またリムの強度を調べるために大阪産業技術研究所で荷重試験をお願いしました。今回で2回目です。
荷重試験は次のような事を行います。
ある一定の時間にリムの上から荷重して100kgになるまで押さえつけてリムがどのくらい変形するかを調べていただきました。
今回の試料は次の3点です。
①TNI AL22W
②シマノ DURAホイール wh8750 後輪リム
③カンパニョーロ ゾンダ15c 後輪リム
大阪産業技術研究所との約束ごとで細かいデータは公にしないという決め事があり試験のデータは発表できませんが結果は記事にできます。
100kgの荷重でリムの歪が分かったのですがAL22WとシマノDURAホイールはほぼ同じ歪具合でした。ゾンダはとても成績がよく、試験していただいた係の先生も驚いておられました。
荷重試験だけでホイールの出来具合の評価を決めるのは早計と思いますが参考にはなります。
①TNIのAL22WホイールはDuraホイールとリム剛性では大きく変わらないという結果です。AL22Wで作った手組ホイールもDuraホイールに負けないホイールが出来るということだと思います。ただしスリーブジョイントが欠点です。高い圧力がかかるとジョイント部分で割れてきます。DURA、ゾンダは溶接でつないでいますので簡単には割れませんので丈夫です。体重のある人にはこの点を考慮してスポーク数を十分考えて使用する必要があると思います。
②ゾンダの後輪リムはとても剛性が高い結果でした。一般にはゾンダを買っておけば間違いないと言われていますが果たしてその通りの結果がでたようです。しかし前後で2万円のシマノホイールがゾンダの1/3の走りしか出来ないのかというとそうではありません。シマノホイールは剛性が高いので乗る人によってはシマノホイールの方が勝つかもしれません。
何事もトレードオフがあります。それはゾンダのスポーク数が前輪16本後輪21本とスポーク数が少ないことです。空気抵抗が少なく出来るというメリットがありますが剛性不足というデメリットも出てきます。
つまりゾンダは体重が軽い人にはとても良いホイールですが70kg以上でパワーライダーさんには剛性が足りないホイールと考えます。いわば温いホイールということになります。力のあるライダーさんは剛性を求めます。リムの剛性が高くてもスポークが細くて少ないため体重がある人にはリムの剛性を生かし切れないホイールといえます。
前回の荷重試験リムを2本調べていただきました。今回で3本です。次もまたお願いしますと言ってきました。このようにデータを集めていきますと面白い結果が得られます。
今までリム5本の荷重試験を依頼しました。お勧めリムはキンリンのXR31T・RTがアルミリムの中では価格面、強度面で最強のリムと思っています。
ホイールの良さを決めるものは先ずはリムの強度、次にスポーク数と組み具合、その次にハブの順番と考えています。確かに高価なハブは軽快に回るのですが安価なハブと高価なハブの価格差はものすごいものがあります。価格差の倍率がハブの摺動率と一致しないのが残念なところです。
低価格のソラハブにキンリンのXR31T・RTで作ったホイールはとてもよく回ることも知っていただきたいです。持つ喜びは感じられませんが...