブ側をwing21に取り換えませんかと提案いたしました。

CXRAY12本とwing21を12本との重量差は5gでスポーク1本分重くなります。jベントの部分が2.2mmとCX-RAYの2mmと比べると0.2mm太いので強化されます。

ドライブ側をwing21に替えて再調整  テンションを均一にしています

了解を得て取り換えました。スポーク1本分の差はほとんど感じられないと思いますが剛性が上がったことは確実です。Jベント部分の強化もできました。

ご感想をいただきました。


修理していただきましたキンリンホイールですが、とても調子いいです。

多少の重量増との事ですが、全くもってわかりません😅

それよりもホイールテンションを均一に仕上げて頂いていることにより、ブレーキングがとても滑らかです。最高です。

また、巡航もレーシング3より、断然いいです。とてもブランドホイールには戻れません。

近所の山の画像を添付しますね。

後輪スポーク取り換え後の写真

お客様は機械ものだから経年劣化は起こるものとご理解いただきました。このようなご連絡をいただきありがたいです。

46mm高リムブレーキ用定番カーボンホイールの作製とインプレ

当ブログにご連絡いただきまして定番ホイールの46mm高カーボンホイールをご注文いただきました。しばらく乗られたあとのご感想もお聞かせいただきました。生の声を聴かせていただきましたのでご参考になると思います。

ホイールのご注文の際まずお尋ねしますのは体重です。体重でスポーク数を考えます。厳密なものではありませんが90kgの方が20・24hのホイールに乗られるのはバランスが悪いと思います。こんな場合スポーク数を増やした提案をいたします。このように体重はとても重要です。

リム高も大切です。平地が多いか丘陵地帯で登り下りの多い場所かということもリムの選択に影響します。基本的には36mm、46mm、56mmの中から選びます。もっとバリエーションがありますが概ねこの3種類です。

既製品ではありませんので前36mm後ろ46mmというような自由度も高いです。せっかくお作りするので乗り方に合ったホイールをご提案しています。

今回はリムブレーキの46mm高ホイールになりました。リムブレーキの場合ブレーキ面を強化したリムも選択できます。強化リムは4000円ほどの追加料金が掛かりますがディスクブレーキに変更しなくても良いくらいブレーキの効きがいいホイールが出来ますのでこのオプションは良い選択と思います。

ホイールは次のように部材でお作りすることになりました。

リム 46mm高28mm幅穴なしカーボンリム

   前輪20H後輪24H

   前輪のみ強化リム

ハブ ノバテックハブ 20・24H

スポーク ピラーwing21 黒

ニップル DT SqorxPro 黒 ブラス

穴なしリムはリムテープがいりません。このテープがいらないリムは使われると楽なのがよくわかります。新しいテープなど余計な費用も要りません。

ホイール作製に於いてスポークテンションはリムメーカーの推奨テンションがあります。

前輪は100~110kgf

後輪右は120~130kgf

この値にあわせてテンションメーターで測りながら仕上げます。タイヤをはめますと10~15%スポークテンションは下がりますのでこの下がりを見越してハイテンションを推奨していると考えます。概ねテンションを合わせて作りました。厳密にする必要はありませんが高すぎるのも低すぎるのもよくありません。

強化リムには方向性があります

完成しました。前輪リムは方向性がありますので注意がいります。ブレーキ面の強化はとても安心感が増し有効です。少し金額は上がりますが安全性が高まりますのでお勧めです。

ホイールの各スポークテンションが揃うように注意して組み上げました。

前輪 630g
後輪839g

以下お客様より了解得ましたので当ホイールのインプレを紹介いたします。

メールの原文通りです。参考になると思います。

写真もお送りいただきました

ホイールの件、すこぶる良好です。個人的な偏見もありますが、自分なりのインプレッションをさせていただきます。

はじめに今までのホイール遍歴ですが、

フルクラムレーシング3→マヴィックキシリウムプロ→デダエレメンティ SL48です。

いずれもクリンチャーでの使用です。

今回組んでもらいましたホイールもクリンチャーで使用し、チューブはブリヂストンエクステンザ、タイヤはコンチネンタルGP5000での運用です。

・タイヤインストール

今まで使用したホイールのなかでは、もっともリム幅が広いホイールでしたが、なにも問題なくタイヤレバー無しでインストールできました。また、ニップル穴無し=リムテープ無しということで、ひと手間減るのとリムテープの偏りなどを気にすること無く作業が出来ました。

・走行感

漕ぎ出しは、思っていたよりも軽い感じ。街中でのストップ&ゴーも重い感じはしませんでした。巡航は振動が少ない感じ。細かなアップダウンでは細かな変速が不要になりました。スピードが乗る感じと言うか、スピードが落ちにくい感じなので、下りから上りに変わっても勢いで行ける印象です。

長い登り坂では、後ろに引きずられるような印象も無く、淡々と回して登る走り方が合っているホイールだと思います。体感する振動が少ないので、後まで体力が残るような感じです。

・総合的に

個人的に思った、このホイールが合っていると言うか、特徴をいちばん活かせる場面は、細かなアップダウン路と緩斜面路だと思います。軽い46mmハイトリムで均一なスポークテンションが要因なのかなと思っています。ノバティックハブは初めて使用しましたが剛性が高いように思いました。良い印象です。

今回、以前から気になっていた「手組ホイール」をご縁があって使用させていただきましたが、コストパフォーマンス抜群だと思います。

あと、ホイールで何か不具合があっても、ホイールを最初から最後の仕上げまで組んだ張本人のビルダー様にお願いしたら、なんとかしてくれるんじゃないかという安心感があり気兼ねなく自転車に乗れるのがいい感じです。

自分なりのファーストインプレッションは以上です。

改めまして、ホイールの件、有難うございました。

以上印象を述べていただきました。

コスパの良いホイールだとおほめいただきました。良かったです。お客様が喜んでいただくことが一番ビルダー冥利に尽きます。尚、ホイールメンテはご安心いただきたいです。海外通販で買われた方はいつも面倒見てくれるところを探されますがこのご心配は無用です。

超軽量カーボンリム使用ディスクホイールの作製

クリスキングのハブをお持ち込みでディスクカーボンホイールの作製依頼です。

カーボンリム、スポークは私のほうで用意します。

ディスクハブでこの重量は軽い
クリスキングホームページより
クリスキングハブ重そうに見えるがとても軽量です
クリスキングホームページより

先にクリスキングのディスクハブをお送りいただきました。ハブは前後ともに28hハブです。赤色ハブは存在感があります。ハブデータはクリスキングのホームページで確認できます。ハブデータは正確でスポーク長はこのデータで間違いありません。

35mm高28mm幅 365gは軽量です

リムは穴なしカーボンリムです。いつも注文するメーカーの上位グレードリムで通常より入荷に時間が倍以上掛かります。リム入荷に約3か月掛かりますがお待ちいただくだけのものはあります。

スポークはCX-RAYを使います。空力がよく軽量ながら丈夫ですがとても高価です。

組み方は前後ともに左右2クロス組です。前輪逆イタリアン、後輪JIS組のシマノ方式で組んでいます。

前輪666g
後輪779g

前輪666g後輪779g合計1445gと非常に軽量です。前後ともに28hありますが1500gを切っています。スポークが多いということはコーナーで安定するということです。

超軽量リムの入荷に時間が掛かりましたがいいホイールが出来上がりました。中心部の赤いハブが効いています。シールのないシンプルな無印ホイールですが存在感がたっぷりです。このホイールは欲しいです。