リムの荷重試験をお願いしました②

またリムの強度を調べるために大阪産業技術研究所で荷重試験をお願いしました。今回で2回目です。

一定時間に荷重してリムがどのくらい変形するかを調べます

荷重試験は次のような事を行います。

ある一定の時間にリムの上から荷重して100kgになるまで押さえつけてリムがどのくらい変形するかを調べていただきました。

今回の試料は次の3点です。

①TNI AL22W

TNI AL22W 459g

②シマノ DURAホイール wh8750 後輪リム

Duraホイール 467g

③カンパニョーロ ゾンダ15c 後輪リム

15cゾンダ 後輪491g
荷重試験の報告書です

大阪産業技術研究所との約束ごとで細かいデータは公にしないという決め事があり試験のデータは発表できませんが結果は記事にできます。

100kgの荷重でリムの歪が分かったのですがAL22WとシマノDURAホイールはほぼ同じ歪具合でした。ゾンダはとても成績がよく、試験していただいた係の先生も驚いておられました。

荷重試験だけでホイールの出来具合の評価を決めるのは早計と思いますが参考にはなります。

①TNIのAL22WホイールはDuraホイールとリム剛性では大きく変わらないという結果です。AL22Wで作った手組ホイールもDuraホイールに負けないホイールが出来るということだと思います。ただしスリーブジョイントが欠点です。高い圧力がかかるとジョイント部分で割れてきます。DURA、ゾンダは溶接でつないでいますので簡単には割れませんので丈夫です。体重のある人にはこの点を考慮してスポーク数を十分考えて使用する必要があると思います。

②ゾンダの後輪リムはとても剛性が高い結果でした。一般にはゾンダを買っておけば間違いないと言われていますが果たしてその通りの結果がでたようです。しかし前後で2万円のシマノホイールがゾンダの1/3の走りしか出来ないのかというとそうではありません。シマノホイールは剛性が高いので乗る人によってはシマノホイールの方が勝つかもしれません。

何事もトレードオフがあります。それはゾンダのスポーク数が前輪16本後輪21本とスポーク数が少ないことです。空気抵抗が少なく出来るというメリットがありますが剛性不足というデメリットも出てきます。

つまりゾンダは体重が軽い人にはとても良いホイールですが70kg以上でパワーライダーさんには剛性が足りないホイールと考えます。いわば温いホイールということになります。力のあるライダーさんは剛性を求めます。リムの剛性が高くてもスポークが細くて少ないため体重がある人にはリムの剛性を生かし切れないホイールといえます。

前回の荷重試験リムを2本調べていただきました。今回で3本です。次もまたお願いしますと言ってきました。このようにデータを集めていきますと面白い結果が得られます。

今までリム5本の荷重試験を依頼しました。お勧めリムはキンリンのXR31T・RTがアルミリムの中では価格面、強度面で最強のリムと思っています。

ホイールの良さを決めるものは先ずはリムの強度、次にスポーク数と組み具合、その次にハブの順番と考えています。確かに高価なハブは軽快に回るのですが安価なハブと高価なハブの価格差はものすごいものがあります。価格差の倍率がハブの摺動率と一致しないのが残念なところです。

低価格のソラハブにキンリンのXR31T・RTで作ったホイールはとてもよく回ることも知っていただきたいです。持つ喜びは感じられませんが...

キンリンTB25で作ったホイールが5セット

キンリンのTB25で作ったチューブラーホイールが今5セットあります。ハブはどれもシマノハブで作っています。いろんなタイプで作っていますが基本はすべて3クロスです。いろんなスポークの組み合わせで作りました。

沢山作ったTB25ホイール

最初のころは星のスターブライトで作っていました。2mmの太いスポークが32本ありますのでとても剛性が高く硬い印象でした。最初はこんなものだと思って乗っていましたがスポークで乗り味が変わることを知ってDTのコンペティションに組み替えたり、サピムのLaserで作ってみたりと徐々に内容が変わっていきました。何度も組み替えしていますのでこんなに増えてしまった訳です。

作ったホイールがタイヤとスポークで印象が大きく変わることを知りました。いろいろ試した結果落ち着きましたのは、廉価版タイヤではコンチネンタルのGiro、高級版ではヴェロフレックスの高級タイヤです。どちらかといえば乗るよりも作るほうが多いので試したタイヤの種類も少ないですが高いタイヤと安物タイヤははっきり違うことが分かりました。

いいタイヤで走るのは安価にできるチューンアップです

タイヤにお金をかけるのが一番安価なチューンアップといいますがまさにその通りです。しかし一般にはそんなにとっかえひっかえできるものではありません。

何故5セットもあるのかといいますと理由はコスパです。いろいろ作って比較してきましたので自然と増えてしまいました。ホイール作りの勉強には最適です。

TB25で作ったホイールはとても安価にできます。高級タイヤ1本の値段でホイール一つが出来てしまいます。チューブラーにすると外周部が軽いので漕ぎ出しが軽くよく走ります。チューブラーのタイヤ交換は簡単で、おまけにホイールはリーズナブルな価格というのが理由です。

ホイールは多スポークで作っていますのでロングライドに最適です。郊外でパンクしてもテープで貼り替えれば楽に交換できます。

2本で860gは軽量です

またTB25を2本買ってしまいました。クリンチャータイヤ1本分の価格でした。今では人気のないチューブラーですが食わず嫌いの方には是非お勧めしたいTB25ホイールです。

シマノDura7850とゾンダのリムを比べてみました

ご提供いただきましたDuraホイール7850を分解しましていろんなことを学ばせていただきました。今回はリムについてみてみたいと思います。

Dura前輪リム 443g
ゾンダ前輪リム 445g
左Dura  右ゾンダ どちらも穴ナシリムです

DURAリムの重量は443g、ゾンダも445gとほぼ同じ重要です。作り方も穴ナシリムです。リムの内側にはニップル穴がありません。リムの内部に穴がないということは通常の穴ありリムと比べてどのくらい強度があるのかは正確なところわかりませんが強度が穴アリと比べて高いということは想像できます。

Dura
ゾンダ 

ニップル穴の部分はどちらもアルミリムを削らずに残して穴のない部分を削って軽量化を図っています。削る前のリムの厚みは結構ある感じがします。ニップル穴の部分を残して他の部分を削るということは作るのに手間のかかったリムであるということです。

Duraホイールは特殊なプラグでスポークを固定している

ホイールに作り上げていく作業ではDuraホイールは特殊なプラグを用意して外からスポークを通すという組み上げ方法を選んでいます。方やゾンダは通常のニップルをマグネットで運んで組み立てる方法です。

作業工程を考えますとDuraホイールのほうが外からニップルを締めるので楽と思います。カンパのようにマグネットを使う方法は材料費が安く済みますが熟練のビルダーさんでないと難しいと想像します。

どんな方法で作業しているかわかりませんが仮組まではシマノ方式のほうが楽のようです。カンパのようにマグネットでニップルを外に引っ張り出す作業は時間が掛かる感じがします。あくまで想像ですので実際はとても簡単にやっているのかもしれません。そうでないとゾンダの価格は安いと思います。

DURAは特殊な部品を使い、ゾンダは普通の部品を使っている、これだけ考えても面白いし国民性というか文化的な違いを感じてしまいます。愚直に技術を推し進める無骨なシマノ、方やセクシーなホイールを売り込み上手なカンパ、どちらも素晴らしいです。しかし3G組はうまく考えたものだとつくづく実感します。

カーボンリムの到着

以前のブログ記事にゾンダ後輪をカーボンホイールに組み替えた記事を書きました。これを読まれた方よりご連絡いただき、持っておられるゾンダ後輪をカーボンホイールに組み替えのご依頼受けました。

36mm高28mm幅のカーボンリムを別注しました
ゾンダ後輪をカーボンホイールに組み替えました

このようなリムは普段在庫していませんので別注です。いつもオーダーを出しているメーカーの担当の方に連絡して別注リムの注文をいたしました。

オーダーにはいろいろとやり取りをします。穴の位置指定がメインのやり取りです。図面の確認も送ってくれました。当方の幼稚園英語でもなんとか理解してくれて商談が出来ています。リムは約一ヶ月かかります。昨日到着しました。

リムとは別にニューイヤーカードとノベルティのキャップが入っていました

折しも新年ですので新年のご挨拶としてこんなノベルティグッズをいただきました。僅かな買い物ですが定期的に購入していますのでいわば固定客です。少量の買い物でもそれなりの敬意を払ってくれています。うれしいものです。

サラリーマン時代の営業で回っていた時のことを思い出します。小口ながらも定期的に買っていただいたお客様とはとてもいい関係でした。今は逆の立場で買う方の立場です。メールだけのやり取りながら国が違っても長く続くといろんなことが分かってきます。担当者は中国特有の旧正月の休みに入りますが定期的にメールを見るので心配いりませんと連絡くれています。少量の買い物でも長く続けると信頼感が生まれます。どこの国でも同じと思います。

シルバーリムが届きました

クロモリフレームにはシルバーリムよく似合う。その通りです。とてもよく似合うと思います。クラシックなスタイルは自転車の原点のように見えます。クロモリフレームのオーナーさんはシルバーホイールを探しておられます。

セラーが協力してくれたシルバーリム

そこでいつも買っているセラーさんにキンリンのアルミシルバーリムを探してほしいと連絡しましたら手配できるリムは今これだけあるということでした。すべて購入しました。

精一杯頑張ってくれました。今は本当に自転車部品が欠品しているようです。あるところにはあるのかもしれませんが一般にはないと判断していいいと思います。シルバーリムを持っておられるところはとても高価です。残念ですがタイムリーに適量を仕入れるカンバン方式はもう通じません。送料を加えるとカーボンリムと変わらないくらいの値段になります。在庫しておられるところは鋭く時代を見る目をおられます。

今回購入数は沢山ではありませんが協力してくれましたセラーさんに感謝しています。

リムが届きました

キンリンのXR22T/RTを20本届きました。場所がいりますのでこのくらいの数しか発注できません。

今までのキンリンのリムはつやがありましたが今回のリムはマット仕上がりでつやがありません。落ち着いた雰囲気です。実はこのつやなしリムは初めての発注です。

XR22T 20h 474g

XR22RT 24h 458g

通常のキンリンのつやありリムとは違います。DT RR411の梨地リムとも違いおとなしい雰囲気です。なんとなく高級感があります。つやアリのほうが440gですので今回は少し重くなっています。その分剛性も高いと思います。何事も一徳一失です。

 

普段よく話すメカニックさんから教えて頂いた情報では日本のサイクル事情はガラパゴス状態で世界のロードバイク事情とは少し違うようです。

 

最近でこそディスクホイールが増えてきていますがまだまだリムブレーキの人が多いと思います。ワールドサイクルチームのユンボ・ヴィズマバイクはDURAのリムブレーキホイールを採用されています。

 

メーカーの戦略としては皆さんディスクに替えていただいて新しい需要を作り出していきたいでしょうが世界のトップ中のトップチームがリムブレーキ採用ですのでホイール事情はまだまだ混沌とするのでしょうか。

 

話がそれてしまいました、届きましたXR22T/RTのリムは剛性があり登りにも使えるホイールとしてお勧めしています。10万円以上のホイールと十分対抗できるホイールが3万円台で作れますのでいいリムと思います。

カーボンリムが届きました

ライトバイシクルのカーボンリムが6本届きました。まだまだコロナの影響で時間が掛かっています。

すべてチューブレス用の穴なしリムです。1本は2:1組用のリムです。このリムは穴のあけ方が通常のリムとは違います。

通常のリム 向きは右左右左と開けてあります

2:1組専用 穴の向きが違います

リムの穴あけはスポークの方向に応じて少しだけ角度をつけて穴が開けられています。この穴開けですが通常のリムではスポークの方向が右左右左と交互に開けられています。しかしながら2:1組の場合写真のように違います。

いわば専用の穴あけとなります。通常のハブには使えません。

リムをオーダーするときに2:1組用と指定しますと応じてくれます。知っておかれるとよいかと思います。何回かのメールでのやり取りで決めるのですがとても丁寧な対応です。参考にしてください。

チューブレスカーボンホイールのエア漏れチェック

私が今使っているカーボンホイールはLightBicycelのリムを使ったチューブレスホイールです。ニップル穴なしのリムを使っています。このため穴はバルブの穴だけです。

作るのに少し時間が掛かりますが手間かけただけは良いところがあります。

 

前輪にはタイヤインストール後シーラントは入れていません。後輪にはシーラントを入れました。

どちらが空気を長く保つか調べてみました。

結果はほぼ同じです。

このチューブレスカーボンホイールはシーラントなしで結構長持ちます。

今回はリムハイトが46mmですが次回は56mmで試そうと思います。

カーボンリムやっと届きました

1月23日に注文しましたカーボンリムがやっと本日届きました。

後輪24h478g 25mm幅 43mm高

前輪20h483g 25mm幅 43mm高

中国から届いたのですがとても時間が掛かりました。

仕方ないことですがまるまる2か月かかったのです。届いてよかったです。一度だけ謝りのメールが来ました。連絡もあったのでいつか届くだろうとゆっくりしていました。

今回もテストで購入です。メーカーは違います。

当たり前のことですがカーボンリムの場合日本の商社はメーカーがどこですと発表しませんので正確にはわかりません。はっきり言えませんがおそらく同じところと思います。

チューブレス用 ニップル穴なし

チューブレス仕様でニップル穴のないリムです。

ホイールを作るのはちょっと大変ですがリムテープは要りませんので作り甲斐のあるリムです。25mm幅43mmハイトで480g前後です。

今中国に注文すると届くまでに非常に時間が掛かります。飛行機の便が少ないのが原因と思います。生産はおそらく徐々に回復していくのだろうと思いますが物流が止まっているようです。当分こんな状態が続くのでしょう。

Light Bicycleリムが届きました

カーボンホイールを作ろうと思い注文していましたリムが届きました。私にはちょっといい値段です。

リム高46mm 幅28mmのチューブレスホイール用のリムを注文しました。

すこし凝ったホイールにしようと思いリム穴のないリムにしました。穴なしのリムを購入できます。これは面白い。

穴がバルブホール1つだけです

作るのに少し時間が掛かりますが完成しましたらリムテープがいらない剛性の高いホイールに仕上がるでしょう。

 

ゾンダにはリム穴がありません。リム重量は500gほどです。リムにニップル穴がないということがリムの剛性を高める役割をしていると考えます。

これと同じことがいえると思います。

 

今回のカーボンリムの主な役割はチューブレスタイヤ用のリムテープが不要ということですがリムの剛性を高める役割も果たしていると考えます。

 

ホイール作りに必要な道具は小さいマグネットねじです。このねじを使います。

ニップルにこのマグネットねじを取り付けます。磁石を使ってニップルを動かして取り付けていきます。

ちょっとコツがいるのですが先ず前輪が出来ましたら発表したいと思います。