クロスバイク用にフックレスカーボンホイールのご注文

スペシャライズドのクロスバイク( Sirrus) 用としてカーボンホイールのご注文をいただきました。

前々から私も乗っているクロスバイクのホイールをカーボンホイールに取り換えることを考えていました。やはり同じように考えておられる方がおられました。お客様のホイールはQR仕様のディスクホイールです。

ホイールのご希望は次の通りです。

36mm高のフックレスタイプ

ハブは前輪100mmQR 後輪135mmQR センターロックをご希望です。

スポークはお任せいただきました。

当初ノバテックハブを提案していましたがうまく入手できずバイテックスになりました。

BX106F 100mmQR センターロック

BX106R 135mmQR センターロック

ノバテック、バイテックスともに台湾の量産ハブメーカーです。どちらも優劣なくとてもいいハブメーカーです。ブティックブランドのハブメーカーにはない値ごろ感で性能はとてもいいです。

クロスバイクはとても乗りやすく、よく考えられた自転車と思います。このクロスバイクのホイールが上級ホイールに変われば走りは確実に変わります。チェーンコンポーネントが変わるのとホイールが変わるのでは違いは明白です。

前輪691g
後輪824g

私もクロスバイクのホイールをカーボンホイールに交換すればいいと考えていましたが今回は先を越された感があります。通常は自転車よりも高価なホイールを取り付けることなどなかなか思いつきませんが、お客様はとても良いところに気が付かれています。クロスバイクにカーボンホイールを取り付ける狙いはロード化ではなく、気持ちよく乗れるように自転車としての性能の底上げを考えていると仰っています。このホイールで間違いなくご希望は達成されると思います。

ナローリムでホイール作製

ワイドリムが主流となりつつありますが使われているフレームがサイズ的に適してなく、しかた無しにナローリムのホイールを使っておられる方もおられます。

お客様もそのおひとりでナローリムの部品を集めておられました。ご自分でホイールを作られる予定のようでしたが当ブログをお読みになってご連絡いただきました。

ホイールを自分で作るのは本当に楽しい時間です。いろいろな作業があり自転車を組むよりややこしいところもあります。実際に組んでみますと難しく、それなりに実用になるまでには50本くらい組まないとうまくいきません。これも楽しい時間ですがそんな時間を費やすなら乗ったほうが楽しいと思います。私は作るほうがてとても楽しかったのでホイール作りにのめり込みましたがまあそんな人は少ないと思います。

それなりに使えるホイールはできますが十分パフォーマンスを上げるにはいろいろと工夫が必要です。お客様はうまく近道を見つけられました。手組ホイールファンにお任せいただいたわけです。宣伝文になりましたが実際その通りと思います。餅は餅屋にです。

リム重量450g 30mm高ながら軽量です

TNIのAL300リムとノバテックのハブをお送りいただきました。持っておられるフレームに合うようによく研究されています。

AL300は重量450gの軽量リムです。30mmのリム高がありますので空力の援護射撃も得られます。シマノのアルミリムは530gほどありますのでこれだけでも大きい差です。

前輪59g
後輪229g

ハブは台湾のノバテックハブです。量産ハブでブティックブランドのハブと比べますと価格は1/3くらいの価格です。では性能は1/3なのかといいますとそんなことはありません。沢山作られているので量産効果があるわけです。微妙な差はあるかもしれませんがこの差を感じ取る人は少ないと思います。つまり必要十分なハブというわけです。

スポークの選択では私の方から2案出しました。お客様はDTのコンペティション黒を選択されました。中央部が1.8mmのバテッドスポークです。王道の選択です。鉄は叩けば強くなります。2mmの針金を叩いて1.8mmにしていますので軽量化と強度は上がります。

ニップルはブラスを選択しています。アルミニップルと比べて3倍重いのですがやはり腐食、割れを考えまして丈夫なほうを提案しています。

スポーク数は前輪24h後輪28hです。一般に販売されている20・24hホイールより8本多いのですがこれはよい選択と思います。下りコーナーでの安定感を感じていただけるでしょう。50gほど増えるのですが得るものも多いのです。軽量化だけがいいというわけではありません。

前輪694g
出来るだけスポークテンションの均一化を行っています
後輪889g
出来るだけスポークテンションの均一化を行っています

組みあがりました。前輪694g後輪889g前後で1583gです。

今使っておられるホイールと比べて400g軽いといっておられます。自動車のばね下理論ではないですが400gの軽量化は効くと思います。

チューブラーカーボンホイールのご注文の続き

リムがメーカーより届きました。約一ヶ月かかります。細々とホイールを作っています。カーボンリムは高価なので沢山在庫していません。注文発注の場合が多いです。

345g軽量です
ニップル穴がないチューブラーリム

チューブラーリムなのでタイヤを貼り付けます。このため通常穴アリリムでいいと考えられますが、自己満足かもわかりませんが穴なしリムを発注しています。リムベッドにはニップル穴はありません。チューブレスリムと同じ仕様で注文しています。

理由はリムの強化です。穴があるのとないのではないほうが強度は高いと考えています。微妙な差で感じ取れない差と考えられますが剛性は高いほうがいいのでこのような発注を行っています。

ニップル穴はホイール前後で56個です。穴なしリムなので結構な数と思います。組み立てには予定時間のほぼ半分が仮組にかかります。仮組が終われば通常の組み立てです。ニップルの回転がし易いように一個ずつグリスを塗っています。このひと手間も大切と考えます。

スポークは前後ともにサピムのLaserを使います。中央部が1.5㎜の細いスポークです。細いスポークはショックアブソーバーの働きをします。Laserは高級スポークのCX-RAYの元になるスポークです。空力ではCX-RAYより少し劣りますが強度、しなやかさなどほぼCX-RAYと同じです。価格は1/3の値段です。レースに出るなら少しでも空力がいいほうをお勧めしますが一般的な乗り方ならLaserもよい選択です。

丸スポークなので取り扱いは一番難しいと思います。理由はねじれです。ねじれやすいスポークなのでサピムのホームページでもOnly experienced wheel builders should mount up wheels with this spokeと書かれています。

難しいスポークですが安価で利点の多いスポークです。挑戦されたら良いかと思います。

10月4日の記事には詳しく使った部品を書いていますがお客様はシマノの下位グレードハブを指定されています。ソラシリーズの10速ハブです。11速ハブと比べましてギア1枚少ないのですがハブセンターオフセット値はギア1枚分少ないのでスポークテンション比率は安価なソラハブのほうがいいのです。何事もトレードオフの関係です。見た目は飾り気のない無骨で安価なハブですがギアの数を気にしなければ駆動効率が劣るとはいえません。正しく理由を知れば値段ではありません。安価でもいいものはいい。

このハブは残念ながら少スポークハブではありません。しかしスポークが28あるということは安定感が増すということです。まさに有段者のハブ選択と感じています。

前輪658g
後輪885g

スポークテンションの均一化と振れの最小化に注意して組み上げました。

前輪658g、後輪885g 前後1543gです。高価なハブ、スポークを使わなくてもいいホイールが出来るという見本と思っています。

前輪をヘッドインで組むのとヘッドアウトではどう違うか?

写真は20年ほど前のトレックMTBのホイールです。あまり乗りませんが今も現役です。

ヘッドインで組まれた前輪

注意して観察しますとフロントホイールのスポークはヘッドインで組まれています。

簡単にホイールの剛性を上げる方法として知られています。

ハブにスポークを通す呼び方としてヘッドイン、ヘッドアウトはとても分かりやすい言い方だと思います。スポークの頭が内側か外側かで分けています。世界標準ではこの言い方のようです。

前回の記事で紹介しましたSheldonさんのホームページでは同じリム、ハブでスポークの組み方だけを変えてホイールの剛性を測った結果のデータがあります。

ヘッドインで組みますと一般的なヘッドアウトのホイールと比べて13%剛性が高いというデータがあるようです。

記事を読むと詳しくわかりますが、簡単に言いますとスポークの角度が変わるから剛性が上がるということです。ハブフランジの厚みでハブからリムに向かうスポークの角度が内と外ではほんのわずかですが角度が違います。この差で剛性が違うわけです。

ヘッドインで組みますと剛性が上がります。しかしフランジの外側が少し斜めに加工してあることが必要です。フランジが角ばっていますとフランジにスポークからの無理な力が加わるのでフランジが割れるかもしれません。ハブのフランジに丸みがあればヘッドインで組んでも良いかもしれません。試してみても良いかと思います。

ホイールの剛性について論じた記事について

SheldonBrownさんのホームページを昔から参考にしていました。この方はすでに亡くなられているのですがご家族が意志を継がれてホームページを続けておられます。

スポーク長の計算でよく使う計算ソフトもこのホームページから得ることができました。いろいろホイール作りに関して参考になることが多いのでお勧めいたします。

興味深い記事が沢山あるのですが何度も読み返しています記事を紹介したいと思います。

https://www.sheldonbrown.com/rinard/wheel_index.html

ホイールの剛性は次の要素で決まるということがよくわかります。

スポーク数

スポークの太さ

リム重量

ハブフランジ幅

リムの高さ

ホイールに興味がある方にお勧めサイトです。

読者さんよりご連絡いただきました

ブログを読んでいただいています読者さんよりご連絡いただきました。

和歌山のロードバイクチームにおいてボランティアでメカニックを引き受けておられます。40年以上の自転車経験がある方です。

ホイール作りではスポークテンションが最優先ということに賛同していただいています。もちろんテンションメーターの校正器も自作されています。スポークテンションは正確に測ることが必要と道具の写真をお送りいただきました。タイヤの空気圧もポンプに正確に測れるメーターを取り付けておられます。

手作りの校正器です  ホイール作りには欠かせません
スポークを取り付ける金具がオリジナル
テンションメーターは校正器を併用しておられますので精度は安心です
正確な空気圧は大切です

スポークを握ればわかる人がおられるかもしれませんが人の感覚はいい加減なところもあるものです。この方も数値で示すことが出来るならできるだけ数字で話をするのがいいといっておられます。

このブログはほとんどがホイールの話題です。宣伝じみた記事もあるのですがブログに共感するところがあるとご連絡いただきました。ありがたいなと思います。

シクロレース用カーボンチューブラーホイールのご依頼

ブログにご連絡が入りました。シクロレースにご使用ということでカーボンチューブラーホイール提案のご依頼をいただきました。

お客様のご注文は、ハブを前輪100mm、後輪135mmの6ボルトQR仕様ということでした。

MTBでは普通の仕様ですがロードでは珍しいご注文です。部品不足のいま、特殊なハブはなかなか手に入りません。量産ハブですが割と手に入れやすく価格もこなれていて高品質のノバテックハブを提案しました。

ノバテックハブ 100mm幅 QR 6ボルト
ノバテックハブ 24穴 135mmQR 6ボルト

今までレースに出られている方々の経験を伺いましたところ、シクロレースでは瞬発力が重要視されます。このため通常のホイールよりも高剛性のホイールを求められます。

ホイールの剛性を高めるには太いスポークを使うのですが、太すぎるとカーボンリムを傷めます。一般にはスポークをCX-RAYなど細いスポークで組み上げますがシクロ用ということでリムを傷めないギリギリまで剛性を上げます。DTのコンペティションを使うことにしました。

38mm高20.5mm幅 TNI チューブラーリム 378g 軽量です

リムはチューブラーです。TNIのリムが手に入りやすくリム幅がちょうどよいので了解いただきました。

ERDを確認しています カタログ値と違いがなかったです

ニップルはリムがインターナルニップルを使うリムですのでサピムのブラスニップルを使います。

リムブレーキのリムですがディスク用に使っても違和感はありません

TNIのチューブラーカーボンリムはリムブレーキ用です。このリムをディスク用として使うのですが全く違和感がありません。以前にも記事に書いたのですがリムブレーキ用のカーボンリムはディスクホイールにも使えて便利と思います。リムブレーキで乗っておられる方は前輪24後輪24,28で注文しておかれたら将来ディスクに替えられてもリムはそのまま使えます。これはなかなかいいアイデアと思いました。前輪24穴は下りコーナーで安定感を得ます。おススメです。

一般的には前輪は16,18,20穴ですが24穴で作れば後々使えるということです。リムブレーキでブレーキ面がすり減っても捨てることなくディスクで使える。いいアイデアと思うのですがいかがでしょうか?貧乏くさい話とおしかり受けそうですがSDGsの世の中ですので長く使うのは良いことと思います。

組み上げたホイールは写真の通りです。なかなか存在感がありとても軽量です。外周部が378gです。踏み込んで一気にホイールは回ります。瞬時の加速を得ること間違いないです。

前輪712g
後輪829g

ホイール重量は前輪712g後輪829gでした。総重量1541g、軽量に仕上がりました。出だしから力を100%爆発させるシクロレースにはぴったりのホイールと思います。お客様からのご意見が楽しみです。

24mm幅アルミワイドリム・ミケハブ使用ホイールの作製

ブログにご連絡いただきました。

体重を考えてポーク数を提案しますとこのブログに書いていますのでご希望ホイールと体重をお知らせいただきました。お客様はクロモリフレームで乗られています。本来なら銀輪ホイールをご希望でしたが残念ながらシルバーのリム、ハブが手配できないことをお知らせいたしました。

最終的に以下の仕様でお作りすることになりなした。

リム キンリンXR22T/RT 前輪24h後輪28h

ハブ イタリア ミケ社ハブ 24.28h

スポーク 前輪 ピラーTB2015 2.2/1.5/2.0mm

     後輪左 ピラーTB2015 2.2/1.5/2.0mm

     後輪右 ピラーTB2018 2.2/1.8/2.0mm

ニップル ピラーDSN シルバー

リム2本で856gハブ430g 合計1286g

ミケハブの重量は台湾の軽量ハブと比べまして約100g重たく、シマノハブと比べてほぼ100g軽いハブです。ミケハブはベアリングのサイズの大きいことが一番の利点です。ベアリングが大きいと丈夫です。ベアリングを収めるハブシェルが太くなりますのでハブ自体の剛性が高くなります。剛性が高いハブは駆動ロスが少ないと考えます。軽さを取るか丈夫さを取るかですがどちらも利点がありますのでお決めになるのはお客様です。今回はミケハブでご理解いただきました。

スポークですがこの1.5mmスポークは扁平状態にしますとCX-RAYやエアロライトになりますのでスポークの形は違いますが面積的にはほぼ同じと考えています。

丸と扁平の違いですが、空気抵抗や強度では少し違います。しかし価格が3倍違いますのでこの違いは大きいです。レースに出る方は僅かでも空力を優先されますのでCX-RAYを選ぶことが多いのは事実です。どちらを取るかは考え方次第です。今回は提案スポークでお作りすることになりました。

細いスポークはねじれ易いので取り扱いが難しいです。ただ、うまく使うと非常に乗り心地がいいホイールが出来上がります。

安価な完組ホイールは走らないホイールではなく、スポークが太いので乗り心地が硬いホイールとご理解いただいた方が良いかと思います。

シマノの安価なホイールは乗り手の体重を広範囲でカバーする必要がありますの2㎜の丸スポークで作っています。このため小スポークながら剛性がありとてもよく走ります。しかし乗り味が硬いのでビギナーの方には疲れやすいホイールかもしれません。走らないホイールではなくロングライドに向かないホイールといえます。

前輪709g
後輪917g

さて、前後1626gで出来上がりましたホイールはスポークテンションを出来るだけ揃えています。テンションの均一化が大切と考えています。時間をあけて何度も馴染みだしを行うことで狂いの出にくいホイールに仕上がります。

細いスポークで作りましたホイールは疲れにくいホイールです。お客様からのインプレが楽しみです。

チューブレスタイヤの難点

暫く使わずに置いてあったカーボンホイールに空気を入れようとしましたところ空気が入りません。調べてみますとビードがすこし外れていました。

カーボンホイールのリムとタイヤは相性があります。簡単にビードが上がる場合があると思えば少しずれ気味というか空気は入るのですが時間が経つと外れ気味という組み合わせもあるようです。ただこれは私の意見であってそうは思われない方もおられるかもしれません。

いずれにしましてもタイヤに空気を入れることにしました。

先ずタイヤを外してシーラントを除去します。こびりついたシーラントが残っているとビードは残念ながら上がりません。タイヤの縁にこびりついたシーラントをきれいに取り除くことから始まります。こびりついたシーラントは結構厄介で布切れでは取れません。ワイヤブラシを使ったことがありますがタイヤを傷つけると思いブラシはやめています。結局は爪を使ってこそげ取っています。

こびりついていたシーラント滓を爪でこそげとりました  なにかいい道具はないでしょうか?

左右の縁にこびりついているシーラント滓を取り除くのに15分くらいかかったと思います。

兎に角、新品状態に戻さないと空気は入りません。ビードが上がらないことは必至です。

チューブレスタイヤを使い始めたころはこれが分からなく苦労しました。何度もやり直して今の方法にたどり着いたわけです。これはベテランであろうとビギナーさんであろうと一緒です。誰でも最初はビギナーです。

写真を見ていただきますとわかりますがタイヤにこびりついたシーラント滓です。これだけタイヤについていたので空気漏れを起こすわけです。

チューブレスタイヤはコンプレッサーがあればとても楽です

コンプレッサーを持っておられる方は自転車屋さんでない限りあまりおられないと思いますがタイヤをきれいにしましたら一気に空気を入れるとすんなりビードは上がります。

ブースター付きポンプでもよいが1万円くらいします  コンプレッサーは約3万円、悩むところです

ブースター付きのポンプでもうまくいきますが成功率から考えますとコンプレッサーのほうが楽です。

確かにチューブレスタイヤは乗り心地が良く構造的にもよくできたタイヤだと思います。これからはフックレスタイヤが普及していくと思います。しかしタイヤメーカーはメンテナンスでこんなにややこしくて面倒な作業があることは一言も説明書きに書いていません。メーカーにとってこの作業は当たりまえのことなのかもしれません。使う立場から一言いいますと不親切だなと思うのです。

私には30分ほどの作業ですが初めての方にはどうしていいのか分からなく途方に暮れてしまうことになります。もちろん自転車屋さんにいけばよい話ですが、そもそも自転車さんもハイどうぞとタイヤを渡してくれるだけで詳しくデメリットを教えてはくれません。文句を言えばそんなこと当たり前のことでしょうと怪訝な顔をされます。

あるときタイヤ管理でいい解決方法をお客様より教えていただきました。

半日くらい乗るのならシーラントなしでも乗れるのでチューブレスホイールにはシーラントを入れません。この方法だとなるほど面倒な作業はなくなります。チューブレスでもリムテープが必要なホイールはクリンチャータイヤで乗ることにする。つまりチューブで乗ればいいのです。とてもいいアイデアと思いますが今のところシーラントを使っています。

いろんな媒体を読むとチューブレスタイヤは乗り心地よく、いいことばかり書かれています。実際、初めて乗ると軽やかな乗り心地には驚きます。まあ、これはすぐに慣れてしまうのですが。しかしいいばかりではありません。メンテは大変です。これも慣れれば済むことですが、この山は結構厳しいと覚悟が必要です。シーラント滓を取るのが本当に面倒です。

チューブラーカーボンホイールのご注文

このブログにご連絡いただきました。

カーボンチューブラーホイールを作りたいのですが。 現在アルミのチューブラーホイールを使っています、休日健康のため に乗り、9速と10速で使います。ハブはRS300で良いかと思います。

上記の内容でした。

提案しましたホイールは次のような内容です。

あいにく在庫リムはクリンチャーリムなのでチューブラーカーボンリムは発注となりました

リム 35mm高25mm幅カーボンチューブラーリム 28H

ハブ シマノ ソラハブ 前輪HB-RS300 28H  後輪FH-RS300 28H

スポーク サピム Laser 2.0/1.5/2.0mm

ニップル ピラーDSN シルバー

リムの在庫はなく発注になりました。入荷まで約一月掛かります。ハブとスポークはもう揃っていますのであとはリムを待つだけです。

お客様はホイールをよくご存知のようです。

ハブは9.10速で乗られる予定で、シマノのソラシリーズで良いと考えておられます。シマノハブは重いハブですがメンテナンスを定期的に行えば30年は十分使えるハブです。軽さは正義と世間では軽いハブを求める方が多い中ですが、ソラハブを使えば自分の求める十分な性能を得られるというお考えです。

スポーク長を計算しますとテンション比率もわかります。

wheelproの計算ソフトでの結果です。

黄色のマーカーで分かりますが左右のテンション比率が良好です 

実際、ハブのセンターオフセット値を考えますと11速ハブより左右のスポークテンション比は10%ほど高く、ギアが1枚少ないがテンション比はこちらの方がよいということです。おまけに価格は非常に安価で台湾の軽量ハブの1/3の価格です。

スポークは高級スポークCX-RAYが作られる元となるスポークLaserを、もしくは同等品を提案しましたらそれでよいというお返事でした。

CX-RAYはとても優秀スポークですが価格はLaserの3倍です。お客様はご自分の必要なものは何かをよくご存じのようです。下位グレードといえどもLaserという優れたスポークを使うことで価格も抑えることが出来ます。

安価で、高性能で、乗り心地の良い軽量カーボンホイールは出来ます。リムが届くのが一ヶ月後ですのでまたご報告いたします。楽しみです。