イネオスはリムブレーキ

毎日ジロデイタリアを楽しんでいます。じっくり各チームのバイクを見ていますとほとんどのチームはディスクブレーキを採用しています。メーカーから提供されていますので各チーム、選手は好みを通すわけにはいかないのでしょう。

じっくり見ますとリムブレーキです

解説を聞いていますとイネオスはリムブレーキだそうです。これを聞いてからじっくりバイクを観察していますと果たしてイネオスはリムブレーキでした。

 

レースに於いてディスクブレーキにするとタイヤ交換には時間が掛かります。このためサポートの車には交換用の自転車を積んで走っていますがただこれなら1回だけの交換できても連続してトラブった場合はほかの選手の自転車を借りるなど違う方法で対処しなくてはなりません。このように一般にはディスクブレーキの対応には時間が掛かります。

 

その点リムブレーキではパンクしてもホイールだけを交換すればよく、時間はかかりません。1秒を争う場合これは大きな利点です。予備ホイールも沢山準備できます。サポート陣には大きなメリットがあります。

 

イネオスはこのようなディスクブレーキのデメリットとリムブレーキのデメリットを十分検討してリムブレーキを採用していると考えます。マージナルゲインを積み上げて勝利を獲得するイネオスの考え方は見上げたものです。

 

勝手な想像ですがホイールメーカーがディスクホイールのシステムで使ってくだいといってきてもチームの考え方はリムブレーキのほうが有利ですということで断っているのかもしれません。イネオスは宣伝効果を期待するメーカーの申し出を断っているのでしょう。勝利のためにはリムブレーキのほうにメリットがあると考えているのでしょう。これはあくまでも私見です。

 

私の素人考えですが科学的手法でチーム運営するイネオスには感心することが多いです。もちろんほかのプロチームも同様に行っていると思いますがイネオスは際立っている感があり改めて見直しました。

 

私はただただ経済的な理由でリムブレーキを使っています。時代に追いつけるようにしたいです。

ゾンダ後輪を分解

ゾンダ後輪を分解しました。

注意点はハブねじに逆ねじ部分があることです。ゾンダのハブ分解を説明しているYouTubeを参考にすると良いかもしれません。

私はカンパニョーロのホームページを開いてサポートページからハブの解説を読んで勉強しました。図解で説明していますのでわかりやすいです。

ハブは壊れにくい構造です。つまりとても簡素な作りをしています。仕組みさえわかればハブの手入れは難しくありません。カップアンドコーンのハブは基本的にはユーザーが手入れをするように考えられていると思います。

もちろんシールドベアリングを使ったハブも構造はとても簡単にできていますのでベアリングの取り換えもそんなに難しいものではありません。

 

ハブは壊れないように作られています。構造は簡単です。

 

しかし往々にしてハブのねじは固着していることが多いです。ホイールはバイスの上に載せて5mmのレンチには延長補助パイプを使って回すことにしました。

このパイプは建材の部品に適当なパイプがあったので30cmほどの長さに切って使っています。てこの原理でやれば力はいりません。

 

さて、ゾンダですが分解しましてよくわかりました。

491g アルミで剛性を得るには必要な重さ
293g 意外と重い
扁平スポーク使用21本で117g
21個で19g ブラスです

表にしました。

 

  重量(g) 数量 単品重量(g)
リム 491 1 491
ハブ 293 1 293
スポーク 117 21 5.6
ニップル 19 21 0.9

 

ここで注目点をあげてみます。

 

①リムは結構重いです。リムの剛性を考えますとアルミリムの場合500gほどあっても仕方ないことで軽いのに越したことはありませんがある程度の重量は仕方ないと思われます。知り合いにゾンダは軽いので漕ぎ出しが軽いといっていた人がいますがこれはプラシーボ効果ではないでしょうか。

 

②カップアンドコーンのハブを使用しています。重量は重いです。もう少し軽いと思っていましたが意外でした。シマノのハブは350gほどありますが中心部の重量ですので軽さばかりが気になる人にはいい情報と思います。

 

③スポークは約6gの扁平スポークです。まあ普通です。

 

④ニップルはブラスです。私はアルミニップルを使用するのをやめました。お客様が希望されるときは使いますが基本は扱いません。丈夫さを考えますとやはりブラスです。

 

アルミホイールの指標となるゾンダは意外と重かった、こんな印象です。つまりアルミホイールでは剛性を得るにはそれなりの重量が必要です。素材の特性で仕方ありません。

穴なしリム使用

穴なしリム使用し、ニップル穴部分の厚みを取って強度を高めています。これらは剛性に影響していると思います。アルミリムの弱い部分を工夫して補っています。また、このリムはオフセットリムではありません。このため11速で左スポークのスポークテンションを高めるためには2:1組を採用しています。

2:1組で非ドライブ側のスポークテンションを高くすることができるのでフランジ幅は広くとっています。支え棒のように横剛性を高めています。本当によく考えられた設計です。詳しく見ますとさすがカンパニョーロと思います。

 

ホイール作りに参考になることが多くありました。ゾンダのハブは重いのです。ホイールは自動車のばね下と同じと考えで軽いほうが良いのでしょうがアルミの場合は適度な剛性を得るには重量は覚悟をしないといけないようです。

Prime black edition カーボンホイールを調べる

お客様よりご依頼がありPrime black edition を調べる機会を得ました。

ご購入の時点では調子が良く、数か月すぎて少しスポークのバラつきがあるのではないか心配になりましたと相談を受けました。

結論を言いますとスポークのテンションはとてもよく整えられています。バラつき偏差は5%以下の仕上がりで、今まで点検しました完組ホイールの中ではとてもよく調整されたホイールでした。お客様はホイールに慣れて購入時点の感動が薄れただけでした。ホイールはしっかりしていました。

このホイールの詳細です。

前輪スポークはDTのエアロスポークです。後輪ドライブ側に同じエアロスポークでも少し1.2mmの厚みがあるエアロコンプを使い左非ドライブには0.9mm厚スポークです。

とてもよく考えられたホイールと思います。

ハブはPrimehubとして販売されていますが形状、サイズからノバテックハブと推察します。このハブはストレイトプルスポークを使うハブです。各寸法を計測しまして計算上の左右スポークテンション比率は37:100です。

少し左スポークテンションが低い数値となります。逆にいいますとスポークの角度を取れますので横剛性は高いといえます。いわば支え棒の考え方です。何事も良いとこばかりではありません。どの点に目が行き、どの点に目をつぶるかです。

点検していて一つ気になることがありました。

前輪 左113kgf右114kgf バラつきもないよくできたホイールです
後輪 左62kgf右164kgf  テンションばらつきはないが、右がとても高い

非常に後輪右ドライブ側スポークテンションが高いことです。スポークのテンションを高くしたから剛性が上がることではありません。ホイールの剛性はリムの剛性+スポークの総面積に比例します。スポークテンションを高くすることで剛性は上がりません。ではなぜこのホイールは右側テンションが高いのでしょうか。

ハブセンターオフセットを計測

理由はハブの構造上ハイテンションに仕上げないといけないようです。左右のテンション比率差が大きいので右側を高く上げないと左スポークがゆるゆるで仕上がってしまします。緩くても乗れないことはないのですが過去の経験上、左は50kgf以上が望ましいと考えられています。正解値はありません。

グラフで示すように右側を大きく上げることにより相対的に左を上げています。強度的にはハブはストレイトプルスポークを使いますので構造上引っ張りには強い形です。このハブだからできるスポークテンションと考えます。しかし常に160kgf近いハイテンションで引っ張っているので経年劣化は通常より早いのではないかと心配します。ただしこのことに関しては残念ですがよくわかりません。

私がいつも買っているカーボンリムメーカーではスポークテンション値は125~135kgfで仕上げてくださいとマニュアルに書かれています。

スポークテンション校正器で調べなおしました

この160kgfの数値ですが私のテンションメーターが間違っているのかと心配になりましたのでテンション校正器で調べました。ホイールに使用されているスポークと同じエアロコンプを持っていますのでスポークを160kgfで引っ張り、メーターで測りますと同じ数値を検出できました。おおむね合っています。

ホイールはタイヤをインストールしますとスポークテンションは10~15%下がります。場合によっては20%下がるホイールもあります。このホイールのハイテンションはおそらくテンションダウンを想定して作っていると思います。タイヤインストール後、左側50kgfアップを得るために右ドライブ側をハイテンションに仕上げているのでしょう。それにしても驚くばかりのハイテンションです。

このホイールに乗ったことはないのですが総じてとてもよくできていると思います。作り方が丁寧です。ただハブの構造上、左テンションを上げるために右側をハイテンションに仕上げないといけない造りです。

このホイールはUCI公認ということでプロチームに提供されているホイールのようですが耐久性に対して知りたいものです。とても高いテンションで作られていますのでどのくらいでプロは交換していくのでしょう。想像ですが意外と交換サイクルは早いのかもしれません。

お客様が心配されたスポークテンションはとてもよく管理されていると思います。ホイールはとてもよくできています。グラフを参考にしてください。

いつも思うのですが海外通販で購入されたホイールは皆さんどうされているのでしょうか?面倒見てくれるショップはそんなに多くはないと思うのですが…

消費者は集められた評価、星の数を頼りに購入されると思います。価格の面で有利なところが多い海外通販ですがこういう機械ものにはメンテナンスが欠かせません。自分でメンテナンスができる人には良い買い物です。周りに面倒見てくれる人がいる人も安心できる良い買い物が出来ると思います。

しかしながら大方の自転車屋さんは面倒を見てくれません。うちでは扱えませんと断られるのが目に見えています。面倒見てくれる場合でもショップで買われた場合と価格が違います。お客様だけにいい目が出る仕組みにはなっていません。

このPrime black edition ホイールは現在価格88000円で販売されています。予備スポークもついています。業者のカタログを見るとビッグブランドの価格と比べてとても安価です。送料無料ですが関税7.8%と地方税がかかることを承知しておかないといけません。

縁あってこのホイールを点検させていただきました。ホイールはよくできていて何もさわることなくお返ししました。お客様もよくできているホイールと聞かれて安心されたようです。

プライベートブランドのホイールを10万近く出すのは勇気のある買い物です。掲載されている☆評価だけを頼りの買い物です。返品もできるシステムで安心できる会社で私もよく利用します。ただ私はよくわかっているものだけにしています。もっと高価なブティックブランドのホイールの場合どうなんかなと思います。買ったが近所の自転車屋は面倒見てくれない、どうしたらいいのでしょう。オークションにでも出しますか?

Primeアルミホイールを購入

Primeアルミホイールを購入しました。理由は価格です。他に理由がありません。驚く価格でしたのでどんなホイールか調べたくなり買うことにしました。

前後 1985g
前輪 840g
購入時点の前輪スポークテンショングラフ
後輪 1145g
購入時点の後輪スポークテンショングラフ

これでプライムホイールは2セット目です。ディスクホイールの時に記事にしましたが今回もびっくりしました。

 

いつもの通りホイールは重量とスポークテンションを測ります。

前輪840g、後輪1145gと非常に重いホイールです。この重さはカタログで事前に知っていましたので承知で購入しました。重いホイールは予想外に走るものです。一般的には軽いほうが良いのですが重いホイールは走ります。

 

スポークテンションは上図の通りです。前輪、後輪ともに驚くばかりのスポークテンションです。

先ず前輪です。スポークテンションを測りますとバラつきがあります。

後輪もバラつきがあり、非常にハイテンションで作られています。びっくりします。こんなに高いテンションではハブ、スポークの疲労が早く傷みやすいのではないかと思われます。

 

前後輪を私のやり方でストレスリリーブを行いました。通常なじみだしと呼ばれています。私のホイール作りは海外の本で勉強して始めましたのでストレスリリーブになってしまします。

私の方法でなじみだしを行いますと次のグラフになりました。

ストレスリリーブ後の前輪
ストレスリリーブ後の後輪

購入時点のスポークテンションはすっかり整えられています。スポークテンションもバラつきなく収まっています。

 

こうなるように考えて手を抜いて作ったホイールなのかわかりませんが驚くばかりのテンションバランスです。ニップルは回していません。ホイールは再度売りに出しても良いくらいのテンションバランスになりました。

 

リムはチューブレスレディーリムを使っています。チューブレスタイヤ、バルブ、シーラントを用意すればチューブレスホイールとして使えます。これは一つのプラス材料です。1万円ほどでチューブレスホイールを使うことができるのは大きいメリットです。

 

ハブを調べてみました。前後ともにシールドベアリングを使っています。前輪ベアリングは容易に取り換えできますが後輪ハブは少し難しいように思います。心棒は鉄の心棒を使われていますのでシマノハブと同じですがシールドベアリングを使っていますのでカップアンドコーンのシマノハブのようにメンテナンスは簡単にはいきません。ベアリングの取り換えは難しそうです。見た感じでは部品入手が難しいハブのように見受けられます。ノバテックやバイテックスのハブのように簡単には部品が手に入らないと思われます。ベアリングは普通のベアリングですのでやる気になればできそうですが力を入れただけの見返りがなさそうです。

 

私の評価としましてはメンテナンス部品が容易に手に入らないので分解した後も楽しめるホイールではありません。

1万円ほどでチューブレスホイールが手に入るのはメリットと思います。しかしメンテナンスを自分で出来る人に限ります。でもこの値段で買えるので試しに買ってみるのも良いかと思いますがすぐに嫌になるでしょう。練習用と割り切るならいいかもしれません。

ゾンダ・ホイールを調べる

ゾンダはホイールのベンチマークになるくらいのホイールです。どんな自転車屋さんでもゾンダ、レーシング3を買っておけば大丈夫といわれています。

それだけで実績があり安心できるホイールです。これ1本で大丈夫ともいわれています。

 

ゾンダ 旧製品21mm幅リム

最近アルミホイールの雄であるゾンダホイールを調べる機会を得ました。

 

最初にお断りです。本ホイールは譲っていただいたホイールです。このホイールを調べ上げてあれこれと意見を述べるのはいただいた方に対して申し訳ない感じがします。

しかしこんな事例もあるということを知っていただくことが大切と思い今回の記事にいたしました。以前にもゾンダ購入の記事を書いています。これも参考になるかと思います。

後輪リムベッドにひび割れが入り危険

残念なことにこのホイールは後輪リムベッドにひび割れが入り危険で使うことができません。スポークのテンションを調べてみました。果たしてテンショングラフにしますと驚くことが分かりました。びっくりのハイテンションで作られています。

前輪 661g
前輪スポークテンショングラフ よく揃って適度なテンションです。
後輪 927g
右ドライブ側が非常に高い

後輪ホイールは21本のスポークを使われています。右ドライブ側14本左非ドライブ側7本、2:1組の代表的なホイールです。スポークテンショングラフで見ますと前輪は平均約120kgfで張られてばらつきもなく優秀です。

後輪はドライブ側が驚くばかりのハイテンションで仕上がっています。私のテンションメーターでは約140kgf前後でスポークは張られています。使用のデジタルテンションメーターは校正していますので大きく狂いはありません。

 

ホイールは2万kmほど走っておられますので新品ホイールとは違います。そんな使い込んだホイールのスポークテンションが140kgfですので新品の時はもう少し高いと思われます。正直後輪は高いテンションです。

 

ではホイールのスポークテンションどのくらいが正解値なのでしょう。

 

正解は必要十分なスポークテンションであればよいというのが正解のようです。きっちり**kgfにするべきですという正解値があればいいのですがそうではありません。とてもあいまいです。いわば正解というものがありません。

 

しかしながら私はおおよその数値は決めています。前輪は110kgf~120kgfで仕上げます。後輪は120~130kgfで仕上げています。

 

この辺りで仕上げるのが経験からでた数値です。つまりホイールの強度やスポーク数によって決めていますのである程度の幅があります。一律ではありません。

スポーク数が多い32hのクラシックなホイールでは前輪は70kgf前後、後輪100kgfで十分という人もおられます。

 

各ホイールメーカーにはスポークテンションの推奨値があります。ある程度の範囲内で作っているということですがこのゾンダはどうも推奨値の最上限で作られたようです。

 

ゆるゆるのテンションでは力が伝わりませんがスポークテンションを高くして剛性を上げるということは間違いです。スポークテンションはホイールの剛性には関係ありません。ホイールの剛性はリムの剛性とスポークの総面積で決まります。スポークが太いと剛性が上がります。ホイールの剛性はスポークの総面積に比例するといわれています。

 

リムの疲労はスポークのハイテンションで起こりやすくなりますが、このゾンダはもう少しスポークテンションが低い作りであったらリムのひび割れは起こらなかったと思いますのでとても残念です。せっかくのゾンダが使えなくなるのは悲しい話です。

 

では予防策はないのでしょうか?

 

結果的には購入時点で調べて少し下げるしかありませんがそんなサービスをしてくれるところ、正確なテンションメーターを持っているショップは少ないと思います。

やはり残念ですが運に任せるしかないのかもしれません。当たりが悪かったというしかありません。人為的な問題なので解決はできるのですが…

シマノホイールWH-R501を分解

シマノWH-R501ホイールを調べる機会を得ました。安価で販売されています。正直驚くばかりの価格です。どうしてこんな価格で販売できるのか不思議です。

前輪20h 861g
後輪24h 1118g

前輪861g後輪1118gです。合計1979gです。振れ取り台にのせて回転を見ますと目視では振れは全く見受けられません。ダイヤルゲージでもプラスマイナス0.1~0.2mmを前後するとても優秀な振れ取りです。正直、見た目はよくできています。

次にホイールのスポークテンションを調べました。下記のグラフです。

前輪スポークテンショングラフ
後輪スポークテンショングラフ

非常にハイテンションで仕上げています。残念ですが振れ取り重視です。見た目を追いかけて中身は悪いという印象です。まあ値段が値段だけに念入った調整はできないのでしょう。時間優先です。少しでも多く数をこなす必要があるということです。

前輪、なじみだしを行いました
後輪、なじみだしを行いました

ホイールにはプレス式のなじみだしを行われていますがこのホイールに私のなじみだしを行いますと上図のようになります。グラフを参照ください。

スポークテンションは大きく下がります。振れも出ています。こうして見ますといつも値段が値段だけにという枕詞がついてしまいます。

前輪リム 538g
前輪20本144g 1本7g

リムはピンジョイントで重量は538gでした。軽くありません。前輪はエアロスポーク的なスポークで2.0/1.6/2.2/2.0mmと実測ですが扁平スポークです。1本7gありますので2mmのスポークを叩いたスポークのようです。エアロ効果は期待できません。見た目だけです。後輪リムはオフセットリムではありません。通常のセンターホールリムです。これが悪いというわけではありませんがオフセットリムを使えば左スポークテンションは改善できます。オフセットリムでないのが残念です。値段が値段だけにということばかりです。

しかし残念なことばかりのホイールですが一つだけこれはいい!という点がありました。

前輪20hカップアンドコーン144g
後輪24hカップアンドコーン366g

ハブがカップアンドコーンの20・24hです。いま流通しているハブで手に入れやすいカップアンドコーンのハブはシマノしかありません。しかしシマノは20h・24hは販売していません。28h、32h、36hだけです。

カップアンドコーンハブなら自分で調整出来てまめにグリスアップを行えば非常に安定して長い間使えます。

個人的な偏った意見ですがホイールはがっかりしますがハブはいいと思います。このハブを使って手組するなら良いと思います。ただ少し重いのですが中心部の重量ですし何事もトレードオフで重いハブということは丈夫なハブということです。

超安価プライムディスクホイールを購入しました②

何故新品ではこんなにスポークテンションが高いのか疑問が解けました。結論から言いますと、スポークテンションは適正値に下がりました。

 

手組ホイールを作る際ストレスリリーブという作業をします。西洋の人たちはストレスリリーブですが日本ではなじみだしといっています。スポークの張り具合の最終調整というわけです。この作業を私の方法でプライムディスクホイールに行いました。ニップルは回していません。

前輪
後輪 左76.0・右150.6kgf
後輪
前輪 左ブレーキ側142.4kgf・右92.3kgf

作業後スポークテンションを測りますと次の通りです。

前輪 左ブレーキ側119.1kgf・右72.8kgf
後輪 左64.6kgf・右ドライブ側120.2kgf

驚きです。スポークテンションが下がり私が通常作る値まで下がっています。スポークの張り具合も揃っています。とても優秀です。

つまりこのホイールのハイテンションはしばらく乗ったら下がることを見越して調整しているようです。勝手な想像ですが、まあ上手に手を抜いているということですね。目いっぱいテンションを上げておけば乗っている間に適正な値になるというのを見越しているのかもしれません。1本でも時間短縮で作るほうが良いのでしょう。

 

よく考えています。超ハイテンションで仕上げておけば乗っている間に適正値になるという作り方です。お見事です。しかしながらうまくテンションが下がらない場合もあるかもしれません。本当はどうでしょうか?

 

実際意識的にこのように作っているのかはわかりませんが手を抜いても大丈夫なところは目いっぱい手を抜いています。しかしテンションはしっかり揃えています。押さえるところは押さえているという感じです。いや難しいです、お買い得ですよ!というべきかどうか、非常に重いのが問題です。1万円のホイールにいろいろ言うのはどうでしょうか?次はこのホイールを分解してみようと思います。

超安価プライムディスクホイールを購入しました

Wiggleのホームページを何気なく見ていて超安価のディスクホイールを見つけました。

買った理由は単純です。1万円で買えるホイールはどんなものかとても興味がわきました。

届いたときの写真です。この値段で勉強できるなら安いものです。

きれいなパッキングです

届きました。非常に丁寧に梱包されています。はるばるイギリスから航空便で届いたのです。おまけに送料無料です。どういうことになっているのかいつも考えてしまします。

 

ホイールが届きますといつものお作法を行います。

前輪 943g
到着時の前輪スポークテンショングラフ
後輪 1199g
到着時の後輪スポークテンショングラフ

重量とスポークテンションを測ります。

前輪942g、後輪1199g前後2141gと正直言って重いです。カタログでわかっていたのですが実際に測ってみて少し驚きました。

 

では前後輪を細かく見ていきます。

 

スポークは2㎜のストレートスポークを使っています。ニップルはもちろんブラスです。

リムはアルミリムでオフセットリムではありません。24hの普通のアルミリムです。

チューブレスで使えます

リムはprimeの白いロゴが入っていますがシールではありません。つまりペイントしていますので簡単に取り除くことはできません。チューブレステープを1回巻きで処理されています。そう、チューブレスレディーです。重いホイールですが驚くことばかりです。

シマノ方式(シマノH.P.より)

スポークの組み方は前輪が逆イタリアン後輪はイタリアンです。通常シマノでは後輪はJIS組みを勧めていますがこのホイールは違います。まあそんなに影響ないということでしょう。私はシマノ方式で前輪は逆イタリアン、後輪はJIS組みで組みます。このことは前から疑問に思っていました。まあそんなに変わらないということかもしれません。

 

スポークテンションは上記のグラフになります。スポークテンションのバラつきは少ないと思います。ただスポークテンションはびっくりの値です。非常にハイテンションでスポークを引っ張っています。今までこんなに高い数値は見たことありません。ここまで必要かよくわかりません。

 

スポークテンションの適正値はこの数値でないといけないという決まりはありません。どのホイールメーカーも違うので決まった数値というのはないのが実情です。ではどういう風に決めるのかとなりますと必要十分な数値にするというあいまいな数値で管理されているようです。

 

このホイールでは前輪左ブレーキ側140kgf、後輪右ドライブ側150kgfです。驚きのハイテンションで仕上げています。これでいいのだ!といった感じで作られていますがこんなに高い数値ではスポークが疲労しないのか心配です。まあ値段が値段ですのであまり考える必要がないのかもしれません。

 

ホイールの剛性アップはスポークテンションを上げることではできません。高いから剛性が上がるわけではありません。スポークテンションの均一化は必要ですがむやみに高くすることがホイールの性能アップにはつながりません。必要十分であればいいのに何故こんなに高いのかよくわかりません。必要十分というあいまいな書き方もわかりにくいのですが数値が決まっていないのでこういう書き方になってしまします。しかしおおよその数値はあります。私はドライブ側を120前後にしています。

 

おそらくこのプライムホイールはタイヤをはめた後のスポークテンションドロップを計算しているのだと思いますが通常10~15%のテンションドロップですのでやはりたかい数値です。

 

1万円のホイールにいろいろと意見をいうのはおかしいかもしれませんが分解してみようと思います。安物買いの**なのかまたレポートしたいと考えております。

チューブラーホイールのレビューをいただきました

先日お納めしましたチューブラーホイール(3月4日に記事)のレビューをいただきました。オーナー様はFTP265と力のある方です。普段からしっかりトレーニングされている方ですので私には感じられないことを教えていただくことができました。参考にしていただければ幸いです。

CX22 rim Miche Hub 24/28h 1574g
前輪 685g
前輪スポークテンショングラフ
後輪 889g
後輪スポークテンショングラフ

レビューは以下の通りです。

 

ようやく床づくりとタイヤ貼り付けも終わり400km程走って来たので、レビューさせていたたきます。

 

漕ぎ出しから非常にスムーズです。リム重量がほとんど同じアンブロッシオモントリオール32hと比べてもかかりがいいです。35km/hまで淀みなくスムーズにのびていきます。40km/hからはリムハイトが低いのでのびは落ちますが、それでも気持ちよく回ってくれます。本当に気持ちいいです。

 

右2クロス左3クロス組についてですが、これは最後の足掻きとして、それ以前にやるべき事があるという事がこのホイールをもってわかりました。スポークテンションの偏差をなるべく抑える事だったり適切なケミカルを用いて組む事だったり、小さい事の積み重ねでこのホイールは出来ているなと感じました。

 

それからこのホイールの一番気に入った点は、振れにくさです。400kmをわざとガシガシ踏んだり荒れた道に突っ込んだりしましたが、振れがほとんどといっていいほど出ませんでした。フロントは振れ無し。リアが0.08~0.10mm程振れただけでした。もっと力のある人だと結果は違ってくると思いますが、少なくとも自分が使う分には素晴らしい結果です。アマニ油とロックタイト220それからスポークテンションの偏差の少なさのおかげでしょうか。

 

プライムというブランドの28mmハイトのカーボンチューブラーとも比べてみましたが、さすがに漕ぎ出しはカーボンのほうが軽いですがかかり具合は今回のホイールのほうがいいですね。スポークが均等にリムを回してるからでしょうか、やはりスムーズです。伸びも35km/hまででしたら今回のホイールのほうがいいです。そしてこのプライムのホイールは¥64000です。大体半額で組める今回のホイールとの性能差はそこまでないのではと思いました。

 

最後にミケハブに関してですが、非常にシンプルでメンテナンスしやすく、ベアリングの与圧(ガタ取り)もマビックのQRM+と同じ方式でクイックを締めてからでも調整できるのでいいですね。ただ一点不安なのが、シールが甘い点です。フリーボディなんかはシールがなくベアリング剥き出しなので雨天時は少し心配です。ですが、シールがない分良く回りますね。やはりここはトレードオフの関係ですかね。

 

長々と書きましたが、総評としてメンテナンスしながら長く使える良いホイールです。工賃も倍以上取っていただいてもいいのではないでしょうか?少なくとも僕は払います。

 

以上がレビューです。良い評価をいただけたと思っています。

 

チューブラーホイールは、特にアルミチューブラーは完組では手に入れることができなくなりました。手組ホイールではチューブラーホイールは存在感を示すことができます。今回使用しましたキンリンのリムは剛性が高く軽量です。

 

チューブラーホイールは外周部が軽い軽量ホイールに仕上げることができます。一度お試しください。

スリーブジョイントの影響

ホイールを組み終わってから写真をよく撮ります。お客様の記録やブログの記事のためです。

青いテープがバルブ側、スリーブ側が下に来る

写真を撮るときに向きを考えるのですがきれいな角度になるようにするにはホイールのバルブ穴の反対を下にします。アルミホイールの場合スリーブジョイントがほとんどですのでリムはスリーブ側に必ず傾きます。

青いテープがバルブ側ジョイント部分が必ず下に来る

振れ取り台にホイールをセットしますとバルブ穴が必ず上にきます。ジョイントのスリーブが影響してつなぎ目が重く下に位置します。

カーボンホイールではどのようにおいてもすんなり転がらずに静止しますので写真は撮りやすいです。

 

スリーブとは棒鋼などを継ぐために用いられる筒型の金具のことをいいますがどうもアルミリムの場合スリーブは7,8gほどあるようです。この重さがリムのバランスを変えています。

鉛板の重さが7,8g

何故重量が分かったのかといいますとホイールのバランス調整で貼る鉛板の重さがこの重さです。

 

クリンチャーカーボンホイールではスリーブは使いませんのでどの位置でもホイールは止まります。タイヤをはめますとバルブの重さが影響して振れ取り台に載せますとホイールはいつもバルブが下にきます。シーラントが入りますとちょっと様子が変わります。

 

ベテランの人はこのようなことはご存知と思いますが誰もが最初はビギナーです。ホイールの回転でリムバランスが悪いとやはり走りに影響します。同じホイールでもチューブ、タイヤで走りが変わります。

ホイールの買い替えはやれることやってからですとあるお客様が教えてくれました。